最新の観てきた!クチコミ一覧

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ベケット『芝居―PLAY―』

ベケット『芝居―PLAY―』

楽園王

サブテレニアン(東京都)

2017/11/15 (水) ~ 2017/11/19 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/11/16 (木) 19:30

価格2,500円

昨年春のd-倉庫での初演も観てシカケを知っていたが、この会場ならではの演出(「あの状況」で「あんな所」からも声が聞こえる奇襲)も加わってやはり楽しい。さらにアフタートークで演出過程なども聞けてホクホク♪
新たに加わった手法に、かれこれ40年くらい前の「バイノーラル録音」(人の頭を模した形の耳の部分に無指向性マイクを仕込んだダミーヘッドマイクで録音した音をヘッドフォンで聞く)のソフトを連想した。
なお、初演時のツイートを見たら「芝居の因数分解もしくは三枚おろし」と喩えていて、我ながら「言い得て妙」(笑)。

ネタバレBOX

その構造から「小回りが利く」サブテレニアンゆえ、後半で照明を落として台詞を聞かせる時に劇場内のあちこち=客席横どころか後方の受付ブースや水場からも声が聞こえてくるのが「奇襲」(笑)。
いと、といと。〜りりあん〜

いと、といと。〜りりあん〜

インプロカンパニーPlatform

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2017/12/05 (火) ~ 2017/12/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

初日に観てきました。恋愛ものなので、自分の好み的にはどうかなーと思ってました。が、役者の方々の喜怒哀楽を見ているうちに、いつの間にか引き込まれてました。
最後のダンスもとても良かったです。

星の記憶

星の記憶

アンティークス

シアター711(東京都)

2017/12/06 (水) ~ 2017/12/10 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/12/06 (水) 14:00

独特の雰囲気で、最初は「どんな話になるのか?」思いましたが、ラストには涙腺が緩み、楽しくもあり辛くもある日常と、その日々の大切さを感じました。役者さん達も良かったです。特に須田家夫婦には泣かされました。見応えのある舞台で良かったです。

時をかける少女

時をかける少女

劇団時乃旅人

HEP HALL(大阪府)

2017/11/17 (金) ~ 2017/11/19 (日)公演終了

満足度★★★

劇場の左右の壁面までいっぱいにプロダクションマッピングを使った舞台は初めて観るのでかなり斬新でした
風景や室内、イメージなど白い舞台にクオリティの高い映像が映し出されて舞台が次々と変化する
面白いですね!可能性が広がります
これからの舞台美術は変わっていきそうな予感

お芝居自体は割とベタな印象
笑いの部分に関しては苦笑い(^^;

斬新な試みの舞台なので音楽などホンワカした単調なリズムだったので勿体ない
もう少し変えればお芝居の雰囲気も変るかなぁと思いました
役者さんも若い人が多いのか?
まだまだ荒削りな部分が見えました

ちゅらと修羅

ちゅらと修羅

風琴工房

ザ・スズナリ(東京都)

2017/12/07 (木) ~ 2017/12/13 (水)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/12/07 (木) 19:30

 風琴工房としての最終公演は、沖縄の過去から現状をド直球で扱う硬派な芝居だった。この数年こだわっているように、エンターテインメント性をタイムスリップSFという手法で見せているが、扱う内容は、これでもか、これでもか、と差別され続けた沖縄の状況である。ただし、東京から来た青年という沖縄にとっては「外部」の青年を主人公に置いたことと、霊的な語り部として佐野功を置いたことで、苦しさを感じず冷静に観ていられる。初日だったせいか、終盤に役者が少し疲れた感があったが、130分を興味深く観られる舞台だった。いつもながら、青木タクヘイの音響も見事だし、やんばるの森を再現した美術も見事だった。

レンジャー

レンジャー

ミュージカル座

光が丘IMAホール(東京都)

2017/12/07 (木) ~ 2017/12/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

1970年代の、とある特撮番組の制作舞台裏。いきなり「ゴレンジャー」のアクションシーン。「子供番組」の話? そんな雰囲気から始まりました。主役俳優が降板されるあたりから話が面白くなります。スタッフ・俳優たちの人生がその作品のストーリーと重なり合うのです。オリジナルミュージカル、やりますね。藤倉梓作品、期待通りでした。

桃テント

桃テント

ろりえ

駅前劇場(東京都)

2017/12/06 (水) ~ 2017/12/10 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/12/06 (水)

6日ソワレ(途中休憩5分込・125分?)を拝見。

ネタバレBOX

前公演『逮捕(仮)』とは全くテイストの異なった作品。
観終わった後、一体、どこをどう叩けば、これほどの荒唐無稽・ワールドワイド?な設定が出てくるんだと、エラく感心させられた。
とはいえ、おはなしのテイスト自体は、オトナのホームコメディというか、ハートウォーミングなストーリー。
主演の後藤剛範さん&加藤夏子さん、お二人の好演で、あと味の良過ぎるぐらい良い芝居となりました(二人がよりを戻す、という安易な結末にしなかったも好感!)。
共演者も、洪潤梨さん&安藤理樹さん、七味まゆ味さん、神戸アキコさん等、キャスティングの妙を充分に堪能出来ました。

それから、今回の公演、客入れ時の対応、途中休憩時・終演時のアナウンスなど、お客さんを愉しませようとする、作り手側の工夫が随所に見受けられました。
こうした試みがクチコミとなって、本公演、さらには次回以降の公演の、集客に繋がればなぁと願わずにはいられません。

最後に記録用に配役をばっ!

SP護闘…後藤剛範さん
護闘の妻ナッツ子…加藤夏子さん(『THE VOICE』の女子高生以来?)
デュオの男・A RIKI…安藤理樹さん
デュオの女・雲丹…洪潤梨さん
護闘の友人・テント屋の店長・尾倉…尾倉ケントさん
尾倉の妻…岩田恵里さん(『逮捕(仮)』での印象よりずっと若い!)
尾倉の母…久保亜津子さん
護闘の部下のSP…徳橋みのりさん
自撮りギャル?…奥山雄太さん
JAL機・機長…岡野康弘さん
副操縦士(ナッツ子の同期)…鈴木研さん
アテンダント(ナッツ子の先輩)…七味まゆ味さん
護闘の母…木村香代子さん
護闘の弟…満間昂平さん
某国のテロリスト…神戸アキコさん
某国の空港職員…山本周平さん
ナッツ子の父…松下伸二さん
ホテル・ミラクル5

ホテル・ミラクル5

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2017/12/01 (金) ~ 2017/12/10 (日)公演終了

満足度★★★★

なるほど・・ラブホの室内という舞台設定が既にして登場人物らの関係の濃密さを約束し、ノーマルな恋人同士以外の設定をひねり出した作家の工夫をしても関係の薄い設定にはならない(全くの他人が居合わせてしまう設定もなくはない=中川安奈と大竹まことが出た映画がそんなだった=が、一見うまそうな設定は正当化に苦慮し、喜劇調を免れない)。・・と考えると、設定が閃けば、話は半分決まったようなもの(なぜなら恋人でない同士が同室する必然性じたいにストーリーは埋め込まれている)。どんな設定かが勝負である(作家の心の声)。
さて、リング上には四作家の命を帯びた俳優らが、演出のコーチをくぐって、いざ出場。
一人で全作を演出というのも、一つの着目点。統一感より多様さが印象だが、各作品の個性を生かしながら全体としてのまとまりも重要。
4作中3作は音楽不使用で、時間と共に進行するドラマ。残る1作は時系列を軽やかに跳ぶタイプで、直裁的エロシーンには奇天烈な音楽が鳴った。
河西氏以外の作家の舞台は観ていたが、開演に駆け込んで程なくフェイドアウトした目ではパンフの字が読めず、上演順序を知らないまま終演まで観劇する。後で作者を照合し、意外な作風、予想範囲の作風・・嬉しい発見もあった。
この種の企画(「15 minutes made」など)は複数の作り手を並べて観られるのが魅力。取り合わせや順序も恐らく重要だろうが、今回初めて目にした「5」も一定のクオリティを見せていた。
最終的には「本音」が語られる場所が舞台である事が、作り手としてはこのシリーズの魅力であろうし、作り手側から染み出す躍動も舞台の魅力に寄与している。

ネタバレBOX

生キスシーンの多さから、想起されたのが三浦大輔の超リアルな男女の行為を伴う芝居。次の瞬間には全裸になり兼ねない勢いまで舞台上に再現し、実際脱がせたりする。通常の芝居では一定の処理を施す。それはそれで良いが「ホテルミラクル」の場合ホテルの室内が舞台。艶やかなる局面を形にする宿命を逃れられない。そこで何度か、ああこれ以上の展開は物理的な事情により、無いな、と読めてしまうのが惜しい。
また、物理的なこととして、ちょうど自分の真上にはプロジェクターがあってかなりの騒音を出していた。安ホテルの室内を表わす環境音として活用しているなら別だが、シンプルなタイトル表示だけのプロジェクターなら、考え物だ。最後の演目では何箇所か言葉が聞き取れず、もどかしさあり。
ちゅらと修羅

ちゅらと修羅

風琴工房

ザ・スズナリ(東京都)

2017/12/07 (木) ~ 2017/12/13 (水)公演終了

約2時間10分。琉球王国時代から現在までの沖縄をSFタイムスリップ形式で綴る、ド直球のセミドキュメント。手札を全て使う方針か、シリアスも娯楽もてんこ盛りで芝居の圧がある。今知るべきこと尽くし…滑走路の話に衝撃。沖縄から今の日本が見える。

ネタバレBOX

米軍が普天間基地移転の条件とする長い滑走路は、辺野古には作れない。だったら那覇空港なのか。いや沖縄を含む国内12か所が既に候補になっている。2017年9月にわかっていることだそうです(台本より)。
グレーのこと

グレーのこと

ONEOR8

浅草九劇(東京都)

2017/11/29 (水) ~ 2017/12/10 (日)公演終了

満足度★★★★

パンフを見ると羽田美智子とある。あれあの?と思うや羽田美智子似の女優(否当人)が冒頭から登場し、これはどういう成り立ちの劇団だったか、と一瞬目を泳がせた(多分)。そうだった、前回(世界は嘘でできている)も私は見ており、「タレントが出演する舞台」への難癖を書いた事を思い出した。
しかし、今回はアウェイ感も気遣い感も全く感じられず、舞台に集中できた。
ドラマ的には「不幸」を乗り越えて行こうのドンマイ話に着地するが、そこに至るまでの時間、ナゾをナゾとしておきながら明かす部分は明かして笑いを成立させ、ペンディング期間延長の苛々を感じさせない。着地点への「待ち時間」を楽しく過ごせるサービス行き渡った電車の旅である。
クライマックス(謎解かれた過去の事実)の情景は悪くなく、これは羽田女史を起用の狙いが判るところ。
ただ、一人親の子育ての行き詰まりは判るとして、ぼんやり火を眺めてしまった理由が、息子から「今後親を頼らない」と宣言されたその事実であるのか・・というあたりでリアルな想像が及ばない。色々と矛盾を感じるところだ。

ネタバレBOX

最大の矛盾は、自分が火元なのに自分だけ生き残り、他の住人が皆死んでしまったこと。
次の違和感は、「茫然自失」での不作為の火災なら、「こんな犯罪者を生んでしまって」云々をリアルベースの演技で言ってしまうと違うだろう。もっと悪い犯罪者は沢山いるわけで。
母親に対して息子が「あなたとは暮らさない。連絡先も教えない」という宣告じたい、どういうシチュエーションでそうなるのかが判らない。もっと別な母親像でないと息子はそんな事言わない。
アパートの住人と息子との本当の関係もいまいち見えてこない。だから母の本当の「罪」についての診断も下しようがない。

等々、難点は色々あるにしても、役者の演技は達者なものでその魅力を引き出す舞台にはなっていた(苦しいか)。
高速を降りて、国道を2キロ走った、モミの木に囲まれたカフェレストラン

高速を降りて、国道を2キロ走った、モミの木に囲まれたカフェレストラン

初級教室

OFF OFFシアター(東京都)

2017/11/29 (水) ~ 2017/12/03 (日)公演終了

満足度★★

 ファーストシーンが異様な始まり方をし、開演前に見ていた舞台美術が結構しっかりしていただけに、その後の展開での演出の手際に不満を持った。

ネタバレBOX

リアルを装っているだけで、リアリティーを感じられなかったからだ。TV番組程度であれば、この程度の演出でもOKだろうが舞台でこれはないだろう。というのも、ヒロインの聖美が本当に知恵遅れであるなら、意地の悪いというか、サディストの気のあるシンノスケが命じる結構複雑な言いつけを一度も間違わずに遂行できる訳が無いし、大体、自分の不安定な立場が良く分かっているリアリストのシンノスケが、待遇に不満を持って店を潰そうとしていない限り、厚労省に注意でもされれば、一発で店が潰されるような、不衛生なことを平気でする訳が無い。(聖美の捨てたナプキンがゴミ箱に入っているのを恰も再利用しようとするかのように態々取り出したり、客が捌けた後片づける際にゾンザイに扱ったナプキンスタンドから床に落ちたナプキンをキチンとゴミ箱に捨てなかったり。そもそも、ちょっと気の利くウェイターならナプキンスタンドの外側に指紋のつくような持ち方もしない。)
 また、養護施設で育った聖美が、このカフェレストランのオーナーを父として慕っているという設定にも無理がある。というのも、知恵遅れではあっても、聖美の感受性は鋭い。そのデリケートな子が、こんなに身勝手でエゴイスティックなオーナーを慕うハズが無いのである。もうちょっと作家も演出家も人間観察を必要としよう。マスターの余りにも身勝手なキャラクター設定が露わになってしまうことで、観客をして観察眼ばかりを鋭敏化させてしまう。作品が背理をその目的として作られているならいざ知らず(説明文を読んでいる限りではそれはありそうにない)順当な路線を狙っているのなら、これは失敗作と言えよう。
まるてん

まるてん

劇団龍門

明石スタジオ(東京都)

2017/12/07 (木) ~ 2017/12/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

 Aを拝見。

ネタバレBOX

物語は若くして白血病を発症した娘と母が専門病院を訪れ20代前半で骨髄性白血病と診断され余命半年を告げられる所から始まる。
おかしなもので、人間、死を突き付けられるまで案外そのことを自分の問題として意識しないものだ。娘は、何故自分が、この年で? と不合理に思い、理不尽だとの感覚を抱く。放っておけば余命は半年、化学療法を受ければ延びる可能性はあるという。母は1日でも長く娘に生きていて欲しい。その為には何でもする覚悟であった。一方、癌や血液の癌と呼ばれる白血病の治療は、かなり副作用も出、厳しいものであることは周知の事実。毎日の検査や点滴、延々と続く化学治療の耐え難さと、何の為に辛い思いを堪えて生き延びているのかが分からなくなれば、その生は単に生きているだけということになってしまう。悩んだ母子は、ホスピス、ひまわりに転院することになった。
 院長はやはり元癌治療の専門医として病院に勤務していたが、病院の技術的なケア中心の医療に限界を感じてこのホスピス・ひまわりを立ち上げた人であった。そのモットーは、患者が命を終えるその日まで、その人らしく納得づくの人生を全うする為の応援団長であること。その為に真っ直ぐに患者に向き合い、患者がヴィヴィッドに生きられるようホスピス内でかなりの自由を与えていた。治療法も薬物療法や放射線治療よりも、傷みが出た時の緩和等が主であり、生きている間、患者自身が納得できる生活を送れるよう応援するというスタイルである。つまり死を前にした患者たちの心理サポート、患者同士の人間関係構築などに重点が置かれていた。
 入所患者の中には、世界中を笑いで一杯にしたいと夢見る芸人、ゲイ、大きなヤクザ組織の組長、オミズらしき女、自閉気味の女などが居り、ホスピスサイドには、院長以下、看護師、ボランティアスタッフ等が居る。
 ゲイの患者は、2人居たが白眼視され続けて来た者同士当然仲が良い。その片割れが先に逝ってしまった。残された方のダメージは深刻である。この辺りの脚本の書き方、演者の表現も実に深い。更に、お笑い芸人だった患者は、看護師や医師の制止も聞かず院外に出ては酒を飲んでいたのだが、新しく入った件の娘と恋仲になる。この二人の恋の場面も素晴らしい。互いに体を壊している身だから、恋はプラトニックなものだが、それだけに純粋で、互いを思う気持ちの強さが嫌も応も無く観客に迫り涙を誘う。今作のタイトルもこの恋人たちの科白から採られている。
 上演台本を拝見した訳ではないが、かなりゆったりと書かれた台本のように思える。が、伏線の敷き方、肝心な所での演出の見事さ、何よりも根底に流れる人間としての温かさが素晴らしい。脚本、演出の良さのみならず、無論、役者さんたちの演技も素晴らしい。和興さん、村手さんは無論のこと、恋人役の二人末岡さんと中村さんらも胸に沁みる演技をしてくれた。他の役者さんたちも皆、自然体でレベルの高い演技である。
「ベルナルダ・アルバの家」

「ベルナルダ・アルバの家」

無名塾

無名塾 仲代劇堂(東京都)

2017/11/23 (木) ~ 2017/12/03 (日)公演終了

満足度★★★★

初めて降り立った東急線用賀駅から、住宅街の中に構えられた「劇堂」へ辿り着き、潜り込んだ。初めてというのは何にせよわくわくする。不安もある。ゆったりとした玄関ロビーから住宅内のような部屋を通って入れば、立派な劇場、否劇堂である。
叩き上げの仲代達也はエリートの加藤剛とは出来が違う・・と私の居た中学校の教師(演劇部顧問や地域の演劇鑑賞会もやっていた)が言っていたが、成人になってからは「過剰な演技が臭い」と言う声も聞いた。
そんな昔の事をふと思い出したのは開演直後。今回演出も手がけた小間使い役がいかにも「型」で表現しようとする演技を繰り出す。関係性が判らず困惑する。仲代の塾はそうなんだ・・と見ていたところが次第に「言葉」が物語を伝え始めた。冒頭の違和感いつしか解消のパターン。ある種の劇世界のルールをざっくりと見せる、という手法であったかと思う所も(好意的解釈・・後付けかも知れんが)。
次に思い出したのは、同じガルシア・ロルカ作『血の婚礼』。どちらも「家」が舞台だ。家というコミュニティと他者(略奪者・侵略者)を巡る物語と見ることが出来る。
どこからそう確証したのか明言できないが、やり取りを聞く内に、これが近代的な法支配の埒外の時空であると感じる。貨幣は頻用されず土地と作物、交換価値のあるものとの交換によって暮らしが営まれており、ある場合には若い女性も交換、また略奪の対象となる。
ベルナルダ・アルバ(未亡人)の家の年頃の娘たちは、一人の男を巡って利害対立状態にあり、許婚であるはずの娘、思い募りながら諦めた娘、そして陰で男と逢っていた娘、この構図が薄明かりの中にぼんやりと輪郭が浮かび上がるように、次第に見えて来る。そして明白になったと思いきやドラマは一気呵成にラストを迎える。家の中は身内、外は敵だ。娘は「内」になろうとする男と密通する事で男と共に「敵」となり、ただし態度を明白にしたのは事実が露呈した瞬間であり、今まさに男が娘を連れ去ろうと迎えに来ようとする時。そして悲劇の結末を迎える。『血の婚礼』(新国立劇場研修所公演)の時ふと嗅いだ気がした「血」の匂いがした。原初的で赤裸々で、実はその黒々とした人の群れの中に自分も埋もれ、そんな存在である人間を、審判しようとする観客は恐らく居まい。静かに慈しみ、愛おしむ事しか出来ない。・・劇堂での、女だけの芝居は、この結末に辿り着かせてくれた。

ネタバレBOX

一人年輩のベルナルダ・アルバを演じた岡本舞という名には覚えがあり、声と喋り方から、中原俊監督『櫻の園』の演劇部顧問の役の女性に思い当たった。風貌ではなく音の片鱗から、眠っていた記憶が呼び覚まされ、懐かしい思いと同時に人間の個体識別の力を思わせられた。
が、若手の女優の一人は終盤になって「そう言えばどこかで」と思い出し、調べるとどうやら温泉ドラゴンの先の公演。・・識別力というより、若い頃の記憶力はえらいという事か。

十代の頃から認知していた唯一の劇団名「無名塾」を漸く目にしたという感慨もあって、やや興奮気味に会場を後にした。
風紋 ~青のはて2017~

風紋 ~青のはて2017~

てがみ座

赤坂RED/THEATER(東京都)

2017/11/09 (木) ~ 2017/11/19 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/11/11 (土) 19:00

座席J列6番

旅に病んだ宮沢賢治が投宿した3日間の物語。語り口、装置なども含めててがみ座ど真ん中で「亡くした大切な人への想い」がしみいる。
装置と言えば窓のデザインに鵺的「奇想の前提」を連想。また、照明もステキ。(やはり今年のトレンド?)

墓掘り人と無駄骨

墓掘り人と無駄骨

MCR

ザ・スズナリ(東京都)

2017/11/08 (水) ~ 2017/11/13 (月)公演終了

満足度★★★★

想像のつかない劇団名の実像を垣間見ようと、タイトルにも惹かれて観劇。吐かれる言葉にはもっと凝縮、あと少しばかり推測の範囲の先を行くチョイスが欲しかったが、この多弁はドラマをある感動に押し上げるのに必要な量でもあったのかな・・そんな感触もある。はっきり言ってストーリーは追えなかった。終盤までは重ならない二つのドラマが、最後に繋がるのがオチで、人間の感動の類型の一つ「統合」に該当する。
ただ、メインの筋と従属する筋とがあり、メイン筋での主たる問題が、従属筋との統合を果たした時点で、どうなったのか(宙に浮いたのでは)が今ひとつ判らなかった。
幾つもの趣向が凝らされていたが、それらが劇団の特徴なのかどうか。途中注意深く観られない時間が生じ、掴みそこねた。

冬雷

冬雷

下鴨車窓

こまばアゴラ劇場(東京都)

2017/11/08 (水) ~ 2017/11/12 (日)公演終了

満足度★★★★

アゴラ劇場でお馴染みになった感もあるユニット。関西方面の純文学系演劇(軽率な呼び方ではあるが)の書き手として独特な味をみせる。
最初見えている、親族や知己が集うある種理解可能な光景の背後に、あるいは水面下に、生じているドラマを想像させ、想像させたまま答えは半分明かし残りは明かさずに終わる。後半にねじ込まれた伏線が回収されるのが終盤だからそれはやむを得ないかも知れないが。
焦点が過去なのか現在なのか・・、勿論「未来を見通す」べき現在が、過去から離陸しようとする「時」はそこはかとなくあるが、人はそうたやすく変わるとは限らない。その変わらない代表選手は、舞台となる小さな町の議員に立候補すると吹聴する変人。(元?)唐組俳優・気田睦が演じ、ドラマに不穏な要素を与えていた。

星の記憶

星の記憶

アンティークス

シアター711(東京都)

2017/12/06 (水) ~ 2017/12/10 (日)公演終了

満足度★★

期待していたような絶望と希望の物語ではなかったなぁ。それぞれの物語もあんまりリンクしてないし、タイトルのエピソードもとってつけたようだったし。

ペール・ギュント

ペール・ギュント

世田谷パブリックシアター+兵庫県立芸術文化センター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2017/12/06 (水) ~ 2017/12/24 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/12/06 (水) 19:00

プレビュー観劇。字幕とか言葉の壁は全く不安無し。
感じる舞台。受け取る舞台。落とし込む舞台。A man's lifeを描く中で、観ている自分が、何かからどんどん解放されていく不思議な感覚を覚えました。表現に好みが分かれそうですが…初日以降、観る度に異なる世界を見つけられそうな予感。
このようなエネルギッシュな演出を初めて観たので軽いショックを感じていますが、とりあえずリピートしなければ!と思っています。
役者さんの表現力に拍手。

ネタバレBOX

役者さんが体当たりの姿で表現する場面が重なると、観ている自分がおおらかな気持ちになっていきました(笑)
そこまでやらなくても…とも思うけど、変な興味ではなく、芝居ならではの楽しみを堪能したい。(個人的にはあんなリアリティは好みではないが)
心魂ジュークボックスライブ

心魂ジュークボックスライブ

心魂プロジェクト

榎の樹ホール(東京都)

2017/11/11 (土) ~ 2017/11/11 (土)公演終了

満足度★★★★★

とてもあたたかい家庭的なライヴでした。昼夜の部で6時間は歌ってもらいました。すべてのお客さん全員のリクエストを熱く答えてくれるなんて、楽しかったです。また、是非、この企画をお願いします❗

常習盗賊改め方 ひなぎく見参!

常習盗賊改め方 ひなぎく見参!

劇団小豆組

JMSアステールプラザ 中ホール(広島県)

2017/12/02 (土) ~ 2017/12/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

部活の後輩二人と日曜日の方を見に行きました。
後輩は初めて演劇を見たんですが、とても楽しんでもらってたので、行って良かったです。

私ははじめて小豆組を見ましたが、うわさ通り殺陣が上手だと思いました。

内容は少女漫画だから分かりやすく私達のような若者には分かりやすく良かったです。

私は見ていて何度も泣いてしまいました。
雛菊と小梅の所や音々の所で号泣でした。
後輩に泣いているのをバレないようにするのが大変でした笑


雛菊役の人は高校三年生と知ってビックリしました。凄い量の台詞を覚えてるし、めっちゃ上手でした。しかも可愛かったです!

でも、一番好きだった役は音々でした。
あんな娘が欲しいです笑笑


そして最後にキャストが見送りをしていて嬉しかったです。やっぱりキャストと写真が撮れるのが小劇団の良いところです笑笑

今回の劇はめっちゃ良かったです🎵
楽しい劇をありがとうございました。

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