シスターズ、エンゲルス
劇団アンゴラ・ステーキ
STAGE+PLUS(大阪府)
2025/03/28 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
ん~ん、ちょっと分かんなかったな・・・
夏砂に描いた
miwa produce。
πTOKYO(東京都)
2025/03/28 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い、お薦め。
異なる時間軸で紡がれる慕情や郷愁、それを繊細にして抒情豊かに綴った珠玉作。登場人物は、僕・君・女・母・彼の5人。僕と君は勿論、すべての組み合わせで会話があり、長い時を経て関係性が明らかになっていく。その情景が、脳裏に鮮明に浮かび上がるという、朗読劇ならではの醍醐味。5人の喜び 悲しみ、そして驚きといった心情が手に取るようにわかる。
少しネタバレするが、舞台は 或る年の8月31日夕暮れ、人気のない海辺。物語は 茫洋と海を眺めて、街へ帰る最終バスに乗り遅れた高校生2人の淡い思い、その回顧から始まる。今となっては夢か現か、過去と現在を彷徨する。可笑しくて 優しい、でも悲しくて残酷な…。舞台技術、時間と心情を表す照明の諧調、音響は さざ波や微風、音楽は咲田雄作 氏によるギターの生演奏、この上ない贅沢な時間が舞台空間に流れ、実に気持ち良い。
(上演時間1時間30分 休憩なし)
ネタバレBOX
5脚の椅子が横並び。そして上手には別の椅子、そこにギターの生演奏をする咲田雄作 氏が座る。朗読劇ゆえ基本的には動かない。最初の登場と最後の退場時に客席通路を何人かが通るだけ。舞台上には浮き輪やビーチサンダルという夏イメージ。
朗読の情景にあわせて照明を諧調する。例えば時間の変化や5人の心情表現など、淡い照明色であり強調すべき場面ではスポットライトへ、その効果付けが巧い。同時にピアノ音楽を流し、ギターの生演奏が適宜入り情景が豊かになる。
8月31日夕暮れ、この海辺にある海の家でバイトをしていた2人。同じ高校の先輩 ー高校3年(君)と2年(僕)の会話、それぞれ淡い気持ちを抱き、将来の夢を語り合う。僕は画家を目指し、君は…それを聞きそびれた。後々わかるが花嫁になること。この時、君が僕の絵が見たいと せがむから棒で砂浜に描いた。取り留めのない会話、そして来年もここで会おうと約束したが…。君は明日、横浜へ引っ越し転校するという。
翌年、君は現れなかった。あれから12年、僕は30歳になっていた。そしてあの時と同じように最終バスに乗り遅れた女と出会った。女は途方に暮れ、歩いて街まで行くか、始発まで浜辺にいるか思案している。僕は女に話しかけ、一緒に歩いて帰ることにした(疲れたら 途中でラブホテルもあるし)。実は女は君の妹。そして君は難病に侵され入院中。病院の理学療法士であろうか、彼の治療を受け、そしてプロポーズされる。君は病気のことを知っており、だから花嫁になりたいと言ったのだろうか。
さらに、それから10年、僕は40歳になり離婚し独り身である。そして以前会った女と偶然あの海辺で出会う。女も結婚し子供がいるが離婚したと。偶然、彼は病室に僕の絵を飾って君に見せてくれていたらしい。君が亡くなったことは女(君の妹)から聞かされた。さらに年月が流れ、あの海辺に僕と女ー2人は結婚した。年を取り棒ではなく杖をついている。高校時代の淡い思い出、それも1日の…その追慕が実によく描かれている。
次回公演も楽しみにしております。
CARNAGE
summer house
アトリエ第Q藝術(東京都)
2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
水野小論さんは観る作品、観る作品、ずば抜けたセンスのキャラ造形で感服した。この圧倒的才能の女優が主催する初プロデュース公演、一体どんなものになるのか?
今作の真矢ミキさん主演版を2019年東京グローブ座、『正しいオトナたち』のタイトルで観ていた。(出演・真矢ミキさん、岡本健一氏、中嶋朋子さん、近藤芳正氏)。
四人芝居なのだが高度な言論プロレス。攻守目まぐるしく入れ替わりタッグパートナーだった筈が裏切り裏切られ一体自分は今誰と戦っているのか訳が分からなくなる。このスラップスティックの疾走感が客席をどっと沸かせる。名勝負だったと思う。キャスティングの時点で勝負あり。笑いのセンスの高さ。脚本を読んでここの何が笑えるのか肌ですぐに解るのだろう。これは天性のもので努力で身に付く訳じゃない。スピード感、タイミング、リフレイン、この小屋がジャスト・サイズ。
舞台はフランス、ヴェロニク(水野小論さん)とミシェル(小林タカ鹿氏)夫妻の家。11歳の息子、ブリュノが公園で前歯を折られて帰って来る。やったのは同級生のフェルディナン。彼の両親であるアネット(伊東沙保さん)とアラン(小野健太郎氏)を招いて話し合いを持つことに。アランは急ぎの仕事を抱えていて常に携帯が手放せない。
凄く面白いので是非観に行って頂きたい。
ネタバレBOX
開演前SEにアフリカ民族音楽。
原題は『虐殺の神』。世界情勢に思いを寄せ、社会運動に関わる文化的知識人も一皮剝けば内実はそう大して変わらないというブラック・ユーモア。
ヴェロニク 出版社でパートで働く。ダルフールについての書物を執筆中の作家でもある。(スーダン西部のダルフール地方では今尚虐殺が続いている。非アラブ系住民45万人が虐殺されたという)。
ミシェル 金物などの卸売業者。
※ブリュノ 公園でフェルディナンに前歯を2本折られた11歳の息子。
アネット 資産管理コンサルタント、夫の資産を運用している。
アラン 弁護士。顧客に大手製薬会社。
※フェルディナン 公園でブリュノを竹の棒でぶっ叩いた。
MVPは伊東沙保さんかな、と思いつつ皆図抜けていた。小野健太郎氏もたまらない。ドロー裁定か。
前観たヴァージョンは嘔吐ネタの後、酔っ払って荒れるネタばかりで後半がイマイチ盛り上がらなかった印象。今回も携帯花瓶水没からなかなか盛り上がらない。それは戯曲の構成のせいなのかも知れない。
※一番好きな台詞。伊東沙保さんが吐き捨てる「こんなあばら家」。
夏砂に描いた
miwa produce。
πTOKYO(東京都)
2025/03/28 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
えのもと ぐりむさんの脚本。極めて詩的な朗読劇である。オープニングで生ギターの演奏と歌唱。その後ギターは効果を担う。上演形態は朗読劇だが間の取り方や表情、声音等の変化で登場人物の心理をも細かに表現し脚本に描かれた内実を上手く舞台化している役者陣の演技、演出の良さが、この上演空間に辿り着く迄の都会の暗がりの持つ何とも言えない雰囲気とも呼応してグー。お勧めである。華4つ☆
ネタバレBOX
観たいではPaul EluardのL'Amourに絡めたコメントを書いたので観劇後は同じフランスの詩人、Paul VALÉRYの"Charmes"所収の有名な詩Le Cimetière marinから今作終章に呼応する1行を抜き出し書き添えておく。
La mer, la mer, toujours recommencée
VALÉRYの用いる単語は極めて簡易である。それは彼が20世紀最高の知性と称されたことにも関係するように、言語が真に厳密な表現機構を為す為にはその単語1つ1つが数学的に相互規定し合ってその内実を厳密に規定し合い意味する内容を正確に相互規定し合うことによって表現される内実に異同が起こらないことを目指したからである。従って読者に要求されることは上記のコンセプトを目指しつつ己の思惟によって為される厳密な解釈である。自分も仏語を習い始めて半年ほどでVALÉRYの原書にあたった。辞書と首っ引きであったが単語は容易で解釈に苦労した。その後、その詩行の美しさに撃たれるようになったのは矢張りBaudelaireの"Les Fleurs du mal"を愉しむようになる頃迄待たねばならなかったが。無論VALÉRYの理想は実現しない。然しVALÉRYは哲学の盲点を曝け出したことが重要だ。哲学が言語を用いる限り厳密な意味でそれが普遍的であることなど在り得ない。哲学は、異論、無数の解釈の集大成に成らざるを得ないのだ。
今作の序盤と終盤は極めてよく似た台詞でサンドイッチされているが、その内実は大きく異なる。このような差異こそ、言語の持つ曖昧さに起因しているように思われる。そのような曖昧を生きるヒトという生き物の生々流転、淀みに浮かぶ泡沫の如き存在の侘しさ、哀感、未練や何やらを下敷きにこれらを越えようとする靭さを載せてLe Cimetière marinのLa mer, la mer, toujours recommencéeと今作が響き合う。
仏語辞書を引いて各自、仏文は自分で解釈したまえ
夏砂に描いた
miwa produce。
πTOKYO(東京都)
2025/03/28 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
素晴らしいの一言に尽きます。朗読劇とは思えない、情景が豊かに浮かぶ手法。この観劇で、人の想いは永遠に消えないのだと再認識した気がします。
幽霊
ハツビロコウ
シアター711(東京都)
2025/03/25 (火) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
開演前の舞台下手奥、壁に1枚の鏡、机がひとつ。
その机に向かって1人の男が座っている。
微動だにしないその後ろ姿を見ていると、彼こそが幽霊なのかと思ってしまう。
やがてこの屋敷に棲みついて人々の人生を狂わせていく幽霊の正体が視えてくる・・・。
ネタバレBOX
北欧の名家アルヴィング家の一室。亡き夫の名を冠した孤児院の開所式を明日に控え、
夫人と牧師マンデルスが打合せをしている。
画家修行のためパリに滞在していた息子オスヴァルも帰って来ている。
屋敷の使用人レギーネは、孤児院の建設にも関った大工エングストランの娘だが、
父親が計画している新しい事業を手伝う気は毛頭ない。
牧師マンデルスが、相変わらず伝統的な倫理観に固執して夫人の人生を否定した時、
アルヴィング夫人は真実を白日の下に晒す決意をする。
すなわち
亡くなった夫は、人々が信じていた名士などではなく、放蕩の限りを尽くしていたこと、
かつて一度だけ夫を捨ててマンデルス牧師の元へ逃げて来たアルヴィング夫人を、
牧師は諫めて家へ帰したが、その後も放蕩は収まらず偽りの結婚生活を続けたこと、
亡き夫は使用人の女性に手を出して子どもを産ませ、その子がレギーネであること、
夫の放蕩と業病から7歳の息子を遠ざけるためにパリへ行かせたこと・・・。
これら積年の恨みを上辺しか見ないマンデルス牧師に一気にぶちまける。
おまけに自らも業病を患ってしまったオスヴァルは、血のつながりがあるとは知らず
レギーネに手を出そうとしている始末。
この期に及んでマンデルス牧師の「息子は父親を尊敬するべき、妻は夫を支えるべき、画家
など諦めてまともな仕事をするべき、娘は父親を助けるべき、云々」という形式的な倫理観は
滑稽なほど説得力がない。
当時の人々の暮らしが宗教と古い価値観の中にあって、がんじがらめだったことがわかる。
アルヴィング夫人に行動を決意させたものは、人生の半分を偽善に費やした悔しさと、マンデルス牧師に対する失望、息子の人生をも狂わせてしまった後悔の念だと思う。
まさに、死んだはずの「幽霊」に憑りつかれて道を誤ったのだと思わざるを得ない。
一方真実を知って、それならと前へ進もうとするのは若いレギーネだ。
医師からもう長くないと告げられて絶望の淵にあるオスヴァルが、最後にすがったのが
レギーネの愛情だったが、「こんな田舎で病人の面倒を見るつもりはない」と素晴らしい一撃で屋敷を出て行く。野心も金銭欲も旺盛で牧師様の言うことなど歯牙にもかけない言動には
爽快感すら覚える。
アルヴィング夫人は古い因習に真っ向から立ち向かった。
敵だらけの中、正攻法でぶつかったので傷も喪った物も大きかった。
これに対してしたたかなのは大工のエングストランだ。
常に利害を見て姑息に立ち回る彼は、開所式前日に孤児院が全焼してしまうという事件を
得て、出火の原因を”牧師がミサの火をちゃんと消さなかったからだ”と指摘する。
身に覚えがないまま自信を失って「牧師の資格をはく奪されるかもしれない」と意気消沈する
牧師に、私がお助けいたします、と言葉巧みに自身の事業用寄付金集めの片棒を担がせる。
日頃のご立派な説教はどこへやら、ホイホイそれに乗っかる牧師の情けない倫理観。
「太陽、太陽」と力なく呟いて意識が遠のいていく哀れな”依存心の塊息子”に、モルヒネを
託されて苦悩するアルヴィング夫人・・・。
物語はここで終わるのだが、一人ぽっちになったアルヴィング夫人はどうするのだろう。
息子も、使用人も、かつて心を寄せた牧師も、皆行ってしまった・・・。
これほどの代償を払わなければ、人は幽霊から脱却することが出来ないのか。
レギーネ やエングストランのように、庶民の方はとうの昔に幽霊から脱却している。
牧師の説教より日々の生活が優先されるのだから。
たぶんアルヴィング夫人はわが子にモルヒネを投与するだろう。
そしてひとりで初めての自由をかみしめるだろう。
孤独ならとっくに連れ添っている。
その表情は清々しく、昂然と顔を上げて生きていくのだと思う。
アルヴィング夫人役の千賀由紀子さん、ダメ夫に代わって事業を成功させるほどの頭脳と
強い意思を持つ女性を、くっきりした口跡と声で魅力的に演じて素晴らしかった。
エングストラン役の高田賢一さん、下手に出ながら牧師様をも操る卑しさとたくましさの両面を持つ、庶民のリアルさに惹きこまれた。
コンパクトになったこの「幽霊」は、私たちの今と見事に重なる普遍性を抽出して見せた。
イプセンが140年前に書いた物語は、現代と何ら変わらない様相を呈している。
タブーに切り込めば説教されて、伝統を押し付けられて、異端児扱いされる。
今イプセンが生きていたら、どんな賛否両論を巻き起こす作品を書くだろう。
ただ、現代ならば多くの劇場がこぞって上演したがるはずだ。中でもハツビロコウは。
そう願って止まない。
十二人の怒れる男たち
舞台「十二人の怒れる男たち」製作委員会
サンシャイン劇場(東京都)
2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
絶えずどこかで演じられてる古典的名作。『十二人』に影響を受けた作品もいくつか見たことがありますが、12人が激しい議論を行なわなければならなかった必然性が間接的に伝わってくるのが、この古典とその他の作品の差だと感じました。
止まれない 12 人
テノヒラサイズ
ABCホール (大阪府)
2025/03/27 (木) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
久しぶりに大王のモノローグを聴けて笑った後は、とにかく突っ走るあっという間の120分でした。ラグジュアリーな雰囲気と命がけの緊迫感のギャップが心地良かったです。枝雀師匠の「緊張と緩和が笑いを生む」という言葉を思い出しました。
ネタバレBOX
物販で雷神号の豪華な座席を限定販売していました。欲しい! 座りたい! 回したい!
十二人の怒れる男たち
舞台「十二人の怒れる男たち」製作委員会
サンシャイン劇場(東京都)
2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白かったです。ごくスタンダードな作りでした。舞台下手には陪審員たちが使うトイレも配されていました。いくつか「12人・・・」を観たことがありますが、キャラクターが強調されすぎていたり、何人かが女性に置き換えられていたりしていました。今回の「12人・・・」は映画でも観たことがある脚本に沿っていた様に思います。映画と違うところもあって、終演後にスタッフさんに聞いたところ、この脚本で上演されるのは初めてなのだそうです。
いろんな「12人・・・」があると思いますが、今後も観る機会があることを考えたらまずはこのスタンダード版を観ておくのは良いと思います。
ネタバレBOX
配役には難ありですが。舞台では誰が何を演っても、中年男性が幼稚園児を演っても、若い女性がおばあちゃんを演っても良いわけなのですが、日向野君が18歳の息子がいる様なおじさんには見えなかったのでした。スマートな彼はおじさんに見える様に太って貫禄を出した様な気はしましたが。
それでもこれは観た方が良いと思うのですが、チケットがちょっと高いかなあ。
TARKIE~伝説の女たち~
ケイローズ株式会社
有楽町よみうりホール(東京都)
2025/03/24 (月) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ビッグバンドも入れてのミュージカルレビュー。植草克秀の演出する舞台は初めて観たが、この出来なら今後も楽しみだし、錦織一清とはまた違った線で行けそう。
Better Days
“STRAYDOG”
アトリエファンファーレ高円寺(東京都)
2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
希望や苦悩を抱え、今を生きる等身大の若者を描いた青春群像劇。舞台は沖縄県伊平屋島という離島。そこで ひと夏(3日間)、島の同世代と過ごすことによって 少し成長していく少女たちの姿を清々しく描く。
東京と伊平屋島での暮らしの違い、例えば買い物や遊ぶ場所など その社会・文化などの違いを通して思考と志向の形成も描く。説明にある解答用紙を白紙で出す女子生徒の苦悩と島で暮らしている少女の希望が交差して生まれる友情。同時に、都会では味わえない雄大な自然や生命の(神秘的な)誕生を目の当たりにして、自分の悩みなど…。教師が教えられることは、授業での知識ぐらい。毎年島を訪れている理由は、学校だけでは教えられない大切なこと。
この公演は、「レモンズカンパニー」の復活を確認するかのようだ。子供たちに合った等身大の脚本(物語)で分かり易く、演出は、大人の役者が見守り支えるといった感じだ。稽古では色々な事があったと推察、それが物語の女子学生の成長に重なるよう。そして大人の役者は、引率の教師のような存在。劇中で奇妙なミュージシャンとしても登場し、子供たちの歌やダンスを客席袖から応援する姿が微笑ましい。少しネタバレするが、舞台美術は、夏らしく 左右に簾と中央奥に黒板。その黒板に日直:あかば│しげまつ と書かれている。勿論 演出の赤羽一馬さん と引率教諭の先輩役の重松隆志さんのこと。学校での教育を次世代を担う役者達の育成に重ね合わせる。その 初々しく元気溌剌とした演技/パフォーマンス、ぜひ劇場で。
(上演時間1時間25分 休憩なし) 【スカイ】
ネタバレBOX
公演は、夏季合宿を通して少女たちの心の成長、同時に「レモンズカンパニー」としての演技(力)成長、その2つを巧みに観(魅)せている。舞台美術や衣裳は、夏の雰囲気を漂わせている。
日常の暮らしを通して、東京と伊平屋島の違いを分かり易く描く。例えば、都会におけるボーリングやカラオケ、一方 離島における遊び場所は大自然(景色)。そして買い物にしてもコンビニが当たり前な都会、そん店はなく、たぶん萬屋(よろずや=ゼネラル・ストア)が島の唯一の店。都邑における利便性や環境の違いをさり気なく説明し、その中で、東京から来た少女の苦悩へ。
解答用紙を白紙で出す女子生徒、彼女は小学校の頃は学業優秀で母の期待も大きかった。しかし、母は家を出て行方知れず。今の状況を知ったら戻って叱責してくれるのではないか。一方、島で親しくなった少女の両親はスキンダイビングインストラクターだったが、今は亡い。そして卒業したら大阪の親戚の家から学校へ。広い世界を見てみたい、そんな希望を抱いている。2人の会話を通して、家庭や地域環境の重要さが浮き彫りになる。
2人の会話の最中にウミガメの産卵光景。スマホで撮影しようとするが、その光によって進む道を間違えてしまう。カメは、命(孵化)の誕生を見ることなく、生まれた子カメは自力で生きていく といった諭しに繋げる。
物語を楽しませる、それがダンスでありマイクでの歌唱。また漫才的な面白ネタや方言を挿入し笑わせる。その一生懸命な姿が、物語における少女の姿に重なる。
次回公演も楽しみにしております。
wowの熱
南極
新宿シアタートップス(東京都)
2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
煙に巻かれて百舌鳥の早贄
劇団肋骨蜜柑同好会
中野スタジオあくとれ(東京都)
2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
夏砂に描いた
miwa produce。
πTOKYO(東京都)
2025/03/28 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
波打ち際の泡、錆が浮いた停留所の表示板、風に揺れるカーテン、空耳かと思う音色と空・・・様々な情景が浮かんでは消え次の情景に・・・映像のようにイマジネーションを掻き立てられる朗読劇
こんなに胸が苦しくなる直球の恋愛ものに出逢えたのは超久しぶりかも
若い方に響くところはあるに違いないけれど、包括的に味わい尽くす事ができるのは中高年の観客ではないかと
胸がしめつけられる初恋の感覚を今一度呼び起こしてみたい方は是非
絶妙なタイミングで差し込まれる生ギターの音色
ソファー席のみならず、どの座席(自由席)にも飲物を置けるテーブルなり台が用意されており、劇場とはまた違う ゆったりした空間で舞台の世界に没頭できるというのも素晴らしかったです(飲物の注文は任意)
人生は極楽よりも極楽的である
Dotoo!
駅前劇場(東京都)
2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
昔の文豪って爛れてていいですよね(笑)
面白いけど個人的にはちょっと長いかなぁと思いました。
夏目漱石、似てますね。
痕、婚、
温泉ドラゴン
ザ・ポケット(東京都)
2025/03/20 (木) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
『痕、婚、』
痕と婚に恨を加わえ、「恨、痕、婚」ということにも出来るかと思う。韓国語だと恨はハン。誰も責められないなどと言うことでは済まされない。でもそれを変えて行くことを思い、前に進んで行くことを続けるしかない。素晴らしい上演だった。
去年10月に開いた『痕、婚、』の プレ企画 リーディング公演。『悼、灯、斉藤』の時に初めての試みとして開催した、リーディングの後に良かった点、わからなかった点を聴き手だった観客から挙げ、キャストの皆さんの意見も交えながら、創り手の原田ゆうさんと、やり取りして、改稿の参考にという試みの第2回目に参加して、発言した(と思うが)者として、戯曲を買ったので、どこに手を加え、どこをバッサリと切り取ったか確認しよう。
開演前に劇団員の方が受付に居られ、そのプレ企画のことを含め少し話をさせていただいたのだけど、えっ?友久役のあの人!と思い、終演後に確認したらやはりそうでした。まだこれで 3回目なので劇団員の方の顔、男前ばかりなので覚え切れてないので....。それにしても豪胆な 笑
夏砂に描いた
miwa produce。
πTOKYO(東京都)
2025/03/28 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
気になっていた「えのもとぐりむ」さんの脚本作品を初めて見ました。
ひと夏の淡い恋物語からその後…のお話。
脚本も良く、役者さんもリーディングなのにお芝居を見ているような臨場感があって作品を堪能する事ができました。
生歌、生演奏もとても効果的に入っていて贅沢な時間でした。
ハッピーケーキ・イン・ザ・スカイ
あまい洋々
インディペンデントシアターOji(東京都)
2025/03/13 (木) ~ 2025/03/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「不在=そこにないもの」への眼差しは外から見えるのか
ネタバレBOX
本作を観て、当事者演劇はやはり鑑賞者に安定したポジションを渡してはくれないのだと思い知った。本作には、それぞれに「ちぃちゃん」と異なる関係性を結び、それぞれ独自の当事者性を持つ登場人物が描かれているが、そのどの役柄も自分と同じ立場から「ちぃちゃん」の死を眺めてはくれない。観客は不在の「ちぃちゃん」を想像し、そこに自身の当事者性を投影する。それは中学校時代に途中で突然学校に来なくなったあの子かもしれないし、学校帰りに声をかけてくれたあの子かもしれない。それは決して誰にも見えない架空の関係性であり、本作はそういった記憶への意図しない漂流を押し進めてくる上演のパワーがあった。
「ちぃちゃん」を演じる結城真央さんの演技が印象的。所作や発言が唐突だったり、人との身体距離が妙に近かったり、プリーツを気にせず座ったり、その振る舞いが虐待サバイバーだからという説得力を持ってしても意識化されていないと演じられない小さな動作のひとつひとつが、たしかに記憶に「ちぃちゃん」がいたという実体を描き出している。不在への眼差しを観客と同一にするために、キーとなる演技を冗長な部分なくクリアに表現されており好感を持った。
全編通して小気味のいいギャグや歌のシーンが、本作の緩急をつけ、群像劇の終局に向けて集中線を引いている。それゆえに、俳優の演技の中での発話の滑舌と集中の持続力が気になった。この人数が出てくる劇構造上仕方ない部分ではあるが力みすぎた説明台詞が多い点と合わせて、今後の作品創作に期待したい。
(以下、ゆるいつぶやき)
ちょうど同時期に藤野知明監督のドキュンメンター長編『どうすればよかったか?』を鑑賞し、当事者が記憶を記述し表出することの圧倒的な力強さと、例えばこれをもって「やはり当事者に勝る表現はないのだ」と主張する根拠に使われてしまうと嫌だなという気持ちが交錯しました。当事者にしかできないことがあるのと同様、当事者以外だからこそできることもあるからです。本作の乙倉は映画監督を目指していますが、まさに当事者とは遠いところから「ちぃちゃん」を追いかけようとしており、劇中では何度も拒否されます。もし私が乙倉の友人だったら「そのへんで一旦やめといたら。それはあなたもつらいでしょ」と声を掛けるかもしれない。乙倉の理解されなさに気付いてケアしてくれる人が登場人物にいてくれたらな、とぼんやり考えたりしました。
「mariage」
おかしないえのまほうつかい
高円寺K'sスタジオ【本館】(東京都)
2025/03/28 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
初日観劇。
オムニバス5編。この演目、どのような関連性で選択したのか判然としないが、自分の解釈では、大切なものは目に見えない、そして失ってから初めて気づくといった 人の「心」や「情」を紡ぐようだ。この団体の公演は初見、オムニバスではなく 中長編の公演も観てみたいと思わせる 力 がある。
5編は、「星の王子さま」「葉桜」「ペアリング」「プロポ-ズ」「ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常」で、役者は4人。場景は椅子等の物を使用するだけで、ほぼ素舞台。オムニバスであるが、全体を通じて 人生における悲劇と喜劇の間をさまよい歩く、そんな面白味も感じられる。同時に、何となくであるが 色々な情景・状況を通して役者の演技(力)をみる試演会のような気もした。なお、設定を変えるなど 現代風にアレンジするといった工夫は感じられない。例えば、岸田國士の「葉桜」(大正期の話)などは、今風の会話(テンポ)で早口だ。いやリアルな日常会話より早く、当時の時代感覚とは合わない。台詞を早く喋ってしまいたい気持の表れか?細かいことはあるが、脚本(物語性)の魅力を体現する力はあり、飽きさせないところが好い。
(上演時間1時間35分 休憩なし)
ネタバレBOX
舞台美術は、モンゴルのパオorゲル内のような感じ。床は円形の白幕 周りはそれを囲うような白幕。演目によって椅子などを搬入するが、基本は素舞台。衣裳は、映えるような赤・黒・青といった原色で、役者の表現力を強調するかのようだ。
日常にある何気ない温かさ 優しさ、それが無(亡)くなって初めて分かる その大切さ 愛しさ。
●「星の王子さま」(作:アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ )
王子さまは バラの美しさに惹かれ 献身的に尽くすが、バラの本心は解らない。バラがそこにいて芳しい香りで包み、晴れやかな気持ちにさせてくれた。バラの見え透いた謎かけに翻弄され本当の優しさを知ろうとしなかった。つまり バラの姿を見て、香りに酔いしれるだけでよかったのだ。
●「葉桜」(作:岸田國士)
お見合い相手の、自分への気持ちを掴みあぐねて 前に進めずにいる娘と、その娘を優しく見守りつつも心配のあまり、つい口を挟んでしまう母。そんな母と娘が織り成す柔らかな心の揺れを描いた会話劇。お見合いを通して、今後の二人の行く末を考える、そんな日常の一コマが描かれている。
●「ペアリング」(作:かわせゆうき)
物語というよりは、物語間を繋ぐような意味合いを持たせているような。この戯曲は、かわせゆうき氏のもので、この演目の中で唯一のオリジナル作品。何となく とぼけたユーモアと溢れる愛情のようなもの描いている。
●「プロポ-ズ」(作:アントン・チェーホフ)
チュブコーフの屋敷に 隣人のローモフが訪れる。正装であることを不思議がるチュブコーフに、ローモフは娘のナターリヤに結婚を申し込みに来たと告げる。チュブコーフは喜び ナターリヤを呼びに行く。しかし やがて2人の間で、両家の境界線にある土地の所有や夫々が飼っている猟犬の優劣等で言い争いが…。結婚すれば関係ないのに。
●「ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常」(作:関戸哲也)
走馬灯ってどんなんだっけ…目玉焼きは半熟が好みなのに、賞味期限は厳守して、カレーは箱書きの説明通りに作って等、些細なことしか思い出せない。あんなに一緒にいたのに、あなたが覚えてるのは そんなことだけ。駆け巡る日常の中に大切な思い出が…。
次回公演も楽しみにしております。
やなぎにツバメは
シス・カンパニー
紀伊國屋ホール(東京都)
2025/03/07 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了