
追手門学院高等学校 TPAM公演
追手門学院高等学校 表現コミュニケーションコース
ヨコハマ創造都市センター(YCC)(神奈川県)
2020/02/14 (金) ~ 2020/02/16 (日)公演終了

さんかくまる
はらぺこ満月
BUKATSUDO HALL(神奈川県)
2020/02/13 (木) ~ 2020/02/15 (土)公演終了

見よ、飛行機の高く飛べるを
日本工学院専門学校 声優・演劇科
片柳記念ホール(東京都)
2020/02/11 (火) ~ 2020/02/13 (木)公演終了

タイム・アフター・タイム ~風の記憶の街角で~
下北沢演劇祭実行委員会
「劇」小劇場(東京都)
2020/02/12 (水) ~ 2020/02/16 (日)公演終了

冷徹
BASEプロデュース
BAR BASE(東京都)
2020/02/07 (金) ~ 2020/02/14 (金)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/02/13 (木) 15:00
価格3,000円
渋谷近辺で起こっている女性連続殺人の嫌疑をかけられたバーのマスターは19歳の時に手にかけた父親の悪夢・幻影に未だに悩まされており……というサスペンスフルで時に禍々しい内容はいかにも望月清一郎作品。
そんな脚本のみならず低音を前面に押し出した音楽(もちろん生演奏)や不気味で不安感を煽る照明効果もかつてなかったタイプで「此処でこんな作品もできますよ」という新たな可能性を示したと言えよう。

傾斜
OM-2
日暮里サニーホール(東京都)
2020/02/14 (金) ~ 2020/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★
舞台いっぱいに拡がる巨大な「坂」を隔てた上界と下界との相克?を描く休憩無し約90分、佐々木教に代表されるOM-2の狂気と柴田恵美の不気味な動きのダンスとのコラボ、音による演出もあるので大音量が苦手な人はNGかも。中盤8-9人のダンサーが坂を登っては堕ちるシークエンスが続くのはやや単調で飽きましたが、終盤の激しいダンスは特筆もの。

ぼくらの90分間戦争
企画演劇集団ボクラ団義
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2017/12/27 (水) ~ 2018/01/15 (月)公演終了
満足度★★★
劇団による鎮魂歌(レクイエム)の様な作品。
90分間、ピンと張り詰めた空気感の中でシリアスに進む悔恨の作品。
笑いや大きな波を敢えて作らなかったからか、シンとした緊張感のある空気感は
これまでのボクラ団義さんの在り方とはまた一味違った世界観でした。
登場人物達から語られ続けるある時のある物語、
そこから全てが繋がる派生された人生達がまた奇妙にも繋がるその時空。
劇団員のみによる公演は非常に挑戦的でもあり、1つの原点回帰の様でもあった。
何度も繰り返し観るのには向いていなかったかも知れないが、
こんな作品もあって良いと、成熟した人と人との物語を楽しめました。

まんま、見ぃや!
カラスカ
新宿シアターモリエール(東京都)
2020/02/13 (木) ~ 2020/02/17 (月)公演終了
満足度★★★★★
カラスカ初観劇。正直言って、タイトルのセンスでナメてました。ごめんなさい。戦時中の検閲でつぶれてしまった、今は亡き両親の劇団「からす座」を復活させようとする娘たちのお話で、とにかく出てくる人がみなくだらなくて可笑しい。

イケメン戦国 THE STAGE
イケメン戦国THE STAGE製作委員会
サンシャイン劇場(東京都)
2019/02/21 (木) ~ 2019/02/24 (日)公演終了
満足度★★★
客席は98%女性が座っていて(当たり前か)作品自体もイケメンな戦国武将達が活躍。
織田信長が、そして多くの戦国武将達が現代からタイムスリップした“姫”にアタック。
甘い言葉を投げかけ、壁ドンや床ドン、アゴクイ…などなどのオンパレード。
ただ、意外とそれが面白かった(笑)
出演者全員が“魅せる”事に長けているからか、会場がドンドン盛り上がり、
それと一緒に自分も笑いながら楽しめた。
難しい事は何も無く、ただただ非現実的でコミカルで意外と淡い、
そんな世界観を十分に楽しめる作品でした。

藍寫眞 ~アオシャシン~
C´s PLAY FACTORY
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2019/01/17 (木) ~ 2019/01/20 (日)公演終了
満足度★★★
不思議な感覚を味わえる作品だった。
脚本がしっかりしていたからか、十分に満足して観る事が出来た。
落ち着いた雰囲気もあり、そして笑える箇所も作ってくれていて、
好きなテイストの作品をタップリと味わえた。
演説みたいに語るシーンが印象的だった。

舞台『積チノカベ』
劇団アレン座
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2019/07/11 (木) ~ 2019/07/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
初めてオリジナルの舞台を観劇しました。
(当方は外国人なのでおかしい日本語申し訳ございません)
あらすじから得た情報も少ないから、どんな話なのか、うまく理解できるか、幕上げるまですごく緊張しました。
セリフだけではなく、細かな動きから色んな情報を読むことができて、開演後すぐ積チノカベの世界に吸い込まれました。
人と人の感情、残酷な現実、すごい情報量。
観劇後の数ヶ月、どのシーンもまだ鮮明に覚えています。この人たちは確かこの世界で生きています。
日本だけではなく、世界中でも関心するべき問題も、「知ろうとしなげれば何も知らない」も、いろいろ考えさせて、勉強させました。
本当にいい作品でした。ありがとうございました。

トタン屋根でスキップ
ここ風
シアター711(東京都)
2020/02/05 (水) ~ 2020/02/11 (火)公演終了
満足度★★★★★
いくつものエピソードが、隠された事実が明らかになっていくにつれ、繋がっていく、
本筋は悲しいストーリーながら、個性の強い登場人物で笑いにつつみながら描いて、暗くならないようにしてる脚本、演出、見事でした!
何気ない最初の会話が最後に説得力をますところもポイントですね!

彼らもまた、わが息子
俳優座劇場
俳優座劇場(東京都)
2020/02/07 (金) ~ 2020/02/15 (土)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/02/13 (木) 18:30
座席12列22番
アーサー・ミラーは人間の欺瞞を、正面から描き切る作家である。登場する人物は、何かに自身の価値観を依拠し、自らの行為を正当化し、自己の責任を回避する。それを暴くのは、ただ事実のみ。事実が虚栄を剥がし、逃避を遮る。
彼の描く欺瞞は、善悪の対象でもなければ、弱さへの非難でも、ましてや自己の復権への機会でもない。ただ、そこに現出し、時には人を滅ぼし、時には人を排除する。
舞台に終始転がっているリンゴはそのうち腐り果てるだろう。まるで登場人物1人1人を象徴するように。だから、リンゴは顧みられこそすれ、けして片づけられないのだろう。
恐ろしい舞台だ。

燦々
てがみ座
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2020/02/07 (金) ~ 2020/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/02/12 (水) 20:00
座席E列5番
評価というのは難しいな。作品全体として観て、なるほど!やったね!すばらしい!と、十分に唸らせてくれる作品に出合うと、多少のことは目をつぶってでも★5つ、ということになる。しかし、そうして評価した作品と比べて、あらゆる面で評価は上回るにもかかわらず、どうしても1点これはダメかな、と思う点があると減点せざるおえない。
この作品、役者、演出、美術、装置、音楽等々、他の方々の評を待つまでもなく、十分に唸らせてくれる。躍動と抑制、破格と均衡、追求と放埓、陰影と炎熱、とにかく人間の内面劇にも拘らず、舞台は大きくうねる。とても良い。
ただ、足りないのは主役である。
この物語の屋台骨は「葛飾北斎」である。娘の栄の物語ではあるが、その栄を描くには、まずは北斎がいかなる人物であり、彼女に何を与えたのかが
描かれねばならない。今回の酒向芳をして、この屋台骨は堅牢でしたたかで、傍若無人で押しが強くて申し分ない。
周辺の絵師、花魁を含めた廓の人々、商人、市井の人々、演じる役者は中堅若手から男女まで芸達者で見誤ることなき強固な脇だ。
さて、そこで主人公栄の演技である。もう何をやっても良い立ち位置で、栄の激情と内省をとことんまで突き詰めてよいはずなのだけれど、この舞台の栄はただの町の小娘に過ぎない。女として蔑まされることへの忍従、内から湧き出てくる抗えない意欲、盲目になり周りを振り回す激情、何かに憑かれたような猛進、もっともっとというような何かが表現されていない。それを演ずる舞台が整っているだけに、もったいない。役者としてこんな機会は滅多にないのに。役者が抑えてのか、演出が抑えたのか。そもそもそれを演じ切るだけの力量が主役になかったのか。
石村みかがあと10歳若ければ演じきったろうと思われる役(否、もちろん今でもよいのだけれど)、ああ、ああもったいない舞台だなあ。
そう、観たかったのは、フライヤーに描かれた神々しいまでに狂った栄なのに。

ねじまき鳥クロニクル【公演中止(2/28 (金) ~3/15(日))】
ホリプロ
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2020/02/11 (火) ~ 2020/03/01 (日)公演終了
満足度★★★★
村上春樹は自分の作品は、小説であって、ほかのメディアの素材ではないと思っているにちがいない。ことに国内メディア(映画、テレビ、劇画化など)に任せると、国内向けにローカル化、歪曲化されるという不信感があってか、なかなか原作を提供しない。
国際的な制作環境で幾つかの映画・テレビ作品があるが、母国読者から見れば、エエッツという出来が多い。昨年は「納屋を焼く」(映画タイトル「バーニング」)が韓国で作られた(これは日本資本)が、ずいぶん違和感があった。世界的なベストセラーなのに成功しない。
そこが、ミステリのベストセラー原作と違うところだ。
しかし、演劇は、観客が日本にいる以上ここでやるしかない。口説き落として(だと思う)実現した「海辺のカフカ」(演出・蜷川幸雄)は日本の演劇界としては万全の布陣で制作(ホリプロ)、蜷川らしいケレンミ味のある大劇場向け演出も功を奏してヒットした。しかし、ここでも脚本はアメリカのフランク・ギャラティ脚色。昨年の「神の子どもたちはみな踊る」も同じギャラティ。原作を生かした脚色だった。演出は倉持功。
今回は座組が変わって、演出/振付/美術:インバル・ピント 脚本/演出:アミール・クリガー 脚本/演出:藤田貴大というクレジット。
原作を生かした脚色というのは変わらないが、今までとはかなり違う公演になった。地の文そのままではないが、それを生かした長い独白、セリフが多いのは、時間のねじを巻いて過去の物語を遍歴するという小説の仕組み(そこは「神の子どもたちはみな踊る」と似ている)を継承しているが、舞台ではコンテンポラリーダンスや音楽、舞台美術を大きく取り入れている。四角い箱と、ホリゾントに抜ける長方形の壁に囲まれたいい色彩の空間がベースになった舞台に、さまざまな場所から登場人物が現れる。幕開きから歌があるように、終始、リズム系を主体にした音楽が上手で演奏されている。随所に歌はあるが、かと言ってミュージカルではない。前衛劇のような趣向なのだが、曲芸的な見世物にもなっていて飽きない。
ドラマ的には主役の岡田亨〈成河・なかなかいい〉と隣に住む高校生が庭の古井戸の中に見るさまざまのシーンが展開する。岡田の妻久美子(門脇麦)の失踪の謎を解く、ということが物語の軸になっていて、時間は過去へとねじまかれていく。それは、個人と歴史の混在する一種の現実性のない抽象的な世界だ。ここで効果を上げているのは、人間の肉体の一部だけを見せるというダンスカンパニーの踊りの演出と踊り手の技術である。
この舞台、原作読者の気にいるかどうかは別にして、新鮮な面白い舞台作品としては楽しめた。だが、客の入りはどうだろう。カフカほどの大衆性はない。いまは満席だが、寝ている客も多い。
たまたま、この舞台、16列ながら劇場中央の席で見た。この公演では、正面から見て効果があるシーンが多く得をした気分、左右の席の方には気の毒な気もした。この際だから言ってしまうと、日本の大劇場では席の料金にもっと高低差をつけてもいいのではないか。ほとんどの劇場で最高の値段の席がそれに値しない席に対して売られている。ついでに言えば、一階に二等席がある歌舞伎座は、、やはり老舗だけに興業のツボを知っていると感心する。

燦々
てがみ座
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2020/02/07 (金) ~ 2020/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしかった!
演劇の演劇たる要素をエンタメに昇華して、感動し、また十分娯楽として楽しめる作品だった。作家と演出家の才能に拍手を贈りたい。
才能に対する残酷さと、苦悩を考えさせられた。
お栄という人間をもっと知りたいと思いました。

サイレンス
神奈川県立音楽堂
神奈川県立音楽堂(神奈川県)
2020/01/25 (土) ~ 2020/01/25 (土)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2020/01/25 (土) 14:00
2016年末に、東京文化会館でオペラ「眠れる美女」を観劇したことがある。この時は、日本・ベルギーの友好150周年を記念して上演された。長塚京三と原田美枝子が日本語パートを、オペラ初挑戦で務めるということだった。新作ではなく、果たして過去に日本語パートなるものが存在していたのかどうか、それなりに川端康成の原作をよく咀嚼していたと思った。しかし、一方で日本語パートとベルギー語パートでは、どうも美術、演出共に乖離が見られ、前者ではあくまでも日本的な様式美を追求しながら、後者では神話的な装飾が施されており、双方のセリフの受け渡しに多分な違和感を覚えたのを記憶している。
さて、今回も川端康成オペラ、新作である。「眠れる美女」しかり、この「サイレンス」しかり、西欧人は川端的な美意識が好きなんだな、と思う。むしろ現代日本人には、この美意識(他に、谷崎潤一郎や三島由紀夫を加えてもよい)は、どう感じられるのだろう、相当な違和感はないだろうか。
上演はフランス語。最近、シアターXでは字幕上演をやめたのだが、本作品だとタイトル通りのオペラなので寝入ってしまってもおかしくないだろう。とはいえ、字幕のみならず、舞台後方に投射される登場人物の心象風景も追いながらの観劇は結構忙しい。それはそれで、サイレントなオペラは疲れを招き、睡魔を誘うのだが。
観ていて、けして悪い作品というわけではないが、鎌倉の奥地にフランス人がたむろする違和感と、なぜオペラなのかという手法への疑問とが渦巻き、うーんと唸る1時間そこそこ。何を見せられたのか。キョトンとするだけ。

燦々
てがみ座
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2020/02/07 (金) ~ 2020/02/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
長田育恵さんの満面笑顔が最高に素敵な舞台でした。
開場ロビー、アフタートーク、終演ロビーと終始笑顔しっぱなし。芝居をするのが楽しくて楽しくてしょうがない、書いたものを観て貰えるのが嬉しくて嬉しくてしょうがないみたいな満開笑顔。そんな女性が創り出した物語が素晴らしくない分けがない。演劇愛、物語愛にあふれた本当に素晴らしい舞台でした。
観劇後、女性たちが眉間にしわ寄せ考え込むんじゃなく、満面の笑顔になる。素晴らしい優れた芝居って、こうゆう芝居だと思いました。
北斎の娘としての苦悩と葛藤みたいな話だけど、一途に描くのが楽しくて楽しくて仕方ない、朝ドラの主人公みたいな、お栄を書いてた時の長田さん、当時、自分と何かを重ね合わせながら書いてたのかな。
DVDの販売予約してたけど、その際はぜひ、長田さんの満面笑顔のコメントも入れてもらいたいです。予算的に無理だろうけど、副音声で舞台解説とが出来ないかな~
燦々の感想というか、長田さん感想になっちゃったんで、もう一つ。
今や売れっ子脚本家に成長した長田さん、以前みかけた公演時より体も成長した気がするんだが。気のせいか。

野兎たち【英国公演中止】
(公財)可児市文化芸術振興財団
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2020/02/08 (土) ~ 2020/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
久々のala公演、当りであった。
可児市発alaシリーズを知った最初は、懐かしい「秋の蛍」(2013)..プロデュース公演の匂いを初めて嗅いだという記憶が。頑固親父の背中、渡辺哲、おしん以来の小林綾子、今やお馴染み粟野史浩、福本伸一らも居たんだな。とある湖畔でのウェルメイドな鄭義信作のお話を松本祐子が演出。2度目の「黄昏にロマンス」(2015)は平幹二朗・渡辺美佐子による二人芝居、二人の出会いと別れのユーモラスで切ない劇は可愛げで機能的な装置が印象的。最後が谷崎潤一郎の戯曲「お国と五平」(2016)だから今回3年半振りになる。昨年の別役実「移動」には手が届かず悔しい思いをした。
新国立の主催でない公演を「小劇場」で観るのは初めてだが、この劇場が似つかわしく感じられる作品だった。優れた海外戯曲を闇の中に浮かび上らせる小劇場THE PIT。
片言日本語の英国人俳優2名(ダンとその母)と、婚約者ダンを両親に紹介するため英国から日本に帰国した主人公咲子(俳優自身はハーフのよう)が、時折Englishで会話する。その字幕を映す電光掲示板は、縦長~のと横長~い(調度仕立ての家庭用高級スピーカーのような)洒落た箱(全長3m程度か)が二つずつ計四つ。場面ごとに縦横に移動(横長のはバトンを使って上下に、縦長のは左右に)、庭の場面では緑を、別の場面では街区の風景を映し出す。この美術は・・と見れば松井るみ。新国立など大型劇場で馴染みの重鎮美術家は「目の醒めるような」装置を作る・・これには例外がないな、と確認(しかして「目の醒める舞台を作る美術家」と命名、思い浮んだ時はもっとタイトな気がしたが..まあいい)。
岐阜県可児市の一公共劇場が英国北部で精力的に活動する著名な劇場と共同し、質の高い舞台を作り上げた事に素朴に驚いた。物語も日英にまたがる新作戯曲。見開き4頁の当日パンフに載った三氏の原稿が、公演の背景を密度濃く伝えているが、それによると英国リーズ・プレイハウスなる劇場との提携契約は何と13年前。観客と相見える舞台としては初めて、漸く実った成果という。
「drama」とはこういう舞台を指す言葉ではないか。事態を興味深く進行させながら、狭間に微かだが確かに提示される社会的なテーマ。社会生活の中で「問題」を背負った当人の「不在」(このドラマの主題は失踪)が、彼を思う舞台上の人物たちと同じステージへ観客を引き込んで行く。微細を描いて太い幹を感じさせる優れた仕事であった。

どさくさ
劇団あはひ
本多劇場(東京都)
2020/02/12 (水) ~ 2020/02/16 (日)公演終了