『凪の砦』総収編 公演情報 烏丸ストロークロック「『凪の砦』総収編」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    結末があまりにも壮絶。絶句というのが終演直後の正直な気持ちでした。

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    ネタバレBOX

    「三ツ山養生所」と称する、見た目はいわゆるポスピスの様相だが、世話をする方も、される方も実は"ワケあり"ばかりの施設。肩を寄せ合い生きていく風情は、作中で語られる「落ち葉の下のてんとう虫」という表現が言い得て妙。介護に忙殺されながらも愚痴一つ言わぬ…楽しそうと言っても過言ではないスタッフの強く明るい振る舞いが、対照的に悲壮感を滲ませる。

    舞台で幾度となく繰り返される「生死の輪廻」の言葉は、本来そんな悪い言葉じゃないはずなのに、あたかも無間地獄のイメージを刷り込んでくる。死者が今なお成仏せずに普通の生活を続けるラストのイメージは、その無限地獄の体現にも映り、強烈でした。それらの「空気」を作る「役者」の力量を強く感じた芝居でもありました。話の都合で人が順に動くのではなく、各々の生活の集合で舞台が成り立っている感覚が強く、「あぁ、この人たち、みんな各々で生きているんだなぁ」と現実なら当たり前のことを、…非現実の舞台で強く実感できました。

    それ故に、やはり結末があまりにも皮肉で切ない。いや、だからこそ、この結末が活きるのか。

    「生と死」ばかりでなく、震災を引き合いにした「施設の契機と終焉」、すべからく輪廻と対照が際立つ作品でした。
    個別には、「まるでタイムスリップでその場に入り込んでしまったかの様に始まり、進行する回想シーン」の演出、「パイプ椅子を老婆に見立てた下の世話のシーン」、舞台をぐるりと囲む落ち葉、生演奏の音響、…様々に強い印象を残してくれました。

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    2018/01/04 12:40

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