ゴールドマックス、ハカナ町 公演情報 桃尻犬「ゴールドマックス、ハカナ町」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2020/02/07 (金) 19:30

    テンポの良さが身上の掛け合いが素晴らしく
    怒涛の台詞に惹き込まれていく。
    中でも堀靖明さんの“ピュアで思い込みの強い”キャラが
    存分に活かされていてとても良かった。

    ラストがハカナ過ぎて思い出しても哀しい。
    人の幸せってなんだろう?

    ネタバレBOX

    親に捨てられてから、年の離れた妹を一人で育てて来た兄・中條はじめ。
    彼の人生はすべて“妹・小春のため”にある。
    パチンコ屋しかないこの町で仕事をするため、
    そのパチンコ屋に就職し、恋人もなく、妹の心配ばかりしている。

    その小春は高校卒業を前に、兄から自立したいし、
    自分のためにだけ生きているような兄がやや疎ましい。
    自分の幸せを見つけて、と言っては兄妹喧嘩になる今日この頃。

    職場の仲間も妹も、みんなで兄に恋人を当てがおうとする。
    そしてはじめに一方的に告白し、同じパチンコ屋で働き始めた女、
    るり子に白羽の矢が当たる。
    やがて妹は家を出て結婚、兄はるり子と暮らし始める。
    すべて上手くいったと思われた時、
    驚愕のラストシーンが待っていた・・・。

    まず役者陣の振り切れ方が素晴らしい。
    怒涛の台詞をよどみなく繰り出し、価値観を激しくぶつけ合う。
    堀靖明さんの、あの台詞回しが大好きだ。
    ”ヘンなキャラ”が”極端なピュア”になってしまう。
    だから憎めないし、むしろ次第に共感していく。
    その妹(神崎れな)も、兄の理屈に負けていない。
    最後は自分の思うように家を出て結婚したのだから大したものだ。
    パチンコ屋の常連で小学校の先生(徳橋みのり)もぶっ飛んでいて素敵だ。

    そして登場からして異様な女・るり子(青山祥子)、彼女はサイコパスか?
    中盤では、愛情のなせる業みたいに思ったりもしたが
    あれはやっぱりサイコじゃないか。

    結局はじめの幸せって何だったのだろう?
    妹のために生きていた方が幸せだったんじゃないか?
    あの結末、あれでははじめが可哀想過ぎる。
    皆の意見に従って生き方を変えたら、あんなことになっちゃった。

    あのハカナ町という名前は、彼のためにあるような気がする。
    誰かのために生きたってきっといいのだ。
    依存していても幸せならきっといいのだ。

    真ん中辺のクイズ、あれは何だったのだろう?
    あの演出の意図が良く解らなかったが、
    はじめの価値観がひっくり返るには、一度死ななきゃならなかったのだろう。
    それほどの価値観の強さが、堀さんの台詞にはあった。
    だからハカナ町の哀しさが際立つのだ。









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