
野外劇 NIPPON・CHA!CHA!CHA!
東京芸術祭
池袋西口公園野外劇場 グローバルリング シアター(東京都)
2020/10/18 (日) ~ 2020/10/25 (日)公演終了
満足度★★★★
池袋西口公園にて野外劇鑑賞。前やった「三文オペラ」の時より寒くなく、雨もちょうど降らない日にあたり条件よし。
如月小春作品を観たことが一度も無かった、と思う。そういえばラジオドラマ風なのを30年以上前、坂本龍一が共作者であった事から耳にしたことがあったが、「新しいもの」が次々と生まれつつある「現代」(80年代)から想像された近未来の一風景を描出していた。そこから「時代を先駆的に読みこみ提示する作家」というイメージだけあった。何しろ演劇界の著名人でもその実態がよく分からないのは、同時代的な影響力を持つ演劇人だったからで、時代を遡る作業をしなければ掴むことができないのだろう、と放置していた対象。
劇は大変面白かった。生楽器演奏の音楽もなかなか活気を与え、ジャジーなのがバックで流れる等は乙であった。
物語は零細靴屋の苦境を脱するアイデア、陸上選手にうちの靴を履いてもらい、活躍してもらう。そして事情あって身一つで上京し靴屋を訪れた青年を、最初邪険にしていたのを「町内マラソン大会優勝」の経歴を聞くや目の色変わり、雇い入れる。コーチを雇い、新聞記事を書いてもらい、当人は大会のたびに実力を上げ、「五輪」という文字が見えてくる。だがこの美談のような人情噺のような逸話には、オリンピックやスポーツの祝祭性を付加価値とした「金」が動いており、加えて二人の男(元自衛隊員と新聞記者)に慕われる靴屋の娘が、それと知って彼らの協力を取り付ける部分ではえげつなく(演出)「女」を利用する。ちなみに男二人の一方が元自衛隊員の右翼、他方がジャーナリスト魂を燃やす新聞記者(左翼)で犬猿の仲。自衛隊員は陸上に強いのでコーチに、記者は選手の活躍を記事にしてもらうため協力を乞われた次第。だが田舎出の謙虚にただ走る青年の成長に記者は入れ込むようになり、コーチは自らの使命を厳粛なもの(民族を背負う者を育てるという)と感じ始める。足を負傷した事を隠していた青年に気づいて病院に行かせようとするが青年の激しい拒絶に合い、次のオリンピック選考を兼ねた大会で「走りきる」意志を伝えられるのもコーチである(青年は自分の選手生命が「病院」に行く事で閉ざされると直感したらしいと、台詞はないが観客に伝わり、この展開が必然と感じさせるようになっている)。
父母を亡くした姉弟、肉親の情と連帯、存亡をかけた靴屋の奮闘、従業員なりの悲喜こもごも、生き抜くための策術、何よりも強い恋(肉欲)の衝動、使命感と生きがい・・そうした「物語性」はカリカチュアされた演技と演出で(回想的に描かれている事もあり)描かれて行くが、70年代以降、とくにバブル時代には、高度成長期に存在した暑い(暑苦しい?)「物語」を醒めた目で突き放す眼差しが支配的であった事をよぎらせながら、劇を見守る。・・が、作者はこれを批評的に提示しようとしたのか共感的に見ているのかは、分からず。
ただ、本作品は如月戯曲を翻案した上演。劇の冒頭には女教師と女生徒が如月小春の戯曲をこれから演じる、という宣言に当たる会話があり、意味深である。作品を2020年の五輪に当て、祝祭の背後にあるドラマとして改めて提示する上演になったわけだが、夢落ち的なラスト(これは原作か脚色か不明)は、評価を観客に委ねるのに使われる手法。私としては、2020年の五輪に重ねるならもっと当てつけが明確にあって良かった(原作翻案の限界だったのかもしれぬが)。
終幕「もう一つ」と感じた要因は、終始活躍の音楽が、フィナーレで軽快な音楽を持ってきたこと。もっと情感のあるものが相応しかったと思う。劇中で十分相対化された「物語性」をさらに突き放す必要はなかった、という理由で。

音楽劇『山彦ものがたり』
劇団朋友
俳優座劇場(東京都)
2020/10/23 (金) ~ 2020/10/25 (日)公演終了
満足度★★★★
久々の朋友観劇は「ら・ら・ら」以来、二度目か。劇団を知ったのは古いが(観たかった公演も多々あったが)見れてない。今回はよきタイミングで観劇の運びに。
「トライアル公演」とは対コロナの意か、音楽劇の部分か(両方かも)。劇の方は日本昔ばなしをこれでもかとぶちこんだ音楽劇で、小品と予想したのが外れた。うさぎと亀の話に始まるがその亀が浦島太郎の亀として登場し、いやいやながら竜宮城に付き合った後、うさぎへの義理を果たそうと駆けっこに戻るといった、時間経過無視のごった煮風。うさぎも駆けっこの途中で狸に会い、かちかち山のいたずら兎を演じる。その他、花咲か爺、蟹むかし、天女の羽衣、旅人馬、桃太郎など。それぞれに脚色が加えられている。桃太郎は平和な国であった鬼ヶ島を侵略し、「私たちはあなた様にどんな無礼を働いたのか」と問われるというよく知られた芥川龍之介翻案の善悪逆転版。
問題は、音楽が途切れなく鳴っている作り。音楽は上田亨。冒頭とラストは「子供の心でなければ分からない」という歌詞が結語になるソロと合唱の合わさった曲で、これを聴くだけで壮大な物語を味わった気分でじんと来てしまうのだが、その後もそれなりに力の入った歌が話ごとに歌われる。話は単なるパロディ、音楽によって格好がついている、というのか、馴染みのある話の意表を突く翻案は面白いのだが、共通のメッセージで通底している訳でなく、そう分かってしまうと「意表を突く」パターン自体に変化を加える(繋がっていないと思っていたものが繋がった、とか。いやそれは昔話では無理)等がなければ観劇への集中は当然途切れる。最後は何やら教訓めいたものを掲げて昔話部分を閉じていたが、もう忘れたが賛同しかねるメッセージ。無理やりの感ありであった。ただラストソング(冒頭と同じ)はやはり素晴らしく、なぜこの感動を薄めてしまう「音楽鳴りっぱなし」の劇にしてしまったのか、と残念さは残った。
話を一つ削るだけで随分締まったと思う。が、それで締まらないから話が増えてしまったのだろう。
俳優は皆それなりに歌える役者で、特にアンサンブル部分での繊細な表現は(新劇系の劇団なのに?)なかなかのもの。

PECO PECO ~ハラヘリーゼ~
Reading Bitter
ザ☆キッチンNAKANO(東京都)
2020/10/30 (金) ~ 2020/11/01 (日)公演終了
満足度★★★
シナモンの回を観劇しました。声で紡がれる食べ物に関する6つのストーリーでしたが、楽しかったり、切なかったり、哀しかったり・・色々なタイプの話で楽しめました。声だけで表現するのは難しいと思いますが、目を閉じると、それぞれのキャラクターが浮かんでくる感じがしました。面白かったです!

地下室のサラ
関西ホラーエンターテイメント集団 伯虎座
黒門カルチャーファクトリー(大阪府)
2020/10/30 (金) ~ 2020/11/07 (土)公演終了

Smiley魂
MousePiece-ree
HEP HALL(大阪府)
2020/10/30 (金) ~ 2020/11/01 (日)公演終了

ヘリクツイレブン
yhs
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2020/10/30 (金) ~ 2020/11/01 (日)公演終了

JACROW#29「闇の将軍」シリーズ第3弾
JACROW
サンモールスタジオ(東京都)
2020/10/22 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
第1話第2話もこれ以上ないほど素晴らしかったが、今回観た第3話はさらにその上をいく出来映えと感じる。
台本、演技、演出、すべてにおいて最優秀。
そう言えば、今は福田派の末裔が全盛ですね。

The last night recipe
iaku
座・高円寺1(東京都)
2020/10/28 (水) ~ 2020/11/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
iakuの作品は好きなものが多く期待して観劇。
ただ、今回は少し気になる部分を乗り越える事ができず、
ずっと終盤まで引っかかってしまいました。
全体的に重くずっしりした感じは伝わるのですが、
よりの行動心理が理解できず、観客として置いていかれた感じがした。
確かに偽装結婚などドラマで流行ったので全くありえないことだとは思いませんが、
やはり自分の中ではありえない…、もっと別の方法を取るべきでは?という考えが
浮かんでしまい違和感をずっと引きずってしまった。
その行動を変の一言で済ませるのは、ちょっと…。
チラシの内容と実際の公演で内容が少し変わっていたようにも思えた。

PECO PECO ~ハラヘリーゼ~
Reading Bitter
ザ☆キッチンNAKANO(東京都)
2020/10/30 (金) ~ 2020/11/01 (日)公演終了

PECO PECO ~ハラヘリーゼ~
Reading Bitter
ザ☆キッチンNAKANO(東京都)
2020/10/30 (金) ~ 2020/11/01 (日)公演終了

忖度裁判
ワンツーワークス
シアターX(東京都)
2020/10/31 (土) ~ 2020/11/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/11/01 (日) 14:00
司法が政権に忖度した結果の不当判決!のような大きなスケールの物語ではなく、一般人の起こした不幸な出来事の裁判の裏側を描いた作品で、地味だったがそれだけ裁判員制度が身近に感じられた作品。いつもながら、この劇団は面白い。

コロス県自殺市呪い村四丁目
U-33project
インディペンデントシアターOji(東京都)
2020/10/30 (金) ~ 2020/11/03 (火)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/11/01 (日) 19:00
現代日本の縮図。鋭い社会批評になってました。他人のフリ見て我がフリ直せ的なステージで、見ていて、自分のダメな部分を反省することしきり。会場の階段に巨大ミミズのような換気ホースがのたくっててビックリ。

『雪間の草』
虚空旅団
さかい利晶の杜(大阪府)
2020/11/01 (日) ~ 2020/11/03 (火)公演終了
満足度★★★★
茶室で観劇し、また、演者を間近で見ることができる貴重な体験となりました。セットや激しい動きもなく、声、表情、仕草と僅かな音響で見せる演劇、大変面白かったです。感情を出す八田さんの演技に見入りました。それにしても、高橋さんの脚本はラストが美しい。

【Perfect Murder Case -パーフェクト マーダー ケース-】
竹内尚文プロデュース
劇場HOPE(東京都)
2020/10/28 (水) ~ 2020/11/03 (火)公演終了
満足度★★★★★
密度感濃厚なミステリー。
時間を忘れて、見入ってしまった。
シナリオももちろん良質なのだけれど、登場人物の造形やバックグラウンドを考えさせるあたり、役者陣の演技力も見事。

Smiley魂
MousePiece-ree
HEP HALL(大阪府)
2020/10/30 (金) ~ 2020/11/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
日常を忘れるぐらい笑わせて頂きました。
バカバカしい中にも優しさが見栄隠れしていて、あぁ、やっぱりそうやね、いろいろと大変なことがあるけど、笑顔とありがとうは忘れないようにと思いました。
そして、あの方も居るようで、オープニングと最後のシーンで目頭が熱くなりました。
お芝居観られてありがとう♪♪♪

PECO PECO ~ハラヘリーゼ~
Reading Bitter
ザ☆キッチンNAKANO(東京都)
2020/10/30 (金) ~ 2020/11/01 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/11/01 (日) 16:00
おもしろくて、心にしみる舞台。
語りで、言葉を魅せてくれ、心を満腹にしてくれる。

『雪間の草』
虚空旅団
さかい利晶の杜(大阪府)
2020/11/01 (日) ~ 2020/11/03 (火)公演終了
満足度★★★
再演、前回の初演は予定の都合で行けなかったので、今回が所見。
利晶の杜の中に入ることも、地元でありながら、初めて。
興味津々でした。
日曜日の午前中だというのに、チケットカウンターはなかなかの列。
賑わっていて、物産物販等も眺めながら、あぁほんまに一応観光地なんやなぁと実感。
早めに着いてて良かったと思いながら列に並び、無事に開場前に余裕もってチケットも買えて、公演会場であるお茶室へ。
来るのも初めてなので、茶室も初めて。
近代的な建物の中に、ちゃんとした茶室が建造されていて、びっくり。
部活動で茶道を習っていた高校時代を懐かしく思い出したりしながら、開演を待つ。

one cup of rice~おにぎりのむすび方~2020
東京印
ザ・ポケット(東京都)
2020/10/21 (水) ~ 2020/10/25 (日)公演終了
満足度★★★★
10月22日、中野ザ・ポケットで上演された東京印「one cup of rice」~おにぎりのむすび方~2020を観てきた。これは、知人の役者・古川奈苗が出演した関係からである。ちなみに、東京印の公演を観るのは今回が初めてであった。
実はこの作品、タイトルに「2020」と付いているように以前上演された作品の再演である。今回は一部細かな点を改訂しての再演ということであった。
舞台は、とある街のおむすび屋。その店のアルバイト店員同士や常連客同士の恋愛(特に中心となるのは学校の教師を務める男性と飲み屋のママとの赤いバラを巡っての恋愛騒動)と、不慮の事故で死んだ娘を思うおむすび屋夫婦と、その娘の心臓を移植され自分探しをしておむすび屋を訪れる女性との話の2つが絡み合った笑いと涙の人情劇である。役者に与えられた役柄は重要で、今まで観てきた舞台の中では劇団時間制作の作品にちょっと近い。時間制作の舞台に流れる緊張感を緩くして、役者の自由性を広げるとこんな感じになるのかな。
印象深い役者としては、おむすび屋の主人役・小野剛民、自分探しの女性役・古賀成美、バラの恋愛騒動の女性役・佐藤恵美。亀の恩返し的な役だった役だった古川奈苗も、淡々とした表情での演技が似合っていた。
この舞台、役者によって随分と印象の変わる作品になるのではないかなぁ。
再々演を期待したい。

ののじにさすってごらん
やしゃご
こまばアゴラ劇場(東京都)
2020/10/22 (木) ~ 2020/11/01 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2020/11/01 (日) 13:00
面白いけれど、やや冗長にも感じる115分だった。
「説明」に書かれているようなシェアハウスに住む人達と周辺の人々の群像劇。個々の人の持つ問題は丁寧にときほぐされて提示され分かりやすい。だが、ベトナム人の失踪は起きない。失踪までの出来事という設定なのだろうか。やしゃごに名前を変えてからの3作すべて観ているが、焦点が絞られていた1・2作に比べると、本作は絞り込みが不十分に思えて、個々のエピソードが冗長に思える時間帯があるのは確か。外国人技能実習生の問題なのか、コロナ禍の生活の物語なのか、今一つハッキリしていない。それでも一定程度緊張感を持って観ていられるのは、語り口の丁寧さだろうか。セリフのキレもあるだけに、もう少し作り込んでくれれば、という思いを持った。

POPPY!!!(ポーピー!!!)
アル☆カンパニー
雑遊(東京都)
2020/10/30 (金) ~ 2020/10/31 (土)公演終了