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春母夏母秋母冬母

春母夏母秋母冬母

FUKAIPRODUCE羽衣

穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース(愛知県)

2018/06/02 (土) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/06/02 (土)

面白い一人・二人芝居が必ずと言って良いほど持ち合わせる役者の変化(ヘンゲ)ぶりを遺憾無く発揮。特に男優 森下亮さんの振れ幅がすごい。その数々の形の中で…異なる関係のはずなのに、ある一つの関係性に投影されるのも言い得て妙。あぁ男って奴は…

寿歌

寿歌

愛知県芸術劇場 / SPAC(静岡県舞台芸術センター)

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2018/03/24 (土) ~ 2018/03/26 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/24 (土)

与える印象が相反するパーツを組み合わせ、意味ありげな発想が四方八方に飛び火する。終末感の中、世界は…人生は無間地獄なのか、救済はあるのか… 暗喩をどう拾うかで受け取る重みが違いそう。舞台美術が素晴らしいが、観る場所で得られるものが大きく違いそうなのが辛い…視力ほし

しおとさとう 名古屋公演

しおとさとう 名古屋公演

劇団「放電家族」

G/Pit(愛知県)

2018/01/26 (金) ~ 2018/02/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/01/27 (土)

初演の時は…終盤で色々ひっくり返されて大混乱に陥ったのが…今となっては懐かしい。
目の前の流れと役者の遣り取りを漫然と受け入れていると、思いっきり天野さんの術中に陥る快作ですが、初演より…ずっと丁寧で頭に残る作りになっていました。良きリメイク。

ヒバカリ

ヒバカリ

電光石火一発座

ナンジャーレ(愛知県)

2018/05/12 (土) ~ 2018/05/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/05/13 (日)

痺れた…尋常じゃないほどグッときた。前半の緩い雰囲気から一転してのヒリヒリする空気、さりげない仕草の演技、撒き散らされる毒…そして周りの案じる気遣いの深さ。あぁ、みんながヒバカリだったんだねぇ。電光の株がまた上がりました。収穫多し。幸せ満喫。

以降、ネタバレBOXへ

ネタバレBOX

【続き】

前半、延々と続く店員の雑談。一切の芝居っけが感じられない日常会話。
これは青年団の冒険王を観た時の感覚に似てる。かといって群像劇として描かれているわけでもない気がする。
でも…この時間は…後に展開する売上金盗難(紛失)事件の単なる前振りにしては…とても長く、登場する12人もの店員の人となりを感じさせていくため…にしても、何かそれに留まらない深い意図を感じずにはいられない。

「事件」を後半の核に置きながらも、本作は明らかにミステリーやサスペンスが主体ではないよね。
だから、単に容疑者を増やすフリであるはずもない。何となく 「社会の縮図」を丹念に形作ろうとしていたのか…と想像する。

先入観や安易な思い込み。無自覚で容赦ない他人への踏み込み。自分の狭い知識と限定された経験のみに基づく…一方的で危うい判断の蔓延。…言葉の印象に大きく反し…決して一般化されない「普通」の指す意味。ここら辺、夜勤メンバーの安易さ、昼勤おばちゃんの善意に溢れる傍若無人さ、小島由利の唐突な犯人断定…等が積み重ねる空気は…何となく反面教師的に胸につかえるモノを作っていく。

無毒種にもかかわらず、毒蛇と見做され「噛まれたら命がその日ばかり」と考えられていたヒバカリ。
毒を持っていなくても、不意に毒を持っていることにされかれない…レッテル付けの激しい世の中。
登場人物の皆が「ヒバカリ」の一面を担わされた。

やはり一番印象的だったのは、根拠希薄なまま「濱地」を犯人扱いし続ける「君島」の描写。これが他の人たちによる「無責任な決めつけ」とは、少々意味合いが異なっているのが深い。
濱地の趣味に酷似する「変態野郎」に息子を殺害された経験を持つ君島に…当時、警察をはじめとした周囲が与えた「その死の理由」は…「こういう人だから…」

「(犯人が)こういう人(殺人・死体愛好家)だから… (しょうがない? 避けられない?)」

不運で片づけるにはあまりにも壮絶… 外に締め出した自分を責めようにも…あまりにもバランスがとれない代償。

落しどころのない…根拠希薄…いや根拠皆無なまま…最悪の現実を受け容れざるを得なかった君島にとって、「こんなヤツは…何をやってもおかしくない。」は…唯一すがれる真理だったのかもしれない。…周りの人が口を揃えて言う「君島らしくない」という表現が…死体写真が彼女にもたらしたフラッシュバックの激しさを窺わせた。

一転、この空気から突如飛び出した川島のプロポーズは、この作品の2大ビックリのうちの1つ(笑)で… 川島がどれだけマジで…どれだけ天然か分からないけど、作品の空気の転換という意味でも、他のネタでは成し得なかった飛び道具っぷりに唸る。ここの川島と君島の会話はほんと好き。

そして…これ程のやりとりを前座に据え… ラストを飾る…「源島」と「清水」の息詰まる時間。

前半では清水のモラトリアムからの脱却を諭した源島の…対照的な罪の告白。

​なぜやってしまったのか自分でも分からなくなった…まるで身体を乗っ取られた自分を…殺して…とでも訴える様な…清水に救いを求める…源島の「悲痛な声」が非常に耳に残る。…そしてたっぷり時間を使った…長い沈黙が始まる。

安易な…感情に流された情けではなく、真に彼女のことを考え抜いたと思わせる…この長い間が本当に良かった。セリフに依存しない胸に迫る時間。
しかも…自分で電話させる決断からの暗転・終幕に痺れた。

正直…台本から この空気はちょっとやそっとじゃ読み取れない。セリフだけみると…驚くほどあっさりしている。このシーンを作り上げるのに、どれだけの時間と手間を掛けたのだろうか… 演出と演技の作り込みの労力を改めて感じて、びっくりした。…

稽古ツイートなんか見てると、ヒバカリの稽古は「戦いの時間」であるかの様に伝わってきていたから…さもありなんの出来ですねぇ。

だんだん余談になってくるけど、台本を読んで驚いたのだが、気に入ったセリフやカットが…結構台本には載っていない…。稽古して、演出が固まっていく過程で色々積み上げられていくのかと感心。

松方店長が警察への通報を嫌がった…彼の背景を窺わせる「警察はいやだ」というセリフ。10万円が出てきた後に…全てを察して漏らした「今度、飲みに行こうか…」というセリフ。…そう言えば、松方店長が濱地の見識を誉めるシーンも無かった… あれ?、みんな碓井さんのセリフじゃん。碓井さんの仕業?

あ、さっき言った2大ビックリのうちのもう1つは、田島の封筒から出てきた20円ね笑。冒頭のネタは完全に忘れてた、やられたわ。…彼は…その境遇よりも「発達障害」を思わせるリアクションの数々が印象的で、彼の苦しみをもっと掘り下げても良かったぐらいなんだけど、まずは飛び道具としての役割を遺憾なく発揮されてて良かった。

観劇後、帰り際の友人との会話で…「犯人を予見することが出来たか?」が話題になった。でも「彼女に嫌疑の順番が回ってきた時、おばちゃん達が一瞬で否定して話が終わった…」、「…ああ、ここでもおばちゃんズは機能していたのか… その為の傍若無人さであったのかも…」ってなった。

一方で、源島のラストに至るまでの心境は結構 謎で、事後に清水に説教までしていることになる訳だから、この時点ではラストの心境からは遠いところにいるはず。彼女は…何を想いながら、この騒動で佇んでいたのか。小島の「そういうの全部いいよって…言ってくれる人、いたらいいな」だけで突如目覚めたはずもない… 彼女の心理の動きは非常に興味深い。

もう一度、源島に注目しながら観返したい…って思っても、できないのが演劇。「のこりび」で初DVD化した電光さんだけど、「ヒバカリ」はどうなるだろね。
鐡の夢果て

鐡の夢果て

MEHEM

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2018/12/22 (土) ~ 2018/12/24 (月)公演終了

満足度★★★★

二つの世界 二人が繋がって繋がりは大きくなって 向こうでは新しい技術の飛行機が軍事目的に こちらでは新しい技術の人体支援 思考補助が。 パラレルワールドの2人の技術者の間に経験のない思想補助のNINAがいる。 経験のないNINAが純粋に見えた。 科学と軍事目的と純粋な心 二つの世界の中で進む物語 面白い物語に作っていた。

ネタバレBOX

おいで おいで こっちへおいで おはよう おはよう もうすぐ朝だよ。 // 何かを作る タケルお兄ちゃん これあげる いつか飛行機を作る 俺はいつも夢を見る 僕じゃない タケルになっている。 おいで おいで おはよう おはよう ぐんぐん加速する この流れは、 僕の意識は加速する おはよう // オープニング 白いワンピースの女と見つめ合う // 次の発表 人体支援 外部支援 内部支援 思考の補助 経験が欠如 経験をコピー NINAです ご自由にNINAの質疑応答。 僕じゃない僕になっている夢 // 試作機を持って行くとは。 防衛大臣のテラカド 秘書のシガラキが選んだ 先生には航空技術依頼 国の研究が漏れると 技術開示 戦争にも。 サイン契約成立 技師を一人派遣  シモガワラ シュリ // NINA歩いてごらん こける。 予算を他から回せ。 期待しているよ。 上手く出来なくてごめんなさい 横に座っていい 赤城さんなら良いよ 夢の話をしたの。 いいや 夢は変わりないの タケルは次々にあみだしている 全部向こうにいる彼の功績だ。 ・・・・ // みんなに聞いてもらいたい 僕の技術が僕じゃない。いや お前のだ 俺はお前に負けたくないと思っている。 何でいま話を どうか力を貸してくれないだろうか 夢と分離しないと解決しない パラレルワールド 真壁さんも同じ夢を。// 飯でも じゃ。 お前が来ないと話は進まない。 NINAは行けない 行ってらっしゃい。// 離陸テスト時に呼んでくれ ・・・ // 赤城さん夢の話をいおっ所にしましょう // 飛行機を大陸に売ろうと 私が横流し 今は飛びませんよ 思い通りにさせません。 // NINAは停止 死ぬ 床に置く (ゆっくりとすべてが動く生きる者たちが絡んでほどける 分離していくように タケルが見つめ合い 笑い合う NINAを挟んで二人のタケル) // (NINAの)調子はどうですか所長(尊) まだ目が覚めないんです。 コーヒー入れてくるね NINAが顔を上げる おはよう(飛行機の音)

二つの世界 二人が繋がって繋がりは大きくなって 向こうでは新しい技術の飛行機が軍事目的に こちらでは新しい技術の人体支援 思考補助が。 パラレルワールドの2人の技術者の間に経験のない思想補助のNINAがいる。 経験のないNINAが純粋に見えた。 科学と軍事目的と純粋な心 二つの世界の中で進む物語 面白い物語に作っていた。 
アトムが来た日

アトムが来た日

serial number(風琴工房改め)

ザ・スズナリ(東京都)

2018/12/20 (木) ~ 2018/12/29 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/12/26 (水) 14:00

座席G列11番

価格4,300円

今から20年ほど未来の核燃料処理施設をめぐる話と東海村に日本初の原子力発電所ができることになる話を同時平行で進めて最後にメッセージを盛り込むというのはいかにも詩森作品。

過去パートで原子力発電所建設予定地周辺住民が期待する姿などにDULL-COLORED POPの福島三部作 第一部「1961年:夜に昇る太陽」を思い出す。そして、その期待を裏切るような未来が待ち受けている(しかもそれを観客が知っている)ことにJACROW「夕闇、山を越える」や劇団チョコレートケーキ「熱狂」(2012,13,17年)も連想。

原子力発電に寄せられた過去の期待と将来起こり得るであろう事態を丁寧に描いて見せた後、その両方の流れを束ねながら(2つの時代の登場人物が縁もゆかりもない別人なのに名前は同じという仕掛けも相俟って)メッセージを伝えるという終盤が特に見事。

『恭しき娼婦』

『恭しき娼婦』

「出口なし」プロジェクト

スペース コラリオン(旧カフェスロー大阪)(大阪府)

2018/12/15 (土) ~ 2018/12/16 (日)公演終了

満足度★★★★

昔のアメリカの人事差別という現実がヒシヒシと伝わってくる人間の心理を描いた作品

何といっても主役の娼婦役の村田麻美さんの熱演がこのお芝居に緊張感を生み出して居たように感じました
最後まで惹き込まれる熱いお芝居

底なし女とパリの狂人

底なし女とパリの狂人

ロイン機関

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2018/12/07 (金) ~ 2018/12/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

初めてロイン機関さんを観ました。
私はミーハーなので、竜崎だいちさん素敵!ウミネコ楽団さん素敵!ってカンジで、そういう人でも楽しめるし、『西成』ってわかって観ても話を楽しめる。
学校の芸術鑑賞会とかでやって、生徒さんに感想文書いてもらいたいとか思いながら観ていた。

ハンザキ

ハンザキ

演劇組織KIMYO

名古屋市東文化小劇場(愛知県)

2018/11/01 (木) ~ 2018/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

価格2,500円

東京公演もあるので。
ストレートプレイメインですがダンス有りの公演で楽しかったです。
物語の笑いとシリアスのバランスも良く、背景や衣装、照明が独特の雰囲気を補完していたと思います。
登場人物達の説明が過剰に無いので関係性や思いについて色々思いを馳せれるのも好きです。

ネタバレBOX

ラストのシーンが凄く好きです。
平穏があり、その後下げて上げる展開も上がる所でワクワクしました。個人的には下げる所はもっと理不尽だったり容赦なく観る方にストレス負荷をかけても良いかもですがこれは好みですね。ダンスも良かったし、ラストが好き(大事な事だから二回、、、以下略
新春浅草歌舞伎

新春浅草歌舞伎

松竹

浅草公会堂(東京都)

2019/01/02 (水) ~ 2019/01/26 (土)公演終了

満足度★★★

みてきました。歌舞伎の番長皿屋敷は別物なんですね。

夕闇、山を越える/宵闇、街に登る

夕闇、山を越える/宵闇、街に登る

JACROW

小劇場B1(東京都)

2018/12/20 (木) ~ 2018/12/27 (木)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/12/25 (火) 19:30

座席6列1番

価格3,500円

【宵闇、街に登る】
料亭で進行した「夕闇」に対してこちらは各人の事務所で進行。
物心ついていた昭和40年代が舞台だけに「そうそう、あれあれ♪」満載で、それに「あの裏ではそんな策略や動きがあったのか」も加わって面白いったらありゃあしない。

例えば冒頭で語られる「都市政策大綱」ではカタいのでタイトルを変えよう、と言う角さんに「あ、アレね」だったり(狩野さん、書道の心得があるのかしら?)、流れるテレビ番組のテーマ曲も「あら懐かしい……」だったり。
またこのL字型客席の2面の角に背面を向ける形で置かれたテレビの表現と、それによって劇中でそれから語られる事象の概要を観客に伝える手法が巧み。

ネタバレBOX

終盤で「帝国の逆襲のようなに三部作の第二部ではないか?いやしかしさすがにアイムユアファーザーみたいなものはあるまい」と思っていたらしっかりあって頬が弛む。(笑)
で、夕闇→宵闇と来ているので完結編(?)のタイトルは何だろう?とも考える。「真闇」?「暗闇」?それとも「暁光、闇を討つ」とか???
夕闇、山を越える/宵闇、街に登る

夕闇、山を越える/宵闇、街に登る

JACROW

小劇場B1(東京都)

2018/12/20 (木) ~ 2018/12/27 (木)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/12/25 (火) 14:00

座席3列2番

価格3,500円

【夕闇、山を越える】
2年前の初演時も思ったが、まさしく「政治は料亭で動く」(笑)。そして5人の政治家たちが初演よりもより当人たちに似てきたような気がする。
開幕一番、登場した狩野さんが演説を始めた瞬間にそこに田中角栄がいる、という感じ方に劇団チョコレートケーキ「熱狂」(2012,13,17年)を連想。
そしてそこから、政治の道に入った頃は世のため人のためと希望に燃えていたのにやがて方向を誤り暴走してあんな末路を迎えるという流れが田中角栄、アドルフ・ヒトラーに共通ではないか?などと思う。
それにしてもあの頃は自民のセンセイがたも「ちゃんとした政治」をしていたのに……。

パンク歌舞伎「地獄極楽」

パンク歌舞伎「地獄極楽」

ハラプロジェクト

名古屋能楽堂(愛知県)

2018/12/21 (金) ~ 2018/12/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/12/23 (日)

歌舞伎、パンクだけでなく、民謡、西洋歌唱、現代舞踊、映像、大絡繰り… やっぱり様々な演出効果をガンガン詰め込んできて…なおかつそれが調和する。終盤の地獄絵図における表現の重層さは圧巻の一言に尽きる。黙って見て来いとしか言えない。

鐡の夢果て

鐡の夢果て

MEHEM

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2018/12/22 (土) ~ 2018/12/24 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/12/23 (日)

夢で繋がる2つの平行世界… 少し近未来感のある現代にいる「尊」と… 今とは異質なサイバーパンク世界にいる「タケル」。

ともに斬新な発想を形にする"ものづくり"に携わる裏に、夢で見た相手の「世界」がインスピレーションとなっているという背景があるのだが… ​その…一種の「夢の模倣」に依存し続けた結果として、寄り添いすぎた2つの世界が まるで歯車が噛み合うが如く繋がり… 干渉を始める展開が面白い。

以降、ネタバレBOXへ

ネタバレBOX

【続き】

双方が寄り添い過ぎたその先に浮かび上がってくるシンクロニシティ… それによる歪みと苦悩は… 実は社会における本人のアイデンティティの問題にも重なって、事態が好転する過程においてさえ…尊が自世界に自分の存在を見失うシーンなどが印象的でした。

​ドラマ展開のテンポも良く、最初は尊とタケルだけの繋がりに見えたシンクロが、2世界の登場人物悉くに波及していき、行動にユニゾンを感じさせる演出が多発していくところに…不思議な高揚感があって良かった。役者2人で実質の1キャラを盛り上げる相乗効果も感じました。理(コトワリ)の違う世界の間でも、同じ人の営みとして共通の真理を身近に寄せてきた印象もありましたね。

さて…斯様に充分楽しんだことは評価・自覚した上で、この手の因果関係が込み入ったり、パラドックスを想起させるお話は思索を誘発して、観た後も楽しいので、色々語ります。決して難癖つけているわけではなく、マニアが解釈を楽しんでいるぐらいに思ってください。

まず、当初テーマかと思えた「 夢で見たものの真似はオリジナルと言えるのか」の部分について。
タケルは夢で尊側の世界を見て 飛行機やガジェット類の着想を得ていることが明確に語られているのに、尊の開発(サイバネスティックからの… AI、アンドロイド開発)はサイバーパンクの世界から何の着想を得ているのかが あまり汲み取れなかった。

これを前向きに解釈して… もし尊の「影響の受け方」が直接的でない…とするなら、その不整合さの中に「尊がオリジナリティを持つ者」として評価されるべき 何かが隠されれていると想像する余地があると思う。応用研究者みたいな感じで。

ただ… 人体と機械の電脳的な融合は、本当はサイバーパンクの典型的世界なので、既に当たり前の前提となっていて 単に状況表現が端折られていた…とも考えられる。サイバーパンク世界のタケルが逆に現代社会の物(飛行機やレトロな機関)の開発に入れ込んでいるので、いまいちその辺りがどうなのかは見えてこなかったけど。

おっと脱線した…

で、途中で「夢の模倣」を肯定する発言も出てきたので、そこのロジックに期待もしていたのですが、…最終的に尊は「夢の世界からの着想」への依存を断ち切る決断をする。それはそれでアイデンティティを保つ上での決断として受け入れられる展開なのだが、そこに至る過程が少しモヤモヤする。

「2つの世界の分離」が… 例えば「世界の存在自体を危うくする」とか… 何か根源的なものであるなら… 受け容れざるを得ないのだが、何となく「片方で起こる悪いことが… 他方でも起こるから…」という動機に基づいている様に見えるのが、しっくりこなかった。
リスク回避なら もっと別の次元の話ではないかな…という気がしたのだ。

因果律のロジックは如何様にも拡げられるので、そうも言い切れないことは自覚しているが、真壁の言い様じゃないけど、やり様があるんじゃないか…という印象が拭えない… 何となくオリジナリティに拘り過ぎな感じもあって、それは作り手志向ゆえかもしれませんね。…私も…シンプルに「運命から逃れるために…」的に受け取れれば、良かったかもしれないかな。

また、NINAと決別することで、夢の世界とも決別する選択をするのだが、それじゃ2つの世界のシンクロニシティが より増してないか?という印象も受けました。2つの世界で唯一「対応する者」がおらず、独立していたのがNINAだったので。

勿論 NINAの存在が「夢への依存」の具現なので消さねばならなかった…ということは理解できるのだけど…逆にNINAの「存在価値」の中にこそ、2つの世界を別つ鍵を見出して欲しかったかな… せっかく独立した存在だったのだし。まぁ、趣味的な話ではあります。(登場人物の中で 一番気に入ったのがNINAだったことの影響は否めない感想だ(笑)…)

もう一つ。

尊とタケルは相互に夢に着想を得ていた構成で、それ自体が売りな気もしますが、…精神的な依存関係としては、タケルは手段を夢に依存していない(様にみえる)。

だから、インタラクティブに話の構造や因果を考えると、かえって混乱しました。シンプルに「尊の夢⇒タケル」の一方向の構造でも良かったんじゃないかな… そんなことも考えました。

徒然感想にも程があるので そろそろオシマイ。

重ねて言うと… 面白かったからこその思索の振り返りです。ダメ出しじゃないので念のため。
ポストグラフ【大阪】

ポストグラフ【大阪】

彗星マジック

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2018/12/21 (金) ~ 2018/12/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/12/22 (土)

実在の印象派画家達を下敷きに、史実とフィクションが巧みに織り込まれて…あってもおかしくない実在感を醸す。私みたいなライトな美術愛好家ぐらいだとちょうど良い感じにIFの世界に惹き込まれる。スーラとシニャックの関係にはグッと来た。

ドラマ的な部分のみならず、美術に関する理論的な語りや一種のスピリチュアルさが 絵画に対する深みを醸して、とても趣味に合った。

逢いにいくの、雨だけど

逢いにいくの、雨だけど

iaku

八尾市文化会館プリズムホール 小ホール(大阪府)

2018/12/21 (金) ~ 2018/12/22 (土)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/12/22 (土)

色んな考えと嗜好が人の数ほどある… 理屈では分かっていても、人が自分の価値観から逃れることは難しい。問題点が部外者のバイアスで逸れていく、物議があらぬ方向に肥大化していく… その様が印象に残る。

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ネタバレBOX

【続き】

『僕が不幸だと思っているのかな…』刺さる台詞だ。
サイパンの約束

サイパンの約束

燐光群

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2018/12/20 (木) ~ 2018/12/21 (金)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/12/20 (木)

記憶があやふやと思しき老女との冒頭のやり取りは、まるでミステリーの始まりを予感させて、好みの出だし。最初は「痴呆」がイメージに浮かんだのだが… 思い出したくない過去とも絡み合って、それに留まらない内心の複雑な感情が察せられる展開でした。

以降、ネタバレBOXへ

ネタバレBOX

【続き】

結局、映画の撮影隊の物語であることが早々に明かされるのだが、映画制作に演劇の手法(ワークショップで演出を手探りしていく)を持ち込んだ印象の設定で(それを演劇上演しているのでややこしいが笑)、サイパンでの戦中戦後のドキュメンタリーの主役を、そのモデルとなっている当事者の「生き残りの老婆(渡辺美佐子さん)」が、当時の自分を演じる(のを演じる)のだが、その演技の過程で、彼女がまるで痴呆で退行したかのように見事に「少女」と化す様が圧巻、ホラーじみた印象すら残す味わい。

そして残留日本兵の潜伏やバンザイクリフの悲劇等を通じて、信じてた価値観の崩壊・反転の中で、意識の切替に対する拘泥・順応、内部での確執が様々に描かれる。今の価値観で当時の行為を安易に非難できるはずもなく、翻弄される人間模様を眺める他はなかった。

ただ 燐光群なので(?)、沖縄を絡めたり… 主義主張が絡んできたりすると、どうしても「説明劇」の様相が濃くなってしまって、むしろドラマ没入を阻んでいる印象は否めないのだが… そうと分かっていながら、名古屋公演が来ると観に行ってしまうのも事実だなぁ。
TRUCE

TRUCE

WWP 渡部将之(円盤ライダー)×渡辺一正(劇団スマイル・バケーション)のプロデュース企画

G/Pit(愛知県)

2018/12/14 (金) ~ 2018/12/25 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/12/16 (日)

ミリタリー物だが、それ以外の異色さやボケが加わり硬軟入り混じる。その分、終盤のシビアさと男達の覚悟を決めた想いが深く染み入る。そして…八代さんの芝居がマジ凄いことになっていて、その変幻自在さは観ないと後悔するレベル。

グッドグッドグッドワールド

グッドグッドグッドワールド

ゲボゲボ

千種文化小劇場(愛知県)

2018/12/14 (金) ~ 2018/12/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/12/16 (日)

前作「ふた街」から…更に磨き上げられたRPGゲーム感覚演劇。更に圧倒的な物量投入…14人パーティv.s. 魔王 という驚きの出だし。劇中の14人行進は見応えあったな。

あまりに大勢が登場して、個々のキャラの掘り下げに不安もあったが、パーティの内紛を展開の骨子に据えることで、人物描写を仲間に集中したのは上手かった。それでこそテーマの一つ「仲間」の肉付けにも結び付く。

またパーティのキャラ達も良い意味で統一感なく、バラエティに富んで異質な個性…というか世界観が林立していて、スピーディな展開も相まって、パーティ内の人物描写の豊かさも密度もしっかり濃かったと思う。

基本、人間関係でしか世界が語られないし、ほとんどダンジョン内の1シュチュエーションなのに、妙に世界の拡がりが感じられるのは巧妙だよなぁ。

また、本作品のノリをガッチリ支える常滑さんの音楽も健在。前作同様、何かのゲームで聴いた気がする…ぐらいの「微かな聞き覚え」を感じさせるアレンジが観客を盛り上げてくれる。戦闘エフェクトの映像効果も含め、ゲームに馴染んだ身体に自然に沁み込むノリだ。

…そんな…ノリで楽しむ部分はかなり強力でしたが、さて、お話の方。

ネタバレBOX

【続き】

今回の物語を深く味わうポイントとして以下の3つを挙げたい。

①「弱者」と「勇者の資質」

② 気遣いが強固さを生むチームビルディング

③ 罰という名の救済と…それを引き出した大局的判断


①「弱者」と「勇者の資質」
「弱者が勇者になる」 という構図自体さほど珍しくはない。弱いくせに他人の窮地を放っておけない。昨今だと「僕のヒーローアカデミア」の序盤等でも読者の心を打ったシチュエーションだが、… 本作にはそれとは大きく異なる点がある…本作の主人公・勇者タスクには… 物語展開における「ヒーロー的な主人公補正」が一切ない。

物語の展開の中で、都合よく「物理的な力」を獲得したりはしないのだ。あくまで弱者のまま、自分の居場所を見出していく。(予言の書の扱いは微妙なので横に置く。)

物理的な力を行使できる者が勇者・ヒーローという根強い価値観… バブルガムが揶揄した『弱い奴に何かを守る資格なんてないんだよ』という即物的な感覚に反して…
タスクの勇者としての資質、それは「他人の気持ちが分かる… 共感する力」にあるように思える。

…弱いからこそ… 役立たずだからこそ気づける… 拾い上げられる「弱き者、虐げられし者」の想いがある。

「共感」で仲間を増やす天賦の才、そして、だからこそ…護ってあげたくなる勇者! そんな異色の存在でした。


②気遣いが強固さを生むチームビルディング

(承前) ただし、その天賦の才は冒険1巡目の時点で既に備わっていたものだ。

なぜ1巡目のパーティは崩壊したのか。

表向きはタスクの自己顕示欲によるものになっていたが、その内実はそれに留まらない。パーティ内の歪みは、その前に既に拡がっていた。崩壊するべくして崩壊したと思える。
微熱ガーデン

微熱ガーデン

下鴨車窓

津あけぼの座(三重県)

2018/12/15 (土) ~ 2018/12/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/12/15 (土)

田辺剛作品は… 元々 事件らしい事件を起こさず、「台詞以外」から発せられる…積み重なった心情や過去、背景を研ぎ澄まして想像させるスタイルの印象があるが、今までで最も狭いアクティングエリア、至近距離でこれを浴びて、より強く鬱屈感や怯えた感じ、… 必死の抗いが伝わってきた。

構成がさりげなく凝っていて、後から あぁ…そういうこと…ってなるのもいい。あそこで終わらせることも、返ってより落差と最終的な心情が際立つ。絶望の中に… でも一人じゃないっていいね… って思わせる後味。

冒頭の言葉に若干反するけど、今まで観た下鴨車窓作品の中では一番事件性があるから、結構取っ付きやすい作品になっていると思う。

観客の力強い拍手に、それが現れていたかもしれない。

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