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「マラー/サド」東京公演

「マラー/サド」東京公演

東京ソテリア

イタリア文化会館 アニェッリホール(東京都)

2018/10/13 (土) ~ 2018/10/13 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/13 (土) 17:50

やっぱりなあ
オープニングの挨拶長!!!予定を10分以上オーバーして、どうなるのかと思った。
セレモニー部分の円滑な進行が、こうしたイベントの成否に大きな影響があることを、主催者は判っていないのかな。朗々と組織の説明などされても、観客の心に響くわけがない。

ただし、舞台は別。1時間20分お疲れさまでした。劇中劇の演出と進行がそのまま、この舞台の物語になるというメタドラマ。映画でこの作品があることは知っていた(クイズで、最も長いタイトルの映画は?として出題されることがあります)けれど、舞台で観るのは初めてだったし、そもそも舞台作品になるものだとは、想像だにしなかった。

劇中の歌唱は圧巻。実際の精神病院の患者さんが演じていることに、深い感銘を受ける。いや、生半かな芝居ではありません。自由を勝ち取るために、人は何を成し遂げなければならないか、ということを実感として提供してくれます。

舞台上の檻が自由の阻害を強調し、そこからどうやって出ていくのか、出て行くことは可能なのか、と役者と観客に訴えかけているようです。

でも、最前列に座っていた前ボローニャ精神保健局局長他数名のイタリア関係者、やたらとスマホで舞台を撮影したりしているのは、お行儀悪すぎないかい?チラチラした画面に気を取られて落ち着きません。すぐ後ろの人となれば、機嫌悪くしたのではないかな。イタリアではOKというわけではないでしょうに。

ネタバレBOX

終演後の会場との対話での「ラストに舞台上の檻が外れるかと思ったのですが」という観客から質問に対して、ナビゲータや、他の観客、前ボローニャ精神保健局局長がいろいろと意見を述べるのですが、遅れて出てきた演出のナンニ・ガレッラ氏は一言。
「そうした演出がよいと言うのであれば、次回はそうしましょう」と、軽く答えておりました。
その後の、彼の明快な演劇論を聞いてみると、なるほど思慮深い人は、無駄なことは考えないのだな、と得心した次第。舞台とは、「生活」そのものなのだそうです。
1回性、日常との時間の連続性、その上で演じられるという代替不可能な芸術ということなのでしょう。(昔、ゴダールが、「あらゆる映画はラブストーリーである」と言ったことを思い出しました)
金魚鉢のなかの少女

金魚鉢のなかの少女

地人会新社

赤坂RED/THEATER(東京都)

2018/10/06 (土) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/13 (土) 14:00

座席1階2列10番

全てはめぐりあわせだということを知った時、アイリスは大人になる。
彼女は、現実という鋭利な刃物の存在を知り、期待も理想も儚いものだということを知る。
でも、絶望だけがそこにあるというものではないことも、知ったのだろう。

堺小春さんは、これから芝居の途で生きていくのかな、次を観てみたいなあ。

ネタバレBOX

ローレンスの死は突然に、あっけなく(ある意味、ばかばかしく)訪れる。それは、最後の最後に、家族を繋ぎとめるよすがになろうかという時に、また突然に家族の終焉を招いしてしまう。残酷だ。

ラスト、過去を回顧するアイリスが羽織るレインコート、あれいつあそこにあったのだろう。誰か教えてください。
「Syng til måne」

「Syng til måne」

劇団わたあめ工場

d-倉庫(東京都)

2018/10/13 (土) ~ 2018/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★

不思議な神話世界を描いたような透き通ったダークファンタジー。
そんな矛盾が交差するような舞台に歌声が響くオペレッタ的な舞台。
受付・物販のスタッフも黒衣で表情を隠し、入場案内も物語の導入となる凝った演出。
…なのに一転開演前の舞台上では席の案内やブランケとの配布などを、
素に返った様な演者さんたちが努め少々残念。
せっかくならそこもガッツリ攻めて頂きたかった。
物語の展開は悪くないものの少々長い気も…。個々の捉え方ですが。
素敵な衣装の数々なので、張り出しのランウエイ的なステージや客席の階段を使うなど
客の目の前にアピアランスする演出があっても良いのかも。
全体を通して素敵な舞台でした。名前は覚えきれなかったですが。

通し狂言 平家女護島(へいけにょごのしま)

通し狂言 平家女護島(へいけにょごのしま)

国立劇場

国立劇場 大劇場(東京都)

2018/10/01 (月) ~ 2018/10/25 (木)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/15 (月) 12:00

座席1階2列11番

中村芝翫が、実は現在の歌舞伎界で第一人者であることを証明しているような舞台。
普段は第2幕を独立して「俊寛」で演じられるのですが、やはり通しでやってくれるのは国立ですね。
国立劇場の良さは、通し狂言を贅沢な意匠で、じっくりと見せてくれるところ(足元もゆったりして心地よい)。1時間程度の幕で、休憩もゆったりと取れるので、ご高齢の方にはもちろん、体にも優しい。

ただ、例年、年末に歌舞伎公演が続くので、もう少し均等間隔で上演してくれたらと思うのですがいかがでしょうか。年末・新春の連続公演は、縁起物としてよいとは思うのですが。

芝翫が俊寛と平清盛の2役を演じますが、2幕最後の俊寛の痛ましいまでの慟哭と、3幕の清盛の狂気の両方を演じきれるのは、御大含めてもそうはいないのではないでしょうか。先月の「オセロー」も観ておけばよかった。

追伸:レストランのビールが、小瓶600円になっておりました。以前は中瓶で500円だっ   た気がするのですが。メニューも減っていたので、業者が変わったのかな。小鉢   も少し貧相になった気も。残念。

歌舞伎ミュージカル「不知火譚」

歌舞伎ミュージカル「不知火譚」

劇団鳥獣戯画

ザ・スズナリ(東京都)

2018/10/05 (金) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/10/12 (金) 19:30

座席1階D列7番

もったいなあ。
昨年の第一章の最後で、石丸さんが第二章はスズナリで上演と伝えた時、自虐的に「さて、この大蜘蛛は舞台に収まるのでしょうか」と申しておりました。
大蜘蛛は、なんとか収まっておりました。また、化け猫も走り回っておりました。

でも懸念は、そこではなかったのだろうな。
劇団鳥獣戯画、渾身の歌舞伎ミュージカル。やはり、スズナリは狭い。
本多劇場では、左右、奥を目いっぱい使った活劇が、何かぶつからない様に、ちまちま動いている感が終始舞台を覆っていて、観ているこちらが息苦しい感じがする。
もはや、台本、演出、演技がどうこうではなく、箱という前提が間違っているのだから楽しめようもない。

ラストのユニコ、蜘蛛の糸に見立てたローププレイも、前回本多劇場の高い天井であるから生えたのに、スズナリでは浮遊感もなく、失礼ながら何をやっているのか感が痛ましい。

次回は本多劇場とのことで、捲土重来を期待したいのだが、それゆえに今回のスズナリでの上演がもったいないなあ。

ちなみに、お捻りは劇団の文化なので、否定はしないけれど、最前列に座って、頭にぶつけられてのは2回目だなあ。かなりの高確率ですよ。

プラスチック・ピノキオ/モンストロ・メモリ

プラスチック・ピノキオ/モンストロ・メモリ

たすいち

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/10/06 (土) ~ 2018/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/10/06 (土) 19:00

【モンストロ・メモリ】
日常系の「プラスチック・ピノキオ」に対してこちらはSF(「少し不思議」ではなく本来の)系。これもいかにも目崎作品。
作品構造としては「プラスチック・ピノキオ」はスキゾ型で「モンストロ・メモリ」はスキゾ型と言えるかも?(ワカるヤツだけワカればイイ)
観ていて映画化もされた短編SF小説の題名を思い出したのはσ(^-^)だけではあるまい。なんせキーワードが2つ入っているし。(笑)

ネタバレBOX

「不思議な夢」を導入部として記憶に関して展開するのは映画「トータル・リコール」(原作:フィリップ・K・ディック「追憶売ります」)などSFの定番だし、さらに「アンドロイドと感情」も大定番と、どちらも大好きな身としてタマらん!(先日のqui-co.「ラット11」は後者系だし、今年の春頃には記憶(の保存・移植や操作・改変)に関する芝居・映画が複数あったのはシンクロニシティ?)
そこにまた喪った人への気持ちなども絡めるのはある意味日本的?ってか、たすいちの持ち味か。
そして「人の死」を絡めることで「アンドロイドにとっての死」についても想いを馳せる(←科学と哲学の混合?)よう仕向けるのは巧い。

なお、思い出したSF短編のタイトルはもちろん「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」(フィリップ・K・ディック)。
愚か者。たがらもの【尻軽娘に愛と無関心のブルースを】

愚か者。たがらもの【尻軽娘に愛と無関心のブルースを】

獏天

Geki地下Liberty(東京都)

2018/10/12 (金) ~ 2018/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

広くはない舞台でのアクションシーンは相変わらずすごかったですが、前回も踊ってましたっけ?話が色々絡んで来る(絡んでいる訳ではないのにある意味すごく大事な話もあるし・・・)のでついて行くのが大変でしたが面白かったです。最初見た時は「え?」と言う感じだった十蔵と兵吾が脳裏から離れません。

想稿 銀河鉄道の夜

想稿 銀河鉄道の夜

ことのはbox

新宿シアターモリエール(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/09/30 (日)

「想稿 銀河鉄道の夜」千穐楽から数日。
まだあの感動はわすれられません。
初日から千穐楽まで、ダブルカーテンコール!!
ほんとすごいのひとこと。

今回はDVDが発売されると言うことでさっそく購入しました。
劇場は、銀河鉄道の機関車を連想させるステージ。
ステージの空には、宇宙空間を連想させるものがちりばめられていました。わくわく。
ステージは、教室、ジョバンニの家、銀河ステーションと空間イメージがかわります。
どんどんひきこまれました!

ネタバレBOX

はじめは、星たちが舞います。天の川が流れるように。きれい。ステージは銀河!
その中を歩く子供たちは星座に見えました。
次に教室が浮かび、宮沢先生がその舞を見つけて童心にかえってそらをながめている。
そんな風に見えました。カムパネルラが訪ねてきました。ほんとうのことを探しに。
明確な答えを得られないまま、消えます。影とともに。その影は、ほんとうの自分?
つかもうとしてつかめない自分自身の迷い。そんなふうにみえました。これから起きる事柄の前触れであったのかもと思いました。
ジョバンニが次の日教室で居眠りをしていました。先生はしかりません。事情を知っていたから。でも容赦なくあてます!この白いものはなにか答えるように。でも、目覚めたばかりて質問内容がのみこめないジョバンニ。先生は理解しているからカムパネルラに助け船。でも、ジョバンニと同じようにした。きっとジョ バ ンニと同じでいたかった。なんとなくそう思えた。
先生は、二人の気持ちを理解したから自分で助け船。そうですよねと、心をくむように。
そう感じて、私は、涙を流しました。
先生は、二人が興味をひく天体観察宇宙旅行をはじめる。変な雰囲気だった教室が宇宙空間に!!
みんなが喜ぶ!私も宇宙は感覚的に好きだからもう興奮!こんな風に仕掛けてくるとは!!
そして、カムパネルラが声をあげる。ケンタウロス!つづいてジョバンニも、もっと先は!!
先生の作戦?は大成功!二人は先生の質問に答えます。先生は、二人は頭が悪いのではなく、答えにくい理由があるのだから答えやすいように導く。こういう授業のすすめかたいいなって思った。
次の放課後シーンは、いじめ問題。
ジョバンニとカムパネルラが掃除しながら謎かけ?遊びをしている所に、ザネリ掃除のさぼりま登場。ジョバンニは、ザネリに罰?として謎かけの続きをせまります。ザネリはさらに意地悪をいう。私は、ザネリに怒りを覚えた。カムパネルラは、落ち込むジョバンニを好きな天体をみようとさそうけど・・・。その時、銀河鉄道の汽車が!!
ジョバンニの家のシーン。
ジョバンニは、寝たきりの母親にたくさんの出来事を話します。その会話に、母親の笑顔が浮かびました。ジョバンニも母親を喜ばせたくて。でも星祭り!ジョバンニも楽しみにしているはず!母親もそれをわかって、もう少し遊んでおいでと送り出します。でも、ジョバンニは、30分だけと健気。涙溢れました。ほんとうの幸せ、それが何かわからないけど、ジョバンニのこの優しい雰囲気みたいなのずっと続いて欲しいと思った。
ジョバンニがたて笛を吹きながら母の牛乳を取りに行く途中カムパネルラがあらわれます。それは、銀河ステーションへの誘い。ジョバンニとの別れと言うより勇気をもらいに来た。ほんとうの事をしたと言う勇気。母にほんとうの幸せをわたす勇気。最後の別れを言う勇気。それらをジョバンニから欲しくて。
銀河ステーションで、汽車を待つあいだ色んな人にであいます。感情の裏表、自己犠牲心など、人の心と自分の心を知っていきます。勇気の音楽とともに得た心構えで試練に向かいます。カムパネルラは死と向き合うため、ジョバンニは、永遠の別れに立ち向かうため、道をすすみます!カムパネルラーー!
ジョバンニは 教室に戻ります。
宮沢先生がいます。ジョバンニへ色んなものを伝えるため。
ジョバンニは、みんなに伝えます。今まで見てきたもの、もらったものを。夢なんかじゃないって!
先生はうなずきますその通りです!ジョバンニさん!と。
みんながカムパネルラ、ほんとうの幸をさがすと誓う!
その姿を宮沢先生がみとどけ本を閉じます。涙がいっぱい!!
春名風花さんほんとにすごかった!!
カムパネルラをみとどける姿や心からの悲しみの叫び!
ラストの歌では、笑顔でみおくる姿がいちだんと輝いて大きく見えた。
すっごく感動しました!!
ほんとにありがとう!!大切な宝物をありがとう!!
セイラム

セイラム

sortie

新宿眼科画廊(東京都)

2018/10/12 (金) ~ 2018/10/16 (火)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/10/14 (日) 17:30

 不思議な感触の芝居だった。肋骨蜜柑同好会が作った架空の田瓶市を舞台に展開される、ある種の幻想的な物語。この田瓶市を共有する芝居は3団体目だそうで、ホームページもあり、本格的な架空化が見事だ。最後まで解けない謎もあり、よく分からないままに終わるが、面白いとは思った。特に終わり方の突然さもちょっとステキだ。つついきえの過剰な演技と、沈ゆうこのごく普通の演技の差も興味深い。

華氏451度

華氏451度

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)

2018/09/28 (金) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/14 (日) 14:00

 壮大な舞台である。レイ・ブラッドベリが1954年に書いたディストピア小説の舞台化で、原作は読んだが、映画や舞台では見たことがない。3面が巨大な本棚に囲まれた舞台美術にまず目を奪われるが、そこで演じられる芝居も長塚が脚本で白井が演出というだけの価値はあり、ほとんどの役者が2つ以上の役を演じることで、逆に深みが出てきていると思った。特に、美波が正反対の重要な役を演じるあたりを見ると、この人は本当に巧い役者になったなと思う。草村礼子のセリフがないのに存在感を示すところも見事だと思った。

Naked Girls - 裸の女達

Naked Girls - 裸の女達

劇団ノーティーボーイズ

ブディストホール(東京都)

2018/10/02 (火) ~ 2018/10/07 (日)公演終了







あぁ、いけし昭和ロマンのストリップ。

閉店となった小屋。艶かしい脚のごとく、往年の日々。

シンクロさせながらを展開する。


蛇と天秤

蛇と天秤

パラドックス定数

シアター風姿花伝(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

この作家の作品は、上演が終わった後に台本を買ってあらためて読んでみようと思わせられるものが多い。よくこういう物語が書けるものだと感心するし、これをプロンプター無しで上演できる俳優さんも凄い。

通し狂言 平家女護島(へいけにょごのしま)

通し狂言 平家女護島(へいけにょごのしま)

国立劇場

国立劇場 大劇場(東京都)

2018/10/01 (月) ~ 2018/10/25 (木)公演終了

満足度★★★★

歌舞伎座の財布にやさしい席はほとんど変えなくなってしまったが、国立劇場はまだゆとりがあって嬉しい。近松門左衛門の描写は現在でも色褪せず素晴らしい。おかげで1回目はイヤホンガイド利用、2回目は台本を見ながら、3回目は何もなしと3回も観てしまった。

プラスチック・ピノキオ/モンストロ・メモリ

プラスチック・ピノキオ/モンストロ・メモリ

たすいち

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/10/06 (土) ~ 2018/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/06 (土) 14:00

【プラスチック・ピノキオ】
あるアパートに入居している人々はそれぞれワケありの過去を持っているようで……な物語。
複数の入居者の現在と過去が錯綜し、80分余の尺にしてはあれこれ詰め込んでちょっととっ散らかった感はあるも「逃げることの是非」や「帰る場所」などを描いて登場人物(と彼らに感情移入した観客)を優しく包み込む感覚はいかにもたすいち。
また、中盤の台詞からタイトルの意味が明らかになる時に、同時に「装置のデザインが意図するもの」にも気付くのがイイやね。

となりの事件

となりの事件

シアターノーチラス

OFF・OFFシアター(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★★

都会の人間関係を表面の親近さと内面の疎遠さを浮き上がらせ、家族内でも本心と虚心が存在するという人間の心の危うさを描いた、少し怖い物語。
(上演時間1時間30分)

ネタバレBOX

セットはほぼ素舞台、奥壁に沿っていくつかの椅子が客席側を向いて並べられているだけ。上手に別スペースを設ける。映画「家族ゲーム」(森田芳光監督)の食事シーンを連想させる。この配置は家族という身内、身近な存在であるがよく見えない位置関係にある。隣を注視しない警戒しないという暗黙の了解があるからだ。同時に隣は何をする人ぞという無関心も窺える。また他人には好奇の眼差しを向け、色々観察したがる様子も垣間見える。しかし相手の実像、実態は掴みきれずあくまで興味本位の域である。ここに隣人、特に都会における近所付き合いの本質を表わした表現がある。

梗概…1年前、隣の家で息子が殺人事件を起こした。並木家の妻は取材陣に隣家の事情を尋ねられたが、正直よく知らない。しかしめったにない機会、自分の存在を示しておきたい軽い気持ち。そこには隣と違い我が家は安泰、たぶん幸せ家族だと思っている。
しかし一皮剥けば、この家も妹夫婦は離婚話、シェアハウスの居候住人のことや空き部屋の心配。夫婦円満と思っているが実は無関心、長年連れ添ってきた当たり前の風景、惰性マンネリという倦怠期のような…。1年後偶然か、並木家の娘が事件を起こした家の娘に会う。日常の何気ない暮らし、その情景の中、人の心に見えない”鬱積”が不気味に堆積していく様が見て取れる。このあたりの心情描写は巧い。一見、幸せ家族を客観的に見ているのがこの家の娘。その観せ方が直接ではなくカメラという媒体を通して観察しているかのようだ。そしてこの娘にも隠し事がある。客観的にすることで観客目線と同化するようだ。

公演の面白さは、直接大きな事件を取り扱わず、日常の些細な出来事の不満・心配・苛立など人が持っている説明し難い、またはコントロールし難い感情を実に上手く表現しているところ。幸せはどこにあるのか、本音と建前の会話が情況にピタッとはまる面白さ。もちろん役者の演技力もあるが、室内という緊密空間、家庭(族)から遁れられない不気味さがそう思わせる。会話(台詞)が丁々発止という訳でもない、逆に緩慢なところもある。しかし聞き逃したらいけないような緊張感がある。そこにこの劇団の巧さ、特長があると思う。

最後に、平凡な家族のあり触れた暮らしを普通に描いているが、自分は”日常生活”の中で演劇に”非日常性”という楽しみ、刺激を求めて観るところがあり、その意味で今まで観てきたシアターノーチラスの公演に比べると少し物足りなかったのが残念。
次回公演も楽しみにしております。
プラスチック・ピノキオ/モンストロ・メモリ

プラスチック・ピノキオ/モンストロ・メモリ

たすいち

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/10/06 (土) ~ 2018/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

よく出来た作品だと思いました。キャラ一人一人が立っていて、好きになれる瞬間が必ずある。川口さん・見米さん目当てで来ましたが、皆さんファンになってしまいそう。
細かい感想はネタバレBOXに書きます。

ネタバレBOX

まず見米さんの七尾先生は、とても格好良かったです。白衣が似合いますね。信頼できるお医者さん(修理屋さん?)という雰囲気でした。「だから僕をしっかり見ておけ」の台詞が素敵。
川口さんとの掛け合いもテンポが良くて心地よかった。私は見米さんの低めの声が好きなのですが、今回少し鼻声だったのが残念。
川口さんのノイカはとても面白可愛かったです。てっきりシリアスなお芝居をされると思っていたので、いい意味で裏切られました(笑)
眠らされる場面と、起きる場面と、『かもめぇ〜』の変顔がツボ。素なのかな?時折見せるくしゃっとした笑顔がとても素敵。
見米さんは空の花壇、川口さんはナイゲンぶりですが、お二人とも上手くなっているなと思いました。また機会があったら観に行きたいです。頑張ってください。
想稿 銀河鉄道の夜

想稿 銀河鉄道の夜

ことのはbox

新宿シアターモリエール(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★★

北村想「想稿 銀河鉄道の夜」、素敵な演出と役者みなさんの魅力的な演技素晴らしかったです。
堪能しました。

ネタバレBOX

特に銀河の星座の舞を思わせるダンスシーンが素敵でした。
カンパネルラとジョバンニの表現豊かな演技も魅力的でした。
できたら、準主役と思われる「ザネリ」をもう少し心理描写を繊細に表現すると更に見ごたえが増したのでは、、と思いました。
となりの事件

となりの事件

シアターノーチラス

OFF・OFFシアター(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★★

いろいろ考えさせられる面白い作品でした。

ネタバレBOX

どこにでもあるごくありふれた日常の家族の生活を淡々と描きながら、ひょとしたら自分の身の回りでも起きているかもしれない、
幸せと不幸は背中合わせ、いつもと違った視線、角度から物事を捉えたり、考え方ひとつでまるっきり違う世界が見えてくる、
そんなことをなにげなく気づかせてくれる作品でした。
夜を、徘徊。

夜を、徘徊。

ものづくり計画

萬劇場(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★★

とても面白かったです。

ネタバレBOX

同級生の結婚式の余興の打ち合わせで、仲良し?「だった」4人が居酒屋での再会から
回想的に、4人の私生活を赤裸々に巧みに織り交ぜながら、女優や映画の世界の現実の厳しさ、
いくつもの挫折や不満、妬み、それぞれが抱える悩みや葛藤を繊細に心理状態が描かれ、
お互いの本音をぶつけ合い自分を見直し、負の感情から開放され素直な気持ちになって皆の決意と希望がみえる
これからの未来に向かっていこうと感じさせられるラストシーン、とても良かったです。
役者みなさんのそれぞれの役柄をしっかりとこなす演技力も素晴らしかったです。
クロノライセンス(東京公演)

クロノライセンス(東京公演)

劇団1mg

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★★

心が温かくなるファンタジーな世界、良かったです。

ネタバレBOX

序盤のハイテンションでドタバタな展開に、どうなってしまうのかと思って観ていましたが、
プロローグの伏線が感動的なエピローグへと繋がっていく構成、とても良かったです。
 死神達で語られたそれぞれの想いや生前の妻の記憶、魂を取らなくてはいけない1000人目の衝撃(奇跡)的な事実
だんだんと死の世界と生の世界が繋がりが明らかになるにつれて、どんどん引き込まれていきました。
 愛おしい幸せな時間を噛みしめながら過ごし、他の死神と協力して想いを伝えて皆の心が温かくなるような
ファンタジーなラストシーンに胸が熱くなりました。
役者みなさんの演技もとても良かったです。

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