最新の観てきた!クチコミ一覧

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秋の超収穫祭

秋の超収穫祭

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/10/01 (月) ~ 2018/10/02 (火)公演終了

満足度★★★★★

ミニコントレックス的雰囲気の3団体によるオムニバス公演
日曜日よりの使者は去年1度観ていてその時とキャストも同じだったんだけど
ほとんど内容忘れていたので最初「ん?なんか観たことあるな」って感じで
カモメとかレーズンチョコとか色々キーワードを見るたびに思い出していって
と、なんか完全に作品内容とシンクロしてしまった

「いまこそわかれめ」は目崎さん×ばぶさんバージョンを以前見ていて
今回は塩原さん×大和田さんという組み合わせ
オチまで全部わかっているからこそ途中の言葉一つ一つが凄い胸に来て完全に泣いてしまった
笑えて胸に来て物語があって、これは本当に凄い良い作品

やっぱり!おれたちにあすはないっすネ

やっぱり!おれたちにあすはないっすネ

なかないで、毒きのこちゃん

ザ・スズナリ(東京都)

2018/10/01 (月) ~ 2018/10/02 (火)公演終了

満足度★★★★

劇場中そこかしこで起こっている事を観客自ら移動したり、しなかったりして楽しむザッピング上演
達者な役者さんたちがやる茶番の面白さ。とにかくバカバカしさであふれてる空間
大きく分けて「劇団&スタッフ」「愛のホテル」「地下の住人」の縦軸があって
劇団とスタッフと愛のホテルはそれぞれ入り混じるので
誰か一人に付いていくことで色々情報が入るけど
地下の住人はほぼ独立していて、もうちょっと絡みがあったらもっと楽しいのにと思った

光より前に〜夜明けの走者たち〜

光より前に〜夜明けの走者たち〜

ゴーチ・ブラザーズ

ABCホール (大阪府)

2018/11/29 (木) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

めちゃくちゃ泣きました。
宮崎秋人さん演じる円谷の葛藤や苦しみに共感してしまい、彼の辛さが伝わって泣いてしまわずにはいられませんでした。
簡素な舞台装置かと思いきや、場面場面で様々な表現に変わり、演出もすごい!と思えるような舞台でした。

評決-The Verdict-

評決-The Verdict-

劇団昴

あうるすぽっと(東京都)

2018/11/29 (木) ~ 2018/12/11 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/29 (木) 19:00

座席1階

迫真の裁判劇だった。それだけに、休憩を含めて2時間半は少し辛い感じも。
医療過誤で植物状態になった娘と母が、病院を訴える。病院はボストンでも有数の規模で、医師たちは最善を尽くしたと反証する。裁判官も露骨に病院寄りの訴訟指揮で、資金力もない原告弁護士は窮地に追い込まれる。だが、あきらめることのない弁護士は、形成逆転につながる重要な証人を得る。

劇団の総力をあげたという熱演が続き、さすがだと感服する。だが今日は初日のためか、舞台回しにぎこちなさも見られた。

評決というタイトルだが、評決を下す陪審員席が最後まで空席だったのは気になる。原告と被告の対決に絞るなら、舞台装置に陪審員席はない方が良いのでは。

久しぶりの昴の舞台、堪能しました。

笑顔の砦

笑顔の砦

庭劇団ペニノ

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2018/11/29 (木) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

内容はともかく、セットが凄い‼️考えさせられました‼️

人造カノジョ~あるいは近未来のフランケンシュタイン~

人造カノジョ~あるいは近未来のフランケンシュタイン~

劇団鋼鉄村松

萬劇場(東京都)

2018/11/28 (水) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

おもしろかった。最後のオチは見事!
今回は「恋愛シュミレーションゲーム」を通してA Iの近未来を見せてくれたが、違ったネタで造って近未来のAIに対する恐怖をアピールするのもアリかな?と。

豊饒の海

豊饒の海

パルコ・プロデュース

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2018/11/03 (土) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

初音映莉子さんが主役のような作品、思ってもいなかったことで本当に嬉しく思いました。

ネタバレBOX

若さと肉体美、そして武士道めいたもの、理想の人間像に憧れていた三島らしい作品。

ラストの、理想の青年は存在していなかったのではないか、壮大な男のロマンだったのではないかという展開に驚きましたが、貴族である親たちも存在していたこともあり、そんなことはないだろう、記憶障害かなと理解しました。
人造カノジョ~あるいは近未来のフランケンシュタイン~

人造カノジョ~あるいは近未来のフランケンシュタイン~

劇団鋼鉄村松

萬劇場(東京都)

2018/11/28 (水) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

 喜劇としての面白さは無論だが、未来予測としても、生命と技術の相関関係にしても随分深い所まで楽しみながら考えさせてくれる秀作。

ネタバレBOX

 量子コンピューターやシンギュラリティー、ips細胞や3次元プリンターなどが組み合わされて出現する世界での、恋、寿命、そして倫理を通して見えてくるもの・こと とは?
 無論、メアリー・シェリーの傑作「フランケンシュタイン」は下敷になっている。創られるのはRURやオリジナルフランケンシュタインに近い存在だが、頭脳部分はAIが埋め込まれているから、コンセプトとしてはサイボーグやヒューマノイドに近くなろうか。因みにサイボーグとは、 M.クラインズが 20世紀中ごろに使い始めたサイバネティック・オーガニズムの短縮形で機械部分を意識的に働かせなくとも,人体と一体化して動作する機械と生体との結合体のことだ。これに対しヒューマノイドとは、ヒト型の存在を意味するが明確な定義はない。この用語の由来がhumanとidoの合成語だからである。直訳すれば“人間のようなもの”ということになろう。何れにせよ様々な概念が夢に溶け再構成された存在なので余りコンセプトに拘る必要は無さそうだ。
 一方、今作の面白さは、こういったSF科学的知識を前提にしないと楽しみ切れない部分があるのも事実だろう。例えばシンギュラリティーというコンセプトが分かっていないと、ソクラテスがやっていることや、ひまわりとの関係、博士と研究者たちの優秀性等も理解できないとは思う。
 まあ、メアリー・シェリーの書いた原作を読み、既に我々の生活を取り巻き浸透すらしているIT(パソコン及び周辺機器の発達等とロボット工学、ips細胞・分子生物学などについての常識・SF的理解、そして宇宙・深海へのチャレンジなど科学一般)に普段からちょっと目を配っているだけで充分楽しめる内容だ。
十一月新派特別公演 犬神家の一族

十一月新派特別公演 犬神家の一族

松竹

新橋演舞場(東京都)

2018/11/14 (水) ~ 2018/11/25 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/11/21 (水) 16:30

新派の舞台を演舞場で観るのは初めてかもしれない。
舞台全体を通して、「うわあ、新派だ」的な観劇が半端ない。
「犬神家の一族」のような推理劇は、ともするとラストの謎解きが冗長になって、どうも締まりのない舞台になりかねない。
映像であれば、謎解き場面でも、殺害シーンを挿入するとか、登場人物の表情をズームにするとか、変化のつけようもある。
また、明智小五郎のようなスタイルであれば、アクションや派手な演出でアクセントをつけることも可能だ。
そこで、この舞台は、謎解き自体を全て打っ棄って、あくまでも人間の情念を描くことに徹したのは潔い。(前半の幕間直前に犯人が判るようにしておいて、そこからは観客にストーリーを追うことに専念させている)

喜多村緑郎の金田一耕助も、舞台の進行にうまく組み込まれて、嫌味が全くない。
ただし、物語りのキーとなる野々宮珠代役の川合宥希の印象が薄く、何のために存在している役なのか、曖昧になったことがおしいかな。

『Performing Body 2018』

『Performing Body 2018』

玉川大学芸術学部パフォーミング・アーツ学科

玉川大学 大学3号館 演劇スタジオ(東京都)

2018/11/28 (水) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

鑑賞日2018/11/28 (水) 18:30

価格0円

18:30の回(曇)

もう暗い、17:45受付(整理番号つき)、18:00開場。

ここは久しぶり。※自宅まで片道2時間余。

2012/12、2013/2(ミュージカル「Oh,My Girl」)、2013/11で4回目。

ずっと工事中だったのがきれいな新校舎ができている。大きな壁画(聖体の論議)まで。以前のように右側の上り坂を進んだら大回り。実は校舎の間から3号館へ行けるのでした。

今日まで気がつきませんでしたか、2階へ上がる階段に演劇の「タイトル」が書かれていて壁には年度別の公演歴。

当パンは全頁カラー、スタッフを含めると大変な人数です(1頁まるまるびっしり、一覧表)

満席、当日券受付もありました。

<演目>

邂逅
かみさまからのおくりもの
今日という日が
連鎖の壁

10分休憩

ばかものよ
Yes?No?
Sanctuary
神楽棒踊り

10分休憩

バレエ「星空と海」

スタッフも参加しての大カーテンコール

20:57終演。

和と洋、殺陣とバレエとコンテンポラリー。
色とりどりの衣装が自在に動くさまはとても美しい。コミカルな演出、ファンタジー、勇ましいもの、舞台と客席が近く細かい表情までよくみえる。

各作品、上演前にタイトルが投影されますが
前方席だと文字がゆれて凸凹になってしまいよく見えないなぁ〜と。

誰もいない国

誰もいない国

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2018/11/08 (木) ~ 2018/11/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/25 (日) 13:00

「・・・ですな」石倉三郎のセリフの語尾が余韻深く響く。

パンフレットを読むと、柄本明が「石倉さんにとって。芝居は稼業だから」というようなことを言っていたと書いているが、やはり、この芝居は柄本明と石倉三郎という、背景も価値観も異質な存在がなせる化学反応なのだろう。
ピンターの戯曲を、何が発生するか判らない状況において演じらせる不安定感。
柄本明のひらめきと、石倉三郎の武骨な芝居。観続けていると、頭がくらくらする。
台詞や物語に意味がないのだから、役者としては、流れに身を委ねるしかない。
それにまた身を委ねる観客にとって、得体のしれない浮遊感が気持ち悪くもあり、気持ち良くもあり。そんな芝居だ。

天上から落下し、堆積されていく水。これは、ハーストが飲んだ酒の量か。終幕には、舞台の前面まで、はっきりと見える水面は、混濁した意識の象徴にも思える。
果たして、ハーストやスプーナーの存在自体も不安定に思えてくる会話劇は、唐突なエンディングを迎えるが、誰もいない国って何?

その恋、覚え無し

その恋、覚え無し

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2018/11/27 (火) ~ 2018/12/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

必見

人造カノジョ~あるいは近未来のフランケンシュタイン~

人造カノジョ~あるいは近未来のフランケンシュタイン~

劇団鋼鉄村松

萬劇場(東京都)

2018/11/28 (水) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

これはなかなかに見応えのあるオタッキーで哲学的なSFコメディ。どんでん返しも決まってるし、大いに笑わせてもらいました。でも本当に「強いAI」が実現すれば人類は殲滅されちゃうんでしょうね。

人造カノジョ~あるいは近未来のフランケンシュタイン~

人造カノジョ~あるいは近未来のフランケンシュタイン~

劇団鋼鉄村松

萬劇場(東京都)

2018/11/28 (水) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

お初観劇。最初からなかなか楽しい趣向でありました。面白いのは面白いのですが、途中どうにも納得のいかない部分がいくつもあり、気になってムズムズした。それが最後で“そういうことですか”と納得させられる・・・なんかずるい気がしないでもない。また、ここまでデフォルメの演技でなくても良いんじゃないかなと、観客をむり無理にでも引き込もうという強気が感じられる。もっとナチュラルな演技なら、もっと自然にリアルに迫ってくるものがあったように思う。

ご町内デュエル

ご町内デュエル

演劇集団イヌッコロ

劇場MOMO(東京都)

2018/11/27 (火) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

最初、身内受けのコメディかと思って観始めたら、物語の進行につれ練られた脚本に感心。なるほど、再演を重ねられた作品なんですね。MOMOの板が狭く感じるドタバタコメディでした。
ギタリスト役が生演奏だったら、クオリティが上がったかも。

最悪の場合は

最悪の場合は

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2018/11/21 (水) ~ 2018/11/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/22 (木) 19:30

価格3,800円

探査機の帰還が迫る中、理事の不正が発覚して……な宇宙開発機構のてんやわんや。
コミカルに始まりながらも世相への皮肉をちりばめながら池井戸潤的なアツさを経てSF!なクライマックスに至るのはトツゲキ倶楽部の真骨頂か。
あと、ラストシーンの「画」もイイ。(一関係長でスピンオフが作れそう(笑))
客入れ・客出しの選曲にもニヤリだが、ラストのあの曲は某団体を思い出してしまう。(笑)

ネタバレBOX

探査機マリナがまだ生きていたという快哉場面はアメリカ映画的?(「アポロ13」の大気圏突入後の通信再開場面とか)と思い、そういえばその前のデブリに自ら衝突するのは日本映画っぽくないか?などと思ったり。
さらに「A.I.による自己犠牲」なんてことまで考えて、そういえばこの秋はA.I.に関する芝居がいくつかあったな、と。トレンドなの?

また、探査機マリナのA.I.とLINEでやりとりできるというのは極めて現代的。そして、これは以前なら「未来的」と感じていたであろうに「現代的」と感じるところに、まさに子供の頃に夢想していた「未来」に生きているということを実感。

客入れのBGMがホルストの「惑星」(順序は太陽系の外側から内側に向かってに並べ替えたとのこと)、客出しはヨハン・シュトラウスの「美しく青きドナウ」なのは納得だが、本編ラストでエルガーの「威風堂々」を、しかもあの部分から流すとどうしても電動夏子安置システムを思い出してしまう……(笑)
メタルマクベス disc3

メタルマクベス disc3

TBS/ヴィレッヂ/劇団☆新感線

IHIステージアラウンド東京(東京都)

2018/11/09 (金) ~ 2018/12/31 (月)公演終了

満足度★★★★★

バイクを走らせスケールの大きさ迫力に圧倒
ストーリーとともに変化していく表情や衣装を感じながら、歌声も見逃せない
あっという間の4時間だった

『眼球綺譚/再生』

『眼球綺譚/再生』

idenshi195

新宿眼科画廊(東京都)

2018/11/16 (金) ~ 2018/11/27 (火)公演終了

満足度★★★★

「朔」を鑑賞。リーディングという。幾らか著名な読み手を揃えたせいか、入場料はやや高め。何か趣向が凝らされているに違いないと期待値高めで席に座ったが、動き無し、言葉のみ。厳しいものがあった。
体調も悪かったが、元々遅読で何度も文節を行き来する自分にとって、言語情報だけを脳内変換して作品の世界を構築するには補助線(身体を動員した演技)が不足。
睡魔と闘い必死で食らいついたがかなりの語数を逃した。最後のオチは聞けたから、そこから本編の構成を推測した次第。巻き戻しが出来ればなァ。。

出演者4名に役割をうまく振り分け、構成にこだわってスマートな印象はあった。主宰の高橋郁子氏がどの程度「リーディング用の脚色」を施したかは判らないが、パンフをよく見ると各出演者に役名がしっかり振ってある。最早思い出せないが、ネタバレ的な配役表記に一定の脚色意図があったらしい事が窺え、もう一度見たくなった。が・・・この回が千秋楽であった。

瞑目のパノラマ

瞑目のパノラマ

ヒノカサの虜

インディペンデントシアターOji(東京都)

2018/11/28 (水) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/11/28 (水)

28日ソワレ、初日の舞台(2時間25分)を拝見。

ネタバレBOX

「雨戸」とネオシーダーが大活躍の作品は、難解ではないものの、ストーリーも登場人物の相関も2時間25分でないと語り尽くせない程の複雑さで、腰痛持ちの当方、折り畳み椅子での長尺は、さすがに最後の方で危うく我が身が瞑目(めいもく)しかかったw
とはいえ、話の運びはテンポよく、「成人バグ編」「少年バグ編」間のスイッチも円滑、チカラの入ったセットに、不自然さを感じさせない程度に熱演の演技陣…と、まるでハリウッドのハードなSF映画を観ているような気分だった。

その演技陣では、成人バグ役のりんたろうさん、少年バグ役の大滝菜々美さんはもちろんのこと、個人的には、先月の『モンストロ・メモリ』で演じていたアンドロイド・倉木戸亜衣役のイメージが重なった永田紗茅さんがとても印象に残った。

最後に配役を記しておく。

成年バグ(スター的立場のイアナニス社・疑似戦兵士)…りんたろうさん
少年バグ…(ヒョオル軍のルーキー兵士)大滝菜々美さん
ジャンヌ(ヒ軍での少年バグの相棒、憧れのヒトだったが…)…永田紗茅さん

アルベラ(元・ヒ軍の兵士。現・イ社の疑似兵士で内通者)…村上千里さん
ピューマ(元・ヒ軍の兵士。今はシフ教徒)…岸田大地さん
カンジヤ(元・ヒ軍の兵士。今はイ社の開発部長)…三島祐亮さん
タイヨウ(元・ヒ軍の兵士でジャンヌの彼氏。今はイ社のトップで裏で非道な行為を…)
…函波窓さん(自ら熱演の作・演)
ミツメ(ヒ軍の兵士)/三ツ長芽生(ライター関の助手)…今治ゆかさん
メーブ(イ社のオペレーター)/二元楓(ヒ軍)…堀江鈴さん
ジェニー(イ社のルーキー疑似兵士。だが実は誘拐されてきた…)…永橋洲さん

関岩樹(元・戦場カメラマン。今はルポライター)…小西耕一さん
久井砂羽鳥(元・ヒ軍。今はイ社の広報)…加藤なぎささん
値玉雄(イ社のエンジニア)…福山雄太さん

中津島伊織(元・ブラックチーター。現・シフ教徒)…寺田結美さん
山彦絵美(ブラックチーター)…須田彩花さん

夢見太ママ(アイドル)…冨樫結菜さん
小貝手優(マネージャー)…皆上匠さん

アテナ(世界をつかさどる存在?)…日野あかりさん
残り火

残り火

劇団青年座

ザ・スズナリ(東京都)

2018/11/22 (木) ~ 2018/12/02 (日)公演終了

満足度★★★★

息をのんでみているうちに芝居は終わった。時計を見ると1時間40分。テレビの二時間ドラマと同じ時間で、誰もが忘れていたい人間ドラマを見た。青年座が部外の作者に委嘱する作品は、劇団と息が合わず、お互いすくんでしまう作品も少なくないが、これは、今年一番のヒットだろう。
まず、脚本がいい。交通事故加害者と被害者の事故12年後の対決である。よくある話を両者の家族の対立に絞ったところがうまい。相似形の家族というのも、作りすぎた感じがしない。その家族を直接対決させる。鋭い対決の中でそれぞれの人生を動かしていく。第三者の加害者の面倒を見るやくざ者、被害者を押し出す週刊誌記者が家族の物語に効果的に噛んでいく。加害者と被害者にはそれぞれ法律のバックアップもあるわけだが、このドラマが優れているのは、そういう法律を越えた現実の社会の建前と実体の中に現代人の生き方の難しさをきちんと描いている。よくある「社会劇」のように、問題を政治や法律や社会階層やメディアのせいにしていない。日々の生活の中で誰もが巻き込まれる恐れがある事件そのものが、現代の人々の心と生活の荒廃を生んでいることを鋭く描いている。だからこそ、この異様な事件を観客は息をのんでみている。
青年座の老練な俳優がいい。中流の下あたりの市民の生活を活写する力がある。この舞台では主演の山本龍二(加害者)もいいが、脇のやくざ者〈山路史人〉、被害者の父(平尾仁)が動と静の対比を見せて、ことに平尾は抑えた演技で卓抜だ。女優陣もいいが、これだけ巧者に囲まれると若者は全員苦しい。しかし、これは若い俳優にとってはいい経験になるだろう。そこが劇団の良いところだ。
殆ど小細工なしで、劇的対立で押し切った演出もいい。
難を言えば、音楽が仰々しすぎる。テンポよく次へ、と行くには音楽は重要だが、これほどサスペンスタッチでなくてもドラマは深まったと思う。



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