最新の観てきた!クチコミ一覧

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ピース

ピース

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2018/06/13 (水) ~ 2018/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

毎回丁寧な台詞や言葉の意味が深いなぁと思う劇団だが今回もそうだった。
フライヤーの内容と実際の舞台のギャップにいい意味で裏切られた。
これからは「いってらっしゃい」「いってきます」を丁寧に言いたくなるかも。
そして今日の夕食はアレになりそう。

ピース

ピース

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2018/06/13 (水) ~ 2018/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★

21日間の疑似家族を演じことで目覚める”実の家族への思い”というヒューマンドラマ。この芝居の面白さは設定、そしてその場所・状況をきめ細かい演技で具現化させているところ。また舞台美術はシンプルであるが、観客に配慮しつつ観せる工夫をしているのが良(酔)い。
(上演時間1時間40分)

ネタバレBOX

セットは船上…光景は板状のものを吊下げ、微妙に揺らすことで船の動きを表す。中央にテーブルとBOX椅子がいくつか置かれているシンプルな造作である。船上という様子は、役者の動きにも”揺れている”という演技に現れている。上演後、秋葉舞滝子女史から揺らす動作は、やり過ぎると観客が船酔いを起こすため(手加減)調整が難しかったと聞いた。

政府の国家プロジェクトとして、船上で21日間疑似家族を演じて、その結果データを分析したいというもの。一度乗船すると途中で役割放棄できない、そして成功報酬が魅力的という設定である。始めのうちは見知らぬ同士ということもあり、ある程度距離を置いた接し方であったが、時間の経過とともに打ち解けてくる様子が微笑ましい。さて、集められたメンバーはお笑いタレント、トラック運転手、スナックのママ、主婦、美術の高校教師、引籠り大学生といった関連付けが想像できない人達である。冒頭、厚生労働者と総務省の官僚から本プロジェクトの趣旨なりの説明があったが、あまり理解出来なかった。この疑似家族に与えられた命題が鮮明でなかったことから、表層的には面白可笑しく観たが、物語の”芯”を捉えたか心許ない。

物語の柱を別にすれば、登場人物の背景は丁寧に描かれ、それぞれの関係性を幾つかのシーンで繋ぎ人間味を出すところは巧い。先に記した舞台美術のシンプルさは、それだけ役者の演技力がないと情景描写が伝わらない。その点、船上を意識させず、疑似家族という与えられた役割(柄)の人間性の深堀りと関わりを通じて、分かり合える心の温かさを感じることができた。緩々とヒューマンドラマ的に流れるところであるが、そこに唯一、船上を意識させる遭難?シーンを持ち込む。21日間という期間と同時に限定された場所であることを再認識させ、改めて物語に集中させる演出は上手い。

冒頭は21日間の疑似家族体験が終わり下船するシーン。ラストはこの冒頭シーンへ回帰するが、それまでの軽妙でコミカルなタッチから劇画調へというイメージを持った。別れを惜しむ、その哀感とこれからの人生への活路が見い出したような余韻が素晴らしい。

次回公演も楽しみにしております。
小公女セーラ

小公女セーラ

Japan Art Revolutionary

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2018/06/14 (木) ~ 2018/06/16 (土)公演終了

満足度★★★★★

セットや照明、出演者様方の歌声が美しく、素晴らしい公演でした!

小公女セーラ

小公女セーラ

Japan Art Revolutionary

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2018/06/14 (木) ~ 2018/06/16 (土)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/06/14 (木) 14:05

「1ヶ月この舞台のことだけを考えてた」というツイを見ました。出演者一人一人の考え方は違っても、気持ちは同じじゃないでしょうか。素晴らしかったです。二時間五分ですので、セーラとしては短いですが、彼女たちのリアルな気持ちも乗せてるんじゃないかと思うほど、気持ちが伝わります。同世代の若者たちをはじめ、いろんな方に見てほしいミュージカルでした。

時代絵巻AsH 其ノ拾弐『白煉〜びゃくれん〜』

時代絵巻AsH 其ノ拾弐『白煉〜びゃくれん〜』

時代絵巻 AsH

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2018/06/06 (水) ~ 2018/06/11 (月)公演終了

満足度★★★★★

良い客演さんたちに恵まれ、作品としての出来はかなり良かったと思う。
のだが・・・どうも最近の作品、パターン化していないだろうか?
皆に愛される主人公、陥れられて非業の死を遂げる。残った者たちに未来を託して。

個人的には灰衣堂さんの脚本は好きなのだが、どうも形としては同じような形態になってしまっていて、確かにそれぞれの魅力はあるのだが・・・たまには誰にも愛されないものが愛を掴む話とか。どんな苦難に遭っても逞しく生き残るものとか、自分の夢を掴む者の話も観たい気がする。見慣れたものの我儘かもしれませんが、良い裏切りがある舞台、期待してます。


とはいえ今作の出来は良いと思うので☆五つ。

ゲイシャパラソル

ゲイシャパラソル

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2018/06/09 (土) ~ 2018/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★

普段、これはと薄々思っていたことが、自分の想像よりはっきりとそれもかなり露骨に出ていたことにショックを受けた。国が外部に侵される、それが頭の中にに大きくなって、他の話がみんなそこに繋がってしまった。仇吉という女性を中心に観ていれば、もっと違う感じ方があったのかもしれなかったなと、せっかくの艶の部分を落としてみてしまった自分が悔しい。

幕末疾風伝MIBURO~壬生狼~

幕末疾風伝MIBURO~壬生狼~

TAFプロデュース

かめありリリオホール(東京都)

2018/06/08 (金) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★

なんとも爽快で気持ちの良い舞台であった。だが、根本的な部分がどうも納得できない。なぜ沖田総司を女性の方が演じているのだろう?彼女の演技がまずいとかそう言う事ではない!が、ストーリーの上で考えると沖田は男性の方が、しっくりくる部分が多いような気がしてならない。・・・とオバサンは思うのだが・・・。

日本文学盛衰史

日本文学盛衰史

青年団

吉祥寺シアター(東京都)

2018/06/07 (木) ~ 2018/07/09 (月)公演終了

満足度★★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

平田オリザの新作『日本文学盛衰史』を観劇。

明治時代の有名作家の通夜の席での芝居。
一幕物だが、四場あり、全て通夜の場である。

毎回同じ面子が集まる通夜の席で、文豪達は新たなる文学の幕開けと
時代の不安感を感じながらも、故人に思いを寄せている。
いつもながらの永遠と続く会話劇で、通夜に集まっている人たちの会話の内容は、近況報告やら世間話ばかりだ。
場が何度変わっても、話のうねりはなく、まるで同じ場面を何度なく観せられている錯覚に陥る。だが毎回の場にうねりがなくても、時代背景が大きくうねっているのが見過ごせない点だ。
だから今作は、目の前で起きている出来事は、絶えず同じ物を永遠と観せられてはいるが、頭の中では、時代背景が絶えず忙しく動き回っている状態になっている。
そんな状況を2時間近く観せられていて、「何時もの如く、きっとこのままで終わるのだろうな?」
と思いきや、最後に全てを破壊してくれるのである。

いつもと違う平田オリザを存分に味わえるのである。

誰もが真似出来そうだと錯覚しそうな「平田オリザの現代口語演劇」は、
やはり本人しか作れないオリジナルだ。
二ツ巴-Futatsudomoe-<舞台写真公開中!>

二ツ巴-Futatsudomoe-<舞台写真公開中!>

壱劇屋

ABCホール (大阪府)

2018/04/06 (金) ~ 2018/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★

 作・演出・殺陣・出演の竹村晋太朗さんによる前説で少しばかりの設定解説はあったものの、「劇中に台詞は一切無し!wordless殺陣芝居!」という宣伝文句に偽りのない娯楽大作でした。NMB48という女性アイドルグループの2人(久代梨奈、谷川愛梨)が主演ですが、“アイドルとそのファン向けの舞台”にはなっておらず、幅広い客層に届く内容で大変楽しませていただきました。

 終演後の物販はやはり長蛇の列。商品も充実していて、劇団員らののぼりで装飾されたロビーは艶やかでした。

ネタバレBOX

 主(岡村圭輔)とその姫君トモヱ(谷川愛梨)、農夫(竹村晋太朗)とその娘ともえ(久代梨奈)という2組の父娘をめぐる物語です。
 渇水が続く村では主の命により、人柱として若い女性が生き埋めにされています。トモヱとともえの身代わりになって農夫が人柱になり、2人は生き延びますが、ともえは父を見捨てた主を許せません。彼女は水神(赤星マサノリ)の剣を手に入れ、剣の達人になり主と対峙します。

 一方、都の宰相である久沓(大熊隆太郎)は、大剣を使う我斜(小林嵩平)と弓を操る戸笈眼(西分綾香)を部下に従えて、国を乗っ取ろうと奸計をめぐらしています。次から次に強敵を上回る強敵が登場し、必殺技を超える技が繰り出される展開は、まるで人気少年漫画やロールプレイングゲームのようにサービス満点でした。

 舞台を横切る太鼓橋とその両端に続く上下(かみしも)の階段がある舞台装置で、アンサンブルの俳優たちが半透明の大きなビニールを使って水の動きを表現します。ビニールは場面転換や時間の経過を表すのにも適していました。

 CGゲームのキャラクターのようなヘアメイクと衣装が贅沢で、武器などの小道具も凝っています。ムービング照明が派手で良かったです。音響は客席の椅子にビリビリと振動が伝わるほどの大音量で、情感たっぷりの音楽がハードロック調に切り替わるのが鮮やか。音楽で物語の背景や意味を補完するのは、少々やりすぎかなと思うところはありました。

 我斜が大ナタを振るって二刀流になったり、戸笈眼が一度に5本の矢を放ったり、戦法がグレードアップするのが楽しい!久沓は実は呪術使いで、人々を意のままに操り、死んだ者たちがゾンビになって蘇るのもまた楽しい!

 水神は人間の体に乗り移って可視化され、地上に現れます。ともえの死んだ父も同様に、誰かの体に乗り移って登場するのですが、演じる俳優の動きがシンクロすることで、それがわかる仕掛けになっています。矢の動きを手で表すというアナログな見せ方も素晴らしく、ファイト・コレオグラファーとしての竹本さんの力量は色んな場面、公演で発揮してもらいたいと思いました。

 ラストで父娘が闘う意味がわからなかったこともあり、終盤の10分間ほどはカットしてもよかったんじゃないかと思いました。パフォーマンスで見せる公演は腹八分目がいい塩梅ではないかと、個人的には思います。

 ともえ役の久代梨奈さんは動きがとても俊敏で、たとえば一瞬だけ首を後ろに引いて敵の攻撃をかわす仕草に魅せられました。ヒロインとしての華もありドキドキさせられました。
 我斜役の小林嵩平さんはただ立っているだけで強そうでしたし、刀裁きからは風の音が聞こえるようでした。
我が君行進曲

我が君行進曲

料亭沢庵

桜美林大学・町田キャンパス 徳望館小劇場(東京都)

2018/06/13 (水) ~ 2018/06/16 (土)公演終了

満足度★★★★

「えんさな」さん、佐々木太一さん、小林芽さんにもご挨拶ができ、なによりでした! ・・・詳細については、ブログ記事をご覧下さい。→http://idolarayama.seesaa.net/article/459974586.html

日本文学盛衰史

日本文学盛衰史

青年団

吉祥寺シアター(東京都)

2018/06/07 (木) ~ 2018/07/09 (月)公演終了

満足度★★★★★

堅苦しいのかなと思っていましたが、全く違っていました。

ネタバレBOX

北村透谷、正岡子規、二葉亭四迷、夏目漱石、それぞれの通夜の席に集った作家たちの会話を通して、日本文学の歩みと今後を示唆した物語。

堅苦しいお話かと思っていましたが、現在のネット社会のこまごましたことも織り込んでの楽しい舞台でした。

開演前のアナウンスで、日本大学盛衰史と言い間違えて掴みはOKでした。と共に、アメフト問題で落ちぶれるかもしれない日大同様、題名にある盛衰という言葉の重みに気付かされました。

言文一致云々から発展した日本文学ですが、貧しい労働者階級のために書いても当の労働者たちは貧しくて本が買えず読んでもらえないと作家が悩んでいた時代から、今度は誰でもが小説をネットにアップできるようになった結果、あまりにも多過ぎて誰も読まない、読めない時代になったと若手は嘆き、将来はAIが最高の小説を書くことで、それ以上の小説が存在しえないことからそこで打ち止めという話にもなりました。

島崎藤村と田山花袋が通夜の席に居残ることで四場を繋いだ手法は、暗転による中だるみを防ぎ、お膳の片付けや配置の効率化にも繋がり素晴らしいと思いました。田山花袋の座布団フェチ振りには笑いました。

志賀廣太郎さんの記事をネットで見たその日の観劇でした。ご自愛ください。

畳と板張りの混在する座敷で、どぜう屋があんな感じだったかなと思いながら観ていました。膝が板に当たって痛くなりそうな配膳の仕方には、当時のことを知らないので何とも言えませんが、それでいいのかなと少々気になりました。
天 - COLORS × JORKER -

天 - COLORS × JORKER -

Creative Company Colors × fool VS公演

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2018/06/13 (水) ~ 2018/06/18 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/06/13 (水) 19:00

物凄く楽しめる舞台でした‼️
個人的には感動的で泣けるシーンが印象的でしたが、また観たいと思える素敵な舞台でした‼️

ミュージカル DAY ZERO(デイ・ゼロ)

ミュージカル DAY ZERO(デイ・ゼロ)

シーエイティプロデュース

DDD AOYAMA CROSS THEATER(東京都)

2018/05/31 (木) ~ 2018/06/24 (日)公演終了

舞台は2020年のアメリカ。召集令状が届き、あと3週間で出征することになったら…という物語で、3人の幼なじみの男性それぞれの決断が描かれました。原作は2007年のアメリカ映画だそうですが、今の日本にもフィットした作品です。 
詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2018/06/03/9825/

父と暮せば

父と暮せば

こまつ座

俳優座劇場(東京都)

2018/06/05 (火) ~ 2018/06/17 (日)公演終了

1994年初演の井上ひさしさんの二人芝居です。演出は鵜山仁さん。上演回数はのべ500回を超えているとか。
1945年8月6日から約3年後、7月末の数日間の物語です。舞台は広島の図書館で働く23歳の福吉美津江が一人で暮らしているボロ屋。そこに美津江の父、福吉竹造が現れます。
どなたにも、一生に一度は観ていただきたいお芝居です。観たことがある方は、新キャストでイメージ一新した今回をお見逃しなく。お友達、ご家族、恋人をどうぞお誘いください。若い方にもぜひご覧いただきたいです。
詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2018/06/07/9841/

夢の裂け目

夢の裂け目

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2018/06/04 (月) ~ 2018/06/24 (日)公演終了

井上ひさしさんの東京裁判三部作の第一部にあたる『夢の裂け目』(2001年初演)の2度目の再演です。同じ戯曲の同じ演出だからこそ、時代も、世界も、自分も変わり果てたと思い知らされました。若い世代の俳優へのバトンタッチを目の当たりにしながら、私自身が何度も学び直さなければならないと思いました。
詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2018/06/05/9830/

斜面

斜面

ナッポス・ユナイテッド

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2018/06/09 (土) ~ 2018/06/17 (日)公演終了

出演者5人によるハードボイルドな犯罪サスペンスものでした♪上演時間は約1時間20分。ギュっと凝縮されていて、気持ちのいいワクワクと緊張感が持続!楽しかったです。
詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2018/06/13/9877/

しずかミラクル

しずかミラクル

コトリ会議

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/06/13 (水) ~ 2018/06/17 (日)公演終了

人類滅亡が目前にせまる寂寥としたディストピアで、とぼけた会話や素っ頓狂なギャグが独特のタイミングで繰り出されます。狙ったチープさにも味わいがあり、この劇団にしか作れない作品だろうと思いました。
出演者・制作の若旦那家康さんの心の込もった丁寧な前説がとてもよかったです。
詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2018/06/14/9896/

ピース

ピース

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2018/06/13 (水) ~ 2018/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/06/13 (水) 19:30

価格3,500円

まず最初に大事なことを。空きっ腹で観てはいけない、最低限コンビニのおにぎり1個くらいは食べてから臨むべし。

国家プロジェクトで21日間の船上生活をすることになった6人の男女(と関係者)。
前半は「あること」の羅列にも見えまとまりに欠ける感が無きにしもあらずだし「どこへ向かうの?(←劇中の船でなく物語自体が)」な疑問も生ずるが、それらが次第にまとまって行きSPIRAL MOONど真ん中な世界に仕上がるのはさすが。
笑いあり緊張あり優しさありと盛り沢山なのも良かったし、珍しく抽象だがなるほど船だわ(仕掛けもアリ)、な装置もイイ。
ところで、序盤の状況説明から近未来の話かと思ったが、その後の台詞からイマであると判明してビックリ。うん、きっとパラレルワールドなのだろう。(笑)

ネタバレBOX

何枚かのパネル(?)が吊られ、それが揺れることで船が波に揺られていることを思わせる装置、そのパネルに折り目のようなものがあると思ったら桟敷童子か離風霊船か(いや、アチラと逆で崩すのでなく組むんだが)な仕掛けはこことしては珍しい。(だからこその抽象なのね)
青春超特急

青春超特急

20歳の国

サンモールスタジオ(東京都)

2018/04/19 (木) ~ 2018/04/29 (日)公演終了

満足度★★★

「卒業(式)」を起点/終点に、部活、文化祭、放課後など、高校生活のさまざまな場面、その断片が重ねられた青春ドラマです。リア充からオタクまで、ここに出てくる少年少女たちは、とにかくその時を大真面目に生きていて、ちょっと斜に構えた風のキャラクターでさえ、青臭さゆえの可愛らしさを滲ませていました。決して言葉数は多くはない。にもかかわらず彼らの対話やその間に覗く不安や迷いにはリアリティがあり、カラオケやダンスのシーンでほとばしるエネルギー、エモーションとの間の振れ幅も強く印象に残ります。中でも駅に佇むオタクの鉄男くんと、イケてる(はずの)同級生たちとのちょっとした交流が心に沁みました。

惜しいなと感じたのは、中盤にいったん「卒業式」が入り、そこが(かなり単純な、青春賛歌的)クライマックスに見えてしまったこと。実際はその後に改めて展開される日常〜卒業の流れの方が本筋かと思うのですが……。とはいえ、12名ものキャラクターをそれぞれ魅力的に描き、かつ、エンターテインメントとしてのステージングもできているこの集団、作品には、小劇場の枠を超えた底力があると思います。

今作は二十歳の国の「青春」からの卒業公演。
青春は、遠く離れてからようやく味わえるものですが、年を重ねれば自然と、作り手の向き合う現実に応じた表現に関心も向くでしょう。少し大人になった二十歳の国がどのように世界をとらえていくのか、楽しみにしています。


ゲイシャパラソル

ゲイシャパラソル

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2018/06/09 (土) ~ 2018/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

「名前」・・・忘れかけていたその重み
「深川」・・・時代を超えた「粋」
座高1のあの厄介な空間をうまく利用し、場面の転換も良く、シンボルの蛇の目傘や音楽や踊りを効果的に使い、これらに思いをいたす機会を与えてくれた

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