最新の観てきた!クチコミ一覧

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暁のバッキャロー!!

暁のバッキャロー!!

株式会社Ask

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2020/03/25 (水) ~ 2020/03/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

東京タワーにペンキが塗られて、会場が華やかになっていました。寮の洗濯物が取り込まれるのを見ましたが、それが誰かはわかりませんでした(笑)。
今回も熱い男たちに泣かされました。

ネタバレBOX

相変わらずくどいですが、そこで引っ張られて「私も聞きたーい」と言う気分になるのがずるい。候補に「東京タワー」はなかったですよね?
野鴨

野鴨

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2020/03/24 (火) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かったです。と言うとちょっと語弊があるかも。
しかしなんだかみんな社会とかけ離れて生きている感じがしました。

KIRIN-JI

KIRIN-JI

鳥と舟

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2020/03/27 (金) ~ 2020/03/27 (金)公演終了

満足度★★★★★

 ちょっとエキセントリックな内容だが、自分は好み。思いがけない逆転もいいタイミングで仕込まれ飽きさせない。お勧めである。今後の予定では池袋演劇祭にも参加予定とのこと。(追記後送)

ネタバレBOX

 初見の劇団だが、ちょっと Lautréamontの“Les Chants de Maldoror”(邦訳タイトル:マルドロールの歌) を思い出してしまった。確か 1869年頃に発表された散文詩形態の作品だが、作者が誰なのかは100年以上も確定できなかった。が、現在ではIsidore Ducasse という人物であっただろうというのが定説だ。若くして自殺し、作品“Les Chants de Maldoror”を読んだアンドレ・ブルトンがシュールレアリストのバイブルと称揚したのは、仏文科出身者なら誰でも知っている有名な話だ。日本では寺山修司のファンが知っている可能性が高い。(寺山はロートレアモンが大好きだったと思われるから。)作・演出、役者何れも若いが、発想が面白い。
蝙蝠傘と南瓜【3月28日(土)~30日(月)公演中止】

蝙蝠傘と南瓜【3月28日(土)~30日(月)公演中止】

劇団銅鑼

銅鑼アトリエ(東京都)

2020/03/19 (木) ~ 2020/03/30 (月)公演終了

満足度★★★★

銅鑼のアトリエ初訪問。消毒・マスク・もぎり省略等のコロナ対応を励行。表通り(幅狭バス通り)から程よく引っ込んだ建屋の劇場スペースは下北の小劇場規模。アットホーム感がある。舞台も近く、役者の顔が化粧の乗りが目に入る程の臨場感。
芝居の方は詩森ろば所縁のスタッフ(音楽:後藤浩明、音響:青木タクヘイ、美術:杉山至)を揃えての躍動的舞台。
とりわけ客演・林田麻里女史が私としては引きであり、飛び道具的ポテンシャルを持つ(と思っている)女史が、銅鑼舞台の中にどう居住まうのかが密かな関心。ドンピシャとは行かなかったが主役・島隆(りゅう)役を担って「ならでは」の芝居になった。対する夫・霞谷役の館野元彦が銅鑼の主役級を(恐らく)担って来ただろう貫禄。どこかで見た名と思えば先般の劇団協主催の喜劇『マジメが肝心』で神父役であった。
ステージをフル活用した回転舞台、歌、ムーブ、劇中劇構造を生かした場面つなぎのフレキシブルさとテンポが詩森「演出」の特徴だが受けが良いようである。二人の現代人以外は着物であるのも趣きを醸す。(幕末の上野戦争の直前、懇意の上司が二人を避難させる目的で自宅に招くのだが、その準備の時間に夫婦の会話をしながら正装の袴を履かせる隆の妻らしい慣れた手捌きが見事であった。)

ネタバレBOX

詩森氏の「演出」が苦手、と述べている自分だが、今回その理由がより判った気がした。
場面の質としては、「OKINAWA」や「コタン虐殺」にもあった「詳しくないあなたへのミニレクチュア」的な場面がその典型なのだが、台詞をリレーしながら、ノリ良く解説というこのノリがちょっと苦手なのである(コタン虐殺のは趣きある場面になっていたが..)。
このノリはドラマの時空(この芝居では幕末の江戸)を、楽々と超越して、現代の気楽なモードに戻り時空を相対化する。これは歴史に介入して現在の視点から解釈を施すのに便利な手法であり、時代のギャップによる未消化が生じないための親切な配慮だ。が、この「現代のノリ」が、浮薄に見える。
今回はアップテンポのジャジーなMに乗って着物姿が各々体を揺らすが、場面転換を兼ねていたりするものだから、「転換仕事」が主で演技はおろそかになる。現代性の参照は役者自身であり、「踊る」形やバックの音楽も場面を規定しているが、どことなく一般化された「現代」の感性にとどまる。芝居にするまでの歴史的題材と「関係」を切り結ぶには、どうも浮薄な「現代」のありようで、別にこれが現代だと言ってはいないのだろうが、「そこに我々(の代弁者)が居る」とは思いにくい。
ドラマ的には、女性記者が、島隆に対峙する現代人であり、二人が初めて目を合わせるラストなどは良い絵であったが、余分な成分(他の現代的要素)が混じっても揺るがない構図であったかと言えば、どうだろうか・・。

今回の歴史探訪は、作者が見た隆と霞谷(かこく)の「バカップル」ぶりを軸とし、新たな扉が開かれた時代へ漕ぎ出した人たち、とりわけ因習に閉じられた女性たちの人生への願望に焦点が当てられているが、不安を超えて強い欲求に突き動かされて行く隆をはじめとした女性たちの群像描写が、作者の一方の目的だったのだろう。
ただ、島家に出入りするのは当時の舞台役者らを除けば基本士族の界隈の人間なので、島隆が仮名を教えた二人の女をもって「女性」を代弁させる事に甘さを感じる。階級性までを描き出せとは言わないが、社会が多層的であるとすれば、この芝居では同じベクトルを向いた人物で占められ、対自己批評性は薄くなる。島隆のエネルギッシュさが潜在的対立をも飲み込んで行く様が、描かれているとも言えるのだが、やや「礼賛」に傾く。その弊害は、そうなると彼女への真の眼差しを持ち得たかに一抹の疑問が湧き、史実上の彼女への興味はいまいちもたげて来ないという事がある。ここが「リアリズム」劇との別れ目と言えるかも知れない。
テキストには工夫がある。夫の死期に際し、付き合いのあった者(芝居に登場した者たち皆)が次々に見舞いにやってくる。そして夫は天気の良い庭を見たいと寝室から舞台に出てくるのだが、座椅子に座った夫・霞谷を囲んで和やかに話をする内、「死」を踏まえた話を始めた夫に「縁起でもない」と笑いにまぶした隆に、元生徒である女性の一人が「隆さん、今じゃないですか。今向き合わんなら何時向き合えるの」と言う風な台詞を言う。エネルギッシュで前向きで好奇心の塊となって暗さを排して突き進んで来た隆が、元生徒の言葉に従って「手を握り」「夫の目を見て」真情を語る場面。
一個の人間に還元していく場面ではあるが、知人環視での場面として成立するには、「現代ノリ」の残滓に引っ張られない、各々の強い存在感が、やはり欲しくなる。もっとも作者はこれがフィクションである事を表明しており、ある面で正直な作りと言えるのかも知れぬが。。
山の声—ある登山者の追想-【東京公演3月29日公演中止】

山の声—ある登山者の追想-【東京公演3月29日公演中止】

オフィスコットーネ

Space早稲田(東京都)

2020/03/25 (水) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

時に、作品の背景が、内容と相まって観客の心を打つ、という伝説的な作品が生まれる。
スッカリ忘れていた投稿作品が、受賞した時、作者がすでに亡くなっていた、という(劇場パンフによる)この作品の成立は、ヒマラヤに思いを残しながら、雪山で遭難する二人の貧しい登山者の物語を一段と引き立たせる。
没後十年の大阪の地方作家の遺作は、どれも対象へ向かう作者の誠実さを見せているが、「山の声」は自身の登山体験も裏打ちされているからか、甘いところもあって、そこが魅力になっている。
若い単独登山の青年(山田百次)が、単独登山のベテラン(河野洋一郎)に誘われ、冬の北アルプスに登る。共に下級サラリーマンで、山へ登ることが生きがいになっている。そういうちょっと鬱屈した青年、そこから抜けられなくなった中年の二人の男が好もしく登場する二人芝居である。なぜ山に登るのか、わからないが、そこにしか生きがいを見つけられない二人である。夜のキャンプ、天候に欺かれると知りながらあまりの山の美しさに惹かれて、試みる無謀な登山、と、物語は山岳冒険ものの、類型的な進行なのだが、二人の会話と、モノローグから、二人の置かれた冬山登山の困難な状況や人柄がよく伝わってくる。本も、二人が、北アルプスの連峰の美しさを語る場面、とか、家族に論及するときには、詩的な味わいもある。
今回の登山者は河野洋一郎と山田百次。この二人がいい。特に、河野洋一郎は一人立つ佇まいがこの役を生きているように、はまっている。背筋の伸び方が素晴らしい。ふたりとも単なる市井の登山者という役の行動を超えて、山(のように未知なもの)に惹かれる人間の宿命に触れている。
今回の演出は、初演を踏襲したというが、音楽だけは入れ替えてもよかったのではないか。説明的で、通俗的すぎる。そういうスタイルながら人間の高みに触れているところが素晴らしいという面はあるのだが。

「彼の名はレオナルド」/「あるいは真ん中に座るのが俺」

「彼の名はレオナルド」/「あるいは真ん中に座るのが俺」

東京マハロ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2020/03/19 (木) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

土日の二日間を残しての苦渋の決断。今日が千秋楽でした。

コオロギからの手紙

コオロギからの手紙

映像劇団テンアンツ

「劇」小劇場(東京都)

2020/03/25 (水) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

フライヤーの雰囲気そのままに、古き良き任侠映画を生舞台で体感してきたかの様。
さながら任侠映画から役者さんがそのまま抜け出してきたかの如く、かと思えば漫画から抜け出したようなタバコ屋の婆さんや艶やかなパンパンガールにオモシロ刑事!
とても書ききれないけど中には金子昇さんも加わってやたら贅沢な面白さ。

実質的には人情喜劇の要素が散らばって、もうひたすら笑ってしまうのだけれど、やっぱり描かれるはヤクザの世界。
安定の可笑しさにしっかりと紛れ込んだ不安定な幸せの行方。
「あ~っこのままじゃ泣かされる」と一応堪えようとしたものの、言葉を積み重ねられると「もう無理っ」
しっかり泣かされてしまったのでした。

笑かすのも泣かすのも全力。
自分の座った下手側の席、黒幕で見えない舞台奥の換気扇音が聞こえますが一定音なのでほぼ気にならず。
その代わり常に新鮮な空気の流れが。
その他にも、安心且つ快適に観劇できるようにも全力を尽くす劇団さんの気概がしっかり伝わってくる舞台でした。

新雪之丞変化

新雪之丞変化

Project Nyx

ザ・スズナリ(東京都)

2020/03/19 (木) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

20日午後、下北沢ザ・スズナリで上演されたProject Nyxの『新雪之丞変化』を観てきた。これは、知人の役者・もりちえが出演していた関係からである。
この作品は原作・三上於菟吉。作・白石征、構成・水嶋カンナ、演出・金守珍、美術。宇野亞喜良によるもので、かつて映画化もされていたらしいのだが、この手の和物の舞台はどちらかというと苦手で敬遠していた方だったので、原作がどんな物か一切予備知識無しでの鑑賞となった。

ネタバレBOX


話の筋は意外とあっさりしていて、長崎時代に商人をしていた両親が当時の奉行?の陰謀で心中した恨みを晴らすべく、その息子が女形の花形旅芸人・雪之丞となって江戸に上り、親の敵の元奉行を討ち果たす・・・・はずが、実は心中していた男が当の奉行で、敵と狙っていたのが実は元商人で奉行に成り代わっていた実の父親であったことが判明し、様々ないきさつから結局息子である雪之丞に殺されることになるというどんでん返しが用意されてる仇討ち悲劇のアングラ版。
以前自分が分類した小劇場系舞台3系列の中でいうなら、大衆演劇的な要素を盛り込んだアングラ劇と言えるだろう。
役者の演技では、まず雪之丞を演じた寺田結美が秀逸。狙った武士が父親だったことが判明した瞬間の心の衝撃の描写がいまいちではあったが、前編を通して男役として雪之丞を上手く演じていた。ほかにも、役者名で言えば高畑こと美、加藤忍、もりちえ、河辺珠伶の演技も素晴らしかった。出演者全体の演技の水準が高かったので、たの役者達の名前も数え上げたら全員素晴らしい!と言える舞台であった。
また、宇野の美術と金の演出がこの舞台を盛り上げており、2時間を超える上演時間が短く感じられた。
女性だけによるアングラ劇。ますますの発展を期待したい。
マクベスの悲劇【3/20(金)~4/3(金)に公演延期】

マクベスの悲劇【3/20(金)~4/3(金)に公演延期】

劇団俳優座

俳優座スタジオ(東京都)

2020/03/15 (日) ~ 2020/04/03 (金)公演終了

満足度★★★

 マクベスというタイトルではなく、マクベスの悲劇とした点に、今作の主張はあるように思う。その点は、強調されていたと思うのだが、演出にはもっと何故今マクベスの悲劇をやる必然性があるのかを検討して貰いたい。役者陣の熱演はグーだが、(追記後送華3つ☆)追記2020.4.12:03:13

ネタバレBOX

何故、今この作品を上演するのかの意図が突き詰められていないように思える点で評価を下げた。
 六本木は特殊なエリアである。 東京都港区六本木7丁目23には、米軍のヘリポートがあるのは、良く知られた事実。(環状3号線や六本木トンネルの脇だ)歴史的にも戦前からの山の手の浅草のような演劇、寄席等を含めた盛り場のあった麻布界隈からも近い、敗戦後の米軍による占領により米兵が六本木に繰り出し、多くの問題を起こしたが日本には彼らを抑える法もなく、米兵のやりたい放題であった為麻布界隈の住人達から総スカンを食ったという歴史がある。
ところで、日本外務省は日本に滞在するアメリカ人の数を現在も正確に把握できない。この「コロナ騒ぎ」にあっても然りである。パスポートコントロールが不可能だからだ。何故なら日米地位協定によって米軍基地内で米軍は、排他的管理権(基地内で総て自分たちの好き勝手ができる権利)を持ち、日本は決して彼ら(米軍関係者*)の出入国に関して異を申し立てることができない(出入国管理法の適用除外)が認められているからだ。この2つの規定故に、米軍関係者は一切、出入国の手続きを経ず、米国から日本の米軍基地に降り立ち、日本に入国して勝手に動き回ることができ、在日米軍基地から米国に帰ることができる。俳優座のある場所から歩いても大した時間の掛からない場所に米軍ヘリポートがある、と態々指摘したのは、このような日本の現況あるが故だ。こういった現実こそ、魔女たちの預言そのものが持つ矛盾を現実化したものに他なるまい。伝統ある劇団がこの程度のことを知らぬとすれば、これは演出の知的怠慢、水を使って俳優を絞ることなどより遥かに大切で本質的な問題提起たりえたハズなのである。創造に関しては無論、更に深く、本質的な指摘をしても良いのだが、この程度のことが分かっていないようではそこまで記す必要はあるまい。
*沖縄の事件以降、米軍について変更はないが、関係者については多少変わった点があるかも知れぬ。調べてみたい方は、ご自分でどうぞ。
野鴨

野鴨

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2020/03/24 (火) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/03/26 (木) 19:00

125分。休憩なし。

病める時も、健やかなる時も

病める時も、健やかなる時も

劇団NLT

オメガ東京(東京都)

2020/03/25 (水) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★

鑑賞日2020/03/26 (木) 14:00

85分。休憩なし。

マクベスの悲劇【3/20(金)~4/3(金)に公演延期】

マクベスの悲劇【3/20(金)~4/3(金)に公演延期】

劇団俳優座

俳優座スタジオ(東京都)

2020/03/15 (日) ~ 2020/04/03 (金)公演終了

満足度★★★★★

シェイクスピアの有名な戯曲「マクベス」を堪能できました。重厚で怪しげな雰囲気の中、マクベスの野心や、それに反した小心さ等、良く描かれていました。役者さん達の演技は確かで、客席が一体となった演出、水による演出など、観応えがありました。素晴らしい舞台でした!

野鴨

野鴨

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2020/03/24 (火) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かったです。

ネタバレBOX

家族を愛し、発明家になることを夢見て生きて来た男が、お節介で理想を追求する実業家の息子から娘の出生の秘密や、そもそも男や男の父親が実業家の庇護のもとにあったことなどを教えられ、精神が錯乱し、娘に辛く当たったことで娘が自殺するという話で、まるで男の家の小屋の疑似自然の中で飼いならされ家畜化した野鴨のようだとする話。

分かり易い伏線がたくさん散らばっていました。

今年三作品目のイプセンでした。特許を取って一獲千金を狙うというのが今回の経済活動の一項目でした。当時は電話などの発明に啓発された人が多かったのでしょうね。
野鴨

野鴨

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2020/03/24 (火) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

この劇団というかユニットの舞台には、独特の暗いトーンがあるように感じる。そのトーンに合う台本を毎回的確に選んでいるように思う。

歳月/動員挿話【3/28-29公演中止】

歳月/動員挿話【3/28-29公演中止】

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2020/03/17 (火) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

作品の持つ滑稽さというか皮肉っぽいところをうまく見せてくれる演出と感じた。

野鴨

野鴨

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2020/03/24 (火) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/03/26 (木) 19:00

くっきりしたキャラとキャスティングの妙を堪能。
深刻な事態を、離れたところから冷やかに見るイプセンは、だが
この愚かしい人間をこよなく愛している。
「正義」が己の行動の判断基準であるうちは結構だが、
他人の価値観を攻撃した時、それは単なる“はた迷惑”でしかない。

ネタバレBOX

舞台にはぴんと張った白いクロスがかかったテーブル、
赤いバラの細い花瓶が中央に置かれている。

明転すると、上手の隅にひとりの老人が立っている。
長いためらいの後、ようやく声をかけようと前へ歩を進める。
彼は奥へ通されるが「帰りは裏から出るように」と言われる。

実業家ベルレが仕切る町の、ここは彼の屋敷だ。
冒頭のみじめなエクダル老人はかつて彼と共に事業に携わっていたが
ある事件の責任を押し付けられて転落。
ベルレは罪滅ぼしのつもりか、エクダル老人に毎月“仕事”を渡している。

ベルレの息子グレーゲルスは、そんな父親を嫌悪し、激しく罵る。
自分の幼馴染でもある、エクダル老人の息子ヤルマールは
ベルレのかつての愛人ギーナを当てがわれて結婚、何も知らずに娘を育てている。
グレーゲルスは、すべての秘密を白日の下に晒して出直すのが正義だと主張、
ヤルマールにギーナの秘密を告げ、真実を知ってからが本当の夫婦だと言うが・・・。

「正義」を振りかざして余計なことをする青二才…、と思っていたら
言われた方のヤルマールも“愛と憎しみは紙一重”みたいに
罪の無い14歳の娘を拒否し、ひどいことを言って深く傷つけてしまう。
そして娘は「一番大事なものを手放すことがお父さんへの愛情の証」という
グレーゲルスのまたまた理想論に影響されて、
大事にしていた野鴨を殺すことを決意するのだ。

救いの無い展開ながら、欠点の多い人々が人間臭くリアル。
力のあるものがゴリ押しをして、弱者はそれを受け容れるしかないという構図は
いつの時代も変わらず普遍的なテーマだ。

撃ち損ねたために湖の底から犬に拾われ飼い慣らされた野生の野鴨は、
現実を受け入れた少女そのもの。
自らの胸を打ち抜いて野生に還る。
母ギーナのようにしなやかに生きるには14歳は若すぎるのだ。

終わってみれば、実業家ベルレと、その再婚相手セルビー夫人の
互いのことをすべて打ち明け合った上での結婚こそが
皮肉にも“正義の息子”グレーゲルスの理想形だ。

ベルレ(松本光生)とセルビー夫人(和田真季乃)が俗物的なのに大変魅力的。
14歳のヘドビックを演じた葵乃まみさんがドハマリで年齢の無理感ゼロ。
ベルレに影のように付き従う使用人ペテルセン役の井手麻渡さん、
極端に台詞の少ない役ながら、その微妙な表情や間で何と豊かに語ることか。
飲んだくれのレリング医師を女性にしたところは少し驚いたが、考えてみれば
別に男性医師である必要はない。
熱血漢らしい台詞に説得力があった。

ラスト崩壊した家族の跡に座るベルレにペテルセンが告げる。
「(グレーゲルスは)これからも理想を追求していくそうですよ」
ったく懲りない奴だ。
欠点ありまくりの人々がくり広げる劇的なドラマはイプセンの独壇場。
私の人生もまた俯瞰して見れば、こんな風に愚かしく可笑しなものなのだろう。



暁のバッキャロー!!

暁のバッキャロー!!

株式会社Ask

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2020/03/25 (水) ~ 2020/03/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

熱くて泣けて笑って感動させられた(^-^)

実話が元でタワー完成がメインで
昭和の熱血男たち&情熱の女性たちが繰り広げるドラマでした
=2時間10分の作品

しかし演者も観客も誰も咳込んだりしてないのに
マスク着用をって・・「へっ」とか思うけど
現在の社会環境を鑑みるに
主催側のコノ配慮は正しいし同意する
まぁ同調圧力にも権力にも金にも女にも弱いですし・・・・
でも正しい感染症知識も仕入れて欲しく思うデス
EX:マスクとひもの接着面が外側に付いている方が表になります

ネタバレBOX

組み上げ完成の年末に
初の缶ビール発売でしたか~近くの女子さんが
作中での缶ビールの開け方に???みたいでしたが
プルトップでもなけりゃ缶の栓を取るタイプでも無くて
たぶん・・・鷹のクチバシみたいな栓開け用の金属金具で
フタに穴開けるのだと・・・・昔のトマト缶も進化遅くて
そんな感じだったのを記憶してます
時代の進化とかが感じられて面白かったシーンでしたわ(^-^)
野鴨

野鴨

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2020/03/24 (火) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

原作が・・・レトロだなぁ・・と感じましたが
それを役者さんが丁寧に演じていて
小道具とか
間とか
と出来が良く
対感染症にも心配りが良かったデス

学園探偵薔薇戦士

学園探偵薔薇戦士

フリーハンド

萬劇場(東京都)

2020/03/25 (水) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

話が面白い!設定もわかりやすいです!
テンポ感もよいし、ワクワクしながら観れました〜!

新雪之丞変化

新雪之丞変化

Project Nyx

ザ・スズナリ(東京都)

2020/03/19 (木) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/03/25 (水) 14:00

座席1階

「アングラ女優トーク」と題するアフタートーク付きのマチネを見た。その中で、水嶋カンナともりちえが梁山泊の同期だと知った。梁山泊の舞台に出続け、ニクスを引っ張る水嶋はアングラ女優というイメージだが、桟敷童子で底力を発揮するもりちえはアングラ、という感じはしないなあ(笑)

さて、そのもりちえと水嶋カンナの化学反応を楽しみに見に行ったスズナリ。新型コロナで劇場はどこもすいているのだが、この日のスズナリはほぼ満員だった。やはり、もりちえの存在感はすごい。結構な悪役で、しかも大店・広海屋という男性の役だが、超早口のせりふの切れもよく、もりちえここにあり、という感じだった。

「女歌舞伎」と銘打って和ものに取り組むのはニクスでも珍しい。歌舞伎らしい演出もあったが、何よりラストシーンのどんでん返しがやっぱり梁山泊テイスト。今回も大いに期待に応えた。

「長崎の仇を江戸でうつ」雪之丞役の寺田結美は、一昨年の「星の王子様」にも出演している。今回は大抜擢という感じだが、「日本髪のかつらは重い」(アフタートーク)と言いながら、迫力ある舞台に仕上げて見せた。水嶋は「私は顔でスカウトしました。背が高いのもいい」と語っていたが、これから大きく羽ばたいて次世代アングラを背負う「アングラ女優」になってほしい。

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