満足度★★★★
鑑賞日2018/11/25 (日) 13:00
「・・・ですな」石倉三郎のセリフの語尾が余韻深く響く。
パンフレットを読むと、柄本明が「石倉さんにとって。芝居は稼業だから」というようなことを言っていたと書いているが、やはり、この芝居は柄本明と石倉三郎という、背景も価値観も異質な存在がなせる化学反応なのだろう。
ピンターの戯曲を、何が発生するか判らない状況において演じらせる不安定感。
柄本明のひらめきと、石倉三郎の武骨な芝居。観続けていると、頭がくらくらする。
台詞や物語に意味がないのだから、役者としては、流れに身を委ねるしかない。
それにまた身を委ねる観客にとって、得体のしれない浮遊感が気持ち悪くもあり、気持ち良くもあり。そんな芝居だ。
天上から落下し、堆積されていく水。これは、ハーストが飲んだ酒の量か。終幕には、舞台の前面まで、はっきりと見える水面は、混濁した意識の象徴にも思える。
果たして、ハーストやスプーナーの存在自体も不安定に思えてくる会話劇は、唐突なエンディングを迎えるが、誰もいない国って何?
2018/12/05 11:44
2018/11/29 22:45
スプーナーの断定口調。意味どうこう言う段階で不粋な感じもするのですが、
You are in no man's land. という絶対矛盾。ハーストがいながら、誰もいない国とは。
これアル中詩人の話か?(笑)
Hirst: I'll drink to that.まさに。