満足度★★★★
鑑賞日2019/09/06 (金) 18:30
座席1階
文学座の杉浦春子に井上ひさしが書き下ろしたという舞台。近親相姦の悲劇だが、見終わってみれば底抜けの喜劇のオブラートにくるんであった。
ある時は親父ギャグ、またある時はオレたちひょうきん族という具合。鵜山さん、これはちょっとやりすぎじゃない、とツッコミを入れたくなる構成だ。あまりにも残酷な筋立てだから、こうなったのだろうか。自分としてはそうではなく、井上ひさしが天国から見て笑っているような舞台にあえて仕上げた感じがする。
日の浦姫を演じた朝海ひかる、魚名を演じた平埜生成が毒のない、さわやかと言ってもいい演技だったからかも。
井上ひさしのユーモアは分かったつもりでいたけれど、最近のこまつ座の舞台からは想像できないテイストに一本取られた感じがした。
杉村春子の舞台が俄然みたくなる。