最新の観てきた!クチコミ一覧

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掟

TRASHMASTERS

駅前劇場(東京都)

2024/02/15 (木) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/02/21 (水) 19:00

市長に何かと反対する抵抗勢力がとにかく憎らしい! しかし…(続きはネタバレで)

ネタバレBOX

応仁の乱・戦国時代以降、村を存続するために数百年かけて培われてきた自治のための「掟」の中にある知恵(前もってちょっと挨拶に行けば、相手の顔が立って丸くおさまるなど。もちろん、弊害もある)を、現代の合理主義を押し通して蔑ろにするというのもどうなんだろうなあと思いました。今こそ、村(町)は危機的状況なので、互いに相容れない立場や考え方を止揚するような知恵が必要でしょうか。
不思議な国のエロス

不思議な国のエロス

MIXZONE

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2024/02/16 (金) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/02/21 (水) 14:00

アイデアの勝利。現代にも通じる反戦劇。音楽も良かった。

御菓子司 亀屋権太楼

御菓子司 亀屋権太楼

MONO

扇町ミュージアムキューブ・CUBE01(大阪府)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/26 (月)公演終了

満足度★★★★

考えさせられる内容
老舗の和菓子屋が、実は…
部落の人々の切なく苦しく、その中でも生きていこーとする活力
栄枯盛衰の切なく悲しい そして考えさせられる作品
良かったです❕

夕暮れの旅人たち

夕暮れの旅人たち

表現集団蘭舞

シアター2+1(東京都)

2024/02/10 (土) ~ 2024/02/11 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

ライブショー「ザ・アイドル-THE IDOL-」

ライブショー「ザ・アイドル-THE IDOL-」

WizArt

Cafe JINDO(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

ハムレット・ハウス

ハムレット・ハウス

公益財団法人武蔵野文化事業団 吉祥寺シアター

吉祥寺シアター(東京都)

2024/02/18 (日) ~ 2024/02/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/02/18 (日) 15:00

何か/誰かを待ち続けている二人のところに俳優と称する人物が現れ……な設定の会話劇。そんな中では「演劇に何ができるか?」なども問われて「おいコラ、自分の迷いをそのまま観客に放り投げるなよ!」みたいな?(笑)
ある意味、最近観たたすいちとは真逆の作品だぁね。
また、メタあり「一見再現風」ありの作風は「それな!」でニヤニヤ。
しかししあわせ学級崩壊と較べると「静かな演劇」だったなぁ。(笑) いや、もちろん片鱗はあったが。
あと、「すみません、間違えました」というラストも落語のサゲのような決まり方で愉快。

ぼっちりばぁの世界

ぼっちりばぁの世界

劇団青年座

ザ・ポケット(東京都)

2024/02/15 (木) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/02/22 (木) 14:00

座席1階

「ぼっちりばぁ」とは高知県土佐清水市の方言・幡多弁で「ちょうどいい」という意味だそうだ。劇作を担当した竹田モモコは大阪の演劇ユニット「ばぶれるりぐる」を主宰していてるが、旗揚げの理由は幡多弁を使った芝居を打つためという。こまばアゴラであったこのユニットの「川にはとうぜんはしがある」を見たかったのだが見逃した。注目していた劇作家が青年座によって見られたのはとても幸運だった。

夫婦で経営しているさびれたキャンプ場が、近隣の浜辺が夕日がきれいということで注目され、東京のアウトドアの会社がアドバイザーを送り込んできた。リニューアルオープンに向け、地元の人たちを「教育」しようとするのだが、昔ながらのやり方を変えられず、アドバイザーたちは悪戦苦闘する。テンポのいい会話劇が繰り広げられる。
中でも注目されるのは、アルバイトの女性。彼女はフロントでお客を受け付ける役なのだが、お客が来ても電話が鳴っても何もしゃべらない。なぜそうなのかは劇が進むと明らかにされるが、この女性を取り巻く騒動もおもしろい。エピソードの面白さや物語の構成などは、IAKUの横山氏をほうふつとさせる出来栄えだ。
演じる俳優たちはベテランの尾身美詞ほか安定した演技。特に、アルバイト役の角田萌果は取っ組み合いの場面もある中で体当たりの演技。「空気を読む」ことが苦手な発達障害と思われるコミュニケーションの悩みなどもうまく表現していた。

ただ、初めて聞く「幡多弁」は難しい。耳で聞くだけだと意味がくみ取れない場面もしばしば。劇団「普通」が茨城弁の舞台をやり続けているが、方言で構成する舞台の難しさを感じる。

ライブショー「ザ・アイドル-THE IDOL-」

ライブショー「ザ・アイドル-THE IDOL-」

WizArt

Cafe JINDO(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

(空)チームを観劇。アイドルオーディションの最終選考に集まったバラエティ豊かな6名を描く休憩無し60分、前半は控室での各自背景語りの朗読劇、後半はそれぞれのオンステージ、黒一点おネエ役が達者で芝居を引き締め、リアルアイドル風ルックスのスミレ役が印象的。

ファンタスティックベイビーズ

ファンタスティックベイビーズ

guizillen

王子小劇場(東京都)

2024/02/21 (水) ~ 2024/02/26 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/02/21 (水) 19:30

価格4,000円

初日観劇。150分休憩なしにビビったけど、全然大丈夫だった。後半にいくにつれドンドン引き込まれた。
久々にTHE小劇場の熱気やうねりを煮詰めたような作品を見れて楽しかったし、非常にいい初日を見た。
4年ぶり?5年ぶり?の初日はそりゃ凄いよね。
初日観れて本当によかったなぁ〜。
終演後の会場の拍手の熱量がそれを物語っていたと思う。熱いダブルコールだった。

23歳以下無料だって!凄いよ!体感せよ!!

ネタバレBOX

個人的には安東さんのお芝居が非常に刺さった。自転車ターンで涙止まらず。うますぎ。
「お父さん」がこんなに響く日がくるとは。

物語はYouTubeをザッピングしてるみたいなスピードで物語が沢山交差していて登場人物もお話しも多いのにどれもインパクトがデカくて味もするしネタとしてはリアルだし、その様も現代東京、歌舞伎町を凝縮したような匂いもしてその一つ一つの与える影響が強くて、正義とは何かとかを説教たらしくなくビジョンで感じさせてくれたのが大変よかった。
きゃんと、すたんどみー、なう。

きゃんと、すたんどみー、なう。

やしゃご

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/07/07 (木) ~ 2022/07/17 (日)公演終了

映像鑑賞

2/18(映)

ふしぎな木の実の料理法~こそあどの森の物語~

ふしぎな木の実の料理法~こそあどの森の物語~

劇団銅鑼

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2024/02/21 (水) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

これは傑作だと思う。
話のディテールがよく出来ているので「これオリジナルだったら脚本家は凄い才能だな」と思ったら世界的に評価されているベストセラーだそうだ。

定年まで小学校の図工の先生をやりつつ、児童文学を書き続けた岡田淳氏。代表作『こそあどの森の物語』シリーズの第一作「ふしぎな木の実の料理法」は1994年に発表された。
全十二巻の内の第一巻が今作。第六巻を劇団四季が『はじまりの樹の神話~こそあどの森の物語~』としてミュージカル化しているらしい。それも観てみたい。

こそあどの森で暮らす様々な住人達の織り成す人間模様。白い大きなカーテンを使って場面転換を工夫。ミニチュアを活用して不思議な雰囲気のある奇妙な形の家々をイメージさせるアイディア。
二人組の旅の笛吹き、ナルホドとマサカ(池上礼朗氏と早坂聡美さん)が奇妙な歌を歌いながらどこか遠くからやって来る。森に宅配便を運んで来たのは郵便配達員ドーモさん(深水裕子さん)。南の島にいる博物学者のバーバおばさん(声のみ・栗木純さん)からの荷物を、留守番中の少年スキッパー(齋藤千裕氏)に届けるのだ。気を付けて橋を渡っていたのだが、川に荷物を落として濡らしてしまう。ポットさん(佐藤響子さん)と一緒に謝りに。主人公スキッパーはコミュ障の引きこもり、空想癖のある対人恐怖症。家に籠もって読書や化石や貝を眺めるのが大好き。荷物を確認してみると、沢山の硬くて大きなポアポアの実が。だが肝心の同封されていた「木の実の料理法」が水に滲んで所々読めず、まるで虫食い問題に。ポアポアの実の料理法を求めて、スキッパーは家々を訪ねる羽目に。

主演の齋藤千裕氏が素晴らしい。何か魅力がある。細かい表情や仕草一つ一つに意味をもたせている。繊細。
深水裕子さんは松居直美っぽい。
トマトさん役、亀岡幸大(ゆきひろ)氏も強烈。「ねえ、キスして···。」
双子のアップル(福井夏紀さん)とレモン(佐藤凜さん)も『シャイニング』を思い起こさせるキャラ。

妄想癖のスキッパーは人と接している間、悪い方悪い方に考えが転がり、不安神経症患者のようにパニックになる。その不安と妄想が精神病棟の地獄巡りのようにも思えて妙に面白い。深い人間洞察は宮沢賢治にも通ずる。ずっと子供相手の仕事をやって来た作家なだけに人間というものの本質を見据えている。嘘っぽくないところが凄い。観に来ていた小学生達も食い入るように楽しんでいた。

是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

ラスト、皆でポアポアの実のジャムをかき混ぜるのだが、トマトさんは「皆が今までで凄く楽しかったことや嬉しかったときのことを思い出しながら一回ずつかき混ぜて」と頼む。その想いがジャムに染み込むのだと。それを全員に三巡させ計三回ずつやらせる。スキッパーは色々と優しくされて胸が一杯になったことを思い返す。そして最後の一つに選んだのは「皆が家にやって来て凄く嬉しくて楽しくて、で皆が帰った後、一人でそれを思い返しながら自分だけの時間に浸ること」だった。そこが素晴らしい。ああ、この作家には嘘がないなと思った。

アップルとレモンの狂いっぷりが凄い。キチガイの家に迷い込んだ恐怖。優しい素敵な話のようにみせて、結構恐ろしい。
ふしぎな木の実の料理法~こそあどの森の物語~

ふしぎな木の実の料理法~こそあどの森の物語~

劇団銅鑼

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2024/02/21 (水) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/02/21 (水) 19:00

座席1階

岡田淳氏による有名な絵本「ふしぎな木の実の料理法」を舞台化した。コロナ禍で延期になり、今回が再挑戦の舞台だ。

子どもから大人まで楽しめる工夫が随所に。シンプルな演出だが、薄いカーテンヴェールをうまく使って降雪など季節を表現したり、積み木のような台を自在に動かして森の住人たちの家をデザインするなど舞台転換もスムーズだ。そして何よりも、俳優たちのせりふが明瞭かつ発声が大きくゆっくりで、とても聞きやすい。バリアフリー演劇を目指す銅鑼らしい舞台と言えよう。今日も医療的ケアが必要だと思われる客が車いすで舞台を見ていた。23,24両日は舞台手話通訳もつくという。

絵本が専門の知人によると、原作にほぼ忠実で、絵本の世界観が再現されていたという。きっと、絵本を読んだことがある人もない人も、共通の視野を持って鑑賞後に話ができるだろう。「原作と雰囲気が違う」などとして、原作を知る人とそうでない人の話がかみ合わないということはよくある。銅鑼らしい丁寧な作りがそうした齟齬を排除していると思われる。

もう一つ、この舞台の特長は俳優の性別を超えた配役がなされているという点だ。そうした配役を担う俳優は与えられた役を自分のものとしてしっかりこなしていて、まったく違和感を感じさせない。鍛えられた舞台だな、という印象だ。

物語は、南の島から送られてきた不思議な木の実をどう調理するか、ひきこもりがちだった主人公が森の住人たちを訪ねていくうちに、明るさを取り戻していく。お互いを大切に思う気持ちが人を変えていくというストーリーは、本当にホッとする。

枯れた心臓になる前に-再起-

枯れた心臓になる前に-再起-

とりのこいろ

アルネ543(東京都)

2024/02/21 (水) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/02/21 (水) 19:00

7回目の公演だそうだが個人的には初見のユニット。SFディストピア・ファンタジー。93分。
 2054年の未来が舞台。ヒューマノイドの研究をする組織を抜け出したヒューマノイドが…、という物語。徐々に明らかになるディストピア状態や、ヒューマノイドの能力のさまざま、という、独特の世界観は面白い。エンディングがよく分からなかったが、同じ世界観での連作なのだろうか、という感触を持った。叫ぶシーンが多いのはちょっと気になる。暗転が少ないところはいい。タイトルも活きてる。押しの #まひたん がフィーチャーされてたのも気持いい。

CROWDED CHAOS FANTASY TURBO

CROWDED CHAOS FANTASY TURBO

SPIRAL CHARIOTS

「劇」小劇場(東京都)

2024/02/01 (木) ~ 2024/02/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

終始ニヤニヤ こういうのも好きです。

時代絵巻AsH 華ノ壱『葵姫〜あふひ〜』

時代絵巻AsH 華ノ壱『葵姫〜あふひ〜』

時代絵巻 AsH

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2024/02/08 (木) ~ 2024/02/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

女性だけの幕末。大河ドラマを見てるみたい。華の弍 期待せずにいられない。

ぼっちりばぁの世界

ぼっちりばぁの世界

劇団青年座

ザ・ポケット(東京都)

2024/02/15 (木) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

冒頭の、キャンプ場の受付の杓子定規すぎてシュールなオーナー(綱島郷太郎)の受け答えから笑える。面白い方言だなあと聞いていると、これが高知の幡多弁らしい。若手の角田萌果が演じる、引きこもり系女子の、殻に閉じこもったくら―い感じがとってもよかった。若いよそ者のアドバイザーの男(伊東潤)の天然系いい男ぶりはトクなキャラ。彼の「ショートコントのつもりでやれば? おれもそう。ショートコント社会人と思って、もう5年やってる」という、明るく社会人を演じていくという発想が根底にあって、明るい舞台にしている。髪をまだらに赤く染めた、破天荒に明るい女性も、尾島春香の髪までキャラに合わせた役作りが光る。尾身美詞が、角田の対極にある、やる気で引っ張るキャラを好演していた。

ネタバレBOX

「ルールを教えてよ。年休とった翌日は、みんなにお菓子を配んなきゃいけないなんて。それもポッキーひと箱ずつ配ったら、やりすぎって言われて…」「全部紙に書いてよ」「そんなの学校で教えてくれないじゃん」というのは、アスペっぽい言い分。なるほど、そういうこともあるよなあ、と思った。
ワークショップから生まれた演劇 「マクベス」

ワークショップから生まれた演劇 「マクベス」

彩の国さいたま芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2024/02/17 (土) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

上演時間100分のマクベスなので、何よりテンポがいい。だが、それだけではない。暗殺決行前、マクベスが空中の剣の幻を追う独白シーンを、3人の魔女たちが剣をマクベスに渡さないように投げ合って、マクベスをいたぶるなど、見せ場の独白を立体的重層的に見せる工夫が光る。スピーディーで斬新なシェークスピアだった。

暗殺決行後のマクベスの「この手の血は七つの海の水でも落ちない」と、自身の悪行におののくシーン、実際に黒い塗料を手に塗りながら演じ、その塗料はマクベス夫人の手にも…。忠臣マクダフの妻子が刺客に殺される場面では、殺された子に母が語る独白を「あなたに言い忘れていたことがある命は一つだけ。死んで勇気をたたえられるより、逃げて生きて」と、子守歌にして、演者たちも場悪ダンスで支える。マクダフの子が「裏切者は、約束を守らな方人たち。世の中は、そういう人が正直者よりずっと多いんだから、みんなで正直者を殺せばいいのに」と、野蛮な王への反逆を進め李せりふも印象に残った。

音楽も、フォーク調の歓喜の歌や、ビートルズの「ラブ・イズ・フィーリング」、だるまのラップなどおもしろい。既成曲もすべて編曲し独自録音したオリジナルアレンジ。舞台上に於いた64脚(数えた)の木の椅子を組み合させて、寝台、玉座、宴会場、城を作る。

掟

TRASHMASTERS

駅前劇場(東京都)

2024/02/15 (木) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

思わず舞台にかけ上がって胸ぐら掴んでやりたくなるような奴がいて、これぞ TRASHMASTERSという舞台でした。新市長の方針は貫かれるのか、ハラハラしながら見守って3時間近くが短く感じられました。
どこかの衰退してゆく町の出来事と思って見ることにしましたが、実家のある東北の田舎もきっとこんな状況かと思うと他人事ではない。やっぱりこんな議員がのさばっているのかなあ。自分が住んでいるところの議会を覗いてみようという気になりました。
事実を元にした話ということで検索してみたら、終わった話ではなく、まさに今も続いていることであるんですね・・・
舞台を見ていて「市長って独身なの?」と思っていたのですが、検索したらやはり独身でした。だから「市長の辞職を受けて、副市長が立候補を表明した。他に立候補を表明している者はいない」と伝えるニュースを知った次の日に立候補を決断、退職する・・・ということができたんですね。妻を説得するのは議会に根回しするより大変そう。

掟

TRASHMASTERS

駅前劇場(東京都)

2024/02/15 (木) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鼻息荒く地元の政界に飛び込んだ青年の奮闘記、と言ってもいい内容でありながら困難多き現実味と人間描写の生々しさで、いわゆる「奮闘記」感は吹き飛びました
若くして市長となった主人公の行動力や政治論理の正当性に、よしガンバレ!と思う一方で、いやアンタその言い方はちょっとまずくないか…と思いは複雑
古参議員の中には、こんなに足を引っ張る人間、損失を与えかねない人間は淘汰されるべき!と憤慨する一方で、いやそこの気持ち分らなくはないかも と思う自分が申し訳なさそうに隠れていたり…で更に思いは複雑
それにしても頭の良い人間がいくら集まっても足並みがそろってなければ、シンプルな事さえどんどんこんがらがっていくものだと生で体感しました

俯瞰で観ているからこそ、本人達には見えていない部分が沢山あるようで
墓穴ばっかり堀って何やってんだか などと上から目線で見つめながらも、じゃあこの立場なら自分は?この人なら?とブーメランが直ぐにかえってきそうで、う~んと唸ってしまうばかり
途中、それまでのモヤモヤを見事に払拭してくれる発言に「そう、まさにその通りっ!」と興奮して拍手しそうになったり、あまりの顛末に「え~マジか!」とのけぞったりで、相当に入り込んでいたよう
報道陣の描き方、報道のされ方も興味深く、前レビューでかずさんが書かれていた通り、まさに観終わった後すぐにに激論を交わしたくなる公演でした

う蝕

う蝕

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2024/02/10 (土) ~ 2024/03/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

もともと作者・横山拓也がもっているファンタジー志向に、今回は大きく振り切ってみた作品だ。初めての演出になる(多分)瀬戸山美咲がそこを合わせたところが幕開きで、四角の角封筒が空いて荒廃の島が轟音とともに現れるいくという趣向はなかなか見せる。しかし内容はこの作者らしくいろいろなファンタジーの筋を組み合わせていて、なかなか全体のファンタジーの構造が読めない。そこがこの作品の評価の分かれるところだろう。
終末ものばやりの昨今に合わせてもいて、不気味な地盤沈下で沈みゆく島を虫歯になぞらえて「う蝕」と例えて見せたところなどさすが。そこに現れた男ばかりの6人のキャストにそれぞれ役割が降られているが、これがすっと頭に入ってこないところから舞台は横山作品には珍しく渋滞する。
島で犠牲になった人々を救助しようと来島する準備隊のひとびとよ、犠牲者を歯で決定づけようとする歯医者の人々、次第に見捨てられていく島の運命、がミステリアスに進行していくのだが、話がうまくつかめない。どこかで見たような気がするのは、ベテランでは、岩松了、ちょっと上では前川知大、若いところでは加藤拓也が良く使う芝居の枠取りファンタジーの世界だからだろう。しかし、彼らのようにどこかですっきり割って見せるというがないから、若い男の子の俳優見物で見に来た満席の三十歳前後の若い女性客は、帰り道に、しきりにスジの答え合わせをしていた。
それも芝居見物の面白さだから悪い風景ではないが、それほど深い意図は読めなかった。
横山としては少しひねった世相ファンタジー。休憩なしの二時間。三週間に及ぶ30回以上の公演数なのに、もう補助席に立ち見まで出て大入りである。

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