
最後の炎
文学座
文学座アトリエ(東京都)
2018/04/14 (土) ~ 2018/04/28 (土)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/04/26 (木)
小さな町で起きた出来事・・・酔っ払い運転の車をテロの犯人と思い込み執拗に追いかけた婦人警官が、少年を撥ね殺した。
少年はその時、一人の男と向かい合っていた。男は少年のボールを拾ったのだ。
少年の母は、痴呆症の夫の母の面倒に明け暮れていた。
少年の祖母は、何度も少年の死を忘れ、日に何度もどこに行ったのかと探す。
少年の父は、少年の学校の先生と浮気をしていた。
そして、小学校の先生は婦人警官の友人だった。
婦人警官に追いかけれられていた男は、恋人の男をも避けて暮らすようになった。
一人の少年の死が、これだけの人の心に影を落とし、影響を与えた。誰もが悲しいのに、その悲しみの形はそれぞれで、受け止めきれず、心はすれ違い、苦しみ、もがく・・・・。
客席の真ん中に作られた白い回転舞台と一本の木が立つだけの舞台で、それぞれのそんな心がぶちまけられていく。
疲弊していく心、逃げても、救われない心たち・・・。
隣の人の体温が感じられず、どんどん孤独になっていく魂たち。
たえず誰かが自分の心の声を発し、言葉を発し、ト書きのような行動説明の発しているので、自分に彼らの心がいしつぶてのようにぶつかってくる・・・そんな感じでした。大きな悲しみの渦の中にいるようでした。
そんな中で、やっぱり私は母親に心を寄せます。
同じ悲しみを共有できるはずの夫とも心がすれ違い、夫の母親の介護に明け暮れ、心がどんどん磨り減っていくのです。鬼頭典子さんの母・スザンヌはいつまでも心に残りそうです。
素晴らしい舞台をありがとうございました。

誰かが誰かを愛してる
むさしの芝居塾
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2018/05/03 (木) ~ 2018/05/05 (土)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/05/03 (木) 19:00
テンポがよく、笑っている間にあっという間に二時間たちました。楽しい脚本です。お薦めします。

ありふれた幻想
雨やどりの劇場
大阪府立北千里高等学校(大阪府)
2018/03/30 (金) ~ 2018/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★
製作の方のレインコート姿、「雨やどり」の雰囲気作り、オモテナシを感じます。
とても透明感のある、とても不思議なお芝居。
信じてる。盲信なのに…
お互いを思いあっているのに…
すれ違う。
盲信なのに…観劇後、何故か、清々しく、前向きになれた。
面白かった。
もう少し観てみたい。
この後の展開が気になります。
(ただこれまでの展開は少し冗長な感じも…)

薄暮の静寂に叫べば
劇団 白の鸚鵡
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2018/03/30 (金) ~ 2018/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★
地上と地下に分断された世界。
今日が昨日に、明日が今日に。
『疑わしきは罰せよ』の管理社会で、あの日、私たちは空へ…
曲が良い、歌が良い、思いのこもった演技も良かった。
前回(盗みは夜半の月のように)同様、少しSFチックな内容、好みです。
ラストも好き。
前回より人の描写も良くなってる気がしました。

フクロノネズミ
劇団 EASTONES
駅前劇場(東京都)
2018/05/02 (水) ~ 2018/05/07 (月)公演終了
満足度★★★★★
殺陣も、ダンスもキレキレで、見入ってしまいました。笑いもあって、演者もすばらしい。矢野いづみさん、五條詠寿郎さんに、ほれてしまいそうです。

イギリスの演劇
朗読・演技 ワークショップ
東中野稽古場(東京都)
2018/04/17 (火) ~ 2018/05/03 (木)公演終了

サイキックバレンタイン
たすいち
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/04/29 (日) ~ 2018/05/06 (日)公演終了
満足度★★★
かなりドタバタ感がありますが、ちょいとシリアスなサイキック・ラブコメそこそこに楽しめました。しかしながら、超能力者と普通人との対立の図式は昔も今も変わりませんね。

R老人の終末の御予定
ポップンマッシュルームチキン野郎
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2018/04/18 (水) ~ 2018/04/23 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/04/22 (日) 18:00
座席1階7列
ポップンマッシュルームチキン野郎『R老人の終末の御予定』シアターKASSAI
非情に完成度が高くて、客入れパフォーマンスから「らしさ」全開で大変楽しめました。
特に着ぐるみは過去最高の出来なんじゃないかな。
個人的に一番ウケたのは物販の「ビックVSヨドバシ」タオル(笑)

Guys and Dolls ガイズ アンド ドールズ
芸大ミュージカルエクスプレス
ムーブ町屋・ムーブホール(東京都)
2018/03/30 (金) ~ 2018/03/31 (土)公演終了

~ラビット番長ノワール短編集~
ラビット番長
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2018/04/25 (水) ~ 2018/04/29 (日)公演終了
満足度★★★★
【AB】観ました。確かにいつものラビットさんとは大違いで、人間不信になりそうなダークなお話。たまにはいいけど、やっぱりいつもの人情コメディがこの劇団の持ち味なんだなーと再認識。

Starting Over
“STRAYDOG”
ワーサルシアター(東京都)
2018/04/29 (日) ~ 2018/05/06 (日)公演終了

サイキックバレンタイン
たすいち
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/04/29 (日) ~ 2018/05/06 (日)公演終了

虹色サラウンド~SURREAL~
PUPA
TACCS1179(東京都)
2018/04/21 (土) ~ 2018/04/30 (月)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2018/04/21 (土) 18:00
座席1階B列
PUPA『虹色サラウンド~SURREAL~』TACCS1179
夢とか友情とか恋愛とか、
メッセージをまっすぐに伝えようとしているような作品作りには好感が持てました。
大人になっても変わらない親友3人の関係性がとても眩しく映りました。
気になったのは
・なんの説明もないまま開演が10分近く遅延
・段差のないステージだったので2列目からだと座り芝居など全く見えない場面が多々あった

紛れもなく、私が真ん中の日
月刊「根本宗子」
浅草九劇(東京都)
2018/04/30 (月) ~ 2018/05/13 (日)公演終了

731
パラドックス定数
シアター風姿花伝(東京都)
2018/04/24 (火) ~ 2018/05/02 (水)公演終了
満足度★★★★
狂ってる。
ヒトはどのような状況で、どのようになるのか、これはひとつのフィクションでもあり、ノンフィクションでもあるのかもと。
そして、多分、このような感情を観劇中に持つことはあまり、自分は無かったのだが
辰沢役(小野ゆたかさん)が自分が帝銀事件をやったと語る場面で、「お前がやったのかよ」と睨んでしまった。
罪に対しての態度というか(劇中そこがどの役柄もポイントだと思うが)それを観た瞬間、苦しんで死んだ8歳の子どもが私の脳裏に浮かんだ。
「お前が殺したんだ」と何故だが、分からないが物凄く憎しみの感情がうまれてしまった。
きっと、余りにも、「死」に対しての彼らの感じ方が怖すぎたのかもしれない。
だから、「狂ってる」と感じた。
「戦争だから」
「命令だから」
「医学の進歩の為だから」
戦後生まれた自分にとって
戦争中の心理はあくまでも「想像」でしかない。
何故、人が人でなくなってしまうのだろうか。
「殺される」状況になったら「殺さなければ、自分が死ぬ」と
思う。
ただ、自分はそのような状況になった事が無い。
ただ、「戦争」はそれが日常であったのだから「しょうがない」という理由になるのだろうか。
731部隊は、戦時下において一種、異なった狂気ではなかったのか。
研究者たちは、あの状況を「天国」と思っていたのか。
あの状況を「おかしい」とは思わなかったのだろうか。
思ってはいなかったのだろう。
何の制約も受けず、「普通」であれば倫理が邪魔するであろう「実験」、いえ、「殺人」を思う存分出来たのだから。
その「殺人」を行って、得た多くのデータは彼らにとっては、煌めくものだったのだろう。
「もっと、もっと、データを・・・」
戦争が終わり、日本へ戻ってきた彼らは
「死」を恐れた。
自分達の身の安全を、仲間を見張りながら絶えず、見えない恐怖に
怯えている事を隠しながら、生きようとしていた。
これは、物語だろうか。
人間はこうも、醜いのだろうか。
これが、物語だ。
人間は、こうも、醜い気持ちを持っている生き物だ。
葛藤もある。
しかし、彼らはけして、あの実験を後悔してないのだろう。
何かのせいにして、
けして、「自分」が悪い訳ではないと思ってる。
大なり、小なり、私もきっと、同じような考え方をすると思う。
あの焼け野原で残った建物の一室で
今もきっと、同じように
会話をしてる影が見えるかもしれない。
そう、感じた公演だった。

鉄とリボン
キコ qui-co.
座・高円寺2(東京都)
2018/05/02 (水) ~ 2018/05/03 (木)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/05/02 (水) 19:00
壮大なファンタジーが徐々に種明かしされていく。「はなよめのまち」に来る男たちと町の人の物語と、現代の編集者の恋愛話など、複雑な構造が提示される前半の60分。5分の休憩を挟んで、そういった構造の種明かしがされていく後半の85分は興味深く展開される。タイトルは複合的な意味合いを持っているとか、面白い部分が多いのだが、いかんせん冗長に感じる。元々は200分あった作品を切って145分にまとめたそうだが、セリフの吟味がやや甘いのは小栗の特徴とも言える。生演奏/歌唱も雰囲気を出すのに効果的に働いているが、大人数のせいか、ボディクラッピングが合っていない瞬間があるのは勿体ない。

紛れもなく、私が真ん中の日
月刊「根本宗子」
浅草九劇(東京都)
2018/04/30 (月) ~ 2018/05/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/05/01 (火) 19:00
根本宗子の新境地か。オーディションで選んだ21人の女優と話をしながら作ったという本作は、久々に根本本人が出ない。中1の金持ち女子が、誕生日パーティーにクラス全員を招待したのだが、そこで様々な人間関係が絡んだり、突然時間軸が動いたりしながら物語は展開する…。従来は、根本の分身的な数名の登場人物で「女子あるある」物語を書いていた根本が、21人のキャラクターを描き分けて90分でまとめたところは見事。エンディングは、アンビバレンツな状況で終わるあたりも興味深い。

ヘッダ・ガブラー
シス・カンパニー
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2018/04/07 (土) ~ 2018/04/30 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/04/30 (月) 13:00
千秋楽に再度観た。初回観たときよりも、苦笑/爆笑が多い珍しいイプセンになっていた。それは主に登場人物のキャラクターを誇張する演出で出来上がっているように思うのだが、それでいて物語の骨格はしっかりとしていた。役者陣の豪華さも含めて、見事な舞台であるのだが、繰り返し観ると、メイド役の福井裕子が一種の「神」的なポジションにいることに気付く。高いフランス窓の美術も素敵。

サイキックバレンタイン
たすいち
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/04/29 (日) ~ 2018/05/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
基本的に超能力などがテーマの作品は避けているのだが、気まぐれに観劇。
これは当たりだった。
少々騒がしさも感じたが、それも必然だったとあとから納得した次第。
全体の気配りその他を見ても、これから大きくなるエネルギーを感じた。

Starting Over
“STRAYDOG”
ワーサルシアター(東京都)
2018/04/29 (日) ~ 2018/05/06 (日)公演終了