公演情報
ホリプロ「リンス・リピート」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★
五年程前にアメリカのオフブロードウエイで上演された作品の翻訳上演で、ホリプロもよく掘り出してきた、という作品ではある。日本でも摂食障害はかなりあるようなので、時期も良いと持ったか、あるいは進学ブームの時期に合わせたのか、結構いい演出に寺島、松尾と出演者もそろっている。いつもは客が薄いサザンもほぼほぼ満席である。
アメリカまでオフを観にいくのはとてもフツーの観客にはムリで、とてもお目にかかれない上演だが、これは、米・日では国情が違うからだ。そういうところが、映画では見えない(見過ごしてしまう)演劇の面白いところだ。ホホウ!とトランプ時代(一次)の風俗もの(アメリカのオフにはよくある)としてみるにはいいが、まぁ衝撃作というほどのことはない。タダのオフ。このレベルなら、日本の前衛劇のチェルフィッチュの方が、内容的には遙かに面白いしよくできている。
半端な商業劇場であるサザンのせいもあるかもしれない。芸達者の寺島も、松尾も案配を図りかねている。その点ではいつも感心する演出の稲葉も、この辺にしておこうか、と考えたのではないか。オモテトウラの思惑がいい方には向かわなかった例だが・主演の摂食障害の気配り少女を演じた吉柳は娘らしいところを出していてなかなか良かった。兄役の富本もまずまず。病院の医師の名越が居直るところは今時のアメリカらしいところが出ていて面白かった。