最新の観てきた!クチコミ一覧

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ビューティフルワールド

ビューティフルワールド

モダンスイマーズ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2019/06/07 (金) ~ 2019/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

時流の最先端を行く話で、とても面白かったです。

ネタバレBOX

自宅が火事になり、親戚の家に居候することになった中年引きこもり男が経験した凄まじい人間関係を描いた話。

三年寝太郎のように隠れた才能があったのかと思えばそれほどでもなく、商売が傾いた原因が他にあったのかと思えばやはり自分だったとか、婿養子は不動産名義が自分の物になるまでは大人しくしているべきだとか、何か凄い教訓に満ち満ちた寓話のようなストーリーでした。

東日本大震災で畳の上に乗って漂流して助かった引きこもりの男性は今どうしているのかなと思いました。

以前、洋物のお芝居というとゲイの話ばかりで、そしてその影響を受けて日本でもゲイが登場するお芝居が増えましたが、このお芝居を観て日本で社会を反映するお芝居と言えばそうです、これからは中年引きこもりに関するものが主流になると確信しました。
サリンジャー

サリンジャー

ボクナリ

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2019/06/07 (金) ~ 2019/06/12 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/10 (月) 19:00

85分休憩なし。
終始コミカルで「走れメロス的」な劇中劇のテンポもあり、舞台を駆け抜けていく。笑いネタが面白い・・・とは思えなかったけれど、駆け抜けるスピード感の後ろに、言いしれぬ切なさ、痛さを感じる。
そもそもこの舞台だって…いや、すべての舞台は、紙一重のバランスの中、そのバランスが崩れない、奇跡で成立しているんだよ、という事を再認識として感じたり。表現の場に、身を置いたことがない人に理解は出来るだろうかという思いはあるも、どうしようもない対立を、風を切るように描いた作品。とても切なくて、面白かった。

いざ、生徒総会

いざ、生徒総会

filamentz

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2019/06/11 (火) ~ 2019/06/17 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/06/11 (火) 19:30

130分。休憩なし。
全部で18人も出ているのに、一人一人の個性が際立つ芝居。一人一人の役者さんの魅力が、眩しすぎる。シチュエーションコメディの脚本が非常に面白く、かつ、個々のキャラクターを引き立たせる要素が満載。ラストの生徒総会では、単純に民主主義や自由について考えさせてくれる。130分、めんいっぱい楽しませてもらいました。

ディアフレンズ、ジェントルハーツ

ディアフレンズ、ジェントルハーツ

劇団風三等星

ぽんプラザホール(福岡県)

2019/06/07 (金) ~ 2019/06/09 (日)公演終了

満足度★★★★

キャラメルボックスの世界が広がっていた。テーマが私の大好きな野球だったのも良かった。
みんな熱演だった。でも、知らない年代に伝わったかな?

イェルマ

イェルマ

空間再生事業 劇団GIGA

ももちパレス(福岡県)

2019/05/31 (金) ~ 2019/06/01 (土)公演終了

満足度★★★★

テーマは深刻だけど、舞台は美しかったし、衣装も可愛いかった。
でも、イェルマの悲しい顔が切なかった。ダンスに見惚れた。

星屑バンプ

星屑バンプ

THE CONVOY

博品館劇場(東京都)

2019/06/05 (水) ~ 2019/06/12 (水)公演終了

満足度★★★★★

初日と座席位置が大分違うせいか随分見え方が違って、同じ演目でも印象が違ってくるかもと思った次第。博品館の座席は前後で横にずれていないので、席によっては本当に見づらくてなんとかしてほしいものです。しかし全体としては初日よりさらに面白かった。
今日(11日)はねずみさんと大社長のお誕生日でしたが特別なことは何もなかったのがちょっと寂しい。でも大社長が物販に出ていたのでおめでとうが言えました。サムさんもいたのが嬉しかったです。

いざ、生徒総会

いざ、生徒総会

filamentz

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2019/06/11 (火) ~ 2019/06/17 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/11 (火)

11日ソワレ(130分)を拝見。

ネタバレBOX

とある高校を舞台にした、5本の連作短編・プラス・アルファーな構成。

まず4つの短編で散々笑わせながらも、規則と運用、性同一障害、職務と感情、衆議の移ろいやすさ等々、オトナの問題としても考えさせられるテーマが提示されたところで、最後の短編。
土壇場での大波乱(投票結果に対する、監査委員長の予期せぬ異議申し立て)を受けて、この話を一体どう着地させる気なんだろうか?と観ていてハラハラさせられたが、解答編であるエピローグで、観客の安堵するエンディングが用意されてあったのには、流石!と唸る思いだった。
ただ、このエンディング、(野暮は承知の上で言うと)個人的には、意に反して生徒会長を下ろされたにしては、前会長の心持ちがあまりにも清々し過ぎるかなぁ、と首を傾げたことも付記しておく。

【配役(役名=役者名)】
第1話「私の好きな制服」
池内理紗さん:
生徒会長の3年生。人望厚く・最も理知的に行動する人物だったが、生徒総会での予期せぬ事態に平常心を失い…。池内さんは、今回、最も印象に残った、全編を通しての主人公。
古谷蓮さん:
生徒副会長の2年生。会長への恋心から生徒会活動をしている人物だったが、生徒総会の混乱に際して、重要な役割を果たす。古谷さんは、第1話・第5話・エピローグで副会長を見事に演じ分けていた。
江益凛さん:
生徒会書記の2年生。副会長に片思いながら、彼のよき理解者でもある。江益さんは『Magnum Opus』でのイメージが強かったので、こんなに可愛い笑顔をみせる方だったとは!と少し驚かされた(失礼!)。
夏水さん:性同一性障害? スカートを履くことに抵抗があり、ズボンでの登校を繰り返す。
佑木つぐみさん:
赴任したばかりの教員。前任校では生活指導も担当。全体的に若い座組みなので、教師という役柄を超えて、登場すると場が締まるように感じられた。

第2話「私服デート」
堀ノ内翼さん:
恋人の知夏には隠しているが、性同一性障害?女装癖のある男子生徒。堀ノ内さん、もちろん演出プランに従っているのだろうけど、色モノに陥ることなく、自身のアイデンティティに悩み・振り回される青年を熱演。
川口知夏さん:
川口さんは、真実を知って混乱しながらも、翼を理解し・寄り添う、翼の彼女を好演。
野崎春花さん:知夏の友人。第3話にも登場。
波多野伶奈さん:知夏の友人。第4話で暗躍?!

第3話「優しい監査」
大和田あずささん:
職務と寛容の間で揺れ動く監査委員長の2年生。個人的には『いまこそわかれめ』でのイメージが強い方で、生真面目な役柄がピタリとハマる役者さん。
竹田優哉さん:監査委員見習の1年生。杓子定規で応用が効かない性格。
飯嶋耕大さん:
生徒会室に居座る部外者の3年生。昔の生徒会役員や監査委員のエピソードを語りたがるも、実は本人に生徒会役員等の経験はないという、実績の裏付けがない、ナイゲンの「どさまわり」。
高坂美羽さん:2年生。職務に誠実なあまり厳格な大和田を、クラスメイトの立場から非難する。

第4話「制服廃止運動反対について考える会」
岡田怜志さん:運動賛成なのに間違って反対派の集会に紛れ込んでしまった2年生。
岡村梨加さん:2年生で反対派の「女王」。最初は丸橋・大中を従えていたのだが…。
丸橋慧さん:理屈屋。最初は岡村のシンパだったが、伶奈の発言で賛成派に態度を豹変。
大中喜裕さん:元・柔道部。同じく岡村のシンパだったが、伶奈の発言で賛成派に態度を豹変。
見米克之さん:
実は岡田と同じく賛成派なのに、間違って反対派の集会に来た2年生。見米さんは何度も舞台を拝見している方なので、今回も安心して観ていられた。

第5話「いざ、生徒総会」
全員

エピローグ
池内理紗さん:
先の生徒総会の場で、蓮の発議がもとで生徒会長を解任されたが、あの時の状況から憑き物が取れたように、元の穏やかな人柄に戻っている。
古谷蓮さん:生徒会長不在のため会長代理に就任。現在、文化祭準備で悪戦苦闘中。
江益凛さん:悪戦苦闘している蓮を手助けしている。
堀ノ内翼さん:一時的に制服を着なくていいための許可届を取りに生徒会の部屋へ。
いざ、生徒総会

いざ、生徒総会

filamentz

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2019/06/11 (火) ~ 2019/06/17 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/06/11 (火) 19:30

価格3,800円

「国府台高校サーガ」最新作は第1話から第4話で四方の壁を作り、第5話でそこに屋根を乗せる、的構造の連作短篇形式。
その4話の内容も多彩で、そこにナイゲンや旗合戦/卒業式にいたキャラと通ずる部分のある人物も登場し、その意味で「国府台高校スターシステム」とも言えよう。
一方、監査はナイゲンとキャラは異なるものの、監査という役職と自分の心情の板挟みに悩むあたりが共通?
そうして迎えた第5話の前半は、近い将来国政レベルで起こるのでは?と肝が冷えたわ。

なお、シアター・ミラクルの一般的な使い方で言えば客席側・上手側・舞台側を客席とした三方囲み、「女優系」の方には普段の客席側ブロックの奥(角)をオススメ。

ネタバレBOX

第5話で開票結果からの決定に待ったをかけた監査に対する会長の仕打ちはまさに「黒いどさまわり」。そして改憲に関する国民ちょうひょう投票の結果が意にそぐわないと思ったコドモ総理がそんな手口を使うのではないかと思うと肝が冷えた。
本作では民意の良識が正しい結論を導き出した(胸アツ)が、さて……。

なお、
第1話はナイゲンの台詞「めんどくせー学校」がそのままあてはまり、
第2話は総会の議題から発展して社会問題(?)に言及し
第3話は「監査」の役目を際立たせ
第4話はナイゲンの3148が実はすべて計算ずくだった場合
のように思えた。
そして各編のちょっとした部分が第5話の伏線になっているのがやっぱり巧い、感服!
バクステ!!

バクステ!!

エヌオーフォー No.4

赤坂RED/THEATER(東京都)

2019/06/05 (水) ~ 2019/06/16 (日)公演終了

満足度★★★

コメディなのかなと思っていたら、終盤のシーン以外はそれほど大きな笑いが上がるでもなく、かといって舞台LOVEの感動作かと思えば意外に淡泊な印象も。面白いのだけど、もっと面白くなってもいいような。上演時間は90分。今日が全18ステージの折り返しらしいが、回によって波があるのかしら。

ビューティフルワールド

ビューティフルワールド

モダンスイマーズ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2019/06/07 (金) ~ 2019/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/06/08 (土) 15:00

価格3,000円

最高だった。
昨年の3部作再演の時の様に涙が溢れてくる事はなかったけれど、
休憩後の展開はさすが。
重い展開の中に笑いがある所もモダンスイマーズの良さの一つ。
今回は高倉健太に持って行かれた。

席の位置によって役者さんの表情の見え方が変わって来るので、
もう1回ぐらい観たいなって思うけど、土日はチケット残ってないし
当日券で頑張って並ぼうかと考え中。

怪盗協奏曲

怪盗協奏曲

ZERO BEAT.

ザムザ阿佐谷(東京都)

2019/05/28 (火) ~ 2019/06/02 (日)公演終了

鑑賞日2019/06/01 (土) 18:00

怪盗が活躍し、相手を欺き、大金を盗み、相手の大会社の社長がショックで唖然とするレベルの華麗な騙しテクニックに、その展開が予想外の結果を招いたので驚いた。

六月大歌舞伎

六月大歌舞伎

松竹

歌舞伎座(東京都)

2019/06/01 (土) ~ 2019/06/25 (火)公演終了

満足度★★★★

夜の部の三谷歌舞伎。あまりなじみのない歴史に題材をとっていながら、現代のアドヴェンチュアに通じる面白さがある。満席の観客は、この遭難船の一行どうなる、光太夫の指導力いかに、と固唾を呑んでみている。一万円以上の席料を払っても、納得できる一夜芝居だ。休憩50分あって、3時間45分。堪能する。
劇評は渡辺保さんのネット劇評「歌舞伎劇評」に尽きているので、そこにないことを少し。
歌舞伎の様式的演技がうまく使われていて、時代物(でもないだろうが)より、世話物の面白さだ。下座が入るシーンはわざとらしくもあるが、芝居の流れの中で様式的になっていき、クライマックスになるところは、自然でつながりがいい。日本人の感情表現が長い間に洗練されるとこうなるのか、と乗せられてしまう。
歌舞伎劇場の機構がうまく生かされている。花道、御簾、波幕などの装置はもとより、大歌舞伎公演に必要な大部屋俳優などもうまく使う。二幕のぬいぐるみによる犬ぞりの疾走は大受けだが、役者はもとより、振付がうまい。
しらけやすいロシア人が出るところを三幕までは抑え、三幕の女王謁見に絞ったにのもうまい。だが、ここで八島智人が出てくると、本人は十分にうまいのだが、舞台に溶け込んでいない。それは無理というもので、ここは歌舞伎役者で行くべきだったと思う。
どうもなぁと思ったのは、松也の現代中学校の歴史教師を出す必要があったのか、二幕、黒子を白衣装にしたこと(雪のシーンという配慮だろうが)、くらいだろうか。
全体に新作歌舞伎にある嫌味例えば、(野田歌舞伎には感じる)がなく、これなら再演も余り難しくないのではないだろうか。(野田歌舞伎は野田なしには手が付けられないだろうが、こちらは、頭取さんの整理でも出来そうな気がする)。高麗屋は再演も視野に入れておいてほしい。花も実ももある王道のエンタテイメント歌舞伎の誕生を喜びたい。


玉響ノイズ〜空蝉に、風光る〜

玉響ノイズ〜空蝉に、風光る〜

えび

シアター風姿花伝(東京都)

2019/06/05 (水) ~ 2019/06/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/06/07 (金) 19:30

お父さんが亡くなったことへのショックから立ち直れないで、感情が無いような放心状態でいる少年が、少し変わった人たちに合うことで変わっていき、自分とは何者なのか、自分の個性とは何なのか、ということを考え、成長していったことに感動した。

2.8次元

2.8次元

ラッパ屋

紀伊國屋ホール(東京都)

2019/06/09 (日) ~ 2019/06/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

売れない新劇劇団がアニメ原作の「ミュージカル」に挑む物語。おすすめです。ピアノ、歌がうまくて、笑えて泣ける。演劇論にもなっていて、大衆演劇を道具たてにした井上ひさしに似ているところもある。1時間50分。

らぶゆ

らぶゆ

KAKUTA

本多劇場(東京都)

2019/06/02 (日) ~ 2019/06/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/06/09 (日)

待ちに待ったKAKUTA。ここの劇団の世界観が好き。役者が好き。
何をした人でも何気なく生きている人でも何かが起きようと生きていく。中には絶望する人も。
そんな「ありふれた人」のドラマを見せてくれた。響いた。
KAKUTAはどんな演劇をやらせても真摯に取り組むし、大真面目にバカなこともしてくれる。毎度期待させてくれる劇団。
終演後に物販に当たり前のようにいてくれる親しみやすさ。本多劇場でしてくれるとは思わなかった。
前に応援していた某ユニットは終演後の挨拶が本多劇場で公演してからは関係者以外出来なくなった。
KAKUTA、これからも変わらずにいて欲しい!

畏怖(if)

畏怖(if)

スライディングドアプランニングス

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2019/06/07 (金) ~ 2019/06/09 (日)公演終了

満足度★★★★

予知夢を題材にしたサイコサスペンス風な公演。同じ場面をループさせる展開であるが、少しずつ何かが違う。その違いが螺旋階段のごとく同じところを回っているようで、少しずつ観点が異なる。その歪んだとも思えるような夢世界が現実に起こるとしたら...。
(上演時間1時間40分)

ネタバレBOX

舞台は某大学の研究室。中央に階段があり上がったところがメイン舞台。上手側にテーブルが置かれミーティングスペース、下手側に実験装置、パソコンが置かれている。中央奥は四角い枠が2つ立っているが、一方は傾いており同型でありながら別なものに見える。また鎖のようなものも見え不安定な感覚にさせる。
同一人物でありながら、その内にある”夢と現実”の似て非なる出来事が畏怖に描かれる。舞台美術はその歪みのような心象風景を思わせる。

梗概…女子大生がある実験の被験者となり体験する出来事が繰り返される。もちろん繰り返しは仮定(=if 畏怖)の連続である。予知夢が現実に起こるような恐怖...その夢の中で出合う女の諦念と狂気が女子大生の思考を混乱させる。運命には抗えない、しかし予知夢の出来事は絶対に回避したい。予知夢の堂々巡りを通して明らかになる逆恨みによる恐怖。しかし別の意味で、目に見えない現代ならではの問題と恐怖も潜む。
予知夢は、この研究室に銃を持った男が現れ、仲間を殺していくもの。始めは全員が殺されるが、2回目.3回目と回(1回10分と仮定)を経ることで助かる術も見えてくるが全員を助けることが出来ない。夢は現実...醒めている時の1/2のスピードで進むとされており、計算上9回目が現実となるようだ。その焦りと緊迫感がよく表されていた。ちなみに9回目(約90分は冒頭とラストシーンを除いた、上演時間に重ねているようだ)

もう1つの現代的な恐怖は、インターネットでの誹謗中傷の類である。銃を持った男は、コンビニ店員で店内で悪ふざけをしているところを写真だか動画で自撮りし、親しい仲間に配信した。それを受信した人物が面白半分に拡散したことから、コンビニ店員はバッシングを受ける。そしてその母親が息子の免罪を願い自殺する。拡散した人物がこの研究室にいることを突き止め殺しに来るという夢と現実が錯綜する。確かにコンビニ店員の悪さが原因であるが、それを面白半分に拡散するというインターネットの怖さ。見知らぬ人からの容赦ない攻撃...そこに真の正義はあるのだろうか?むしろ無自覚・無責任な愉快犯的な不気味さを感じる。その雰囲気を十分漂わせる、そんな演出であった。

この理不尽な夢を通して、愛情・友情・嫉妬・妬み・疎ましさ・裏切りなど人間が持つ色々な感情が見えてくる。恐怖による極限状態で冷静な判断が出来るか、最後は自分の身を守るという当たり前の行為が、なぜか卑怯に観えてしまう悍ましさ。
宿命、未来へ備えることは出来ない。宿命に逆らえないという諦念に立ち向かうにはどうすれば良いのか…自分の信念を持つこと。そんな成長譚を思わせる公演。
次回公演も楽しみにしております。
オレステイア

オレステイア

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2019/06/06 (木) ~ 2019/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/06/09 (日) 13:00

座席1階7列33番

1幕と2幕の間の休憩時、フロアに出てきた若い女性たち。
やはり、生田斗真人気かな。ギリシア悲劇を元ネタにした芝居にしては、年齢層が若く、女性が多い。
そんななか、「神の信託って何のこと?」という言葉が耳に入ってきた。
ああ、古代ギリシアの話で、神託の位置づけが判らないのだなと思う。

かくいう私も、そんなに理解などしていないし、アイスキュロスの原作を読んだこともない。ただ、作品がその翻案だということは理解し、役の関係は理解していないと、ちょっと導入からして苦しいことになる。

4時間20分の古代ギリシア劇、さて、眠らないか心配したものの、それは杞憂に終わった。3幕目のアテナイでの裁判を成立させるために、第1幕と第2幕は、オレステスの記憶を医師が呼び戻すという構成。2回の休憩も、幕間で話を整理するにはちょうどよく、オレステスの精神状態を読み解くのに助かった。

ネタバレBOX

なぜ夕食の席に、エレクトラの席がないのか。
なぜエレクトラの髪と足跡が、オレステスのものと同じなのか。
伏線を張りながら、最後まで魅せる物語は、弛緩なく面白かった。

最期、カルカスが「君は自由だ」と言いながら、オレステスの両手に何かを乗せる。
それは、ふとした瞬間になくなったようなのだが、私には盆に乗せられた3つの紙コップに見えた。イピゲネイアの時と同じように。
ONとOFFのセレナーデ

ONとOFFのセレナーデ

ことのはbox

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2019/06/05 (水) ~ 2019/06/09 (日)公演終了

満足度★★★★

トーリーとしては、葬儀というものの考え方の本音と建て前、また人の持つイメージの強さ、これらが印象に残りました。シタイのネーミングの意味合い、ラストの二人、ちょいとばかり唸りました。大変興味深い作品でした。出演者も熟年組がイイ味を出してました。叔父夫婦のコショコショ話、すんごく有りです!夫婦として成立してました!・・・なのですが、メイン三人は少し芝居がこなれていないような気がします。また、演出に細やかさが感じられない。劇場が使いづらいせいもあったかもしれませんが、セットから雑然とした印象しか受けなかった。なにか物足りない気がしたのも事実です。☆四つ付けますが、実際のところ3.8ぐらいだと思ってください。

ビューティフルワールド

ビューティフルワールド

モダンスイマーズ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2019/06/07 (金) ~ 2019/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

モダンスイマーズはこれまで一度も「つまらなかった」と思ったことがなく、常に質の高いお芝居をみせてくれるので、今回もそれなりに期待しつつ観劇するも、軽々と期待値を超える面白さと痛々しさ。笑ったりゾッとしたりお芝居の醍醐味をしっかり味あわせて貰った。

家庭や職場でどうしようもなく生まれる「強者と弱者」。強者側の無神経な振る舞いと弱者側の辛さ切なさ。そして弱者の間でもまた「強者と弱者」が生まれる構造に「弱い者たちが夕暮れさらに弱いものをたたく/その音が響き渡ればブルースは加速してゆく」という歌が脳裏に流れる。

その力関係がふとした瞬間に崩れ、強者と弱者が反転する時の驚きと滑稽さに惹かれる。特に2部はその崩れ方が見事で、人間の愚かさと可笑しみに会場全体が笑いに包まれるシーンも。

「周りの人間がいつのまにか強者として振る舞うようになるのは結局自分のせいなのかも…」という疑念と絶望プラス憤怒に強く共感。私も何度それで悩んだことか。こういう感情をこんな風にお芝居で観たのは今回が初めてかもしれない。

劇団結成20周年にふさわしい傑作。このクオリティでチケット代が3千円というのも非常にありがたく、またその努力に頭が下がる。

横濱短篇ホテル

横濱短篇ホテル

劇団青年座

カメリアホール(東京都)

2019/06/07 (金) ~ 2019/06/08 (土)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/06/07 (金) 18:30

人生いろいろあるよなあ、という、至極まっとうな言葉が心地よく思われる芝居。
青年座では何度も上演されていることから、かなりブラッシュアップされて、ここに至ったのだろう。

マキノノゾミの話のつなぎの巧妙さに、宮田慶子の安定感のある演出。
役者の演技の安定感が、7つの場の転換にメリハリを付けながらも、5年毎の物語(7話目は、それ以上の年月が経っているようだが)の空白を無理なく埋めている。

ちょっと悲しい出来事もあるのだけれど、それも人生。
主人公2人は、それなりに幸せを手に入れ、夢を叶える。「それなり」というのがよいよなあ。

三島由紀夫の自決、「デルス・ウザーラ」にポケベル、ちょっとした時代描写が洒落ている。

それぞれにきれいなオチがあるのだが、特に2話目の「人間観察」のオチは、バカバカしくも美しい。

ネタバレBOX

6話目ににちょこっと出てくる、怪しげな中東人(南アジア人?)と中国人。
あのスパイス気味の2人は、何だったのかなあ。

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