サイパンの約束 公演情報 燐光群「サイパンの約束」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     事実。

    ネタバレBOX

     この数年間の日本政治のバカバカしさと茶番は、世界中のどんな国の政治も真似の出来ない程の体たらくを晒していよう。マスメディアの凋落も目を覆うばかりである。頭の無いムカデのように、何処へ行くのかも分からず唯たくさんの足を闇雲に動かしては痙攣する足取りで全く見当違いの方向へ舵を切り、時折2度、3度と痙攣を起こした脚の神経に引きずられるように、今度はこっち、次はあっち、とのたうちながら終末へ一歩、また一歩と歩みゆく。この悍ましい運動を支えているのが、フェイク情報を信じ、己の頭で考えようとはしない者達の愚か極まる頭脳と「判断」だ。
     このような人の特性を利用してアホの頂点に立ち、アメリカの奴隷として生きていることを恬として恥じない下司、そんな下司に「忖度」でしか応じられない「エリート官僚」という名の塵。こんなものを毎日、朝から晩まで下手をすれば夢の中でまで見せられれば荒む。心はもうとっくに壊れていたが、もっと深い所で魂が崩壊しそうになっているから、心が魂を護る為に嘘を平気で吐きだす人々は増加している始末。
     こんな現代日本への対抗策が今作ではないのか? 今作の創作部分は1割ほど、殆どがドキュメンタリーである。現代日本の状況では、民衆の声を聴かない為政者を叩く為には、彼らがやっている総ての反倫理的行為に対して民衆の目を向け・事実と向き合って貰う他あるまい。表現する者の役目の1つが、大江 健三郎ではないが、炭鉱でのカナリアの役であるならば、猶更である。今迄の作品が、取材をベースにしながらも敢えて虚構として描いて来た坂手作品と燐光群であったとすれば、これまでの作家・劇団の経験が今作のようにドキュメンタリーであっても、向き合えるそしてキチンとした表現として纏め上げることのできた大きな理由であろう。主演の渡辺さんの品があって可愛らしい演技も見所。

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    2018/12/02 13:45

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