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真夏の夜の夢

真夏の夜の夢

ヨハクノート

インディペンデントシアターOji(東京都)

2018/05/17 (木) ~ 2018/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

これまでに見た「真夏の夜の夢」と比較してもかなり上位に来る出来の作品。最高に面白かったですよ。どんちゃん騒ぎの中にいろいろな工夫が見られ,感心しながら楽しんでいました。ヨハクノートさん,初見の劇団さんでしたが,こんな面白い作品を作る劇団さんと出会えるとホント嬉しくなってきます。次の作品も期待しています。

真夏の夜の夢

真夏の夜の夢

ヨハクノート

インディペンデントシアターOji(東京都)

2018/05/17 (木) ~ 2018/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/05/14 (月) 14:00

価格2,500円

基調はオーソドックスで古典の格調高さ(?)や台詞の美しさなどを残しつつ絶妙の配分で現代的なモノを入れることで翻案したワケではないのにちゃんとイマのものになっているのがアッパレ!(※)
補足すれば白い布と紐によるシンプルな舞台美術は格調高さ、特に衣装らしくない現代の普段着っぽい衣装はイマな感じをだすのに一役かっていたかも。
アテネの4人が森で鉢合せして口論になった時のアレは愉しいし、人気シリーズ映画のあのキャラネタはあるし、終盤の劇中劇場面の演出も妙案だし、妖精の表現や原作の人物の省略も巧いし満足満足♪
しかしなんでここを今まで誰も勧めてくれなかったんだろう?いや、自分の情報収集力不足を嘆くべきか……。

※ レティクル座の「童貞キューピッド」(2014年1月)が現代語訳/超訳ながら実は原典に忠実だったのと対照的(ちなみに童貞キューピッドも個人的には高評価)

ネタバレBOX

【覚書】
口論になった時のアレ:序盤で慶事を知らせるために撒いてそのまま床に散らばっていたビラを投げ合う
人気シリーズ映画のあのキャラ:ダースベイダー
劇中劇場面の演出:結婚する三組が客席に座り上演中の劇中劇に茶々やツッ込みを入れる
妖精の表現:職人役の役者のうち2人が両手に人形をはめて声色を使う
人物の省略:ハーミアの父・イジーアスが出てこないし職人が3人しかいない
底ん処をよろしく

底ん処をよろしく

東京ストーリーテラー

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2018/05/16 (水) ~ 2018/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

人は心に「痛み」のようなものを抱えて生きている。本公演…人生という緩やかな時の流れの中で向き合う「痛み」は、親子の確執や死別などの後悔である。人間の心の機微を優しいまなざしで描き出した物語。そのテーマは「人情」といったところであろう。
構えることなく素直に物語の世界へ身をゆだねることが出来る、そんな安心して観ていられる好公演である。
(上演時間2時間5分) 【Aチーム】

ネタバレBOX

セットは食堂内のテーブル席4つ、上手側には自宅への出入口、中央奥にはレジ台・黒電話、厨房への入口、下手側には店玄関(暖簾)があり、その雰囲気は昭和を感じさせる丁寧な作り。壁にはメニューやカレンダーが貼られ、特にカレンダーは4月から10月に変わり時間の経過を表す細かい演出がされている。

食堂の父娘と常連客との交わりを通して「食事」や「家族」の問題が浮き彫りになっていく様子は仄々としているが、生活感という重みがある。その描き方は「庶民の腹の味方...安くて旨い食事」といったところ。その精神は先代が書き残した冊子にある。戦後、空襲で焼け出された家族、腹を空かした戦災孤児、無職の帰還兵など、”どん底”の生活に喘ぐ人々のための食堂から始まる。

シャッター商店街と揶揄されるような場所にある店。客は常連ばかりで売上げが伸びず経営はギリギリ。店主は跡継ぎもいないことから廃業を考えている。そんなところへ元弁護士が...訳ありなのは一目瞭然である。この謎めいた人物の目的は何か。
食は「命をもらって命に繋ぐ」「腹と心を満たす」といった心に響く言葉が、登場人物1人ひとりの心のヒダに分け入り切ない葛藤がしっかり描かれる。社会や地域の変化は、鳥が高い空から俯瞰するような、一方、市井の暮らしは虫が地べたを這いずり見るような表わし方である。この巨・微のような描き方が物語の世界観の大きさや深みを出す。

店主の川島隆三(仙崎情サン)は、美味しい物を食べてもらうという信念の下、奮闘するが時代の流れは真心さえも押し流してしまい、閉店を覚悟する。隆三の一抹の寂しさを感じさせる佇まいが印象的である。何とか店を盛(守)り立てたい常連客は色々な工夫をする。その延長上には奇跡のようなことが…。
本当に人情に溢れた食堂、その隠し味は目に見えない”真心”ではないだろうか。

次回公演を楽しみにしております。
Melody

Melody

TEAM 6g

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2018/05/16 (水) ~ 2018/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/05/20 (日)

初6g。なんだけど、阿南さんの所属していたセレソンの公演はよく足を運んでいたので、テイスト的にはセレソンの流れを汲んでいるのかなと。王道を行く大いに笑えて、後半号泣・・・という芝居を久々に観たくて今回は娘と嫁も誘って観劇に。
2時間以上の長丁場、小学1年の娘は集中できるか・・・
設定は田舎の旅館に集う家族と仲間たちの物語。そして、繰り広げられるドタバタ人情劇。楽しい。やっぱこういうの楽しい。感情移入がしやすいから素直に笑えるし、素直に泣けてくる。後半、一気に泣かせに入ってくるが阿南さんの表情にやられる、、愛おしくなる。
娘も寝落ちせずに、集中して観てた。
が、よく昔は2人で観劇に行っていた嫁さんは、、まあ、、自分も相当感じていたんだけど、、この物語、、話、、セレソン公演の「夕」や「歌姫」などの小ネタを多用している・・・?役者になると出て行った弟が帰ってくるシーンなんかはまさに、、夕の一場面だよな。。設定も・・・なのでカミさん的にはもう見慣れた、、見飽きたもののような感覚になったらしい。(セレソンの公演DVDを擦り切れるほど観ているので)
しかし、セレソン亡き後、こういう芝居を見せてくれるのはおそらくもうこの劇団しかないだろうし、また、大いに笑い、号泣しにこのチームの舞台にはまた家族で楽しみに来たい!
しっかし、阿南さんは魅力的だな~~。

NoBody,NoParty

NoBody,NoParty

東京AZARASHI団

シアターサンモール(東京都)

2018/05/16 (水) ~ 2018/05/20 (日)公演終了

バックステージのドタバタ劇。
ここまでドタバタが徹底していると、好き嫌いになるのかと思います。
もう少しコンパクトにして欲しかった。

Brand new OZAWA mermaid!

Brand new OZAWA mermaid!

EPOCH MAN〈エポックマン〉

APOCシアター(東京都)

2018/05/05 (土) ~ 2018/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

久しぶりにキラキラした時間を胸いっぱい、深く深く堪能しました。小沢さんのマシンガンのような勢いと、シャープでライトな構成、心の奥をキュッとつねるような切ない台詞たち、今も夢のように離れません。小沢さんの「人魚姫」への想いが随所に散りばめられ、キラキラ結晶のように残るのです。

iaku演劇作品集

iaku演劇作品集

iaku

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/05/16 (水) ~ 2018/05/28 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/05/21 (月) 13:00

価格2,000円

めちゃクチャ好き。大好き。

泣けます。人間という生き物の美しさ・必死さ・わがままさ、そういうのをひっくるめて愛おしいと思えるようになる作品です。


人間が大好きになりました。辛いことあるけど、それでもやっぱり誰かと一緒、この世界を生きて行こうかと。

ヘンリー五世

ヘンリー五世

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2018/05/17 (木) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/05/20 (日) 12:00

これは、戯曲そのものの構造的な欠陥だと認識しているのだけれど、百年戦争の件が冗長で、エピソードとして楽しめる部分も幾つかあるのだけれど、何とも眠気を誘う展開。舞台上で、四十七士の討ち入りは描けても、関ケ原の合戦は描けまい。ただただ、観客に想像力の駆使を懇願するけれども、あくまでも戦争自体は王宮や幕僚の外にしておかないと、演劇にならない。(やるなら、歌舞伎の回り舞台を駆使したような大掛かりでないと)

それともやはり、「ヘンリー4世」観ていないと、ちょっと感情移入しずらいのかな。

その戦争後の終盤、戦争の展開で人物描写が中途半端なままで(イギリス、フランス王宮内の描写が見えずらい)、登場人物の心象描写をやるもんだから、そこのところの取って付けた感になって、どうしても苦しい。
けして、役者さんや演出家が悪いとは思わないのだけれどなあ。

Trance

Trance

笛井事務所

明石スタジオ(東京都)

2018/05/17 (木) ~ 2018/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★

開始は、バスとピアノの生演奏をバックに、レトロなマイクを前に歌唱が始まる。外は今年最高気温の29度。それを室内のクーラーの効いた部屋、暗闇にスポットライトで聞くと、頭がクラクラする。
舞台の設定は「覆面の舞踏者」、そして「赤い部屋」からのインスピレーションで舞台は赤い紐が垂らされている。

二十日会に新しい会員が招かれての歓迎会。ここの披露されるのが、各会員が体験した過去の話。その各話が、乱歩の諸作品ということになる。
なるほど、各話をエピソードとして繋げるわけではなく、あくまでも語りとして用いているのだな、と納得した次第。そして、最後に新人が語るのが「赤い部屋」の本編の件となるのだが、、、、
単に各説話が、繋がれているだけなのが少々残念な気がするのだけれど、それぞれの語り手の演技と演出が見事なので、飽きることがない。むしろ、これで1時間半なのかといえるほどの濃密な時間を味わえる。


ネタバレBOX

ラストがよく判らない。新人君は殺されたようだけれども、二十日会って何?
新人君が、会に誘われた件がリフレイン的に再現されて、この会はいつも新人を招くことで成立しているらしきなのだけれど、殺人趣味はないと会員たちは語っているし、、、、

ちょっとした仕草から、ダンスに至るまで、細かい所作が見事に練られていて、とても心地よいのだけれど、このラストの締めくくりが、どうもしっくりこないのが、個人的には残念。

それと「押絵と旅する男」の件で「ストーカー」という言葉が出てきたり、「恐ろしき錯誤」を語る男性が落とす手帳がキャンパスノートの小さいのといった、ちょっとしたことが、作品の世界観を崩しているのも残念。
うまい世界観の構築だなあ、と感心しているだけになあ。

以上で、★1つ減かな。
Melody

Melody

TEAM 6g

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2018/05/16 (水) ~ 2018/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

初演時に観たことのある(開演まで失念していました、失礼)演目ですが、今回見直しても、やはり素晴らしく、見応え十分の作品でした。

首のないカマキリ

首のないカマキリ

劇団俳優座

俳優座スタジオ(東京都)

2018/05/18 (金) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

■約110分■
横山拓也×俳優座の取り合わせは上々でした。抑揚に気を配った写実的な演技演出が、笑いに傾くあまりやや非現実的なところもある横山戯曲を生々しくみせてくれた。

グッド・デス・バイブレーション考

グッド・デス・バイブレーション考

サンプル

KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(神奈川県)

2018/05/05 (土) ~ 2018/05/15 (火)公演終了

満足度★★★

■約115分■
単なる未来奇譚。を突き破るかと思われたが…。

しずかミラクル

しずかミラクル

コトリ会議

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2018/05/17 (木) ~ 2018/05/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

予測不能のコトリワールド全開!

もう面白すぎる変な設定
もう宇宙人と人間の変な会話
もう優しいのか?残酷なのか?
もうキャラは一体どんな性格なんだ⁈
最初から最後まであらゆる想像力をフル回転!

不思議な世界へ迷い込んだ感じで展開されて行く
会話が凄く心地よく響く
まるでフワフワした夢を見てるかの様なお芝居
理解出来ないところもありますがそれでも充分惹き込まれていく
こんなお芝居なかなかないんじゃないでしょうか!
あまりの心憎い台詞に終始ニヤニヤさせられた(^^;
病みつきになるお芝居!

iaku演劇作品集

iaku演劇作品集

iaku

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/05/16 (水) ~ 2018/05/28 (月)公演終了

満足度★★★★

■『人の気も知らないで』鑑賞/60分強■
関西の同僚女子三人の、行き違う思いを描いた会話劇。笑ってばかりいられる内容でもなかったけれど、女子二人がやる「鉄板ネタ」とやらがくっだらなくて大好きでした。

iaku演劇作品集

iaku演劇作品集

iaku

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/05/16 (水) ~ 2018/05/28 (月)公演終了

満足度★★★★

■『葉桜』『あたしら葉桜』鑑賞/約75分■
娘を嫁に遣る母、そして、劇中には登場しない、娘の婚約者。二人の優しさが染み込むように伝わってくる、素晴らしい『葉桜』でした。私の頭が古いのか、『あたしら葉桜』はもうひとつノれず。

Y FUTAMATA vol.2

Y FUTAMATA vol.2

ロ字ック

小劇場B1(東京都)

2018/05/09 (水) ~ 2018/05/13 (日)公演終了

満足度★★★

この劇団自体初めて観る劇団でした。

故に普段どういうお芝居をしている劇団か分かりません。

最後のカラオケの夜は最高でした。

ネタバレBOX

劇団員の方がそれぞれ自分が一緒に作品を作りたいと思った劇作家さんと作品を作るという企画モノでした。

なので、3作品ともそれぞれ別のタイプのお話でしたが、1作品30分程度だったとは思いますが、最初の2作品については3時間位に感じました。

特に1作品目に関しては何が面白いのか?何を伝えたいのかが全く分かりませんでした。

2作品目も最初同じように感じましたが、途中からこういうことかと納得出来る部分も多少ありました。
が、やはり無駄が多く、特に最後の上手くもないダンスシーンは必要無かったのでは?と思いました。

それに比べて最後の3作品目は素晴らしく。
特に客演の亀島さんの演技は、賞取れるんじゃ?というレベルに思えました。

どうしてもこの作品が観たくてリピートしましたが、もう一度あの2作品を観るのが死ぬほど辛かったです( ´ཫ`)
無伴奏ソナタ

無伴奏ソナタ

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2018/05/16 (水) ~ 2018/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/05/18 (金) 19:00

座席1階10列

価格6,500円

一滴のインクは閉塞感の世界から彼のカラダを解き放った。私はそこからの怒濤の展開に身を預けそっと寄り添うしかなかった。

多くの観客はあの歌を口ずさみながら帰路に着き、明日に向かってこう誓うだろう。

悔いのない人生を。

iaku演劇作品集

iaku演劇作品集

iaku

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/05/16 (水) ~ 2018/05/28 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/05/19 (土) 11:00

座席1階1列

価格3,000円

今回は市原文太郎さん出演も重なり評判のいい「粛々と運針」を観劇。

入場するとシンメトリーなセットがお出迎え。紅白衣装の女性が現れて「あれは誰?」という疑問を置いて話が進みます。心地よい会話のリズム。急な会話の交差は空間を撤去しました。

MONO公演で先日拝見した尾方さんが素敵でした。

これは小劇場ならではと言える傑作です。

二度寝

二度寝

P×P プライムシアタープレゼンツ

PRiME THEATER(東京都)

2018/05/17 (木) ~ 2018/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

5月19日 見て来ました 演劇鑑賞2度目
大変楽しい時間を過ごさせて頂きました演劇って日常を離れられて最高です!(^^)!

図書館的人生Vol.4 襲ってくるもの

図書館的人生Vol.4 襲ってくるもの

イキウメ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2018/05/15 (火) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★

「図書館的・・」をNHKシアターコレクション(mmm..隔世の感あり)の放映で観たのがイキウメ始め。賽の河原とか(死後の世界)、台詞にアブダクションがやたら出てくるやつ(UFO目撃・接触。確かこれが獣の柱に発展)、自殺者の前に現われる奇妙な人達(輪廻転生サイエンス)など。あの時点から今日までの活躍を見ればやはり才能だったのだな、と感慨無量。
「図書館的人生」シリーズは二度目の観劇になるが、ある関連を用意はしているが三編とも独立した話で短編集である。判りやすいドラマだが「作り」の精緻さはイキウメの面目躍如。もっともイキウメ色(SF色)が減退した分不満の向きもあるやも知れない。
三編中完全なるSFは第一話目、自分の脳を箱に入れてしまった男の顛末だが、荒技な無理設定の無理をコミカル調で相殺するワザは手慣れたもので、実に見事な連係プレイ。
第二話は私が最も「図書館的」らしいと感じた(即ち気に入った)作品で、「不思議」度は最終的にはゼロとも読めるがそこに行くまで絶妙に引っ張り、余韻も絶妙。
三話目はほぼ日常ドラマ。夢の「不思議」が浸潤する様子もあり、「襲ってくるもの」の象徴的な「形」である物体が舞台にのしかかってくる(芝居の冒頭でフラッシュを焚いたような閃光が一瞬捕らえて以降出てこなかった<それ>が三話目で漸くお目見え)様子もあるが、不思議は仕掛けにのみあり、要は就活時期を迎えた主人公=女子学生が、同居する兄や交際中の彼との関係において予め摘み取られた「自立」の所在をめぐって悩み、試行するという、カテゴリーははっきりホームドラマだ。一見苦労の少なく脇が甘そうな彼女だが、兄や彼氏とのコミュニケーションの中に感じる違和感を無視できなくなる。やや古いモデルだが父権的で脆い男性像を仮託された兄や、優しさを交際関係(ひいては結婚)の契約要件のように差し出す平凡な彼氏の言動に対し、彼女は疑念を抱き始めるのだ。「優しさという名の押しつけ」(ひいては親切という名の管理)を、兄と彼氏が波状攻撃の案配でくり出すシーン構成がうまい。

イキウメ世界を構成した個性である女優二名の退団がきつい現状?でもあろうが、それ以上に時間が彼らに平等に与えるもの、即ち加齢の中で、前川氏の筆も変わっていく可能性がよぎる。普通のドラマも書ける前川知大、と言われる日も近い?(彼はいつだって人間ドラマを書いている、と私は思っているのだが)

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