ペール・ギュント
世田谷パブリックシアター+兵庫県立芸術文化センター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2017/12/06 (水) ~ 2017/12/24 (日)公演終了
満足度★★★★
初めてライブビューイングなるシステムで、冒頭は欠けたが何とか「観劇」にこぎ着けた。40~50人位の「観客」のうち、98%が女性(恐らくたいはんが主婦)。2%が私。映画館の画面ではアップもあって見やすく迫力もあるが、撮られた画(たとえ生でも)と判る映像では1枚壁を隔てた感じを否めず、熱量は伝わらない。終演しても拍手は起きない(多分外国なら起きる。根拠はないが)。逆に定点で撮影し、遠慮がちにパンやズームを使う程度なら、違ったか・・これも判らないが、「制約」の中で観ている共感が醸成されたかも・・だがそれだとチケット代に不服が漏れそう、そもそもDVD化を兼ねての撮影だろうし、云々とあれこれ考えた。
終演後の挨拶で日韓合作という文句を主役の浦(あれなんだったっけ)氏が連呼していたが、手練れの韓国人俳優たちも存在感を示す。日本語でも喋るが時折韓国語で喋り、そこであの韓流コメディ特有の甘えっぽく「文句を言う」抑揚が耳に入った時、韓流流行りの全盛期とは違って聴こえるのを感知。
韓流モードで聞けば笑えただろうが、笑いに繋げる表現、そのモードを作る難しさや、表現の彼我の違いを超える事、などについてふと考えた。米国式のらしい(振りの多い)表現というものもあるが、果して押し並べてそうなのか、万国共通普遍の表現とは、とか。。
考える余地が生まれるというのも、ライブビューイングならでは?などと「考え」たり。
韓国人演出家のとにかくも才気を感じさせる箇所が随所にあり、個人的には辻田暁の舞いがかくも秀逸に舞台上に嵌め込まれていて嬉しく、両国ともに魅力ある俳優の見せ場があり、ペール・ギュントの旅というフォームを借りた大々的見世物小屋の様相。
ペールの旅は最後に望ましい場所へ導かれる旅ではない。近代演劇の祖イプセンの異色の作品だが、どことなくの作者自身の人生を老境にあって見つめた作品に感じられて来る(何歳に書いたかは知らない)。人間の生き方を厳しく問うイプセンはそこにはなく、「お前は何者であった(あり続けた)のか」と問われて答えられない老いたペールを、否定も肯定もせず、優しく結末へと誘っていた。
てんとてんを、むすぶせん。からなる、立体。そのなかに、つまっている、いくつもの。ことなった、世界。および、ひかりについて。
マームとジプシー
穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース(愛知県)
2017/03/18 (土) ~ 2017/03/19 (日)公演終了
満足度★★★★
スクリーンに流れる映像、舞台上に置かれる…時には役者が持つ「カメラ」による映像。本来、客席からの定点観測しか許されない観客に、視覚的に多彩な刺激を与えてくれます。
「同じシーン」を微妙に変えながら繰り返し、ジワジワと観る者の心を浸食してくる感覚も溜まりません。(あるいは観る側の印象の方が変わっていくだけなのかもしれませんが…)
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ネタバレBOX
幼馴染たちに降りかかった忌まわしき事件。
当事者とまでは言い難い彼女・彼らに、だからこそジワリと忍び寄り、圧し潰してくる無言の恐怖と嫌悪。
観客には、現実の災害・事件を想起させることで、彼女・彼らの心情に重ねさせている模様。
純粋で不器用な葛藤と抵抗と共感願望と選択。
忌まわしき場所から、出てゆく者がいる、留まる者がいる… 忌まわしきモノへの心の処し方、立ち向かい方の違いによる分岐を見せてくれました。思春期の苦悩に重なるような表現も多かった。
「私は成りたくない私に成ってゆく」という言葉が印象的です。
役者個体の演技による表現ではなく、感情を視覚化する多角的な演出も印象深いです。
点は人、線は人の繋がり、立体は社会、世界は人生、光は希望…ぐらいか…?
最後のはちと安易な解釈かなぁ…
なお、全般シリアスな空気が漂うのに、突如、爆発的に現れた「バスのドアに挟まれてブルブルしてるシーン」、「犬による探索シーン」の笑いに大うけ。あれは何だったんだろうねぇ。一瞬、過ぎ去った嵐(笑)
四色定理
廃墟文藝部
spazio rita(愛知県)
2017/03/09 (木) ~ 2017/03/11 (土)公演終了
満足度★★★★★
3作は初演当時に観ていた訳だけど、新作含めて4作並べると充実感ある。4女優が奏でる光と闇の感情の機微を堪能しました。
以降、4作ごとの感想をネタバレboxへ
ネタバレBOX
【私は小綺麗なゴミ箱】
「私」シリーズ元祖にして、最も切ない物語。
「私」を取り巻くIF(Imaginary Friend)と定義される3人は、精神医学上のIFよりは、「私」の自我を構成する要素の分解・解釈する手段の色合いが濃いように思われた。IFを含む4人の会話は、個人の葛藤や逡巡を分かりやすく可視化し、舞台として非常に見映えが良い。
IF3人で順繰りに言葉を継いでいくスタイルが多いせいか、初演の時は3人の性質の違いが「セリフでの表現」程の違いはないかなと思ったのだが、基本1個人の脳内であればIF相互に類似性があるのは当然と言えば当然。むしろ「私」の核たる個性を象徴するものかも。
自分を押し殺して生きてきたかにみえる「私」の、自身の行為の正当化・意義の合理化は、非常に危うい雰囲気を漂わせるが、彼を元気づけた「人生にifは無いよ」というセリフが、IFに依存する自分に言い聞かせる様でいて印象深い。
ラストの電話シーン。頭の中でIFが囁く「選択肢としての可能性」を静かに穏やかに制した理性。それを表現する「間」が好きだったな。初演の時は、ラストにもっと前進の予兆が欲しい…なんて思ったんだが、
今回はむしろ、穏やかながら…IFの囁きに揺らぐことのなかった「私」に力強さを感じた。
「結果は同じ」でも、選択したプロセスが違う…彼女は変われたんじゃないかと思えた。演出が微妙に違うのか、女優の演技が変わったのか、観客として受け取る私が変わったのか。本当にちょっとしたことで芝居から得られる印象ってのは変わるんだな。面白いよ、芝居ってヤツは。昨日も似たようなこと言ってるが、それが再演観劇の面白さだな。
【私は4色のクレヨン】
分かり易そうでいて、なんか一番捉えどころが難しい作品である気がしてならない。
起承転結の「転」となる「四姉妹の置かれた境遇」は、物語としてはそんなに意外性があるでなく、初演の時でも、途中からソレを予感させる展開だった。だから、きっとその「実は…」の設定そのものは核心じゃない気がしてきている。
でも、それ以外はさしたる事件がある訳でもなく、楽しく彩られてはいるけど、淡々とした彼女たちの人となりを示す日常の羅列。
だから、それに添えられている…半ば無意識の様な彼女たちの言葉を掻き集めて意味を探ろうと思った。
それで、観劇の感想としては邪道な気もするけど、購入した台本を読み返した。
姉妹の性格・好みがバラバラであることを強調し、それこそが共存の秘訣だったかの語り口。一方、性格の表現型はその人を表現する唯一の要素ではなく、各々の表現型が「誰にだって少しずつある」と言ってみせる。
バラバラの性格要素が個人を構成し、バラバラの性格の個人が集まることで家族という1個体がうまく機能する。面白い対照だ。血液型性格判定の話から、血縁の定めみたいなものへの懐疑へ展開するのも、設定への布石とだけ捉えるのは浅はかかな…
そして終始、「私たちは家族」という呪文を繰り返す姉妹。
舞台で見る限り、ほとんど理想的なコミュニケーションとバランスを持っているかにみえるのに…、バラバラの個人が集って機能することを実感として示していて、説得力もあるのに…、何がそんなに不安なのかと訝しく思えるほどに繰り返される「家族」のキーワード。
それほどまでに、今の幸せでは拭えないほどに、過去に背負ったトラウマが重いのか…。血縁への抗えぬ渇望を逆に感じさせて、とても切ない。
台本のおまけ小説「私はデニッシュ生地の氷塊」の終盤に出てくる「せめて…」のくだりがジンワリ沁みるのです。
姉妹に幸あれと願わずにはいられません。
【私は分裂するくらげ】劇闘版、新栄トワイライト版、そして今回の単独公演版と…都合3度観ていて、私の感じた印象がだんだん変わっていくのが不思議。
「最後、あんなだったっけ?」
というのが観た直後の感想だったのだ。劇闘版は、宮谷さん演出だから…というのもあるけど、奇妙な設定と4人の私の軽妙なコミュニケーションを楽しんだ感じが強くて、最後も天井からドサッと紙が落ちて敷き詰められ、まるで夢オチの様に「元通り」みたいな、ある種、爽快な後味だった。新栄版では、小屋の制約もあって地味めとなったが、廃墟文藝部らしいプロジェクター演出で、言葉の印象付けが巧みとの印象が主だった。
で、実はこの時のラストは
「何かさりげなく終わってしまった…」
って印象に過ぎなかったのだ、私には。そして今回。
その最終展開に、まるでサイコホラーの様な印象を強く受けて驚いた…
元に戻るのではなく、一切の自己の喪失。
穏やかな日常が始まるかの様に見えながら、
私のすべてを失って「もぬけのカラ」になった「私」がそこに居るだけ… 「今日もいい天気!」という最後のセリフがひどく皮肉に感じる…怖い後味を残した。
実は後で新栄の動画を見返したのだけど、基本やってたことは今回も変わらない。今思えば、新栄を観た時は、私は劇闘でのエンディングに意識を引き摺られてて、…核心のピースを拾えていなかったと感じた。まあ、私の目が節穴だったと言ってしまえばそれまでだし、今回の私の印象もおそらく一つの感じ方でしかないけど、ちょっとしたことで、こんなに受け取れる意味が変わるのかと…感動すら覚える。一つは女優の個性の影響も強いのかもしれない。新栄の「私」は天然癒し系の池場さんで悲壮感が薄まっていたかも。今回の瑠水さんの沈んだ虚無感の演技は、ダークな結末に相性が良かった。
それにしても、本作は、本当にエンディング次第で残す印象を大きく変えられそう。
切り捨てた私達が生き生きと活躍する様は、
「自分の嫌な性質も、切り出し方次第でポジティブに活かせる。」
みたいな前向きの結論も導き出せるし(廃墟文藝部にはひどく不似合いかも)、「分裂する私」って面白い素材だ。
【私はためらう環状線】
今回の新作。春子の感情が非常に微妙なところを漂うのを、瀧川さんが好演。彼女を取り巻く環状線は、無意識のうちに自己に形成してしまった「殻」ってトコなんでしょうか。
最初は、自分が庇護するべき相手であった冬子の成長に、戸惑い、置いていかれる焦燥感みたいなもの… 裏切られたかのような逆恨み感情みたいなものが出てくるのかと思って観ていたのですが、一切そんな感じじゃなかったですよね。
冬子は、どこまでいってもやっぱり愛おしい幼馴染であり、自分の歩んだ・選択した道に思うところはあっても、他者に責任転嫁しない春子の精神性は素敵だ。
ラストであっけなく超えてしまった線路で、春子が漏らすささやかな嘆息と笑みは、軽い自嘲なんでしょうか。彼女はこの先、環状線を超えていくのか、
それとも、なお留まってこの町で生きていくのか(それもまたアリ)…
色んな想像を掻き立ててくれますね。
なんか、4作で一番、等身大の物語な感じがしました。それはさておき、池場冬ちゃんの幼子芝居、完璧ですね。お姉ちゃんキャラと対極を行きそうなのに、なんなんでしょう、彼女に共存するこのキャラクター達は。美味しいとこだけさらっていく… ばみゅん…恐ろしい娘((((;゚Д゚)))))
ラブソング
劇団雪花火
ユースクエア(名古屋市青少年交流プラザ) (愛知県)
2017/03/04 (土) ~ 2017/03/05 (日)公演終了
満足度★★★★
宇宙船で淡々とルーチンワークをこなす可愛いいでたちのキャラ達。隠された設定を少しずつ薄皮を剝がすように明らかにしていきますが、それを気づかせる「違和感」を日常にさりげなく…適切に仕込んだ展開が心地よい。結果としてSFよりはファンタジーに近い味わい。
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ネタバレBOX
黙々と働き…その価値の有無も定かでない使命をひたむきに全うしていくモノたちに、社会での我が身を投影している様でいてとても切なく、それでも生きる意欲を繋ぐ展開が慈愛に満ちていました。クレジット以外、一切表に出ない「ラブソング」というタイトルワードに…表に出さないからこその秘めた想いが託されている様で作演の心の芯を感じます。
演出で楽しかったのは、送信を模した数字のラップかな。ガイド映像も、印象としては「前説」を、意義としてはボイジャーやパイオニア探査機を想起してギャップが面白かったですが、そんなロマンで済まされる事態ではありませんでしたね。そこもギャップ良し。
また、一貫して舞台にある小道具の箱が、最後にとても重要な意味を持つのが心憎い。「キーアイテムを、それと気づかせず最初から無造作に置く」という細工が謎解きモノとして好感です。SF的モールドで舞台の装飾的な機能を一貫して担いながら、最後に「観客の目の前に拡がる光景の意味を180°転換させる効果」を持っていて、唸りました。
私はあの箱に「機能を失って隔離されたHDD上のクラスタ」を想起しました…
後味が深い作品でしたね。
『凪の砦』総収編
烏丸ストロークロック
ナビロフト(愛知県)
2017/02/25 (土) ~ 2017/02/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
結末があまりにも壮絶。絶句というのが終演直後の正直な気持ちでした。
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ネタバレBOX
「三ツ山養生所」と称する、見た目はいわゆるポスピスの様相だが、世話をする方も、される方も実は"ワケあり"ばかりの施設。肩を寄せ合い生きていく風情は、作中で語られる「落ち葉の下のてんとう虫」という表現が言い得て妙。介護に忙殺されながらも愚痴一つ言わぬ…楽しそうと言っても過言ではないスタッフの強く明るい振る舞いが、対照的に悲壮感を滲ませる。
舞台で幾度となく繰り返される「生死の輪廻」の言葉は、本来そんな悪い言葉じゃないはずなのに、あたかも無間地獄のイメージを刷り込んでくる。死者が今なお成仏せずに普通の生活を続けるラストのイメージは、その無限地獄の体現にも映り、強烈でした。それらの「空気」を作る「役者」の力量を強く感じた芝居でもありました。話の都合で人が順に動くのではなく、各々の生活の集合で舞台が成り立っている感覚が強く、「あぁ、この人たち、みんな各々で生きているんだなぁ」と現実なら当たり前のことを、…非現実の舞台で強く実感できました。
それ故に、やはり結末があまりにも皮肉で切ない。いや、だからこそ、この結末が活きるのか。
「生と死」ばかりでなく、震災を引き合いにした「施設の契機と終焉」、すべからく輪廻と対照が際立つ作品でした。
個別には、「まるでタイムスリップでその場に入り込んでしまったかの様に始まり、進行する回想シーン」の演出、「パイプ椅子を老婆に見立てた下の世話のシーン」、舞台をぐるりと囲む落ち葉、生演奏の音響、…様々に強い印象を残してくれました。
アイデンティティ
南山大学演劇部「HI-SECO」企画
ナビロフト(愛知県)
2017/02/10 (金) ~ 2017/02/12 (日)公演終了
満足度★★★★
Bキャストで観劇。
愛、社会、性別、様々なカテゴリーにおける…タイトル通りの「アイデンティティ」を巡る苦悩と葛藤が全編に溢れる。
それらが、すごく理屈っぽく展開されていくところが好み。
如何にも人の成長過程にありがちな精神本位の恋愛観や、無自覚な自己愛に主人公が翻弄されるのは当然として、周りがしっかり洗練された落とし所を持っていて、適切に手を差し伸べて自己肯定感を育む過程はとても好感。それらを糧にラストに繋げていく展開も、主人公の成長物語としても見応えあった。
ネタバレBOX
特にラス前に直面する危機に元カノ・キョウコがフラッシュバックして主人公を導き、拙いが故に心に響く言葉を主人公が紡いでミツキの危機を押し留めるくだりが最高に高揚する名場面。あのシーンが現実か否かの含みがあったが、どっちでもいいなぁ。
カーテンコールに入っても尚、感極まって涙を抑え切れない光起さん&明石さんがとても印象的で、別のドラマも観せて貰った思いでした。
総じて他の役者さん達も良く、中村さん、奥谷さんの両男優や、瀧川さん、人見さん辺りの存在感が素敵でした。けど、やっぱり今回の肝は脚本だねぇ。LGBTへの世の関心は今、非常に高いから、そういう作品も多く目にするけど、敢えて少し昔を舞台に作りこみ、更に他のアイデンティティ絡みも取り込んで、一般的な人格形成プロセスに統合したのが意欲的。
いかものぐるい
オレンヂスタ
千種文化小劇場(愛知県)
2017/02/10 (金) ~ 2017/02/12 (日)公演終了
満足度★★★★
地域振興、痴呆、介護、ニート、創作芸能での生き辛さ、家族分裂、不倫、ストーカー…世の中のあらゆる問題を「ごった煮」にし、誘致活動、落語、アイドル、バンド、漫画等の様々な媒体を通して、そのまま舞台に投影。まさしく「如何物食い」状態でしたね。印象で繋がるモチーフを敢えて消化せずに、一鍋に放り込んで連鎖させるかのような感覚は、観客の脳内を触媒にして、各々に何らかの闇を想起させる感じがあります。
ネタバレBOX
充足されぬ、ジンワリとした抑圧の中、人々の様々な足掻きが全編に漂い、蠢く。その空気感を何よりも雄弁に語るのがメインキャストの周りを彷徨うコロス(アンサンブル・キャスト)の一団でした。
表を演じているメインキャストの"脳内"を表出させるが如き、暗黒舞踏さながらの動きと、象徴的な黒いテープ・ビニール布、更にそれを照らす照明が、もやもや~とした心の内を見事に映して、観る者の印象を支配していましたね…
軋轢が一点に集約して起きた悲劇…。とことんまで崩壊した後に残る「家族ゴッコ」が、現代が軽んじてきた形式の真意を暗示するかのようでもあり、理想と乖離していても尚、断ち切るべきでない繋がりの尊さを感じさせます。
敢えて解放のモチーフに凧を選んでいるところが意味深なんだねぇ…
壊れなければ気づけない、優しくもなれない… あまりにも切ないですね、人間ってヤツは。
【雑感】悩んだ末の正面下手席。文乃さんのマヨネーズ和えが死角でよく見えない代償に、ラストシーンのジワリとうつろう文乃さんの表情の芝居が間近でラッキー。席で目にするものが相当に違う演出も面白い趣向だけど、生演奏のいちろーさんも見切れた!
ポン輔。何ゆえ彼は、何もかも背負い込むことになったのか…
単なる引きこもりでは説明のつかない重荷と足枷が、説明されないからこそ醸造される深みと強固さをもって伝わってきました。こういう芝居をさせると今津さんはハマるなぁ。
悪食プリン。劇本2のニノさん作品は本作からのスピンオフだったんだね。客席上空の高~い位置での生演奏は迫力満点で贅沢だった。あと、永遠の17歳おナツさんのアイドル姿、もっと観たかったぁ。そういえば、ミソゲキでセーラー服だったよなぁ(笑)
大脇ぱんださん。ご本人は癒し系の微笑ましいキャラクターなのに、ごっつうシビアな狂気まとうオバさん役で、存在感ハンパなかった。女優なんだなぁ…と痛切に感じた。
うぇってぃさんの進撃の巨人スーツに大ウケ。もっと暴れて欲しかった。
いきばなし
F's Company
津あけぼの座(三重県)
2017/02/11 (土) ~ 2017/02/12 (日)公演終了
満足度★★★★
細胞整形という新技術の治験希望者面接に集う3人。面接を待つ控え室で繰り広げられる、一癖も二癖もある人物達の駆け引きに息が詰まる。筋の通ったことを言っている様でいて、誰一人、本当のことは言ってなさそうな、ひりつくような空気が堪らない。いきる為に我が身を変えたいエゴのぶつかり合いは、じわ~りじわ~りと激しさを増し、綺麗事の一切つけ入る隙のない、まさしく身を削る空間でした。
ミステリー感もたっぷりで、結末の見えない展開も遂には一つの落としどころに辿り着きますが、な~んか、この話は色んなマルチエンディングが作れそうな面白みがありましたね。
ネタバレBOX
最後の、地獄から響くような敗者の咆哮と、生き残ったはずの勝者の憔悴の吐息が、非常ぉ~に複雑な後味を作ってくれて、実質は誰も生き残りはしなかった… 「しにばなし」的な感触を残しましたが、このせめぎ合いが「生きる」という事なのかも… 役者の芝居のディテールに感嘆です。
わずか1時間が本当に濃密で、どっと疲労感が滲む充実した時間でした。
ルーミー・イン・ザ・異世界・ウィズ・ダイナマイツ
天然求心力アルファ
七ツ寺共同スタジオ(愛知県)
2017/02/03 (金) ~ 2017/02/05 (日)公演終了
満足度★★★
稀代のリアル中二病ドラマ(笑)
バカバカしさに渾身の力を込める作品作り…の態を装ってはいるが、話が結構 凝った展開になってたり、一転メタ芝居になったり、怪しげな見せ場もふんだんで、多彩な楽しみ満載。特に千秋楽は「羽目外し御免」で美味しい回でしたね~。ガツガツ、「脱線」を詰め込みまくって、バラエティ感を満喫。客入り・中休憩・客出し含めて3時間を優に超える七ツ寺滞在体験は初めてでした~。
ネタバレBOX
やっぱ、山場は「ガンバスターの音楽に乗ってせり上がってくる長沼さん登場シーン」ですが、この準備がまた秀逸。最初、何やっているのか全然理解できなかったけど、舞台でスンゴイ時間掛けて準備されたソレは、まるで古代ローマの奴隷労働さながら! コレだけでも観た甲斐があったw
カルデックの無駄にシンクロ感溢れる衣裳、ハイプの雛菊とかも面白かった~。
本番中にあんなに叱られてる人は初めてみたよ、高田さんw
アゲイン
長久手市劇団 座☆NAGAKUTE
長久手市文化の家 風のホール(愛知県)
2017/01/28 (土) ~ 2017/01/29 (日)公演終了
満足度★★★
想像以上にド派手で楽しめる展開。「かつてのヒーローが老いた姿」への役者さん達のハマリ具合が堪りません。そんな中で若さを取り戻す怪人二十面相に女性を登用したのは良かったなぁ。宝塚みたいな華々しさが添えられて良かったなぁ。
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ネタバレBOX
そして、私ぐらいの年代にはド真ん中ストライクの選曲がされていて、少年探偵団BD7のテーマやドリフ・コントのどたばた撤収時の曲とか、効果音含めて「音」に心揺さぶられる部分が大きい。色々忘れていても、音には反応するもんなんだなぁ。「さぁがせ(探せ)、追えっ、謎をとけっ♪」に湧き上がる高揚感が抑えられない。70年代テーマ、素晴らしい。
シリアスな部分でも「大人になれば、無傷じゃいられない」とかのセリフは刺さるわ。それでいて、そこが全肯定にならない厳しさも好き。幼い頃の「理想」と、歳を経てからの「現実」との対峙は、不思議に、その直前にひとひらり公演で観た星の王子様ベースの「たとえば明日の世界から」にも通じるところがあって、この日はそういう話に縁があるなぁと感じる一日でした。
「追悼」「たとえば明日の世界から~『星の王子さま』より~」
劇団ひとひらり
ユースクエア(名古屋市青少年交流プラザ) (愛知県)
2017/01/28 (土) ~ 2017/01/29 (日)公演終了
満足度★★★
追悼(劇団ひとひらり)】過去にいわくありげな三姉妹の確執から、家族が繋がりを取り戻すまでを描くかに見えた前半… 割とありきたりな筋から一転、サイコホラーの色合いを強く帯びる後半に安堵。(私もかなり頭おかしいw)
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たとえば明日の世界から 〜『星の王子さま』より〜(豊橋南高校 with 劇団ひとひらり)】ホシノさんの存在感が印象的。冒頭でクラスメートがガヤガヤ騒ぐ中、後方で黙って佇んでいるだけなのに、目を離せなくなる不思議。
外見に何の変化もないが、小中高と年代を経るのを…後から記号的に理解していく仕組みも面白い。終始出てくる「美術の先生」のギャグにも繋がっているのね。
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ネタバレBOX
追悼(劇団ひとひらり)】(続き)面白いのはサイコパスが順に役にバトンパスされていくことで、何だ、この人たち皆おかしいじゃね~か…って思わせる構成。最初に一番サイコパスっぽかった岩田が一番マシに見えたのが印象的。
最終的に狂気を一身に担った次女の心持ちには、長女との因縁が影を落としているとは思うが、そうなった経緯がもうちょっと描かれると必然性が腑に落ちて後味すっきりすると思う。ただ、分からない方が狂気感が増す気もするね。
最後の演出は、幕のかぎ裂きや色合いに色々と想像を誘われて良かった。
なお、このネタ、現代なら全く違和感ないが、敢えて戦時中を舞台にした意図が興味あるところ。
あと、話の核心を握る謎の男性を、結局、舞台に登場させなかったのは面白い。お陰で色々、突拍子も無い方向にも想像を膨らませてました。(観てる最中、長女の男装説・性転換説まで可能性を考えてたw)
役者。綺麗どころ3姉妹、バランス良かったね。皆、歳そんなに変わらないんだろうに、関係性がしっかり滲み出てた。特に、全編で純朴感を醸してた杉浦さんが、最後に狂気を表出した瞬間が印象的。
岩井さん、存在感不思議。独特の雰囲気としゃべりは面白いね。掛け合う田中さんもピントずれてる感が可笑しい。
たとえば明日の世界から 〜『星の王子さま』より〜(豊橋南高校 with 劇団ひとひらり)】(続き)星の王子様はちゃんと読んだ事ないけど、原作における「大切なもの」と、学校での処世を重ね合わせているのだろうか。今回の「大切なものを忘れる」という事象は、新しく流れてくる環境に順応するためにオーバーフローする分を切り捨てる、いわば「適応性」の側面があって、周囲の存在や事象が、必ず個人の容量を超える以上は避け得ないことだよね。作中でフォーカスされること以外の事象も考慮すれば、何の選択をしても何かしらの後悔を含むので、せめて選択した方向に喜びを見出そう…。空虚感と物悲しさが漂う最後の「頑張ろう」に、そんな気持ちが込められていると信じたい。
劇本II~劇王アジア大会東海地区予選~
日本劇作家協会東海支部
長久手町文化の家 光のホール(愛知県)
2017/01/21 (土) ~ 2017/01/22 (日)公演終了
満足度★★★★
台本見ながら、朗読聴きながらの公演は、私には新鮮でした。
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ネタバレBOX
In the beginning(ニノキノコスター)感想】小気味よい会話とラップが純粋に楽しい。そこから踏み込んで、笑いに潜む病んでる感覚が私にはツボ。序盤から登場人物の立ち位置に悩み、オトしたと見せかけた後に解釈の多様性の余白を残す2段オチが印象的(配付台本未記載!)
下校の時間(長谷川彩)感想】言葉遊びとコミュニケションの妙を楽しんだ。その口調に、まるで韻でも踏んでいるような趣を感じるのが不思議。チャラい言葉の言外に、終始漂う隠された感情の匂いが長谷川彩さんの真骨頂でした。意外に楽しい要素が多いのが印象的。
そい(舟橋“委員長”慶子)感想】徐々に明らかになる二人の過去、立場、思惑。有名童話を礎としながら現代感を織り込んだり、イントロへの先入観をひっくり返す終盤の仕込み等、お話としてとても楽しめる構成。演出と役者が加わり、二人の空気が伝わると、mみたいにグッと面白くなる予感。
彼の聖域、彼女の靴底(長谷川公次郎)感想】心の病と紙一重の心理。傍から見れば何でもないことに、内心で大きな盛り上がりをみせる「迫る聖域」が面白い。演出が加わって、臨場感とサスペンス感が備わると、病的に面白くなりそう。公次郎さんのプレゼン、聞きたかったな。
B-A-C-H(天野順一朗)感想】親子で交わす珍問答がイカス。思わせぶりな展開から、転げ落ちるようにトンデモネタに堕ちていくお話に「選べるモンなら選んでみろ」という挑戦の姿勢を感じた。凝ったタイトル、バッハ主題に潜む解釈に注目したが、あまり重要な仕込みは感じなかったな。
ななめ君はななめ(後藤章大)感想】あゆみちゃんには、もっと狂気が潜んでいるのかと思ったが、そんな暗黒面には行きそうで行かなかったね。意外に純真さが強く響く後味。コンタさん、ななめ君の芝居が絶妙でココだけ朗読じゃなくガチ芝居でした。ト書き読まずに芝居で演出するのも大胆。
無伴奏組曲(鏡味富美子)感想】ノンバーバル志向はアジア大会向けとして頷ける。ただ、この話でそれが成立するかは興味のあるところ。妻の背景に共通認識がないと後味の悪い只のダークな話で終わるが支持は思ったより高いね。それが昔ながらの夫のイメージか。砂時計の使い方に趣があった。
"衝動的コミュニケーション(台越竜太郎)感想】さりげないドンデン返しの台詞でギョっとしたが、一人称でミスリード誘われてたんだよね?
男性とは思えぬ視線でお話を書くお方だが、今回もやってくれた。惜しむらくは、話を練り・拡げる時間が無かったと思われ、未完成の印象が一番強い。
日本代表(中内こもる)感想】安定して面白いコント。台本だけ聴くと、流れ的に日本代表は取って付けた感があるが、あのオチなら、序盤から男Aの挙動に色々潜ませるのがキモなんだろうな。やっぱコントは演出と役者が入ってからが本領発揮かな。
怪盗パン(渡山博崇)感想】聞き覚えある人名が沢山出て、某作品をかなりしっかり下敷きにしている模様。それでいて何やらアンチテーゼを突きつけるかの印象。終始出てくる「足の裏の感覚」が背負った原罪の様な重みを感じさせて奥深い。渡山さん、今度は名作劇場にダークの冠を被せるのか。
車窓から、世界の
iaku
四天王寺スクエア(三重県)
2017/01/14 (土) ~ 2017/01/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
舞台は地味なプラットホーム。日常の様でいて何か違和感含みのイントロ。恋人同士の関西特有の他愛の無いやりとりから、見え隠れし始める異常事態。固唾を呑むとはこのこと。原因定かでない悲惨な事件を核として、次々と剥がれて見えてくるショッキングな事実。サスペンス感だけで相当な重みだが、その実…やはりiakuの十八番、議論芝居の真骨頂。
以降、ネタバレboxへ
ネタバレBOX
「己れの影響で、大切な人達が取り返しのつかない…想像を絶する行為に及んだとしたら…」
各々の立場で心揺さぶられ、持論を、疑問を、心の葛藤をぶつけ合う人達。世の中に情報として溢れる「生き死に」と言うものに対する自分の距離感をも自問させる。周囲の出来事を自分の主義主張に無理に紐づけて、都合の良い持論を展開するいけ好かないPTA副会長が出てくるのだが、悲しいかな、この人の見方が世間一般であったり、立場が違えば自分自身に投影されるものなのだと窺わせる…シビアな客観視。
何かを介した、リモートや間接的な関係構築に慣れきった現代人に「傍から見ているだけでは人の心は何も解らぬ」とも囁く。
そして安易な結論など提示しない。救いも与えない。ただ翻弄され、抗い、足掻き、言葉を闘わせ、甘さを叱責され、打ちひしがれ、重きを背負い、歩いて行く… そんな姿を見せつけて話は終わる。
臓腑を抉られる感覚。せつない、いたたまれない、それでも彼らは…、私たちは生きていかねばならぬ。横山節をズッシリ堪能しました。エダニクよりも更に肌に合いました。
観る人によって、登場人物の誰の立場に自分を投影するのかで、感じ取ることが相当違いそうな気がします。
ラブハンドル
演劇ユニット日常
ナンジャーレ(愛知県)
2017/01/14 (土) ~ 2017/01/15 (日)公演終了
満足度★★★★
舞台の出来に比して、その価格設定や高校生無料企画等、「惚れ込んだこの既成脚本で芝居を作りたい、そして少しでも多くの人に観て欲しい」という作品への愛と執念を感じる。
実際、その熱意は見事に役者に憑依し、生活感あふれる事実婚カップルを軸に、テンポ良いコミカルな遣り取りによる笑いと、印象的なセリフを散りばめた情感的で泣かせる芝居を両立させていて素晴らしかった。
起伏が激しく、中盤以降ガンガン事態を引っくり返していく展開は飽きさせないし、要所で心情を訴えかけるシーンも巧み、そこからの盛り上がりをラブシーン一辺倒でなく、必ず照れくさい笑いに引き込んでいくのも好み。
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ネタバレBOX
個人的に『貴方といると寂しい。貴方が愛しているのは自分自身だけだ。・・・』というくだりはかなり刺さって、倦怠感や心が離れつつある関係性に真っ向から刃を突き刺すものだったから、リカバリィに非常に期待が高まった。
ただ、(ここから既成脚本のみへの不満)この歳月を経たパートナー間に立ちはだかる「エゴ」との対峙を期待したのに、非常事態による極限状態に登場人物を放り込んで、この問題解決を有耶無耶にしてしう展開になったのが残念。たぶん、盛り上がりとしてはこれで良かったのでしょうが、失う危機に晒されて相手の優先度を上げるなんて刹那的な反応でしかないので、問題を先送りにしてしまった…と感じました。「結婚しておけば良かった理由」にもツメの甘さを感じて、ノリ重視のなんちゃって設定だとしても、弁護士なんだから最後だけは言葉をもっと大切にして欲しかった。そこまでの良いデキ故に、画竜点睛を欠く印象を残しました。(あくまで既成脚本にね。)
ルート67
劇団あおきりみかん
昭和文化小劇場(愛知県)
2017/01/13 (金) ~ 2017/01/15 (日)公演終了
満足度★★★
懐かしき少年ジ○ンプの匂いが漂うハチャメチャ感。大道具とも一体となった疾走表現、進化した3D表現。珍しく客演も取り込み、活かしたコメディ…で終わらないところが鹿目さんですね。エデンの東側をちょっと思い出す作風。近藤絵里さんのヒミコ役がツボった。
クラクション
ハダカハレンチ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2017/12/14 (木) ~ 2017/12/17 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/12/15 (金) 14:00
価格3,000円
集合住宅の4つの部屋での深夜の出来事。それぞれが絡んでいたりいなかったりと差があり、終盤に「明けない夜はない」かと思わせて……なのはいかにも深谷作品。また、4つの部屋を同じ舞台上に同居させ併行して描く手法は演劇の特権。しかし4つとはまた……
たとえばレイ・クーニーの「ラン・フォー・ユア・ワイフ」(だっけ?)では1つの装置の中で2つの部屋を重ねて見せているけれど、 #ハダカハレンチ 「クラクション」では4つの部屋を1つの装置に同居させていた。このパターンの最大はいくつの部屋なんだろう?4つが最大とか?
【余談】
王子小劇場にて通常は舞台に使う側を客席にした作品で「あ、どちらの言い分もワカる」なキツめの口論がある芝居が1ヶ月の間に2本上演されるとは……!
池田屋裏2炎上
グワィニャオン
萬劇場(東京都)
2017/12/13 (水) ~ 2017/12/17 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/12/14 (木) 14:00
座席I列8番
価格2,800円
この少し前に観たこまつ座「きらめく星座」の「こじつけで国の行く末をきめられてはかなわんのです」もさることながら斬り合いで決めるのもかなわんなぁと思いながら、あの頃の若者の方が今の政治家たちよりも真剣に国のことを考えていたのではないか、などと思う。
さらに、世界の行く末を武力で決めるようになりかねない昨今の国際情勢への警鐘か?と深読みも。
なお、ちょくちょく入る笑いにしても終盤のキレの良い殺陣にしても全体的に「これこれ、これがグワィ♪」な老舗の味。(笑)
新年工場見学会2018
五反田団
アトリエヘリコプター(東京都)
2018/01/02 (火) ~ 2018/01/05 (金)公演終了
満足度★★★
毎年恒例の工場見学会だが、なぜか凄い人気で、いっぱいになる。五反田団は「ドラえもん」のパロディで「ドラマえもん」だが、これが演劇界の不条理に食い込む興味深い作品。続いての獅子舞はモダン・ダンス系に寄ってる。休憩を挟んでの「ザ・ぷー」は、昨年まで「ぷーちんず」として活動していたが名前にクレームが付いて改名したとか…。相変わらず見事なテルミンを使った演奏と芝居仕立てのMCが楽しい。ハイバイは、別役実と城山羊の会のパロディで、奇妙に哲学的な不条理。ラストは、お馴染みのポリスキルも、いつもながらの爆発力だった。今年は、結構練られた作品が多く、真剣に考えてみると、問題提起として意味を持つ作品が多い気がした。ただし、とにかく長い。
モダンスイマーズ実験公演
モダンスイマーズ
高田馬場ラビネスト(東京都)
2017/11/07 (火) ~ 2017/11/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
『魔女の夜』③20時追加公演。全公演売り切れての追加公演。なのに14時には空席も。
お願いです❗
やむなく来られない時には連絡を❗
この公演が1800円なんて事件です。観逃さないで❗
『蝶のやうな私の郷愁』台風の晩の若い夫婦の夕食。他愛もないやり取りが可笑しくも微笑ましい。ちょっとした意地悪も、仲の良さを見せつけられている気分。そんな幸せの隣にソレは潜んでいる。
鄭亜美さんの横顔ならずっと見つめていられる😍正面は…目を合わせられない💘
子ども参加型演劇『サンタクロース会議』
青年団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2017/11/15 (水) ~ 2017/11/21 (火)公演終了
満足度★★★★★
子どもの純粋な視点にハッとさせられるなぁ。あの感覚、いつ失ってしまうのだろう😅
それにしてもガミガミ博士に大爆笑😁一人クオリティが違った❗サンタの世界だった👍
開場から寝続ける川隅奈保子さんの寝相の悪さがキュート。山羊も一級品😁