満足度★★★★
人が人を裁くという行為が如何に難しいかガッツリ考えさせられる公演でした。
裁きを被害者家族に委ねるとなると尚更に悩ましい。
被害者家族が死刑執行人として一任される架空の制度「死刑員制度」が物語の軸となった人間ドラマ。
被害者家族が本当に加害者に死の制裁を下すのか、それとも辞退して無期懲役とするのか、正にどちらかを確定する日が舞台であり、前者の判断であれば即死刑決行。
もしもこういう制度があったら・・・それをリアルな芝居に乗せる事で漂ってくる制度に対しての妙な違和感だったり、上手く色付けされた地方性だったり、各登場人物の性格の妙だったり、要は腕が良いのでしょうが、とんでもなく重い空気になって然りの状況なのだけれど、思わず笑いが起こったりするのですよ、これが。
そして加害者が犯した罪をどう捉えるか。
本作の加害者がそもそも極刑を下されるべき悪人とまでは、自分にはどうしても思えず。
この立場にして決して感情的にならない彼の剥き出しの心の内を覗いてみたくなります。
とにかく考えさせられる事でテンコ盛りの中、遂に運命のラストシーンが・・・う~む そうか、そうなるか う~む。