『だけど涙が出ちゃう』 公演情報 「『だけど涙が出ちゃう』」の観てきた!クチコミ一覧

★ 満足度の平均 ★ ★ ★ ★ ★ 4.0
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  • 『どんとゆけ』との二本立て公演。

    ネタバレBOX

     死刑員制度という架空の制度が施行されている日本。舞台は青森の民家。約15年の刑期を終えた元外科医が、被害者遺族によって死刑に処されることに。

     余命わずかで尊厳死(または安楽死)を希望した患者たちは皆、そのイケメン外科医の恋人だったらしい。彼女たちが本当に死を望んだのか、外科医が実験をしたかっただけなのか、真相はわからない。

     死刑実施の現場で、関係者が絞首刑や薬物刑を実際に行えるという設定がやはり秀逸。死刑を当事者として体感できる。

     被害者の夫が「病人の死期は神様にしかわからない」と主張しながら、裁判で死刑執行日が決まることは受け入れる矛盾。人間の生命を他人が握ることへの違和感、殺人を忌避する気持ちは大事にしたい。自分で自分の命を閉じることについても。

     女子高校生のしの役(三津谷友香)がよかった。
  • 満足度★★★★

    ■約85分■
    人間の綾に満ちた引きつけられる劇ではあったが、いかんせん説教色が強い。生命倫理の授業を聞かされたような後味は、どうにかならないものか?

  • 満足度★★★★

    涙は出ませんでした。

    ネタバレBOX

    死刑員制度がある社会で、終末期患者に薬物を投与して4人を殺害した罪で死刑が確定した元医者が、被害者家族の意向により、被害者家族の家で、被害者家族の手によって死刑が執行される話。

    とても面白い設定です。

    死刑囚の宗教感については事前に聴き取りがなされているはずです。なぜいきなり讃美歌なのか不自然でした。また、娘の父親が誰かみたいな話など、裁判の過程でさんざん議論されたであろう話題を持ち出さざるを得ないところがお芝居故の難点でした。
  • 満足度★★★★

    問題提示劇、ディスカッションドラマといってもいいかもしれない。難しいテーマである。人間が同じ人間に死刑を課することができるのか。死刑の是非をめぐっては様々な議論と歴史的経過がある。日本ではなかなか国民の納得する結論にたどり着いていない問題だが、そのうえ、高齢化社会の課題である安楽死の選択の問題も出てきた。安楽死に加担する医師は犯罪者なのか。
    この芝居は、今は声高には論じられないが、たぶん、今後は避けて通れない現代社会の、二つ課題をテーマに作られている。
    何年か前に劇団主宰の畑澤聖吾が書いた「どんとゆけ」と対になるような作品で、死刑執行にあたって、被害者の親族が参加できる法律が成立して、死刑囚が執行を望んだ家庭に護送されてくる、という場面設定である。今回は、加害者、被害者の設定に工夫が凝らされているが、それがかえってディスカッションのポイントをあやふやにしている。被害者参加の死刑執行という法律があるという設定自体が飛び道具で、その上に設定を重ねると論理、倫理も複雑になるばかりで、せっかくの道具が機能しなくなってしまう。問題はよくわかるが、考えるべきことが多くなりすぎて、芝居自体が方向を失う。
    畑澤聖吾は今回は出演だけで、いつもの前説の時と違って、柄を生かした迫力で、難しい地域劇団を長年運営しているエネルギーを垣間見た思いだった。

  • 満足度★★★★

    『だけど涙が出ちゃう』(工藤千夏作)を観劇。死刑制度がテーマの2本立ての一つ目。良い出来。出ずっぱりの三名が客演であった。家の主であるマサミ(山藤貴子)が居間の座卓に腕を付いて待つ。そこへ現れる神原(各務立基)と、お目当て天明留理子(神原の手の手錠に結ばれた縄を握った刑務官役)。二人の登場から会話が始まり「状況」が徐々に氷解し見えて来る。死刑に関する新たな制度に揺れる架空の物語にリアリティを与える畑澤聖悟の父(妻を死なされた遺族)、その娘(三津谷友香)。計5名の芝居。
    今の現実と少しズレた架空の現実を、段ボール箱を使った山下昇平の美術、中島氏の照明が支えている。
    死刑制度論議の優れた素材と感じた所以は、これも議論のある尊厳死に纏わる事件を扱った事、そして被害者(遺族)感情の絶妙な所を提示できた事(畑澤の演技も大きな要素)。

  • 満足度★★★★

    人が人を裁くという行為が如何に難しいかガッツリ考えさせられる公演でした。
    裁きを被害者家族に委ねるとなると尚更に悩ましい。

    被害者家族が死刑執行人として一任される架空の制度「死刑員制度」が物語の軸となった人間ドラマ。
    被害者家族が本当に加害者に死の制裁を下すのか、それとも辞退して無期懲役とするのか、正にどちらかを確定する日が舞台であり、前者の判断であれば即死刑決行。

    もしもこういう制度があったら・・・それをリアルな芝居に乗せる事で漂ってくる制度に対しての妙な違和感だったり、上手く色付けされた地方性だったり、各登場人物の性格の妙だったり、要は腕が良いのでしょうが、とんでもなく重い空気になって然りの状況なのだけれど、思わず笑いが起こったりするのですよ、これが。

    そして加害者が犯した罪をどう捉えるか。
    本作の加害者がそもそも極刑を下されるべき悪人とまでは、自分にはどうしても思えず。
    この立場にして決して感情的にならない彼の剥き出しの心の内を覗いてみたくなります。

    とにかく考えさせられる事でテンコ盛りの中、遂に運命のラストシーンが・・・う~む そうか、そうなるか う~む。

    ネタバレBOX

    本家族の被害者女性は、加害者とされる彼の安楽死行為を望んでいたのではないかと、むしろ彼の手によって…本望だったのではないかと。

    そうであったとしても、いやそれならば尚更にやりきれない被害者夫の感情は充分汲み取れるとして、加害者に手をかけてしまった場合、夫にとってまた新たな苦しみが加わるだけではないかと思えてならない。
    残された家族間で埋まる事のない溝もきっと生まれるはず。
    かと言って死刑を断念すれば、彼は一生その事を悔やむのだろうか。

    「死刑員制度」少なくともこのケースでは被害者にとって何を選んでも苦しみしか生み出さない制度。
    とんでもない制度だと思えました。
  • 実演鑑賞

    今年の青森は暖冬で例年より積雪が70㎝ばかり低いんだとか。そんな異常気象に悩まされてる青森から来て頂いてる劇団さんに悪い評価は出来ん。

    場内整理してたTシャツの畑澤聖悟さん、今日の東京は少し暑くて、先にお召し物一枚脱がれた方が観劇には丁度良いかとって言われてたけど、そのままで調度良かったです。

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