
ドクター・ホフマンのサナトリウム 〜カフカ第4の長編〜
KAAT神奈川芸術劇場
J:COM北九州芸術劇場 中劇場(福岡県)
2019/12/14 (土) ~ 2019/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★
本編は現代、1924年、小説と3つの世界が交錯して進んでいきます。
KERAさん作品にある複雑な展開です。
上田さんの映像、美術の上下の階段、アンサンブルのステージングで重みのある内容になっていました。
大倉さん、犬山さん、いっけいさん、麻実れいさんの現代世界の掛け合いは爆笑です。
多部さん演じる小説世界のカーヤ、あの時点からサナトリウムにいたということですね。

死に際を見極めろ!Final
ライオン・パーマ
駅前劇場(東京都)
2019/12/11 (水) ~ 2019/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
真骨頂をみた気がする。
溢れんばかりの笑い。しかしコテコテではない。
改めて思ったのは「台詞力」だ。シェイクスピア調といえばそうなのだが、聴きやすい。ごちゃごちゃなのに無駄がない。
「デカもの」であるが、パラレルワールドのごとく、異世界を飛び回っている。脚本と脚本の境界線を行き来し、終点がわからない。その面白さがある。
やはり この劇団のオールスターは賞賛されてしかるべきだ。個人的にはニートネタで観客が爆笑するのには時代遅れというか首を傾げたが、それは演じた人のなせる技?ともいえる。

一滴のしずく
アンティークス
「劇」小劇場(東京都)
2019/12/11 (水) ~ 2019/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/12/13 (金) 19:30
100分。休憩なし。
劇団15周年の一作とのこと。アンティークス。観劇三昧で観たのも含めると、5本目くらい。これまでの作品のここ3作に共通して言える事は、どうにもしようがない別れ・・・特に母や家族との別れ・・・を一貫して描いている事。ストーリーは直球・・・というか、哀しい背景を描いているにも関わらず、何処かとてもユートピア的な部分がある。好き嫌いの別れる作品かもしれないけれども。
別れにどう向き合うかを、幹の太い感情のうねりとして舞台に乗せてくれている作品だった。ラスト15分くらい、頬を涙がつたうってこういう事だなぁ、という暖かい感情に包まれた作品だった。

彗星はいつも一人
ことのはbox
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2019/12/12 (木) ~ 2019/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/12/12 (木) 19:00
125分。休憩なし。
劇団初見。1970年代以降の日本の劇作を、プロデュースに近い形で公演する団体との事。成井豊作品をどう料理するのかな、と思ったのだけれども。成井豊の、作品の世界観が際立っていて、とても心動かされる爽快な舞台だった。後半、涙が止まらずだった。ちょっと不思議なSFな世界と、人の出会いと別れと思いの世界が、ストレートに伝わってきた。客席、笑が少なかったのが気になった。成井作品を、キャラクターではなく、演技と、脚本世界の立体化だけで勝負して、素晴らしい作品に昇華したもののように思えた。

グッドバイ,グッドボーイ
劇団ミックスドッグス
東京アポロシアター(東京都)
2019/12/12 (木) ~ 2019/12/15 (日)公演終了
満足度★★★
100分、休憩なし。
近未来のAIを舞台にした物語。AIの描き方がちょっと「古いな」と感じたが、2012年の再々演との事。ここ数年で、AIに対する捉え方みたいなのが随分変わったなぁ、というのを実感。
ミクドクらしい、素早い転換の舞台は今回も。一人一人の役者さんが、複数の役をこなして進むストーリー。特に、マリオカートのようなカーチェイスのシーンや、早替え早変わりのコミカルなシーンは、とても面白い。幾世優里のIROHAの演技が可愛い。
ただ、何だろう。過去の作品にあった物語も含めた爽快感みたいなのが、私は上手く感じ取れなくて。ちょっと消化不良感が際立ってしまった舞台だった。

(本公演)ギジレン島最後の7日間
guizillen
インディペンデントシアターOji(東京都)
2019/12/13 (金) ~ 2019/12/22 (日)公演終了

一瞬より青春
猿博打
ひつじ座(東京都)
2019/12/12 (木) ~ 2019/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★
パンツを見ればそのパンツをはいている人の「好きな人」が分かってしまう能力、そんな能力いらねぇ~(笑)
いやいやっ、高校時代なら・・・
笑いだけに留まらない振り切った演技を目一杯。
なので観る事ができて良かったと思う一方、魅せ方に関しては我流オンリーでなく熟練の演劇人もしくはプロのノウハウも取り入れてみてはどうかと。
きっとその方が、より効果的に伝わると思うのだけれど。
まだ本公演2回目の若い劇団さん。
個性炸裂はどうかそのままに頑張ってほしい。

終わりにする、一人と一人が丘
鳥公園
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2019/11/21 (木) ~ 2019/11/24 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/11/22 (金) 14:00
過去に何作か観た鳥公園の作品は、会場の使い方なども含めて「演劇表現の可能性を試している」ような印象があった。
本作はその集大成的なもので、ストーリーを語ることよりも「演劇としての表現」に重きを置いたいわば「純演劇」でなかろうか?
そしてそれゆえ、例えば作中の女性は実は同一人物ではないか?などという読み方も可能ならしめている、的な。
よって、ボンヤリ観ているのでは楽しめないかもなぁ。

時代絵巻AsH 其ノ拾伍 『赤心〜せきしん〜』
時代絵巻 AsH
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2019/12/11 (水) ~ 2019/12/16 (月)公演終了
満足度★★★★★
武田義信が父 信玄に最初で最後にねだった事...そのシーンが冒頭とラストの悲哀場面として回帰する。この公演は近作の源平合戦や前作の関ケ原の戦いのように明確に敵方がいるわけではなく、戦国時代、武田家という武門の宿命を描いた物語。描き方は、乱世の時代とは思えないほどの情感に溢れ、観ている人の感情を激しく揺さぶる。
この劇が素晴らしいがゆえに困ったことがあった。それは両隣にいた女性観客が感極まって中盤以降ハンカチが手放せないほど泣き続け、自分の感情移入より先々に行ってしまう。繊細な感情表現、場面こそ少ないが殺陣、その観(魅)せる物語は感涙も頷ける。
(上演時間1時間50分)

リーディングフェスタ2019 戯曲に乾杯
日本劇作家協会
座・高円寺2(東京都)
2019/12/14 (土) ~ 2019/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
【3】16:30- 最終候補作プレビューリーディング鑑賞-
[戯曲の冒頭15分×6本で休憩なし。5本以上出演していた俳優さんも居たみたい。]
タイムキーパー役の方がぶっつりと寸断してしまう瞬間が、これがまた絶妙のタイミングだったり、役者の熱演と相俟ってついつい続きが気になり今回の候補作すべてを網羅した戯曲集を購入してしまった。
90分以上舞台を見上げて首が疲れたが、一回きりのとても贅沢で楽しい時間でした。

五稜郭残党伝
温泉ドラゴン
サンモールスタジオ(東京都)
2019/12/11 (水) ~ 2019/12/19 (木)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/12/15 (日) 13:00
スピーディーな場転でテンポよく進み、歴史と仕組みを上手く説明してくれる。
主人公と一緒にそれを理解することで、彼の“逃げる目的”の変化に気づく。
逃げる側のキャラが最高に魅力的で、一緒に逃げているような一体感の中で観た。
追う側の人物像も立体的なのでストーリーの厚みが増す。
この国はいつもこうして失敗してきたのだ。
“ざんねんな”国の理不尽さに血が煮えたぎった2時間5分。

これ から の町
南船北馬
ウイングフィールド(大阪府)
2019/12/13 (金) ~ 2019/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/12/15 (日)
初の【ソーシャルインクルージョンステージ】での観劇でした★お子さまの声や行動が気にはなりましたが、その分料金が安く設定されてたんで『そういうものだ』と納得して楽しむ事が出来ました♪
お芝居もとても面白かったです☆

モジョ ミキボー
イマシバシノアヤウサ
シアタートラム(東京都)
2019/12/14 (土) ~ 2019/12/21 (土)公演終了
満足度★★★★
ロンドンで、何気なく入ったフリンジの小屋で、いいものを見たなぁと感じるような小気味のいい舞台だ。文学座の独立ユニットの公演で、新劇の実力を遺憾なく発揮した小股の切れ上がった社会劇だ。
天井の高い舞台を生かして中央に奥行きを見せ、左右の袖に労働者の家のDKの小道具があり、周囲には、細かく描かれた無数のイギリスの家のミニチュアが飾ってある。70年代、分離闘争が続く北アイルランドのベルファーストの二つの労働者家庭の少年、モジョとミキボーの物語だ。対立によって荒廃した町で過ごす少年とその周囲の人々の生活と心情が描かれる。
この舞台は二つの仕掛けがある。一つは、二人の俳優で、少年だけでなく周囲の人間も全部演じてしまうというアクロバチックな構成だ。男女、老若の十五役を演じるだけでなく、道具の出し入れまである。非常にテンポが速い。
今一つは、二人の少年がたまたま映画館で見た「明日に向かって撃て」にならって、この出口の見えない内乱の国を国を脱出しよう国境にかかる橋に向かうという筋立てだ。
浅野雅博(モジョ)も 石橋徹郎(ミキボー)もすでに50歳近く、文学座の中でもスター役者の座にはつかなかった俳優たちだが、このふたりが1時間20分、語り続け、動き続けベルファーストの労働者社会を演じ切る。鵜山仁の演出も的確で隙がない。二つのファンタジックな趣向が、切実な社会の現状から全く浮いていない。リアリズムの芝居になっている。
この芝居は十年前にロングランを目指して、下北沢の小劇場でスタートして、これで三演目。小屋も今回は前の劇場に比べればかなり広いが、すこしもだれたところがない。そういう新しい演劇上演を目指した目的も十分に叶えている(もっともロンドンなら、一年でも二年でも続演するだろうが、こういう再演も悪くない。)
折しも、イギリスのEU
離脱の時期と重なり、ヨーロッパに生きるイギリスの人々の複雑な背景の理解にもいささかは助けになる。そんな演劇の社会的な役割もさることながら、この芝居を続けた役者と演出に大きな拍手を送りたい。これは地の塩になる公演だ。

HELP
劇団PingPongDASH
難波サザンシアター(大阪府)
2019/12/14 (土) ~ 2019/12/15 (日)公演終了

時代絵巻AsH 其ノ拾伍 『赤心〜せきしん〜』
時代絵巻 AsH
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2019/12/11 (水) ~ 2019/12/16 (月)公演終了
満足度★★★★★
ここ最近は続けて観劇。親子、家臣等の情、絆をいつもながら見事に描いて、あっという間の110分でした。いつも通り、演者の皆さんの熱い演技はもちろん、殺陣も素晴らしかったです。
今回も胸が熱くなるお芝居を堪能しました。次回も期待です

彗星はいつも一人
ことのはbox
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2019/12/12 (木) ~ 2019/12/15 (日)公演終了

365度人生
張ち切れパンダ
小劇場B1(東京都)
2019/12/07 (土) ~ 2019/12/15 (日)公演終了

グッドバイ,グッドボーイ
劇団ミックスドッグス
東京アポロシアター(東京都)
2019/12/12 (木) ~ 2019/12/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2019/12/15 (日)
大千穐楽の15日17時開演回(100分)を拝見。
先週の金曜日(13日)、別の団体さんで『彗星はいつも一人』を観たばかりだということもあってか、SF的な斬新な設定、駆け抜けるようなテンポ…キャラメルボックスさんみたいな、あらゆる層の観客が愉しめる舞台だったなぁ、というのが第一印象。
その「駆け抜けるようなテンポ」に関してだが、本来、バックステージで行うはずの早着替えの様子を客席から可視化させたのは、まさしくナイスアイデア!
「舞台」上から役者がハケても、作品全体を貫く進行のテンポが途切れずに済んだのは、『グッドバイグッドボーイ』の世界観の創造に大いに貢献していた。
さて、今回、もう一つの工夫⁈が、一人二役どころかマルチタスクな配役。
1人で複数の役柄をこなすのは小劇場演劇ではよくあることとはいえ、それが3役、4役、5役ともなると…私個人は、顔と名前が一致する役者さんが4人(幾世さん、伊藤さん、沼田さん、見米さん)いたおかげで、大した混乱もなく終演まで過ごせたが、もし、劇団ミックスドッグス・初観劇のお客様がおられたらどうだっただろうか?と少し心配したことも付記しておきたい。

死と其前後
ずるむけ般若
遊空間がざびぃ(東京都)
2019/12/14 (土) ~ 2019/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/12/14 (土) 14:00
有島の生きたある日へ、思念の中へ導かれるような舞台だった。原作を読んでの想像では思い至るはずもない仕上がりでした。
喜びや怒りでいちいち波立つ日常、もう一度思い出される切実で清らかな思い、動かない死。
人ごとのようだが、同じ構図で自分も生きているのだろうと思った。
演者さん方は、美しく圧倒的な力量。

餌
TinT!
新宿スターフィールド(東京都)
2019/12/11 (水) ~ 2019/12/15 (日)公演終了
佐川和正さん出演作なので拝見。解離性同一性障害を持つ犯罪者を演じる。行動、発言の根拠をしっかり持っていれば、外見が全く変わらなくても演じ分けは可能なのだなと再確認。