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D.S.T.P (Don`t stop the play) 〜芝居を止めないで〜

D.S.T.P (Don`t stop the play) 〜芝居を止めないで〜

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2025/10/01 (水) ~ 2025/10/08 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い。
「シチュエーション・コメディの新定番」という謳い文句。チラシの説明の通り、一般の客が来る喫茶店でリアルに演じることが求められる映画の最終オーディション。現実と虚構が混在し 想定外のハプニングが次々と起こる。タイトルから映画「カメラを止めるな!」を連想したが、Don`t Stop The Play ⇨Show Must Go On といった条件以外は違った物語。次の展開がどうなるのかワクワクする。

少しネタバレするが、遠隔地で審査しているため姿を現さない映画監督、一度きりのオーディション、その一回きりのチャンスに挑む3人の役者と周りの人々を巻き込んでの ありえないアクシデントの連続。一度もカメラは止まらないという〈NG〉が許されない極限の緊張空間。それが いつの間にか、或る事件の現場になっており 何の関係も繋がりもない人たちが一丸となって…。

オーディションを題材にした笑いと ちょっぴり感動する衝撃 いや笑劇作。計算されつくしたストーリー、でも そんなことを微塵も感じさせないところが実に巧い。
ちなみに小劇場B1は 2面客席の時が多いが、本公演は一方向のみ(自分が観た回だけか?)。
(上演時間1時間35分 休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術は 喫茶Transitの店内。奥の上手にカウンター席、下手は段差を設え 少し高いテーブル席。観客席側に丸テーブル席が3つ。所々にメニューやフォトフレーム。奥の少し高いテーブル席にプロデューサーとアシスタントプロデューサーが座り 様子を見る。

物語は 店の店員の弟に彼女ができて、一週間後にこの店でプロポーズする、その段取りをしているところから始まる。そしてラストはフラッシュモブプロポーズで決める というもの。一方、店 オーナーの先輩で映像の仕事をしているプロデューサーから、映画の(最終)オーディションをこの店で行いたいと依頼。店長の思い違いで この2つが同日に行われることになり、誤解と勘違いで大混乱。オーディションの条件は2つ---①45分間でハッピーエンドで終えること、②途中でオーディションということがバレないこと。

会話の中で ポロっと匿流(トクリュウ)といった台詞がこぼれる。オーディションは、一般客が来る店内で 即興の芝居がどれだけ自然に行えるか、というのが審査のポイント。当日 店には男と女の客が一人ずつ。そのうち 宛名不明の荷物が届き…。次から次とハプニングやアクシデントが続き、観ている客は笑いの連続。3つの丸テーブルには、弟と彼女、オーディションの即興劇、一般客の女。カウンターには一般客の男、その座る位置が計算され絶妙 ドタバタを効果的に観せる。

喫茶店という日常に、オーディションという非日常を持ち込み、さらに或る事件という非常時が起こる。先に記した匿流が現れ、それを捜査している警察(女刑事)が潜入してくる。一人ひとりの個性というよりは、ハプニングに対応した全員の行動が結果オーライの大団円。そこに自然な人間の姿が立ち上がり…オーディションの結果は言うまでもない。よく考えられた脚本(勝負パンツ、ぶかぶかのズボン)と それを効果的(ベルトで縛る)に しかも印象的(赤いパンツ)に観せる演出がみごと。
次回公演も楽しみにしております。
いえないアメイジングファミリー

いえないアメイジングファミリー

sitcomLab

ザ・ポケット(東京都)

2025/10/01 (水) ~ 2025/10/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

チラシのビジュアルから想像していたのと全然違って良い意味で裏切られた感じです。
恋の行方はどうなるのかハラハラしつつも面白くて笑っちゃいました。
ポストクレジットショーも追加して最後まで楽しませていただきました。
予算があったらプラチナ体験もしてみたかったです。

「ニュー御釜怪奇譚」(にゅーおかまかいきたん)

「ニュー御釜怪奇譚」(にゅーおかまかいきたん)

レティクル座

萬劇場(東京都)

2025/10/01 (水) ~ 2025/10/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです。ナンセンスコメディ作品でした。ストーリーが奇想天外で荒唐無稽のゾンビもので、すばらしかったです。

いえないアメイジングファミリー

いえないアメイジングファミリー

sitcomLab

ザ・ポケット(東京都)

2025/10/01 (水) ~ 2025/10/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

アニメを実写化したようなコメディ作品でした。楽しかったです。

「ニュー御釜怪奇譚」(にゅーおかまかいきたん)

「ニュー御釜怪奇譚」(にゅーおかまかいきたん)

レティクル座

萬劇場(東京都)

2025/10/01 (水) ~ 2025/10/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

蔵王の御釜はよく知っているだけにすごく興味深く観させてもらいました。最初のほうでキャスト全員でダンスされましたが、ああいうのがもうちょっとほしかったなーと。できたら、スリラーなんかを最後の方でやってほしかったなと^^ あと、セットがすばらしかったです。私ゾンビもの大好きなのですが、『今、私たちの学校は…』や『ウォーキング・デッド』や『アイアムアヒーロー』あたりの舞台版も観てみたいです。権利関係で無理でしょうけど^^;

いえないアメイジングファミリー

いえないアメイジングファミリー

sitcomLab

ザ・ポケット(東京都)

2025/10/01 (水) ~ 2025/10/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

個性豊かなキャラ達みんな実力派揃いで、みんなの演技に多いに笑わせてもらった。
前説、後説的部分も含めて話が面白く、これで2000円席あるのはビックリです。

Jeanne d’Arc -ジャンヌ・ダルク-

Jeanne d’Arc -ジャンヌ・ダルク-

劇団ミュ

ウッディシアター中目黒(東京都)

2025/10/02 (木) ~ 2025/10/13 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。初回ー満席どころか増席。
チラシにある「壮大な歴史スペクタクル・ミュージカル!」という謳い文句であるが、脚本・演出・演技(歌唱も含む) どれもレベルが高く観(魅)せる 力 がある。ミュージカルであるが、ヘッドセットマイク等は使わず 生の歌で聴かせる。地下であまり広くない劇場だから、十分聞こえる。声量をコントロールし安定した音程とリズム。舞台上でピアノとパーカッションの劇伴(奏者は黒衣裳)。「日本発のミュージカルを、世界へ!」を標榜しているだけのことはある。またフィジカル・シアターといった印象もある。

物語は、ジャンヌ・ダルクの異端裁判のやり直しを通して、彼女の生き様とシャルル七世の苦悩をダイナミックに展開していく。ジャンヌ・ダルクがどのようにして歴史の表舞台に現れ 去ったのかを回想するスタイルで紡ぐ。舞台は意識的に原色(衣裳や照明等)で彩っているようで、スタイリッシュといった印象。この裁判が異国の それも約600年前の出来事であるが、なぜか現代日本における司法の在り方(冤罪等)を連想させる。観応え十分。

なお ダブルキャストであるが、それぞれ12回公演があることから 声を大切にしてほしい。
(上演時間1時間40分 休憩なし)【ランス】

ネタバレBOX

舞台美術は中央奥に両引扉、その戸に横長の覗き窓。戸を少し開け後部から照明を照射すると十字架になる仕掛け。下手は演奏スペース。立方体・直方体 まるで積木のような箱が置かれ、上手にサークル状の柵。箱は 場景に応じて動かし光景や状況を表す。サークル内は裁判の証言席。上演前は宗教音楽が流れている。

物語は、異端裁判のやり直しの中で ジャンヌ・ダルクの生き様を生き活きと紡ぎ、史実に重ねる。フランスとイングランドとの間で100年戦争中。ジャンヌは 神のお告げを機に王太子に謁見し、シャルルは ジャンヌを指揮官に抜擢し「オルレアン包囲戦」で勝利する。彼女は 矢で負傷しても立ち上がり、劇中でも使った「百合の花」をモチーフとしたジャンヌ軍の旗を翻し戦う。勝利後、王戴冠の場所ランスを奪還し シャルル王太子は フランス王に即位。しかし 王からの軍事支援も次第に減り、ジャンヌはイングランド側に囚われ悲運の最期ー火あぶりの刑。この知られたジャンヌの生涯をコンパクトに時系列的に展開していく。

異端裁判を行う必要性と当時の社会状況も説明する。民衆から支持を受けるジャンヌを貶める必要があった。そのため 神のお告げを聞いた虚偽ー異端者、女性の身分で男装した規律違反者(フランスでは性別、階級によって服装が厳しく律されていた)という理由をつけ 火あぶりの刑に処す。この場面を描くことによって、裁判のやり直しの意義が浮き彫りになる。さらにシャルル七世は、自分が先王の実の子ではない と母に示唆されたことから、自分が王位を継承してよいのか苦悩していた。史実に人間性を巧みに織り込み、物語性を豊かにしている。

生の歌とダンスといった違う要素を巧みに取り入れ、物語に華を添えている。と いうか色々な演劇の魅力(心に響く表現力)を盛り込んで物語を成し、同時に楽しませるといったサービス精神。史実に人間性を織り込み、しかも分り易く展開することで 物語としての記憶と演出の印象が心に残る。
衣裳はデザイン違いの 白の衣裳と黒の衣裳、それにシャルル七世の母 イザボーのキャミソールのような真紅の薄着。淫乱王妃を演じるための色衣裳。基本は この3色で舞台を彩る。そして照明の光彩は、青金・白金・茜色などを照射し人物を際立たせる。細かく丁寧な演出が物語を分かり易くしている。勿論 演奏も効果的で公演を支えている。
次回公演も楽しみにしております。
いえないアメイジングファミリー

いえないアメイジングファミリー

sitcomLab

ザ・ポケット(東京都)

2025/10/01 (水) ~ 2025/10/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

Red Devilsの回を拝見、尺は約90分。

ネタバレBOX

 最近異類とヒトとの純愛作品が増えているような気もする、世の中しっちゃかめっちゃかだから、人間に対する不信感の根源的な現れかも知れない。今作では、異類の側が女性でヒトに恋するのだが、無論こんな転倒は文学上の初歩的なテクニックに過ぎず要らぬ摩擦を避ける為の常套手段だ。ジェンダー論が盛んになっていることとも関わるかも知れぬ。
 肝心なことは、それが純愛である点だ。ピュアなもの・ことは胸を撃ち心を締め付ける。今作の肝もその点にある。物語が展開するその日は、雨降りで太陽に焼かれる心配が無いので父や姉妹は青山墓地へ出掛けて留守、合間を利用して核を為す恋の成就を切望する乙女(メモリ)は恋人晴海を初めて実家に招いた。晴海が父に挨拶したいとたっての懇願をしていたからである。然し天気予報に反し雨は止んでしまった。急遽父たちは帰ってくる。準備も満足にできていない状態で大の人間嫌いで通る父が認めるハズがない。メモリは偶々残っていた叔父に晴海の保護を頼み、止んだ雨に急な対応をした為エネルギーを使い果たし休んでいる父を休息させた後部屋に戻った父方にLuciferの血を引く孫娘であるカイリ、サトリ姉妹がメモリを庇い、叔父とカイリの夫らがメモリの恋に協力することとなった。やがて力を回復した父がdevilsの館に入っていた泥棒とメモリが愛する晴海とを混同したまま晴海を殺害しようと乗り込んでくる。更に物語を錯綜させるのが館に棲む悪霊と様々な人間等に化体する能力を持つカイリの夫が化けた晴海が入れ替わり立ち代わり父の前に現れるので父は混乱を招く顛末。おまけにエクソシストの能力を持つ神父迄現れてシリアスな恋と喜劇的要素がくんずほぐれつする様は中々工夫されており、テンポも良く進行する。さて、メモリの純愛に応える晴海の覚悟は? そして大団円は? Luciferが元々、天使であったことも思いださせることもグー。
 wowの熱

wowの熱

南極

新宿シアタートップス(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

超熱演。会場の熱気もすごく勢いのある若手劇団という評判に偽りなし。

ネタバレBOX

野球のようにメンバー紹介されていく前半で少し長さを感じた。わからないギャグやネタも多かったが会場は大ウケだった。
ギフト オア アライブ ~ふれあい夏祭り~

ギフト オア アライブ ~ふれあい夏祭り~

シベリア少女鉄道

吉祥寺シアター(東京都)

2025/07/11 (金) ~ 2025/07/21 (月)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★

発想がとにかく面白い。

ネタバレBOX

ただプレゼントのやりとりが途中から飽きてしまったのでもうひとつなにかあればなと思った。
砂漠のノーマ・ジーン

砂漠のノーマ・ジーン

名取事務所

「劇」小劇場(東京都)

2025/09/26 (金) ~ 2025/10/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/10/01 (水) 14:00

オーストラリアで、消滅したと思われていた言語を話す女性が発見され、言語学者が採集を試みる。
そんな言語をどう表現するのか、興味津々で劇場へ向かったが「その手があったか!」
という驚きの手法。
侵略者に奪われたのは言葉だけではない、民族の存在そのものであった。
その罪を一体誰に問うべきか?
出演者の努力と、この戯曲・演出の素晴らしさを忘れることはないと思う。

ネタバレBOX

頑なに言葉を発することを拒んでいたミラが、言語学者の問いにぽつぽつと答え始める。
ミラは片言ながら英語を解し、言語学者との会話はすべて英語、その日本語訳はスクリーンに
映し出される。
そして消滅していたと思われていたユーリア語は日本語で話される。
この言語表現の設定に慣れるまで少し時間を要した。

言語学者の大声の英語が、”よくあるアメリカ映画のテンション高く隙間を埋めるあまり重要でない台詞”のように聞こえたのが要因のひとつ。(努力の賜物と理解している)
だがネイティブに近づけるための彼の発音、リズム、感嘆詞などに少し慣れてくると、
”ネイティブが発する生身の言語”と”あとから獲得した言語”、そして”話さなくなって久しい言語”の
違いが際立ってくる。

圧巻はやはり森尾舞さんの「ミラ+3役」だろう。
亡くなった祖母、母、叔母と交信するかのように過去を語り、ともに旅をするミラ。
祖母とミラ、母とミラ、叔母とミラ…。二人による会話を(まるで落語のように)自然に切り替えながら紡いでいく。
この交信の際のユーリア語は流れるように語られる。
大切なことはすべてユーリア語で学んだのだと解る。
そして侵略者たちが何をしたか、なぜミラの歯ぐきから出血が止まらないのか、私たちはそれを知ることになる。

重いテーマのラストがほの明るいものであったことに救われる。
ミラはユーリア語の最後の話者ではなかった、そしてこの作品は語り継がれていくのだという確信の故である。
西尾友樹さん、森尾舞さん、作・演出、そして素朴で美しい美術等すべてに感謝します。
ライバルは自分自身ANNEX

ライバルは自分自身ANNEX

宝石のエメラルド座

ザ・スズナリ(東京都)

2025/08/22 (金) ~ 2025/08/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最初から最後まで笑いっぱなしでした!意味の分からない台詞を真顔で言い切る役者さんがとにかくすごくて。意味が分からな過ぎて台本を買いました。

ひのないところに

ひのないところに

青春事情

駅前劇場(東京都)

2025/09/24 (水) ~ 2025/09/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

あるある!という日常や各々の想いや考えも盛り沢山に入っており、分かりやすい作品でした。
救急ってどの程度で連絡していいの?はほんとそれ!と思いました。

日常話としながらも笑いあり、しんみりありで素敵な作品でした。

勿忘草

勿忘草

シレネ

キーノートシアター(東京都)

2025/09/26 (金) ~ 2025/09/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

フライヤーを見てがっつりお芝居なのかと思ってましたがセリフなしのダンスでの表現、素晴らしかったです。きちんとストーリー仕立てでしたし、皆さんキラキラ輝いてました!

ひのないところに

ひのないところに

青春事情

駅前劇場(東京都)

2025/09/24 (水) ~ 2025/09/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

心地の良い着地点で元気になれるお話しでした。それぞれのキャラも素敵でした!

「タクボク~雲は旅のミチヅレ~」

「タクボク~雲は旅のミチヅレ~」

江戸糸あやつり人形 結城座

ザムザ阿佐谷(東京都)

2025/09/18 (木) ~ 2025/09/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

あやつり人形、初体験でした。演者さんも人形も素晴らしい演技でした!

砂漠のノーマ・ジーン

砂漠のノーマ・ジーン

名取事務所

「劇」小劇場(東京都)

2025/09/26 (金) ~ 2025/10/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

小劇場B1だと思っていて、「劇」小劇場だったことに驚いた。ステージ上は2枚の大きな鏡が斜めに置かれ、中央奥で合わさる。その前にはレースカーテンが引かれている。
プレトークとして名取事務所代表・名取敏行氏がトーク。この脚本は甲斐義隆氏の持ち込み、初対面。一日で読み終え翌日には上演を決めた。だが上演予定が詰まっていたので3年掛かった。役者も演出家もその時すぐに口約束で決めた。代表をここまで駆り立てた脚本とは如何に?

2000年9月、オーストラリア北部ダーウィン。人口の約4分の1がアボリジナル。シドニーオリンピック開幕を控え厳戒態勢の国際空港滑走路に不審な女性(森尾舞さん)が侵入。大声で喚き散らし逮捕拘束。その後黙秘を続ける。彼女の叫んだ言語が25年前に最後の話者が亡くなった幻のユーリア語だと気付いた言語学者(西尾友樹氏)は興奮する。アボリジナルの滅んだ部族の言葉を話せる人間が今もまだ生きている!早速無理を言ってコンタクトを取る。何とか彼女からユーリア語について聞き出さねばならない。マジックミラーの部屋にいる彼女に隣室からスピーカー越しで話し掛ける言語学者。

言語学者の台詞は全て英語。舞台上部に日本語字幕が入る。小劇場B1のようなニ面の客席だと観客全員に見える位置に字幕を投影し辛い。だから「劇」小劇場だったのだろう。そして謎の女性は片言の英語しか話せない。彼女の母語、ユーリア語として日本語を使う。言語学者は知っている数少ない単語以外、何を話しているかさっぱり理解出来ない。

言語学者スピロ・イリアディス役西尾友樹氏は今回の役柄を「想像を絶する挑戦だった」と語る。発音までオーズィー英語だそうだ、これ全部覚えたのか?かつて三船敏郎がメキシコ映画『価値ある男』の主演に招かれ、スペイン語の全台詞を丸暗記して到着し現地のスタッフを驚嘆させたエピソードを思い出した。(発音に問題があった為、公開は吹替に)。

謎の女、ミラ・ナパチャリ役森尾舞さんの演技が神懸かっている。
叔母、祖母、母親、娘となり語らい続ける。当初それは幻聴の聴こえる統合失調症患者、多重人格者のようにも見える。だが彼女の唯一無二の凄い所は物語と共にどんどん若返って美しくなる様。精神を解放して自由に魂を広げる内に苦悩は癒やされ心が澄んでいく。彼女の語る、とあるアボリジナル一族の歴史に観客は夢中だ。グレートビクトリア砂漠にあるエミューフィールドに彼等の聖地がある。聖地を目指し何度でも旅に出る。これがアボリジナルの「ドリーミング」なのか?ずっと感覚的に掴めなかった「ドリーミング」に触れたような感触。今月末、燐光群が上演する『高知パルプ生コン事件』も森尾舞さん出演とのことで俄然観たくなった。

今作の森尾舞さんを見逃すな!鬼気迫ってる。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

5〜6万年前からオーストラリアに居住していた先住民、アボリジナルは文字を持たず、口頭伝承、歌、絵画(ドット画)で歴史や伝統を子孫に伝えた。目で見る伝達手段としての絵、耳で聴く伝達手段としての歌。

ドリームタイム(アボリジナルの創世記)に歌で創られた大地の地図=ソングライン。ここはアボリジナルのアカシックレコード(世界記憶)。アクセスすると時間も空間も越えて一族の精霊達と語り合える。ここには全ての記憶があって誰もがいる。

『進撃の巨人』の「道」の設定に近い。というよりも『進撃の巨人』がアボリジナル文化を元にしているのだろう。ユミルの民=エルディア人の精神が繋がる場所とされる「道」。その「道」の源泉となっているのが「座標」=創造主。アボリジナルでいうとドリームタイム=天地創造神話。
時間という概念を持たないアボリジナル、過去も現在も未来も同じこと。天地創造は遥か昔のお話ではなく今現在である。この感覚は「共同幻想」のことなのだと思う。同じ血族はずっと通じ合って生きている。時代を越えて共に生きる。「共同幻想」を共有して繋がっている。

25年前、病院で癌で亡くなった老婆の残した録音を聴かされるミラ。「叔母さんだ!」ミラの母親の妹である。その病院にミラも付き添った。だが叔母は病院で叫ぶ。「逃げて!逃げるのよ!」何処までも逃げなくてはならない。捕まったら矯正施設に入れられて何もかもを奪われてしまう。何もかもを壊されてしまう。マリリン・モンローになれなくてもいい。逃げ続けよ、ノーマ・ジーン!皆に愛される必要などはない。逃ゲ続ケロ!

居眠りが多かったのは字幕のせいでもある。ドラマとしては西尾森尾の関係性が段々と変わっていく様をこそ見せたいところ。言語がテーマなのは判るが、やはり日本語で演るべきだったとも思う。西尾森尾の遣り取りが日本語だった方が話に集中出来る。「ドリーミング」を体験させることこそが主題。

エピローグは自分的には不要。椅子を振り上げてラストの方が好き。

BARBEE BOYS 「ノーマジーン」

何故なんだノーマジーン?
俺のこと嫌ってるなら
笑ったり誘ったりしないでいいよ

無理をして笑う 我慢して遊ぶ
ちゃちな幸せが目当て
いつからか鏡 怖くって外す
いつも夢見ていたのに
砂漠のノーマ・ジーン

砂漠のノーマ・ジーン

名取事務所

「劇」小劇場(東京都)

2025/09/26 (金) ~ 2025/10/05 (日)公演終了

実演鑑賞

 内容と作品名の対応がやや不明なところはあるが、作品を拝見すると、
この作者は少なくともここ数年の名取事務所の上演作品群をよく
観劇されている模様。
 観るものを次第に前のめりにさせるニコラス・ビヨン張りの
スリリングな展開力やピンク地底人3号的な時空軸の巧みな操作術
などを駆使して、緻密な構成力の下、約1時間50分を駆け抜ける。
劇構造も重層的で、最近観た作品だと文学座の
『もうひとりのわたしへ』に近いものがある。

 ただ、その分、演じ分けは噺家同様に、
声色、しぐさ、顔(体)の向き、表情、言葉遣いなどを
巧みに使い分ける極度の技量が要求されるが、今回は、
十分観る側の想像力を刺激し、役柄が目まぐるしく
連続的にスイッチイングしている中にあってたとえ登場人物の声色が?
ということがあっても、観る側が活性化された想像力を働かせ
よく料簡しその不具合を乗り切れるだけの勢いやパワーが俳優側に
備わっていた気がする(今回は一人でのスイッチプレイだが、
以前トラムで上演された『レディエント・バーミン』では
確か昂進する目まぐるしさの中での二人のスイッチプレイの応酬だったか)。

 言語学者役の俳優の方もネイティブでないにもかかわらず
あれだけ英語のセリフが出てくれば立派で(それゆえ、英語が
あまり得手ではない者にもそこそこ内容が聴き取れるのだが)、
また、通常は日本語と英語の情報量の違いからどうしても
早送りになる日本語字幕の追従に気を取られ観劇がおろそかに
なりがちになるが、今回は俳優の演技を観つつ英語のセリフを
聴き取りながらなおかつ字幕で内容を再確認できる点で
オペレーターの方の字幕の送り方のタイミングも絶妙。

「タクボク~雲は旅のミチヅレ~」

「タクボク~雲は旅のミチヅレ~」

江戸糸あやつり人形 結城座

ザムザ阿佐谷(東京都)

2025/09/18 (木) ~ 2025/09/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

結城座のコラボ歴はアングラ時代に遡る(遅くとも)とは誰だったか演劇人の一人(渡辺えり?)が言っていたが詳細は分からない。
演劇の自己変革という宿命を自らに内蔵する高芸術志向(それを前衛と呼ぶのかな)の創造主体は多様に存在するけれど、糸操り人形という芸能がどう演劇的娯楽性を持ち得るかの課題は常に大きな負荷ではないか。
今作は久々に名前を見た加藤直氏による石川啄木を題材にした話であったが、とこかしら宮沢賢治の世界を覗いた気にも。ザムザ阿佐ヶ谷は狭さと座席の傾斜で人形(が登場する)劇鑑賞向き。加藤直氏らしい飄々とした、あっさり味の劇(時間も70分とコンパクト)であった(私の舌が鈍いだけかもだが..)。
会長職となった元座長(十二代結城孫三郎)の両川船遊が、常にドラマの主役啄木を演じる若い十三代目を後見し、座員一同(演者は五六名か)コンスタントに小劇場での公演を重ねている。この集団と、観客との温かい関係性の方に目が行く。歴史の中の「今」を感覚し、思考する大事さを思いながら帰路に着いた。

十二人の怒れる男

十二人の怒れる男

ハツビロコウ

小劇場B1(東京都)

2025/09/18 (木) ~ 2025/09/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/09/21 (日) 12:00

記録に誤り(抜け)がなければ観るのは通算22回目となる本作、元々の戯曲に複数の版がある上に演出(設定等も含む)の違いもあって何回観ても面白い。
今回は終盤で10号を11人が拒否する場面で何人かは座ったままだったのが(記憶の範囲内では)初めてで、むしろリアリティを感じて「その手があったか!」と。
また、口頭での採決時に「有罪……ではありません」という思わせぶり(?)な回答ではなく「無罪」だった他、省略された部分もあり進行がスピーディーな印象。
その分、最近あまり観なかった有罪側の「犯行再現」や「賢いのか愚かなのか」部分、「被告はあなたお息子さんではありません」などがあって「それな!」的な。(笑)
あと、過去にも複数あったが序盤での窓からの風に7号が寒さを訴え、席を替わる部分をカットして陪審員番号通りに座る設定は後から役者を確認するのに便利で支持。
さて、次に観るのはいつ、どの団体だろう?(期待)

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