高速を降りて、国道を2キロ走った、モミの木に囲まれたカフェレストラン 公演情報 初級教室「高速を降りて、国道を2キロ走った、モミの木に囲まれたカフェレストラン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

     ファーストシーンが異様な始まり方をし、開演前に見ていた舞台美術が結構しっかりしていただけに、その後の展開での演出の手際に不満を持った。

    ネタバレBOX

    リアルを装っているだけで、リアリティーを感じられなかったからだ。TV番組程度であれば、この程度の演出でもOKだろうが舞台でこれはないだろう。というのも、ヒロインの聖美が本当に知恵遅れであるなら、意地の悪いというか、サディストの気のあるシンノスケが命じる結構複雑な言いつけを一度も間違わずに遂行できる訳が無いし、大体、自分の不安定な立場が良く分かっているリアリストのシンノスケが、待遇に不満を持って店を潰そうとしていない限り、厚労省に注意でもされれば、一発で店が潰されるような、不衛生なことを平気でする訳が無い。(聖美の捨てたナプキンがゴミ箱に入っているのを恰も再利用しようとするかのように態々取り出したり、客が捌けた後片づける際にゾンザイに扱ったナプキンスタンドから床に落ちたナプキンをキチンとゴミ箱に捨てなかったり。そもそも、ちょっと気の利くウェイターならナプキンスタンドの外側に指紋のつくような持ち方もしない。)
     また、養護施設で育った聖美が、このカフェレストランのオーナーを父として慕っているという設定にも無理がある。というのも、知恵遅れではあっても、聖美の感受性は鋭い。そのデリケートな子が、こんなに身勝手でエゴイスティックなオーナーを慕うハズが無いのである。もうちょっと作家も演出家も人間観察を必要としよう。マスターの余りにも身勝手なキャラクター設定が露わになってしまうことで、観客をして観察眼ばかりを鋭敏化させてしまう。作品が背理をその目的として作られているならいざ知らず(説明文を読んでいる限りではそれはありそうにない)順当な路線を狙っているのなら、これは失敗作と言えよう。

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    2017/12/08 01:24

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