新雪之丞変化 公演情報 Project Nyx「新雪之丞変化」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    20日午後、下北沢ザ・スズナリで上演されたProject Nyxの『新雪之丞変化』を観てきた。これは、知人の役者・もりちえが出演していた関係からである。
    この作品は原作・三上於菟吉。作・白石征、構成・水嶋カンナ、演出・金守珍、美術。宇野亞喜良によるもので、かつて映画化もされていたらしいのだが、この手の和物の舞台はどちらかというと苦手で敬遠していた方だったので、原作がどんな物か一切予備知識無しでの鑑賞となった。

    ネタバレBOX


    話の筋は意外とあっさりしていて、長崎時代に商人をしていた両親が当時の奉行?の陰謀で心中した恨みを晴らすべく、その息子が女形の花形旅芸人・雪之丞となって江戸に上り、親の敵の元奉行を討ち果たす・・・・はずが、実は心中していた男が当の奉行で、敵と狙っていたのが実は元商人で奉行に成り代わっていた実の父親であったことが判明し、様々ないきさつから結局息子である雪之丞に殺されることになるというどんでん返しが用意されてる仇討ち悲劇のアングラ版。
    以前自分が分類した小劇場系舞台3系列の中でいうなら、大衆演劇的な要素を盛り込んだアングラ劇と言えるだろう。
    役者の演技では、まず雪之丞を演じた寺田結美が秀逸。狙った武士が父親だったことが判明した瞬間の心の衝撃の描写がいまいちではあったが、前編を通して男役として雪之丞を上手く演じていた。ほかにも、役者名で言えば高畑こと美、加藤忍、もりちえ、河辺珠伶の演技も素晴らしかった。出演者全体の演技の水準が高かったので、たの役者達の名前も数え上げたら全員素晴らしい!と言える舞台であった。
    また、宇野の美術と金の演出がこの舞台を盛り上げており、2時間を超える上演時間が短く感じられた。
    女性だけによるアングラ劇。ますますの発展を期待したい。

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    2020/03/27 15:46

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