
それは秘密です。
劇団チャリT企画
座・高円寺1(東京都)
2020/01/23 (木) ~ 2020/01/30 (木)公演終了

『国府台ダブルス』
filamentz
新宿村LIVE(東京都)
2020/01/22 (水) ~ 2020/01/27 (月)公演終了
満足度★★★★★
笑えた、笑えた。卒業式の「日の丸」「君が代」をめぐるシチュエーション・コメディー。今の日本のどこにでもありそうで、ここまでのしっちゃかめっちゃかはない。最初は「わざとら」や一本調子に思えたが、一癖も二癖もある脇役が次から次へと乱入してきて、笑いが弾けるようになる。
全く初めての集団だったが、この笑いのセンス、タイミングはなかなかのもの。周りみんながジコチューだったりちょっとネジの外れたボケ役の中、一人ツッコミ続ける津和野諒(宣言美術も担当の才人)が笑いをもたらす。なるほど、ツッコミの効果はこういうことか、と改めて発見した。クライマックスの彼の告白も爆笑。
役に立ちそうで全く立たない自己陶酔型美術教師の中田顕史郎、お節介サヨク保護者の前田綾香、前任校の卒業式が気になって本校では全く自己というもののない教師・矢吹ジャンプなど、など。ひとりひとりの登場人物にリアリティーと説得力があった。生徒の役よりオトナの役にそれはいえる。
模造紙に立派な式次第を書くたびに、簡単に破いて捨てるという、潔い演出も、盛り上げに大いに一役買った。情けない美術部員の土橋銘菓、「ミュージシャンですから」が口癖の吹奏楽部長・淺越岳人も笑わせてくれた。
こう書くと、主役が脇役に食われたかのようだが、そんなことない。国旗・国家実施派の校長と女性英語教師、反対派の生徒会長・熊谷有芳(衣装もやっていてびっくり)、そしてなにより、板ばさみになる卒実委員長の榎並夕起が、しっかり舞台の柱になっていた。アイドル役の雛形羽衣もよく目立っていた。
ずっと卒業式のステージ裏だった舞台が、最後の方で、ステージ正面の演壇もバックに現れるという方法もよかった。放送室がすっと現れる装置も、いいアイデアだった。終盤に二転三転するプロットも見事。作・演出の富坂友も抜群のセンスの持ち主である。

いい人間の教科書。
劇団アレン座
シアターX(東京都)
2019/11/13 (水) ~ 2019/11/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
アレン座のさんの作品…特に本公演は心に訴えかけてくる、何かを考えるきっかけをくれる作品が多いのですが、本作では特にをそれを感じることができました。
初の劇団員のみの本公演、音響や映像演出、舞台設計……。どれも素晴らしかったです。
そして特徴的なのは「全編エチュード(即興劇)」ということ。
アレン座の皆さんだからこそ出来るこの作品、ぜひ再演を望みます…!
「『いい人間』とは何か」……今でもふとした時に、この作品を思い出します。

舞台『積チノカベ』
劇団アレン座
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2019/07/11 (木) ~ 2019/07/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
私が初めてアレン座さんの舞台を観た公演です。
すごく重たい内容で、最後は泣いてました。
もう一度再演して欲しい作品です。
この公演は観劇して本当に良かったです。

いい人間の教科書。
劇団アレン座
シアターX(東京都)
2019/11/13 (水) ~ 2019/11/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
3公演観劇しました。
茉美さんの脚本の素晴らしさと、アドリブ劇がとても良かったです!
普光院さんと4人での舞台も観劇したいです!

『大人の銀河鉄道の夜』
お茶の間ゴブリン
上野ストアハウス(東京都)
2020/01/22 (水) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
とてもい楽しい2時間の宇宙旅行でした。笑ったり時々いらついたりと楽しみました。上野公園、国立博物館前の駅、職場が近くにあった頃よく見かけ不思議なところに駅があるなーと思っていたことを思い出しました。まさかまさか銀河鉄道だったとは・・・・?楽しい時間を過ごしました。

劇の劇
壱劇屋
ナンジャーレ(愛知県)
2020/01/18 (土) ~ 2020/01/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
オープニングから舞台に引き込まれるような演出。綺麗な体使い、派手な音響照明。さすが壱劇屋といわんばかりの舞台でした。3人で装置も少ない中、あそこまで動き回り舞台を支配するのは本当に凄いと思いました。どれだけ稽古を重ねたらあれだけのことを覚えられるんだろう。演劇をやってる身でもそう強く思いました。やっぱり壱劇屋は生で観るべき!!体の芯にまで響く音響。目まぐるしく変わって細々した動きに見える照明。そして3人の息の合いすぎているダンス。全てが最高でした。観に行くべき作品!

UZR短編作品集『GIFT』
UZR
高田馬場ラビネスト(東京都)
2019/11/20 (水) ~ 2019/11/25 (月)公演終了
満足度★★★★
好きでした!たくさん笑いましたし、ホロッとさせられる場面もあり…バランス良かった。
短編集という事で、コマ切れな印象で終わるかと思いましたが、
一貫して伝わってくるメッセージがありブレを感じませんでした。
短編だからこそ出来る、少し大人数でのコントの様なテンポ感は、
飽きる事も疲れる事なく楽しめました。
これまで短編ものですと☆3つまでで採点してましたが、☆4つにさせて頂きます。

ポポリンピック
ゴジゲン
こまばアゴラ劇場(東京都)
2020/01/03 (金) ~ 2020/01/21 (火)公演終了
満足度★★★★
ロングランの序盤(2か3ステージ目)を観劇し、もう一回観てみたくもあったが叶わなかった。
ボーリング場に捨てられ不遇に育ったポポの物語。ボーリングが染みついてるポポは生活の中にボーリングがなきゃならず玉を持ち歩き、時々投げるという、特殊な生い立ち故の特殊な人間という設定。ストライクしか出さないポポは最初持て囃されやがて飽きられるが、あるボーリング場に職を得て仕事仲間を得る。またロッククライミングをする男と出会い、初めて「親友」を得る。
難を挙げれば、、オールメイルの若手俳優らは学校の教室の隅で目立ったやや不良男子グループ風・・役柄より俳優自身のキャラでファンサービス的。要は若い女子の肩笑いをゲットな存在キャラ。あと型で決めるギャグ(これも若い女子にアピール)を優先し人物イメージにブレが(特に主人公ポポ)。(先日別のレビューで触れたが)オリンピックの選考に漏れた種目を盛り上げようという「他意なき」イベント=純粋さを印象付けるため、アンチ(オリンピック反対派)を「これと間違えられちゃ困る集団」として自らを区別し、世間に取り入る姿勢(「誤解されて可哀想」と、観客のシンパシーを獲得できるとの前提だが、これは痛い)。また親友が頑張ってたスポーツクライミングが新種目に選ばれるや、ポポらの署名活動(ボーリングを公式に)にも、イベントにもえらく冷淡、「こっちは国を背負ってるんだ」とヒロイックに切れる姿は定型的(ありがち)でリアリティがない。あんなにスポーツを楽しんでいた彼が「楽しむ」境地から離れている時点で五輪って何?、アスリートとしてもどうなの?、いつからメダルを国威発揚・求心力にする途上国に日本はなっちゃったの?・・等々疑問を投げかける契機は多々あるが、石を投じる事がなく、最後は「世間との適切な距離の取り方」に戻って行くという話で、「それに抗おうとしたはずでは?」と。面白いのはポポがストライクを取れなくなるというラストだが、総じてこれらは作者がそうである所の「突出した才能で勝負する世界」の話であり、若い頃のある種の才能が発揮される場を得られず、紆余曲折の中で摩滅し、別の生き方(創造の方法)を模索するか勝負の土俵から退くか、次の人生のステージへ移る局面を描いているように見える。
「親友」の変貌はリアリティの面で厳しいが、公式選手はさながら正社員で、それ以外は非正規社員、上に立つ人間には責任がある、お前ら気楽でいいよな、と言う言葉の裏に「公式」とか「公」とかそこに繋がる「責任」の側から、格下を見下げるような「今」の空気は意図的かは判らないが舞台に反映ている。
理不尽さから反旗を翻したか、ラスト、仲間はどういう訳かヘルメットをかぶり、いつしか「アンチ」となっている(外見は間違いなく)がこれは唐突。オリンピック開会式会場の壁の前で、式を妨害するためなのかマイナー種目のスポーツの祭典への参加というだけを貫くのか判らないが、開会式の開始の合図を待って各々待機している所、ポポがふと空を眺める。それにつられて他の者も「戦いを忘れる」時間に入って行く。気づけば開会式は始まり、タイミングを逸していた。
ここだけ抜き出せば、戦場で夕日を眺める的なイイ話っぽいのだが、結局のところ彼らの行動の動機は何だったのか、うまく掴めない。
ただ役者らの敏捷さ、身体能力、ギャグを成立させる瞬発力で上演時間はコース料理のように飽きずに最後まで運んでくれた。俳優の実力を愛でる上演。美術も機能的でなかなか巧かった。

『だけど涙が出ちゃう』
渡辺源四郎商店
こまばアゴラ劇場(東京都)
2020/01/23 (木) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★
『だけど涙が出ちゃう』(工藤千夏作)を観劇。死刑制度がテーマの2本立ての一つ目。良い出来。出ずっぱりの三名が客演であった。家の主であるマサミ(山藤貴子)が居間の座卓に腕を付いて待つ。そこへ現れる神原(各務立基)と、お目当て天明留理子(神原の手の手錠に結ばれた縄を握った刑務官役)。二人の登場から会話が始まり「状況」が徐々に氷解し見えて来る。死刑に関する新たな制度に揺れる架空の物語にリアリティを与える畑澤聖悟の父(妻を死なされた遺族)、その娘(三津谷友香)。計5名の芝居。
今の現実と少しズレた架空の現実を、段ボール箱を使った山下昇平の美術、中島氏の照明が支えている。
死刑制度論議の優れた素材と感じた所以は、これも議論のある尊厳死に纏わる事件を扱った事、そして被害者(遺族)感情の絶妙な所を提示できた事(畑澤の演技も大きな要素)。

いい人間の教科書。
劇団アレン座
シアターX(東京都)
2019/11/13 (水) ~ 2019/11/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
人の数だけ人生がある。
思い通りになんていかない、
けれどその中でどうやって生きるか、
人間の生死についてとても考えさせられる作品です。
序盤のコメディ色から終盤にかけての色の違い
鳥肌がたちました

『だけど涙が出ちゃう』
渡辺源四郎商店
こまばアゴラ劇場(東京都)
2020/01/23 (木) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★
人が人を裁くという行為が如何に難しいかガッツリ考えさせられる公演でした。
裁きを被害者家族に委ねるとなると尚更に悩ましい。
被害者家族が死刑執行人として一任される架空の制度「死刑員制度」が物語の軸となった人間ドラマ。
被害者家族が本当に加害者に死の制裁を下すのか、それとも辞退して無期懲役とするのか、正にどちらかを確定する日が舞台であり、前者の判断であれば即死刑決行。
もしもこういう制度があったら・・・それをリアルな芝居に乗せる事で漂ってくる制度に対しての妙な違和感だったり、上手く色付けされた地方性だったり、各登場人物の性格の妙だったり、要は腕が良いのでしょうが、とんでもなく重い空気になって然りの状況なのだけれど、思わず笑いが起こったりするのですよ、これが。
そして加害者が犯した罪をどう捉えるか。
本作の加害者がそもそも極刑を下されるべき悪人とまでは、自分にはどうしても思えず。
この立場にして決して感情的にならない彼の剥き出しの心の内を覗いてみたくなります。
とにかく考えさせられる事でテンコ盛りの中、遂に運命のラストシーンが・・・う~む そうか、そうなるか う~む。

舞台『積チノカベ』
劇団アレン座
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2019/07/11 (木) ~ 2019/07/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
僕が初めて見たあれすわさんの本公演。
色々な視点、立場が交錯して
誰視点で見るかによって大きく解釈、感想が変わるお話。
少し重たいテーマですが、日本人にはとても関わりが深いものだと思います。
とても心に刺さった作品です。

鬼腕の談〜かいだん屋奇譚〜
芝居企画TECALL
萬劇場(東京都)
2020/01/22 (水) ~ 2020/01/27 (月)公演終了
満足度★★★
客席まで使った殺陣満載で迫力はありましたが、登場人物が多く、また彼らが属する組織(?)の意味がよくわかりませんでした。作者の中にある世界観が私には伝わらず残念です。

なにをシェアするハウスター
チームホッシーナ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2020/01/22 (水) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★
面白かったです。みなさんの歌も楽しめましたが、前方席には伴奏が少しうるさくて歌詞が聞き取りにくいところがありました。
たまたま昨日のあさイチで「女らしさを押し付けないで」というのをやっていましたが、女らしさを押し付けないなら男らしさも押し付けないようにしないといけないですね。

寓話のゴーグル
Pave the Way
劇場MOMO(東京都)
2020/01/13 (月) ~ 2020/01/19 (日)公演終了
満足度★★★★
冒頭、始まりに関しては正直、よく観るテイストの作品かなぁ…くらいの感覚でしたが、
奥さんの変化の場面から、それまで観ていた景色の様相が変わっていき、
徐々に裏側が明かされていき…そしてまた冒頭に戻ってきた時には、
そのシーンで観えてた印象が上手く変わっており驚きました。
段々と結束感が増し一致団結していく後半にかけての疾走感と盛り上がりがとても好きでしたし、
《絵本》というアイテムのチョイスもなかなかに素敵で、楽しめました。
VRの機械が及ぼす事が出来る影響(装着者に見せられる世界の量…と言うか…)が、
私には若干掴み切れないまま進んでしまったのですが、
その部分を除いても、十二分に楽しませて貰える作品でした。
脚本家さんは2作品目の脚本?みたいな事もお聞きしましたので、
このレベルの作品を更にスッキリと仕上げられる様になったら…と更に楽しみになりました。

エーテルコード
合同会社リトル堂
テアトルBONBON(東京都)
2020/01/15 (水) ~ 2020/01/19 (日)公演終了
満足度★★★
伝えようとするメッセージが絞られていて、非常に観易かった。
とあるアクセサリー・ショップで売られてるサイキック・パワーブレスレットが話題に。
不思議な力があると評判になり、求めてくる人も多かったが、
そのパワーブレスレットはそのものが幸せを呼ぶと言うよりも、
人と人とを繋いで、その繋がりから生まれた想いで幸せになっていく…
シンプルだけど素直に素敵な作品でした。
八坂沙織さんの空気を変えるLIVEシーンも素敵でした。
そんなに重くならない柔らかいテイストの作品だったので、リラックスして楽しめました。

なにをシェアするハウスター
チームホッシーナ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2020/01/22 (水) ~ 2020/01/26 (日)公演終了

舞台『積チノカベ』
劇団アレン座
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2019/07/11 (木) ~ 2019/07/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
作品紹介文にもある「知ろうとしなければ何も知らないんだよ、僕達は」という言葉がとても刺さる作品。
少し重めの世界観なので苦手な人もいらっしゃるかもしれませんが、観劇後には何か答えを得られるかもしれない、普段気に止めてなかったかもしれないことを改めて考えるきっかけをくれる、そんな作品です。

里見家の人々
シアターまあ
シアター711(東京都)
2020/01/14 (火) ~ 2020/01/19 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/01/15 (水) 15:00
価格4,000円
かつては七人姉妹が住んで賑やかだった家も結婚や独立で今は済む者は少なくなったが、出た者たちも何かと理由をつけて立ち寄り……な姉妹7人と従妹、うち1人の夫と元同級生という男性2人による会話劇にして昭和に人気を博した「ホームドラマ」が令和版になって帰ってきた、的な懐かしさアリ。
また、短めの場が暗転を挟んで次々に展開する「四コママンガの単行本版」のようなツクリも面白い。
あと、終盤で妹の悩みに助言する長女がカッコ良かったなぁ。
なお、当日パンフレットの姉妹たちの役名を見て「それで里見家なのね」というのも妙案。