
THE LAST DAY & THE NEXT DAY
Oi-SCALE
駅前劇場(東京都)
2019/12/18 (水) ~ 2019/12/23 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/12/18 (水) 19:00
価格4,300円
バイク事故で検査のため5人部屋に入院している男が経験する奇妙な出来事……。
コミカルな場面や人物によっていつもより笑いが多く、特色である「真冬の晴れた午前2時頃の澄んでいて張りつめた空気感」ではなく「秋の晴れた夜9時頃の空気感」のようではあったが、「あること」の後に起こるボタンをかけ違ったように捻れた平行世界的な不思議な現象はやはりOi-SCALE。
ラストもある意味「ドグラ・マグラ」的であり、これまたいかにも、な感じ。

宇宙からの婚約者
川口菊池の二人芝居
イズモギャラリー(東京都)
2019/12/18 (水) ~ 2019/12/23 (月)公演終了

『私が傷ついているのにあなたが傷ついていないのはあなたに愛がないから』『細くて長いもの。』同時上演
尾鳥ひあり
小劇場メルシアーク神楽坂(東京都)
2019/12/15 (日) ~ 2019/12/19 (木)公演終了

『ビジネス』
Pxxce Maker'
ザムザ阿佐谷(東京都)
2019/12/11 (水) ~ 2019/12/18 (水)公演終了

『僕と死神くん』『KNOCK KNOCK KNOCK 或いは別れた記憶たち』
ポップンマッシュルームチキン野郎
シアターサンモール(東京都)
2019/12/18 (水) ~ 2019/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
脚本も演技力も申し分ない。
ギャグ要素が強いのに、最後ウルッとさせられてしまうのは、ポップンの不思議。
今後も追いかけていきたい!

兎の姉妹
兎座
小劇場B1(東京都)
2019/12/17 (火) ~ 2019/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★
優になる夢を追うため、姉・彩音の反対を押し切り葬儀にも帰郷しなかった妹の夏美が、短編映画の監督となって実家で映画を撮るため帰郷する。そこで家族との交流や役者の役作りの過程役者との関わり合いから、姉・彩音の夏美に対する愛情に気付かされていく、笑いと涙の交差する人情劇。いやぁ、笑わされたし泣かされました。筋の展開がややストレート過ぎるのが唯一の難点かも。上演時間100分が短く感じられた。

マクベス
DULL-COLORED POP
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2019/12/12 (木) ~ 2019/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★
軽快な音楽に乗ったテンポの良い現代の「マクベス」でした。原作の妙にもったいぶったところも大胆にカットしてあってかなり私好みです。およそ90%まで進んで、自分たちの実力は十分に見せつけることができたというところで、お遊びタイムに移って終了です。マクベス夫人の死の知らせがこないと思っていたらそういうことだったんですね。「福島三部作」では抑え気味だったおふざけと政治メッセージを少しだけ発散してみたということでしょう。「たまにはこんなこともさせてよ(テヘペロ)」という調子に感じました。
マクベス夫人の淺場万矢さん、ルックスも色香も演技も痺れました。通常の冷血なマクベス夫人だとちょっと違うかなと言う気がしないでもないですが、このマクベスにはピッタリです。バスタブのシーンは彼女を見て急遽付け加えたのではないでしょうか。あるいはこのシーンをやりたくて女優さんを探しまくったのかも。
私が前から感じていた「妙にもったいぶったところ」はマルコフがマクダフを試すために自分は駄目な奴だとグズグズ言うところと、すぐ次の場面でマクダフの妻子が殺されたことを使者がなかなか言わないところです。
逆に、普通はカットするマクダフ夫人と息子との会話をしっかりやっていました。もっとも息子は手袋人形でしたが。ここだけのために子役を一人使うのは無駄なのでカットするのですが軽妙な作りだとこういう風にできるよというデモンストレーションになっていました。でも双子の赤ん坊を付け加えていたのはどうしてなんでしょう。3人に増やしてもノーコストってことかな?
一番ハッとしたのは最初のキャバクラのシーンです。もしかすると、原作でも魔女というのはメタファーで、実際はマクベスとバンクォーが戦いの帰りに町はずれの飲み屋兼売春宿に寄ってクスリを飲んでの乱交パーティーで見た幻覚のことを言っているのではないかと夢想しました。KAATでなく「スズナリ」なんかだとそういう展開にしたのかも。

マクベス
DULL-COLORED POP
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2019/12/12 (木) ~ 2019/12/22 (日)公演終了
マクベスの世界を借りた、似非マクベス作品?
単なる勧善懲悪の否定を超えた枠組みで再構築された
贋作・マクベスか。
このままでいいのか、いけないのか、
悲劇なのか、喜劇なのか、
それが問題。
『蝶の力学 警視庁殺人分析班』に出てくる
バタフライ効果ではないが、ほんの些細にみえる
(設定も含めた)改変(改ざん、misdirection)がそれを
取り繕うためにさらなる改変を呼び、本来の道筋
(筋書き、公文書)から外れ、やがて(オリジナルとは
かけ離れた)想定外のカタストロフィ?が出現する。
ある人物が妄想の中で紡ぎ出している物語とみれば、
いいも悪いも等価(同値)、ボーダレス状態ということで、
成り立たないわけでもない(もっとも今回は、
バタフライ効果というよりは「風が吹けば桶屋が儲かる」
かもしれないが)。
劇構造的には、パルコ・プロデュースで何年か前に
佐々木蔵之介主演で上演されたNTS版『マクベス』に
なにかしら近いものを覚える。
どんな人であれ、些細なきっかけで心に魔が差す瞬間があり、
特に価値の混沌化された世界にあっては、風向き一つで
どう人生転がるかわからないといったあたりを
物語の在り様自体が転変する様になぞらえて反語的に
アイロニカルに提示した作品、趣向を凝らした書替狂言としては
悪くないのかもしれない。ただ、演出面にムラがあり
既視感のあるものが多く、求めすぎは承知の上でいうと、
例えば、魔女たち登場のシーンでも、『朧の森に棲む鬼』の
オボロたち登場の場面ほどの趣向がないと、魔女たちの
仕掛けた世界に入り込んだということがぐっと伝わってこない。
これなら、訳が分からないところは多いが、同じ松岡さんの
翻訳をもとにしたadaptation『メタルマクベス』の方がまだよいか。
マクベス斬り!... 残念!!

正しい水の飲み方【全日程、終演いたしました。ご来場、誠にありがとうございました!】
劇団えのぐ
萬劇場(東京都)
2019/12/18 (水) ~ 2019/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★
劇団えのぐ×演劇集団TOY’s BOX ×演劇商店若櫻の3団体コラボ公演は出演者が25名と多く、人物描写や関係性、物語の展開が分かり難いようにも思えたが、伝えたいことは理解できた。タイトル「正しい水の飲み方」は、そこにいる人々の思いを暗喩しており、それぞれの心情を吐露する場面は迫力があり観応えがあった。
(上演時間2時間)2019.12.21追記

カタロゴス-「青」についての短編集-
劇団5454
赤坂RED/THEATER(東京都)
2019/12/13 (金) ~ 2019/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
例えるなら意図的に欠けさせた萩焼の銘品のように。
外観をさらえば3本の解りやすいコントのパッケージ。
これで観ても能天気に頭を使わず十分に笑えて面白い。
しかしながらひと度足を踏み込むとその随所に共感あり二面性あり反論ありと、考察を促す作り込まれた余白がある。
観る人にはもちろん、楽しんでもらう。
その上で何か土産も持って帰ってもらいたい。
この劇団の、春陽氏のイズムがこれでもかと詰め込まれた、幾通りにも解釈と考察ができる7色の作品。
まるで自分も舞台のなかで、演者の一人として参加しているような気持ちになれる、名作です。

汚れた世界
無頼組合
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2019/12/06 (金) ~ 2019/12/09 (月)公演終了
満足度★★★★
初演時は東日本大震災、今回は桜を見る会、のような
国のデタラメ、隠ぺいなどの状況
作り手の伝えたいことは充分感じられる舞台でした。
リアルさは少ないですが、臨場感はあって良かったです!

兎の姉妹
兎座
小劇場B1(東京都)
2019/12/17 (火) ~ 2019/12/22 (日)公演終了
満足度★★★
主人公の昔の出来事を実家で映画撮影することで、過去を現在に再現させ追体験するという手法は斬新。オープニングで本当の少女が登場したのも説得力があってよかった。
ただ、私の中で若くして亡くなった姉の死因がずっと気になっていて、きっと劇中で判明するものとばかり思っていたのだけど、最後まで明らかにはならなかった。結局死因って何だったの?ラストのドラマチックなシーンで「えっ、死因言わずに終わるの?」と頭がグルグルして没入出来なかった。(私が見過ごしていたならどなたかご教示いただけると幸いです)

『私が傷ついているのにあなたが傷ついていないのはあなたに愛がないから』『細くて長いもの。』同時上演
尾鳥ひあり
小劇場メルシアーク神楽坂(東京都)
2019/12/15 (日) ~ 2019/12/19 (木)公演終了

正しい水の飲み方【全日程、終演いたしました。ご来場、誠にありがとうございました!】
劇団えのぐ
萬劇場(東京都)
2019/12/18 (水) ~ 2019/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
えのぐ、Toy’sBox、若櫻3団体コラボ公演。作・演はえのぐ座長でもある松下 勇氏。今回は出演者も25名の大所帯、かなり大変だったろうが、上手く纏めている。(餡子部分内容詳細は昨日初日が開けたばかりだから後程追記)

私たちは何も知らない
ニ兎社
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2019/11/29 (金) ~ 2019/12/22 (日)公演終了

Butterflies in my stomach
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2019/12/08 (日) ~ 2019/12/17 (火)公演終了

今、出来る、精一杯。
月刊「根本宗子」
新国立劇場 中劇場(東京都)
2019/12/13 (金) ~ 2019/12/19 (木)公演終了

"Wait"
just a
レンタルスペース+カフェ 兎亭(東京都)
2019/12/18 (水) ~ 2019/12/20 (金)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/12/18 (水)
18日20時開演回(60分)を拝見。
依田玲奈さんの一人芝居、just a Wait の初日は、自作の『Wait』と太宰治作『きりぎりす』との2本立て。
落語のマクラみたいな導入部から始まる『Wait』。
今宵と同じ兎亭で2017年の年末に拝聴して以来の『きりぎりす』。
共に、依田さんの巧みな話「芸」に只々聴き惚れてしまいました。
最後に。
世渡り下手で清貧に甘んじながらも無心で演劇に打ち込む…売れない役者の下に転がりこんだ、押しかけ女房の視点で語る、小劇場役者版の『きりぎりす』で、数年先に再演してもらいたいなぁ、と今から勝手にリクエストしておきますね。

Butterflies in my stomach
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2019/12/08 (日) ~ 2019/12/17 (火)公演終了
満足度★★★★
同じテーストの衣装の7人、駆け足で巡る人生でしたが、
人は10年にひとつくらい大きな出来事があるのですね⁉︎
若干、配役(主人公以外)に戸惑うところがありましたが、
面白かったです!

リーディングフェスタ2019 戯曲に乾杯
日本劇作家協会
座・高円寺2(東京都)
2019/12/14 (土) ~ 2019/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
至福の公開審査。一篇も対象戯曲を読んでいないが、審査員のコメントからどんな作品かが彷彿としてくる。今回は女性劇作家の審査員を3名とした。川村氏、永井氏の姿が居なくとも、議論は充実。何より劇作の世界の深さを知り、可能性を展望する情熱と思考力、直感を言語化する力が迸る熱い場が、やはり好きである。