満足度★★★★★
鑑賞日2019/06/07 (金) 18:30
人生いろいろあるよなあ、という、至極まっとうな言葉が心地よく思われる芝居。
青年座では何度も上演されていることから、かなりブラッシュアップされて、ここに至ったのだろう。
マキノノゾミの話のつなぎの巧妙さに、宮田慶子の安定感のある演出。
役者の演技の安定感が、7つの場の転換にメリハリを付けながらも、5年毎の物語(7話目は、それ以上の年月が経っているようだが)の空白を無理なく埋めている。
ちょっと悲しい出来事もあるのだけれど、それも人生。
主人公2人は、それなりに幸せを手に入れ、夢を叶える。「それなり」というのがよいよなあ。
三島由紀夫の自決、「デルス・ウザーラ」にポケベル、ちょっとした時代描写が洒落ている。
それぞれにきれいなオチがあるのだが、特に2話目の「人間観察」のオチは、バカバカしくも美しい。