生きてるうちが華なのよ TAIAI
グワィニャオン
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2023/11/15 (水) ~ 2023/11/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ゾンビものは、以前テレビで観たことがある。
ゾンビを殺しまくる残酷なもので、今回もそうなのかと思い込んで行った。
しかし、いい意味で違い、こういう風なつくりが出来るんだ、と感激。
とてもおもしろいです。
前置きがやたら長い芝居もあるが、すぐ本題に入りムダがない。
おかしくて爆笑するところもどっさりある。
皆さん、大笑いしてました。
シリアスな場面では、考えさせられた。
ラストのところは涙を誘い、ホロリとした。
役者さんの熱演が光り、超満席でした。
この劇団さんは前回もかなりおもしろかったが、今回は個人的にはさらにおもしろかった。
超満足でした。
この続編もありそうな感じの終わりかたで、是非、つくってほしいです。
ムダは全くないのだが、もう30分短いと助かります。
老体には少しキツイです?!
「ハロー、レビー!!」
Oi-SCALE
駅前劇場(東京都)
2023/11/15 (水) ~ 2023/11/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
父に献身的に尽くして生涯を終えた母と
愛犬の記憶と認知症の父が見る幻覚
虚実がないまぜに描かれる歪な家族の絆と
生死にまつわる深淵な物語・・・そのまま説明通りでした
珍しく客席を対面にした中央舞台でのセットで
中央にテーブルと周囲にランプスタンド多々
周囲に小物=小道具を置いての1時間15分の作品
なかなかにインパクトあったなぁーと
客層は静かなんだげど~何か緊張感漂う感じで
男女比年齢層共にバラバラでありました
奇跡の人
ホリプロ
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2019/04/13 (土) ~ 2019/04/29 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
全身全霊で、体のすべてが音となって
届けられるセリフは響いてくるもののエネルギーの
強さを感じた。そのエネルギーを伴っての繊細な言葉遣いもあるし、どの言葉も心揺さぶられる。
ヘレン約の梨央ちゃんの喋らない。体現だけで気持ちを表現するという難しい役なのに、それでも伝わってくる心の動きに観てていろんな感情が生まれる
結晶
劇団5454
赤坂RED/THEATER(東京都)
2023/11/10 (金) ~ 2023/11/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い、お薦め。
概要は ⽣殖科学に係る物語のようで、「ベイビーラボ」と呼ばれる人工⼦宮施設を介してヒエラルキーを描いているような問題作。説明にある「人工子宮児が『コールドベイビー』と呼ばれ、忌み⼦として扱われていたのも遥か昔のこと」という未来の観点で描いたSF。いわば<出産>そのものの捉え方が違うが、その奥底にあるのは<人>に対する優劣もしくは偏見といった歪な世界観が透けて見える。
上演前、舞台セットの写真撮影が可である旨 案内があった。中央 上部から細長布を円柱状に垂らし、幾つかの透明なチューブ、まさに人工⼦宮施設らしきものを作る。その台座にあたる所は芝(グリーンジュウタン風)であり周りに蔦 葉が巻き付いている。
物語では、現代の「出産児」は珍しく「コールドベイビー」と比較することによって<人間>の在り様を模索する。人の誕生を肉体・精神・経済など多面的な検討を行い、きわめて合理的な考え方をする。それは理論・理屈の世界で曖昧な感情が入る余地がない。にも拘わらず、根幹にあたる台座は芝であり蔦 葉=自然を表している。未来と対比することによって現代の自然分娩、その出産と親(特に母性)の命がけの愛を確認するかのような描き方だ。その発想の柔軟性が、物語に込められた問題・課題の広さ、奥深さに繋がっているよう。
(上演時間2時間 途中休憩なし) 追記予定
マクベス
日生劇場
日生劇場(東京都)
2023/11/11 (土) ~ 2023/11/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ヴェルディのオペラの中では、それほど演奏機会が多くないが、意外と面白かった。もっと演じられていいと思う。そもそもシェイクスピアのマクベスが見せ場の多いドラマチックな芝居なので、ヴェルディのオペラの作風とぴったり合う。
一幕はマクベス夫人(田崎尚美)の登場のアリアや、夫(今井俊輔)妻の二重唱など、伴奏なしでアカペラの部分が多い。これが意外と緊張感を醸し出して聞かせる。ダンカン王殺害が判明しての、1幕最後のフィナーレは金管などが響くど迫力で、最大の盛り上がりだった。それまでがマクベス夫妻の密談のような抑えた音楽なので、その落差が効果的だった。
二幕のバンクォー(伊藤貴之)殺害場面も見ごたえ・聞きごたえがあった。その後のマクベスの宴席での錯乱(バンクォーの亡霊におびえる)も、一種の「狂乱の場」になっていて、音楽的にも聞かせる。二幕冒頭だったか、一幕だったか忘れたが、マクベス夫人が権力欲にとりつかれた野心を歌うアリアも一種の「狂乱の場」で迫力があった。
三幕・四幕はなぜか飽きてきちゃって、一・ニ幕がよかった。見ながら、「マクベス」は「罪と罰」にに散ると思った。野心から殺人を犯した犯人が、犯行後に心の平穏を失って自滅していく展開が重なる。
尺には尺を / 終わりよければすべてよし
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2023/10/18 (水) ~ 2023/11/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
「尺には尺を」を初めて観た。修道士の正体を明らかにするまで少々引っ張りすぎに思えたが、全体としてはW.S.らしい言葉の言い回しや登場人物それぞれの利己的さや滑稽さなど面白く、また意外に奥が深い。
ソニンは凄い俳優になったものだと驚いた。朗々とした口調や良く映える演技力は舞台向きと思う。
連鎖街のひとびと【11月29日~11月30日公演中止】
こまつ座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2023/11/09 (木) ~ 2023/12/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
2000年の初演、翌年の再演から22年ぶり。ソ連軍将校にいわれて、余興の台本作りに取り組む二人の劇作家(高橋和也、千葉哲也)…という設定はおぼろげに覚えているが、後は全然忘れていた。若い作曲家(西川大貴)とマドンナ(霧矢大夢)の破局を防ぐため、「ハゲを隠す坊主頭」「嘘を隠す大嘘」で、マドンナと元満州国役人の俳優(石橋徹郎)の衝撃シーンを芝居の中に組み込んでしまおうという大芝居。演劇の「キネマの天地」のように、演劇は人を救えるという思想を前面に押し出した演劇賛歌である。そこに、政府の満州引揚者を受け入れない棄民政策の告発をちょいときかせている。
後半、芝居の稽古の場面がみごとに笑わせる。石橋徹郎が長ーいロシア人の名前を云えずに口ごもったり、止むにやまれず選出家に泣きついたり、その困りぶりがコミカルかつ生々しくて爆笑に次ぐ爆笑。
『ガラスの動物園』『消えなさいローラ』
Bunkamura
紀伊國屋ホール(東京都)
2023/11/04 (土) ~ 2023/11/21 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
渡辺えり「死ぬまでにやりたい事やる企画」第二弾(勝手な命名。「ぼくらが非情の大河をわたる時」を上演した時のトークだったかでそういう意味の事を語っていた)。値が張ったが早めに予約、行ってみると特等席のような良席であった。
「ガラスの動物園」の実演は昨年のフランス語上演が初めてだったが、今回の上演(渡辺氏のアレンジが加わっていそう)はひどく納得させられた。昨年のイザベル・ユペールの母役と舞台セットでは、社会の底辺感、隔絶感が些か乏しかった。渡辺バージョンはローラ(吉岡里帆)をやや精神病みも入った痛々しい娘にし、母役の自分は一家に君臨する女王(自分では献身的だと思っている)、これが見事であった。語り手のトム(ローラの弟、尾上松也)は、父親のいないこの家庭での生活に倦んでいるが、回想シーンとして全編が演じられる戯曲の構造を反映して松也を各所で見守り、黒子的に手を貸す役目に付かせている。コントラバス、バンドネオン、ヴァイオリンの生演奏も、演奏者と絡ませる演出もスタイリッシュでユーモラスで救いのない悲劇の物語を包み込んでいる。
別役実作の方は「ローラ」とあるからこの作品に寄せた翻案された作品だろうとは読めるが内容は知らず。果たしてバランスが取れるのか、同時上演が成り立つのか、不安ながらに期待して観た。笑いでコントラストを付けるのも手だ、、とそちらの予想は外れ、思索に誘う抽象度の高い作品、これを演出がどう締め括ったか。ネタバレしないでおく事にする。
ハムレット
明治大学シェイクスピアプロジェクト
アカデミーホール(明治大学駿河台キャンパス)(東京都)
2023/11/04 (土) ~ 2023/11/06 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
明大シェイクスピア二度目の観劇。月曜の千秋楽を観せてもらった。四大悲劇で最も有名なハムレットはやりではあるが男役が殆ど(女性はガートルード、オフィーリアのみ)。それでも女性の男役はホレイシオくらいか。男手の多さは目を引く。芝居的には性別よりは年齢的ハードルが大きい。クローディアス等中年男のいやらしさ、もとい風格を醸すには。
大ホールと言える劇場には宮殿内部が横広、中央がやや高程度の二階立て、踊り場的スペースが上手に。中央は階段。その上が王座にもなるが幽霊の出る森にも。
ハムレットの初登場は新王が妻を侍らせ演説する中、平場の端っこに腐った様子で立つ。父が亡くなって喪が明けぬ内に母は叔父とくっ付いた、と独白(毒吐く)。
新王曰く、先王逝去の悲しみが癒えぬ時ながら我がデンマークも内憂外患、我々は先へと進まねばならぬ、ガートルードを我が妻に迎える事にした(拍手)云々の(原作を知る者には)憎らしい台詞、そして唯ならぬ亡霊の出没に慄く家来達がこれを王ではなくハムレット(直属の家来かつ友人でもある)に聴かせる事で「疑惑」がこちら側だけの了解事項となる見事なお膳立て。旅一座を使ってその確証を得るまではサスペンスであり、復讐への道が開かれると思うや敵も去るもの、迂回を余儀なくされ、出し抜かれるも生還した、さあいよいよと最終段階に差し掛かって不吉な予感、先手を打たれ敵を倒すも非業の死。誠実に辿って描いた明大シェイクスピア。
管弦楽器での生演奏、途中の遊びのシーン(ローゼンクランツとギルデンスターンなる今作中最も哀れな登場人物の浮薄な描写、墓掘り人のシーン等)もしっかり作り込み、全体には学生演劇らしい背伸び感はあるものの役に迫ろうとする直線的エネルギーは若者のイノセンス。
今回は番外編的企画も多々あり、そのバイタリティに敬服する。
『幸演会』公開通し稽古
オパンポン創造社
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2023/11/15 (水) ~ 2023/11/15 (水)公演終了
満足度★★★★
流石オパンポン 平日にも関わらず満席に近い入り
本番も拝見したが、今回の方がすっきりしていた感じ(大道具なんかもなかったし、演技を集中して観れた)
大阪を離れるのは寂しいが、野村さん頑張って👊😆🎵
結晶
劇団5454
赤坂RED/THEATER(東京都)
2023/11/10 (金) ~ 2023/11/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
観て良かった。
素晴らしいお芝居だった。
とても満足でした。
最初はあまり期待せず、どうせ架空の未来のお話だろうと軽い気持ちで、劇場に向かった。
しかし、観ていくうちに、あり得ない話ではなく、ほんの少し経てば、本当にこうなるのではと思った。
おもしろ過ぎでグイグイ引き込まれてた。
観ていて怖くなってきた。
リアルでした。
人間のエゴや身勝手さが、このようなかたちで現れたら...
[ベイビーラボ] というのが、観る前は気になったが、なるほど...
いつの日かこうなると...
人間はどういう感情を持ち、どういう行動を起こすのか、観ていてとても考えさせられた。
とても良い脚本で、ストーリーでした。
体調が悪くなり、制作のかたで受付スタッフのかたに助けて頂きました。
良くして頂き、感謝しております。
本当に有難うございました。
無駄な抵抗
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2023/11/11 (土) ~ 2023/11/26 (日)公演終了
皇国のダンサー
劇団黒テント
ザ・スズナリ(東京都)
2023/11/01 (水) ~ 2023/11/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「亡国のダンサー」(2017.3)から6年半。この年は年末に坂口氏作「浮かれるペリクァン」と劇団公演が二つもあり、春にはハット企画「シェフェレ」、年明けには滝本女史による「4.48PSYCHOSIS」と陰なる黒テント応援団にとっては嬉しい一年だった。
ファンとは言っても創立者佐藤信作品との縁は薄く、最初が「メサスヒカリノサキニアルモノ、若しくはパラダイス」(松本大洋作・斎藤晴彦演出)初演と再演で幸運な出逢いと言えた。次に観たのが佐藤氏作演出「絶対飛行機」。「亡国」はそれ以来だから15年。座高円寺では演出作品を2本程観たが、何気に抽象度は高い。今回も覚悟して臨む。
「亡国」はその空気感、絵面が魅力であった。物語の解らなさは渡辺えり子作品並みだがこちらは大きな波長での演劇的ドラマ性がある。佐藤作品は印象的な断片が連なるが詩のような構成で頭脳を刺激するが骨太さ(身体的躍動?)は感じない。読み取り力の問題だろうか。
「絵面」と言えば服部吉次氏の存在は記念物指定ものである。(演出も間違いなくこれをどう活かすかを考えたろう。)外見からの観測だが齢八十になりなむとする小身が軽やかにステップを踏む。コールでの礼の絶妙な間合い(希代の一座が鳴り物入りで芝居を打ったような、団員の面映い顔も仄々として来る送り出しであった。)
無駄な抵抗
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2023/11/11 (土) ~ 2023/11/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
一日中一つの電車も止まらなくなった街の駅前に円形劇場風の広場がある。そこに登場するのは黒い衣装の女性占い師と、駅の掃除管理員、何もしない大道芸人、探偵。四人の人物を軸にそれぞれの同級生や、探偵に探られる一家、孤児院から社会に出た兄妹などが現われて、それぞれの物語が、交差しながら語られていく。2時間の上演中、舞台は変わることはなく、登場人物は10人。
いつものイキウメと違うのは、この間舞台で天変地異(地震とか遊星が降るとか、登場人物によって起きる異常現象とか)は起きない。登場人物の境遇は、現在の社会から落ちこぼれた不幸な環境と経歴を持つ人たちだが、彼らは普通に暮らしている。で、何が起きるか?
何も起きないのである。これはネタバレでも何でもない。そう解っていても、人はこういう止まらない電車の駅のある場所に生きているのだ、いや生きざるを得ない。
「孤独な抵抗」は、いままでのイキウメとは違う舞台で、現代社会で課せられる個人のテーマが描かれている。
ちょっといつもと勝手が違っていつもは生き生きと演じている俳優たちもちょっと勝手が違う感じであろ。現代の「ごど待ち」である。しかし、こは次の展開を見たいものだ。駅の設定とか、駅で起きる唯一大きな事件とか、いままでのイキウメらしいところを生かして新しいファンタジーが現われることを期待したい。大入り満員だから観客もそろそろ、地球が動く、とか太陽がどうなった、とか言う話に飽きて次を大いに期待しているのだ。
「小さいエヨルフ」&「少年はニワトリと夢を見る」
突劇金魚
扇町ミュージアムキューブ・CUBE05(大阪府)
2023/10/03 (火) ~ 2023/10/31 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
木下菜穂子さん,佐々木ヤス子さん,村山裕希さん,大路絢かさん,北野勇作さんの回を観劇。
初扇町ミュージアムCUBE🎊
リタの愚かさ儚さ、アルフレッドの自己中、アスタの心の変化等、皆さん渾身の演技!
愛憎·嫉妬·後悔·様々な想いがブレンドされた公演。
ムッチャ良かった😖
げきおも秋のファン感謝祭
(企)劇団思い出づくり
東中野バニラスタジオ(Vanilla Studio)(東京都)
2023/11/13 (月) ~ 2023/11/19 (日)公演終了
WIND AND PARASOL
劇団Turbo
OFF OFFシアター(東京都)
2023/11/14 (火) ~ 2023/11/19 (日)公演終了
WIND AND PARASOL
劇団Turbo
OFF OFFシアター(東京都)
2023/11/14 (火) ~ 2023/11/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
笑った、声を出して笑った観劇は初めて
初めから終わりまで楽しかった
でも,その中で何にかじわっとする自分がいた
気持ち良い時間をありがとうございました。
ぜひ,次の作品も見たいです。
チョコレートドーナツ
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2023/10/08 (日) ~ 2023/10/31 (火)公演終了
連鎖街のひとびと【11月29日~11月30日公演中止】
こまつ座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2023/11/09 (木) ~ 2023/12/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/11/14 (火) 13:00
座席1階
時は終戦直後、日本の植民地だった中国・大連に取り残された日本人の物語。「きらめく星座」などのように戦火の足音が聞こえるような戯曲ではないが、背景には戦争があり、庶民を明るく描いた物語だ。22年ぶりの再演という。
連鎖街と呼ばれる繁華街のホテルで二人の劇作家が、占領軍ロシアの関係者の前で演じる30分の余興的な演劇の台本を書くように命じられているが、ほとんど筆は進まず、逃亡しようかと考えたりしている。どんな演劇をするのか、それぞれ新劇と大衆演劇の分野の二人だが、やっぱり気が進まないようだ。こんな設定から始まり、15分の休憩を挟んで3時間の上演。最後は人間関係の修復なども戯曲の中でやってしまうという流れで、一貫して明るく描かれている。
2幕は歌唱シーンも多く、ミュージカルを見ているようだ。そうなってくると、こまつ座初出演という宝塚月組トップスターだった霧矢大夢の実力発揮というところか。音楽はピアノ演奏だけで展開されるが、なかなかの腕前で感心してしまう。
実際は日本への引き揚げをめぐって暗い世の中だったと思うが、そんな中でもたくましく生きる庶民の姿が描かれるのは、ああ、やっぱり井上ひさしの戯曲だなあ、と安心感も抜群。