最新の観てきた!クチコミ一覧

50541-50560件 / 190211件中
最後の炎

最後の炎

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2018/04/14 (土) ~ 2018/04/28 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/04/26 (木)

小さな町で起きた出来事・・・酔っ払い運転の車をテロの犯人と思い込み執拗に追いかけた婦人警官が、少年を撥ね殺した。

少年はその時、一人の男と向かい合っていた。男は少年のボールを拾ったのだ。

少年の母は、痴呆症の夫の母の面倒に明け暮れていた。

少年の祖母は、何度も少年の死を忘れ、日に何度もどこに行ったのかと探す。

少年の父は、少年の学校の先生と浮気をしていた。

そして、小学校の先生は婦人警官の友人だった。

婦人警官に追いかけれられていた男は、恋人の男をも避けて暮らすようになった。

一人の少年の死が、これだけの人の心に影を落とし、影響を与えた。誰もが悲しいのに、その悲しみの形はそれぞれで、受け止めきれず、心はすれ違い、苦しみ、もがく・・・・。

客席の真ん中に作られた白い回転舞台と一本の木が立つだけの舞台で、それぞれのそんな心がぶちまけられていく。

疲弊していく心、逃げても、救われない心たち・・・。

隣の人の体温が感じられず、どんどん孤独になっていく魂たち。

たえず誰かが自分の心の声を発し、言葉を発し、ト書きのような行動説明の発しているので、自分に彼らの心がいしつぶてのようにぶつかってくる・・・そんな感じでした。大きな悲しみの渦の中にいるようでした。

そんな中で、やっぱり私は母親に心を寄せます。

同じ悲しみを共有できるはずの夫とも心がすれ違い、夫の母親の介護に明け暮れ、心がどんどん磨り減っていくのです。鬼頭典子さんの母・スザンヌはいつまでも心に残りそうです。



素晴らしい舞台をありがとうございました。


誰かが誰かを愛してる

誰かが誰かを愛してる

むさしの芝居塾

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2018/05/03 (木) ~ 2018/05/05 (土)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/05/03 (木) 19:00

テンポがよく、笑っている間にあっという間に二時間たちました。楽しい脚本です。お薦めします。

ありふれた幻想

ありふれた幻想

雨やどりの劇場

大阪府立北千里高等学校(大阪府)

2018/03/30 (金) ~ 2018/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★

製作の方のレインコート姿、「雨やどり」の雰囲気作り、オモテナシを感じます。

とても透明感のある、とても不思議なお芝居。

信じてる。盲信なのに…
お互いを思いあっているのに…
すれ違う。

盲信なのに…観劇後、何故か、清々しく、前向きになれた。
面白かった。

もう少し観てみたい。
この後の展開が気になります。
(ただこれまでの展開は少し冗長な感じも…)

薄暮の静寂に叫べば

薄暮の静寂に叫べば

劇団 白の鸚鵡

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2018/03/30 (金) ~ 2018/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★

地上と地下に分断された世界。
今日が昨日に、明日が今日に。

『疑わしきは罰せよ』の管理社会で、あの日、私たちは空へ…

曲が良い、歌が良い、思いのこもった演技も良かった。

前回(盗みは夜半の月のように)同様、少しSFチックな内容、好みです。
ラストも好き。
前回より人の描写も良くなってる気がしました。

フクロノネズミ

フクロノネズミ

劇団 EASTONES

駅前劇場(東京都)

2018/05/02 (水) ~ 2018/05/07 (月)公演終了

満足度★★★★★

殺陣も、ダンスもキレキレで、見入ってしまいました。笑いもあって、演者もすばらしい。矢野いづみさん、五條詠寿郎さんに、ほれてしまいそうです。

イギリスの演劇

イギリスの演劇

朗読・演技 ワークショップ

東中野稽古場(東京都)

2018/04/17 (火) ~ 2018/05/03 (木)公演終了

満足度★★★★★

 一幕三場。途中2度、5分の休憩を挟んで約3時間の公演。
(追記2018.5.4)

ネタバレBOX

舞台は、犯人たちの住居の一室。中央に函。下手には荷物などの置ける台。下手奥にソファなど。スタンド式の帽子掛け、上手奥は部屋への入り口が斜めに設えられ入り口左手には電話などが置かれている。上手壁際には本棚や、お茶や飲み物の置かれたテーブルがある。
 真っ暗な中で舞台は始まる。Aは、危険を冒す為に殺人を犯した。完全犯罪を為したつもりだ。その為、遺体はこの部屋でこれから行われるパーティーの料理を載せるテーブルとして用いられる棺桶の中にしまわれている。このパーティーの客は、被害者の父B、大学の同級生の男C及び女D、インテリの代表と目される詩人E。他の登場人物は、召使Fと共犯者Gである。招かれている客のセンスから分かるようにAは自信家で虚栄心が強い。ガイシャは、スポーツで華々しい成績を残し、映画や音楽などの好きな誰からも好かれる爽やかな20歳の好青年。Bはサーの称号を持つ紳士で書籍収集家としても知られる。Aは最近亡くなった親族から貴重書などの蔵書を譲り受け、今日は、その蔵書をBに見せる約束もしていた。
 Gは、Aほど居直ってもいなければ自信家でも無い。従ってAが犯した殺人の共犯者としての自分の犯罪行為に怯えてナーバスになっている。謂わば小市民である。
 パーティーは21時からだが、20時45分に服装はどうするのか? について尋ねる為にEが電話を入れた時、ナーバスになっていたGは、うろたえた状態を悟られてしまった。而も、彼らが、殺したBの息子が、その日行っていたコンサート会場の入場券は、Eの入手する所となっており、Eは彼らの犯罪を告発するばかりになっていたのである。Eはパーティーの最中、折に触れて証拠固めをしてゆく。その間、参加者の会話や態度を通してイギリスの差別社会の実体、陽の沈まぬ国と言われてきた歴史の裏にある狡猾極まる外交と主として海軍力を用いて力によって支配を貫徹し、被支配地の少数派を支援することで被支配地を分断統治する冷徹さ、及び差別意識による道徳観麻痺などの策術など、英国式気取りの背景が浮かび上がる。この辺りの脚本の良さ、この雰囲気を浮かび上がらせる演出、演技の良さは見事である。(国外の作品を日本で上演する際、良く体験するワザトラシサや浮いた感じが無い。代わりにイギリスの上に挙げたような社会の在り様が滲み出てくるのである。)
 Eは、アイロニーを込めて己が足を引きずることになった原因として殺人を挙げる。その殺人は戦争に於いて犯した殺人であるが、彼にとってそれが殺人であることに変わりはないからである。この公平性にこそ、Eの真骨頂がある。彼は真正の芸術家として、偏見に囚われず真正な判断を下すことができた。その証拠に彼自身、己を許していない。そしてそれ故にこそ、最後の確証を掴むために、遺体を運び出そうとするパーティーの部屋に舞い戻ってきたのであった。この最後のパートでも息詰まる展開を極めて緊迫感のある演技で支えている。
 最期には喧嘩の強いAを、冴えた論理と冷静沈着で謙虚な態度のEが打ち負かして幕。
サイキックバレンタイン

サイキックバレンタイン

たすいち

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/04/29 (日) ~ 2018/05/06 (日)公演終了

満足度★★★

かなりドタバタ感がありますが、ちょいとシリアスなサイキック・ラブコメそこそこに楽しめました。しかしながら、超能力者と普通人との対立の図式は昔も今も変わりませんね。

R老人の終末の御予定

R老人の終末の御予定

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2018/04/18 (水) ~ 2018/04/23 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/04/22 (日) 18:00

座席1階7列

ポップンマッシュルームチキン野郎『R老人の終末の御予定』シアターKASSAI

非情に完成度が高くて、客入れパフォーマンスから「らしさ」全開で大変楽しめました。
特に着ぐるみは過去最高の出来なんじゃないかな。
個人的に一番ウケたのは物販の「ビックVSヨドバシ」タオル(笑)

ネタバレBOX

同劇団の『ふたりは永遠に』という短編作品が私は大好きなのですが、
本作の作中でその後が描かれていました。

短編部分は大きなアレンジはされておらずほぼそのままの内容。
私はあのほのぼのとしたじんわりくるラストが好きなので、
短編は短編、本作で描かれた未来は可能性の一つという風に受け取りたいと思います。
Guys and Dolls  ガイズ アンド ドールズ

Guys and Dolls ガイズ アンド ドールズ

芸大ミュージカルエクスプレス

ムーブ町屋・ムーブホール(東京都)

2018/03/30 (金) ~ 2018/03/31 (土)公演終了

満足度★★★★

多少の物足りなさを感じましたが、3時間のステージ飽きずに楽しめました。

~ラビット番長ノワール短編集~

~ラビット番長ノワール短編集~

ラビット番長

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2018/04/25 (水) ~ 2018/04/29 (日)公演終了

満足度★★★★

【AB】観ました。確かにいつものラビットさんとは大違いで、人間不信になりそうなダークなお話。たまにはいいけど、やっぱりいつもの人情コメディがこの劇団の持ち味なんだなーと再認識。

Starting Over

Starting Over

“STRAYDOG”

ワーサルシアター(東京都)

2018/04/29 (日) ~ 2018/05/06 (日)公演終了

満足度★★★

Bチーム観劇。概ねドタバタコメディでしたけど、ちょいとホロリとさせられるものでありました。

サイキックバレンタイン

サイキックバレンタイン

たすいち

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/04/29 (日) ~ 2018/05/06 (日)公演終了

満足度★★★★

細かいコトは気にせずに観れば、楽しい作品ですね!
それぞれの超能力の使いどころ、使い方が見所かな〜

虹色サラウンド~SURREAL~

虹色サラウンド~SURREAL~

PUPA

TACCS1179(東京都)

2018/04/21 (土) ~ 2018/04/30 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/04/21 (土) 18:00

座席1階B列

PUPA『虹色サラウンド~SURREAL~』TACCS1179

夢とか友情とか恋愛とか、
メッセージをまっすぐに伝えようとしているような作品作りには好感が持てました。
大人になっても変わらない親友3人の関係性がとても眩しく映りました。

気になったのは
・なんの説明もないまま開演が10分近く遅延
・段差のないステージだったので2列目からだと座り芝居など全く見えない場面が多々あった

紛れもなく、私が真ん中の日

紛れもなく、私が真ん中の日

月刊「根本宗子」

浅草九劇(東京都)

2018/04/30 (月) ~ 2018/05/13 (日)公演終了

満足度★★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

月刊・根本宗子の『紛れもなく、私が真ん中の日』を観劇。

中学生で、お金持ちの山中さんは、毎年誕生日会を行っている。何時もはお金持ちの4人の友人だけで行うのだが、今回はクラス全員(女子のみ)を呼んで行う事になった。だがいざ集まってみるとお金持ち、中級家庭、貧乏家庭と子供ながらでも階級の格差が生じてしまう。
そしてそんな最中、山中さんのお父さんが淫行事件を起こし、逮捕された事から、一気に子供達が階級を超えた、女性特有の感情の大爆破が起きてしまうのである……。

今作も前作同様、短な出来事を、物語らしい展開すらなく、台詞と俳優の熱量で一気に攻め立ててくる。俳優が上手い下手などは一切関係なく、キャラクターの持っている役柄を、俳優が組み取り、演じている様だ。まるでそれは唐十郎の「特権的肉体論」の基本である、舞台は戯曲からではなく、俳優の肉体のみよって作られるという論理を、作・演出の根本宗子が継承しているとも受け取れるが、作風からは唐十郎の影響は一切受けていない様であり、ただ演劇の論理が似ているだけであろう。
そして今作は、毎作ながらの感情の爆発の後に感じる、スカッとした気持ち良さで終わる事なく、後味の悪さを感じさせる終わり方に、新たなる根本宗子の作風を感じとる事が出来たのが大きな発見だ。

紛れもなく、今作も圧倒的に面白いのである。
731

731

パラドックス定数

シアター風姿花伝(東京都)

2018/04/24 (火) ~ 2018/05/02 (水)公演終了

満足度★★★★

狂ってる。




ヒトはどのような状況で、どのようになるのか、これはひとつのフィクションでもあり、ノンフィクションでもあるのかもと。
そして、多分、このような感情を観劇中に持つことはあまり、自分は無かったのだが
辰沢役(小野ゆたかさん)が自分が帝銀事件をやったと語る場面で、「お前がやったのかよ」と睨んでしまった。
罪に対しての態度というか(劇中そこがどの役柄もポイントだと思うが)それを観た瞬間、苦しんで死んだ8歳の子どもが私の脳裏に浮かんだ。


「お前が殺したんだ」と何故だが、分からないが物凄く憎しみの感情がうまれてしまった。
きっと、余りにも、「死」に対しての彼らの感じ方が怖すぎたのかもしれない。


だから、「狂ってる」と感じた。


「戦争だから」
「命令だから」
「医学の進歩の為だから」

戦後生まれた自分にとって
戦争中の心理はあくまでも「想像」でしかない。
何故、人が人でなくなってしまうのだろうか。


「殺される」状況になったら「殺さなければ、自分が死ぬ」と
思う。
ただ、自分はそのような状況になった事が無い。
ただ、「戦争」はそれが日常であったのだから「しょうがない」という理由になるのだろうか。


731部隊は、戦時下において一種、異なった狂気ではなかったのか。
研究者たちは、あの状況を「天国」と思っていたのか。
あの状況を「おかしい」とは思わなかったのだろうか。


思ってはいなかったのだろう。
何の制約も受けず、「普通」であれば倫理が邪魔するであろう「実験」、いえ、「殺人」を思う存分出来たのだから。


その「殺人」を行って、得た多くのデータは彼らにとっては、煌めくものだったのだろう。
「もっと、もっと、データを・・・」


戦争が終わり、日本へ戻ってきた彼らは
「死」を恐れた。
自分達の身の安全を、仲間を見張りながら絶えず、見えない恐怖に
怯えている事を隠しながら、生きようとしていた。


これは、物語だろうか。
人間はこうも、醜いのだろうか。
これが、物語だ。
人間は、こうも、醜い気持ちを持っている生き物だ。


葛藤もある。
しかし、彼らはけして、あの実験を後悔してないのだろう。
何かのせいにして、
けして、「自分」が悪い訳ではないと思ってる。


大なり、小なり、私もきっと、同じような考え方をすると思う。
あの焼け野原で残った建物の一室で
今もきっと、同じように
会話をしてる影が見えるかもしれない。
そう、感じた公演だった。

鉄とリボン

鉄とリボン

キコ qui-co.

座・高円寺2(東京都)

2018/05/02 (水) ~ 2018/05/03 (木)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/05/02 (水) 19:00

 壮大なファンタジーが徐々に種明かしされていく。「はなよめのまち」に来る男たちと町の人の物語と、現代の編集者の恋愛話など、複雑な構造が提示される前半の60分。5分の休憩を挟んで、そういった構造の種明かしがされていく後半の85分は興味深く展開される。タイトルは複合的な意味合いを持っているとか、面白い部分が多いのだが、いかんせん冗長に感じる。元々は200分あった作品を切って145分にまとめたそうだが、セリフの吟味がやや甘いのは小栗の特徴とも言える。生演奏/歌唱も雰囲気を出すのに効果的に働いているが、大人数のせいか、ボディクラッピングが合っていない瞬間があるのは勿体ない。

紛れもなく、私が真ん中の日

紛れもなく、私が真ん中の日

月刊「根本宗子」

浅草九劇(東京都)

2018/04/30 (月) ~ 2018/05/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/05/01 (火) 19:00

 根本宗子の新境地か。オーディションで選んだ21人の女優と話をしながら作ったという本作は、久々に根本本人が出ない。中1の金持ち女子が、誕生日パーティーにクラス全員を招待したのだが、そこで様々な人間関係が絡んだり、突然時間軸が動いたりしながら物語は展開する…。従来は、根本の分身的な数名の登場人物で「女子あるある」物語を書いていた根本が、21人のキャラクターを描き分けて90分でまとめたところは見事。エンディングは、アンビバレンツな状況で終わるあたりも興味深い。

ヘッダ・ガブラー

ヘッダ・ガブラー

シス・カンパニー

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2018/04/07 (土) ~ 2018/04/30 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/04/30 (月) 13:00

 千秋楽に再度観た。初回観たときよりも、苦笑/爆笑が多い珍しいイプセンになっていた。それは主に登場人物のキャラクターを誇張する演出で出来上がっているように思うのだが、それでいて物語の骨格はしっかりとしていた。役者陣の豪華さも含めて、見事な舞台であるのだが、繰り返し観ると、メイド役の福井裕子が一種の「神」的なポジションにいることに気付く。高いフランス窓の美術も素敵。

サイキックバレンタイン

サイキックバレンタイン

たすいち

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/04/29 (日) ~ 2018/05/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

基本的に超能力などがテーマの作品は避けているのだが、気まぐれに観劇。
これは当たりだった。
少々騒がしさも感じたが、それも必然だったとあとから納得した次第。
全体の気配りその他を見ても、これから大きくなるエネルギーを感じた。

Starting Over

Starting Over

“STRAYDOG”

ワーサルシアター(東京都)

2018/04/29 (日) ~ 2018/05/06 (日)公演終了

満足度★★★

 タイトルのStarting Overは、再出発とかやり直すこと、(追記2018.5.4)

ネタバレBOX

という意味だが主人公は今までの一切の人間関係を断って、一からやり直そうとこの部屋へ引っ越してきたのであった。だが、相場に比して極端に安い物件には、無論何らかの因縁話や理由がある。そのうちの一つ、幽霊が出る、がこの部屋が格安になる原因であった。
ところで彼は、不動産屋と約束していた引っ越し時に敷・礼は払うとの約束もすっかり忘れていたようである。然し先立つ物は無い。だが霊感の極めて強い彼は、不動産屋がちょっと外れた時に霊を見てしまった。それで安い原因を特定したのである。その上で、払えていない敷・礼をロハにして貰う折衝にこれを使おうと考え、不動産屋が幽霊を見た場合には、敷・礼の支払いは無し、と話を纏めた。後はこの部屋の地縛霊とのネゴである。
実は、この物件、この他にもたくさんの幽霊が居て、極めて力の強い蘇我馬子と同期の霊、兵士の霊、首吊り自殺をした看護婦の霊等々。
この敷き・礼支払い問題でゴタゴタしている最中に5千円を貸していた親友が彼女連れで金を返しに来たり、彼がSNSで新住所を拡散してしまったものだから、弟、劇団に勧誘して来た先輩らが押し寄せ、部屋でバーベキューを始めようと盛り上がって大騒ぎ。更に地縛霊の頼みを聞くという約束で手伝って貰った手前、自縛霊の頼み通り彼女を部屋へ連れてくると、今度は自分の元カノ迄ひつこく訪ねてくる始末。これに不動産屋の手配した除霊師までが加わってすったもんだの展開。それなりに笑わせるが、中身は薄い。

このページのQRコードです。

拡大