最新の観てきた!クチコミ一覧

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日の浦姫物語

日の浦姫物語

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2019/09/06 (金) ~ 2019/09/23 (月)公演終了

面白かった〜♪こんなに笑わせてもらえるとは。俳優に魅せられた…メインだと朝海ひかるさん、平埜生成さん、毬谷友子さん、辻萬長さん、素晴らしい!

日の浦姫物語

日の浦姫物語

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2019/09/06 (金) ~ 2019/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/09/06 (金) 18:30

座席1階

文学座の杉浦春子に井上ひさしが書き下ろしたという舞台。近親相姦の悲劇だが、見終わってみれば底抜けの喜劇のオブラートにくるんであった。
ある時は親父ギャグ、またある時はオレたちひょうきん族という具合。鵜山さん、これはちょっとやりすぎじゃない、とツッコミを入れたくなる構成だ。あまりにも残酷な筋立てだから、こうなったのだろうか。自分としてはそうではなく、井上ひさしが天国から見て笑っているような舞台にあえて仕上げた感じがする。
日の浦姫を演じた朝海ひかる、魚名を演じた平埜生成が毒のない、さわやかと言ってもいい演技だったからかも。
井上ひさしのユーモアは分かったつもりでいたけれど、最近のこまつ座の舞台からは想像できないテイストに一本取られた感じがした。
杉村春子の舞台が俄然みたくなる。

足跡姫〜時代錯誤冬幽霊〜

足跡姫〜時代錯誤冬幽霊〜

劇団六風館

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2019/09/06 (金) ~ 2019/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★

役者全員うまい。たぶんセミプロレベルなのでチケも3000円~4000円が妥当な人たちだと感じます。しかし脚本が野田さんなので難解で、世界観の演出が、かなりの役者の力量を要するものだと思いました。
なので、この劇はかなりの挑戦だったと思いますし、正直、セミプロレベルでは世界観の維持や、没頭させ続ける事は不可能だと思いました。

偉そうなこと書いてすいません。
良い劇団なので今後も応援していきたいと思います。

歌姫

歌姫

ことのはbox

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2019/09/05 (木) ~ 2019/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

昭和のこの時代の匂いが大好きなので個人的にはすごく堪能!自然と涙が流れて感動しました!大満足

人生のおまけ~Collateral Beauty~

人生のおまけ~Collateral Beauty~

演劇企画イロトリドリノハナ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2019/09/05 (木) ~ 2019/09/09 (月)公演終了

満足度★★★

面白いストーリー展開に惹かれて観てきました。素直な感想は、残念ながら終始イライラしながらの観劇でした。単に好みでは無かっただけです。もっと笑って怒って泣いて…そうなるはずですがなれませんでした。テンポとか間合いとか台詞回しとかほんのちょっとでしょうが最初から最後までイライラしてたんです、残念ながら。2日目だからか皆さん硬めの演技で結構噛んでたりセリフも飛んでいるらしい場面が多くて。ですが構成はメリハリがあって、笑いやエンタメの要素がふんだんでしたからきっと初見の私の勘違いかもしれませんね。
まさかのこの狭い舞台での暗転のセットチェンジはお見事です、驚きました!尚且つ小物の充実ぶりにガン見していました。
こうなったらテイストの違う次回作を見てみたくはなりました。

足跡姫〜時代錯誤冬幽霊〜

足跡姫〜時代錯誤冬幽霊〜

劇団六風館

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2019/09/06 (金) ~ 2019/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★

舞台観てきました!
役者1人1人の個性が、良い意味で融合して
大きな世界観を生み出しており、
本当に見応えありました。
残りの公演も頑張って欲しいです。

ツノノコ、ハネノコ、ウロコノコ

ツノノコ、ハネノコ、ウロコノコ

フロアトポロジー

オメガ東京(東京都)

2019/09/04 (水) ~ 2019/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

物語を観たまま受け入れれば国家陰謀による悲劇、ディストピアの世界そのものである。しかし、ラストシーンがどうも気になるが…。物語は重厚・骨太で、その雰囲気を舞台美術、音響・音楽、照明等の効果で上手く引き出している。もちろん架空・仮想世界の出来事であるが、現実にあり得ると思わせるところが怖い。この公演でのテーマが人の生き方そのものを問うような鋭さ。観応え十分な力作だ。
(上演時間1時間45分)2019.9.10追記

ネタバレBOX

舞台美術が素晴らしく、壁は煉瓦や波トタンで廃墟のような場所を演出する。中央に太い柱、その横を回り込むように階段が見える。上手側は別場所への通路、下手側に窓と通路。冒頭は 頭陀袋のようなものを被った子供たちが無邪気に遊ぶ姿。廃墟のような場所の雰囲気と子供たちの姿に違和感を覚えるほど明暗対比した光景が鮮烈だ。

時も場所も架空の世界を描くが、何となく現実味を帯びているような。物語は正化11年、ある研究者が人間の隷属性を高める働きをする新たな細胞を発見した。細胞の培養に成功した国は軍事目的のため国民に細胞ワクチンの投与実験を始めた。その結果生まれたのが「クラフト症候群」と呼ばれる早老症の子供たち。国家は秘密裏に処理するために「特例区」と呼ばれるこの場所に隔離し虐殺を行う。物語は人体実験=軍事利用を目的とした社会性とその犠牲になった国民(子供)の思い、その深く埋まらない溝を重厚に描いており目を逸らすことが出来ない。警鐘と感動が織り込まれた内容、それは観客(自分)の心に強く響いてくる。

1人の女性記者がその事実を取材しに訪れる。後日、その取材記録を公にしたような描き方のように思えるが…。国家への報復、その報復手段が火炎瓶という何十年も前のもの。その前時代的な方法を以って、いつの時代でも理不尽・非道な施策には立ち向かうという強い意志が込められているようだ。同時に独立記念日、独立広場などの台詞から非道な扱いを受けた国民の抗議行動、束縛(特例区)からの解放の意図が伝わる。

演出は、牢獄を思わせるような格子イメージの照明、場面状況に応じて照明を諧調させたり強調・印象として朱色や暖色など使い分けが巧みだ。音響は「ただいま さよなら」?を歌うなど哀調を帯びた選曲が心にグッとくる。この公演を通して、知らない事、考えない事、見て見ないふりをすることなど、その批判的視点を持たないことの恐ろしさを改めて知らされた。
次回公演も楽しみにしております。
歌姫

歌姫

ことのはbox

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2019/09/05 (木) ~ 2019/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

土佐の漁師町にある映画館「オリオン座」の閉館日に上映された「歌姫」。この映画が物語の回想シーンそのもの、そして東京から映画を見に来た母と息子に去来する思いが、ラストの台詞に込められている。台詞は土佐の俚言で喋り、はじめのうちは聞き取り難いが、物語が進むにつれて気にならなくなる。逆に自分がその土地にいるような錯覚、雰囲気に包まれる。もちろん、ことのはBox らしい演出…舞台美術、舞台技術の工夫によるもの。そして映画館らしい時代経過の表示、郷愁と追憶をしっかり紡ぎ出した秀作。
(上演時間2時間) 後日追記

昭和歌謡コメディVol.11〜ツキジーヒルズ青春ハクション〜

昭和歌謡コメディVol.11〜ツキジーヒルズ青春ハクション〜

昭和歌謡コメディ事務局

ブディストホール(東京都)

2019/09/05 (木) ~ 2019/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★

現役アイドルから往年のアイドル,モノマネ芸人に歌手、ダンサーまで、もうなんでもありの、令和の時代に敢えて贈る昭和のコメディ&歌謡ショー。
若手は初々しく、ベテランは流石の落ち着きぶり。少し客席の笑いの反応が鈍い気がしたが、歌謡ショーでは応援の掛け声もかかり、紙テープが乱舞して、かなりの盛り上がり。
サービス精神旺盛な座長の奮闘に敬礼です。

ネタバレBOX

久しぶりに姿を見た方もいたので、過去の記憶を今目の前にいる姿に書き換えるのに少し時間がかかってしまった。
入り口で頂いた太田胃散。本当に、いい〜薬です!
スリーウインターズ

スリーウインターズ

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2019/09/03 (火) ~ 2019/09/15 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/09/05 (木) 13:30

座席1列24番

 クロアチアを舞台にした女性6人、4代にわたる(2人姉妹が2組)サーガ。
1945年―戦後、1900年-ユーゴ内戦、2011年―EU加盟という3つの節目に焦点を当て、彼女たちそれぞれの生き様(価値観)を描いていく。

 開幕、パルチザンの戦士として戦い将軍の恩恵を受けるローズが、軍本部に行き、戦後、親ドイツ(ナチス)派の富裕層から没収し、空き家になった住居の割り当てを受けに来る。舞台奥には、夥しい鍵の山のオブジェ。その中から1つの鍵を選び出すが、それは以前母親が、召使いとして働いていた家だった。そこに、ローズは母モニカと夫アレキサンダー、そして生後間もない娘のマーシャと暮し出す。しかし、そこには元の住人で、精神病院に入れられていた令嬢のカロリーナが、終戦のどさくさに紛れて戻り住んでいた。
 最後、マーシャの次女ルツィアの結婚式、花嫁衣裳のルツィアと父ヴラドが楽しそうに皆の前でダンスを踊って閉幕。
 舞台の進行は、全てローズが選んだ(意図的にだと思われる)家の2階で進行する。(1階と3階には、別の家族が住んでいる)ただ、時系列ではない。最初と最後だけが時系列のかなめになっているが、先の3つの時期が交錯する。
  
 この舞台の素晴らしいところは、同居するカロリーナを含めた7人を、複眼的な視点・視野から過不足なく描き切っているというところ。舞台劇では難しい価値の多極化に(散漫になりやすい)無理なく成功している。
クロアチアという歴史の大河に漂う小国の運命を反映させながら、反発と家族愛を深める群像劇は休憩含め3時間を飽きさせない。

 特にローザの苛烈な生き様は、舞台前半を鷲掴むように引っ張っていく。ラスト近くのアリサの家族への糾弾は、まさにローザ譲りという感も強いし、ローザの妹ルツィアのしたたかさも、ローザ譲りと言えよう。(隔世遺伝だね)

 舞台奥に置かれ続ける夥しい鍵の山のオブジェは、幾つもの選択肢を眼前にした彼女たち人生の象徴なのだろう。
  
 ただ、半世紀を超える物語だ。1945年しか出てこないローザとモニカはいいが、1945年と1990年を跨ぐカロリーナは、どうしても容姿的な制約が出てくる、寺田路恵は好演だったが、1945年で「お嬢様」と言われるのはちょと厳しい。でも、彼女は1990年にルツィアの価値観を決める大事な役どころだしなあ。若ければよいというものでもないが。

EVKK9月公演『売り言葉』

EVKK9月公演『売り言葉』

エレベーター企画/EVKK

北池袋 新生館シアター(東京都)

2019/09/05 (木) ~ 2019/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

演技、演出共に予想をはるかに上回る舞台でした。そして迫力満点。
一人芝居なのに、見えない相手を目線、仕草、身体の動きで観客に見せせてくれる。

おへその不在

おへその不在

マチルダアパルトマン

OFF OFFシアター(東京都)

2019/09/04 (水) ~ 2019/09/16 (月)公演終了

あれれ?
おへそは?
コンプレックスは?
旅は?

ネタバレBOX

観劇前に思い浮かべたのは芥川龍之介の「鼻」。
観劇しながら連想したのは三木聡監督の「亀は意外と速く泳ぐ」です。
似過ぎです。
今、僕は六本木の交差点に立つ

今、僕は六本木の交差点に立つ

ネルケプランニング

天王洲 銀河劇場(東京都)

2019/09/04 (水) ~ 2019/09/08 (日)公演終了

満足度★★★

軽妙な歌入りの物語にときどき社会派っぽい切り口が見え隠れして、2時間40分あっという間だった。
2つの物語が交錯するエンディングは悪くない。

今、僕は六本木の交差点に立つ

今、僕は六本木の交差点に立つ

ネルケプランニング

天王洲 銀河劇場(東京都)

2019/09/04 (水) ~ 2019/09/08 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/09/05 (木) 14:00

 休憩込み2時間40分の長さが気にならない面白さを持つ舞台だった。中津留章仁の脚本と赤澤ムックの演出という、小劇場系で劇団を主宰し、近年商業演劇系にも進出してる2人だが、この2人の組合せは多分初めてということで、興味を持って観に行った。実在の人物をモデルにした物語という点では中津留の得意な部分だが、第1幕で人物像を描き、第2幕で歌を歌うようになった経緯を描くというあたりは巧い。時折はさまれる老年の日本人とタイの少女との物語が持つ意味が分かるエンディングも悪くない。

人生のおまけ~Collateral Beauty~

人生のおまけ~Collateral Beauty~

演劇企画イロトリドリノハナ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2019/09/05 (木) ~ 2019/09/09 (月)公演終了

満足度★★★★

 初日を拝見。タイトルの「人生のおまけ」は映画「Collateral Beauty(邦題・素晴らしきかな人生)」を意訳したものだ。劇団「光希」の看板女優として活躍してきた森下 知香さんだが、イロトリドリノハナを主宰してもいることは多くの方々が既にご存じだろうが、如何にも彼女の作品らしい作品に仕上がっている。初日、若干硬い所も観られたが回を重ねる毎に良くなることを期待している。音曲の使い方もグー。(華4つ☆ 追記2019.9.7)

ネタバレBOX


 何時までも抜け出せない世界同時不況。資本主義全体の停滞は明らかであるが、この中で広がる格差社会現象についても、元校長先生で現在は潤沢な年金で悠々自適の生活を送っている耕平と対比するように、優秀な研究者でありながら困窮を極めるチャカーナのメンバー達という形で織り込まれている点にも注意したい。既に騒がれなくなったが自殺者数が毎年3万人を超えていた時期にあってさえ、ポスドクの自殺率は異常に高かったことを思い出して頂きたい。この自殺傾向は多少下がってきてはいるものの、研究者の多くが経済的困窮の為に呻吟している事実は今も変わらない。
 この格差社会は既に1970年代から始まっていようが、殊にそれが酷くなったのはリーマンショック以降である。そしてリーマンショックの起った時、既にインターネットは世界中を結ぶ通信インフラの中核技術の地位を確立していたのではなかったか? 一般的に生産性は以下の式で表すことが出来る。即ち、
基本的に生産性=商品÷{生産手段(様々な社会的インフラも入る)+労働}この式で自分が示したいのはインターネットが光速で世界を繋ぐ通信インフラを確立する前の状態である。即ち多くの人々が現在、現実に認識しているレベルに近い。然し、と自分は言うのである。インターネットが世界中の殆ど総ての人間(無論、ゾミアで暮らす人々及び飢餓故に他の総てを犠牲にせざるを得ない人々は含まない)をその網で絡め捕った時以降、主流派経済学論者が主張する通りであるならば、大不況の直後こそ、更に発展するハズの資本主義が一向発展しないどころか、先進諸国、ロシアを始め、既に経済成長鈍化傾向を見せている中国を含め、殊に資本主義を奉ずる先進諸国の経済が実質借金まみれになり、国家経営を金融に牛耳られた挙句、日本等は最早異次元緩和迄行って打つ手が無くなり、自動車、船舶、多くの半導体製品(太陽光パネル等)、家電で国際競争力を失い、稼ぐ力を持つハズの高次な知的レベル産品を開発する力も無いまま、最早儲けることのできるのは、コストパフォーマンスの高い戦車などの武器だけという有様である。ところで、外国はスペックの良さは認めても命の懸かる戦場での実戦経験を持たない国が作った武器等買うはずもない、その為実戦経験の場を作る為に専守防衛のみとしてきた我が国の「軍事力」をアメリカとの集団的自衛権を法制化することで海外派遣し、実戦で破壊と殺戮及び当然のこと乍ら日本人「兵士」戦死を含めて武器を売る為の道具にし、金儲けに走ろうという算段。(言っておくが企業の最優先課題は常に儲けることである。ハッキリ言うと民衆の人命や悲痛等儲けにならないから「有効活用」しようとの判断だろう。)これは産業界が待ちに待った実戦経験を積ませることによって可能になるし、同時に最先端の軍事技術をアメリカから輸入し日本であわよくばカスタマイズして周回遅れだが、スペック的には可也充実し、コストパフォーマンスも高い商品として売ろうというのが??重工を始めとする日本の長大重工産業の腹だろう。だが、こんなことを検討する前に、憲法改悪は国民の賛成が未だ少ない為産業界及び政府が現在行っていることが、労賃を抑えたまま企業収益を高めることであろう。その為の武器はインターネットだ。どういうことか? 簡単なことだ。生産性は、成果物や投入リソースから直接引き出される必要はない。企業目的は利益を得ることだから、労働生産性云々ではなく、投下資本に対する利益の多寡が重要だ。一方、人間の身体能力などこの千年の間に大した変化はない。僅か100mを走るのに最速10秒近くかかるのだから。そこへ利潤を追求する企業が世界中に網を広げたインターネットを用い、利潤拡大最適化をしてきた。これは、生産手段の延びが鈍化・停滞すれば、労賃を一定にしても生産性が上がるようなシステム構築をすれば良いとなるは必定、一例をあげれば先進国の労働者1人を雇う賃金で途上国の人間ならその数倍以上の人間を雇える。ITの進歩で熟練労働者なども最低限必要な者以外は首を切れる。少しパソコンの講習をして現地採用すれば、同じ労賃で雇った現地採用の人数倍と同等とまではいかなくとも生産性を上げることができる。結果的に労働コストは低賃金に方向づけられるから削減が進み、勤労者が貧しくなるのと反対に企業会計の生産性向上に繋がる。普通の人々が貧しくなる構造がここにある。式で表せば、
資本の生産性=利益÷投下資本となる。  
 こういうことを書くと作品に関係ないとか政治的だとかアヤをつけてくる蛙がたくさん居るが、この程度の政治、その下部構造を為す経済分析ができずに演劇を語るのは片手落ちというものであろう。何故なら、シェイクスピアを挙げるまでも無く、演劇はその総合芸術性、発生に関わる時点で祝祭と深い関わりを持っていた点から見ても極めて政治的、社会的な芸術であり、そのような己の出自からこそ、多くの発想、着想、展開の具体性と妙を得て来た芸術様式だと言えるからである。(演じていた者達も被差別民であったり、流浪の民としての遊芸者であったことをみても意味深長である。)庶民生活を描く場合に於いてさえ、それは無論大いに作用している。例えば、下町長屋に暮らした店子たちに政治的発言権は無かった。意見が在る場合、大家、地主である役付きの人々の力を借り彼らの口を通してお上に訴えねばならなかったのである。演劇作品でも良く扱われる落語の持つ面白さの陰には政治に関与することのできないこのような庶民の悲哀があったと考えた方が正鵠を射ていよう。演劇が浄瑠璃など人形を用いる場合であっても「身体表現」であるのは、その根底に我々が生き物であり、生き物である以上、食わねばならず、食う為には食物を入手し、食べるという身体の動作を余儀なくされるということから来る。この制約無しに生き物としての悲哀も存在することの深さや意味も問う事ができないというより、真の意味を持たない。



ツノノコ、ハネノコ、ウロコノコ

ツノノコ、ハネノコ、ウロコノコ

フロアトポロジー

オメガ東京(東京都)

2019/09/04 (水) ~ 2019/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

 ディストピア作品であるが、エッジの効いた脚本、演出、演技、舞台美術、照明、音響に至るまで優れた作品。(追記2019.9.8 02;:15)

ネタバレBOX

 時代はハッキリしない。近未来的ではある。極めて意味深長な作品だ。脚本もしっかりしており、舞台美術、演出、演技、照明、音響等何れをとっても上手いと思わせるシーンが多いし、科白と実際に演じられているシーンでの微妙なズレや小さな矛盾の仕込み方、解消の仕方、またタイミングも絶妙である。
 内容的にもハッキリ証拠立てることはできないまでも、如何にも現実に為されていそうな事柄が扱われており、ストーリー展開でも重要な部分で細部に迄注意が配られている他、極めて自然な展開は違和感が無い。観劇中は、今作の内容を追いつつ同時にかつて実際に起こったさまざまな事件(サブラ・シャティラ難民虐殺)やパンデミックではポリオワクチンもその起源として疑われ、現在も諸説ある(AIDS)などが直ぐ記憶から浮かび上がる。AIDS禍では加熱しさえすれば被害が防げたのにそんなに単純で簡単に実施できることすらせず、多くの被害者を出した非加熱精製剤による被害拡大。(この件の裁判も極めて怪しいと言わねばなるまい)他原因が熊本大医学部の研究によりハッキリ疑われ報告されていたにも関わらず対応の遅れと無視によって被害拡大を招いた水俣病を始め、これまた原因が疑われ多くの症例が明らかになった後も放置したまま被害拡大を招いたサリドマイド禍、等々、実験ではないものの官僚、研究者による人道的罪、さらには、患者をモルモット扱いしかしなかったことで有名なABCCとそれを継承した放影研等々、我が国の医療犯罪は枚挙に暇が無いことを鑑みる時、決して単なるSF的ディストピアには見えて来ない点で、今作は特異且つアイロニカルな秀作と言えよう。ラストも不死身の契だけが生き残り他の者は総て死に絶えていることでこの暗愚の国の滑稽な末路を示して面白い。今作の魅力はもう一つ。少女達のひたむきな生き方が、その真摯な姿勢にも関わらず、常に彼女たちの手に負えないレベルで嘲弄されるが如く機能するにも拘わらず、真っ直ぐに尚生きることを選ぶ姿勢の幼さが否応なく訴えかける異様なまでのリリシズムが、我々、観客の胸を撃つことである。
アリはフリスクを食べない

アリはフリスクを食べない

やしゃご

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/08/31 (土) ~ 2019/09/10 (火)公演終了

満足度★★★★

演技力は素晴らしかったです。

ネタバレBOX

恋人と結婚したいがために、恋人の父親の意向を踏まえ知的障害者である兄を施設に入れることを決断した弟の話。

障害者を受け入れている社長の気持ちも分かりますが、様々な考え方があるのですから、弟と恋人の決断に対する暴言は言い過ぎだと思います。出生前診断については、そのような制度がある以上利用する人がいるのは当然のことです。

知的障害者に、薬の横流しをそそのかす輩が接触してくるというのは目から鱗でした。

今後、幼馴染の女性が施設に遊びに行くかですね。
おへその不在

おへその不在

マチルダアパルトマン

OFF OFFシアター(東京都)

2019/09/04 (水) ~ 2019/09/16 (月)公演終了

満足度★★★★

どこか不器用な人間たちの不器用な生き様を間抜けさと哀愁で描く・・・
コトは絶妙にうまく表現できていたデス
開演前の芝居は・・・楽しんで演者さん達がしていた ような・・・(^-^;)

どこに話が向かっていくのかわからない
不条理・・では無いなぁ
何だろう
不思議な感じの日常芝居だったデス
その分
観る人によっては向き不向きあるかなぁ~とも思えた90分の作品

ネタバレBOX

タイトルほど
へそ探ししていなかったかなー(笑)
革命を起こすんだ

革命を起こすんだ

teamDugØut×マニンゲンプロジェクト

「劇」小劇場(東京都)

2019/09/03 (火) ~ 2019/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★

うーん納得できる「革命」だったなぁ~と感じた作品

ちょいレトロで
日本のTVドラマのような感じが何とも~♪ だったかな

「彼岸島」の作者さんの過去作
「クーデタークラブ」とか思い出したですー
”革命”を”反逆”に変換すると漫画「スクライド」とかも
頭を過ぎりましたわ(^-^;)

アイスとけるとヤバイ

アイスとけるとヤバイ

悪い芝居

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2019/09/04 (水) ~ 2019/09/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

開演前から何気に始まってる小芝居。巨大なアイスが溶けたセット舞台。
華やかな照明。次から次に出て来る魅力的な登場人物たち。でも、
観てて、みょーに疲れた作品。
たぶん、終演近くまで、物語がどこに向かってるのか分からないまま、
連れまわされただけだから。
こうゆう懸命に芝居やってる劇団が好きな分、ちょっと惜しいかなと思いました。

ネタバレBOX

ネタとして温存しておくよりはむしろ
物語を楽しむためにも。ガイド本的な、未来人3人組のエピソードは、最初の方でもっと明確に提示しておいた方が良かったんじゃないのか。

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