グッドバイ 公演情報 東宝・キューブ「グッドバイ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    笑った、笑った。戯曲も拍車も美術も見事にハマった大変な傑作である。太宰治の原作部分はすぐ終わってしまう(30分くらい)。そのあとのケラの展開が、奇想天外。女たちに「グッドバイ」をいうはずが、逆に次々「グッドバイ」を言われる。田島(藤木直人)が落ち込むところを謎の「大体の占い師」に、元身近な「大食漢」の女性こそ本当に幸せな相手、と諭される。その直後、追い剥ぎに襲われ、世間では死んだと思われるが、実は生きていて記憶喪失になった。というところで1幕終わり。この展開は、太宰治は決して考えない代物。潔い飛躍ぶりが小気味よい。

    この大食漢、ことソニン演じるキヌ子が、本作のかなめの女性である。そのソニンがうまい。ダミ声で、やさぐれた演技は大女優・大竹しのぶそっくり。ビックリである。

    第二幕は田島(藤木直人)の一周忌の日に愛人、元妻が全員揃うところから始まる。女たちの喧嘩がまたおもしろい。いいアンサンブルである。この多人数の喧嘩はやはり舞台ならでは。小説だと、誰が誰だかわからなくなってしまうし、「〇〇が」「××が」と人物を指定しているうちにまだるっこしくなるだろう。

    夫が妻に冷たいのは、甘えているから。仕事と愛人に一生懸命で、妻は棚上げ。妻は夫を愛しているのに、耐え切れずに別れる。この夫婦の関係は身につまされる。(評者に愛人がいるわけではない、念のため)。二幕のふたりが語り合う場面など、しみじみさせるものがある。

    最近、今ひとつの舞台が多かったが、久々に弾ける舞台を見て、元気が出た。

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    2020/02/12 08:09

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