
明日ー1945年8月8日・長崎(2020年@シアターX)
演劇企画イロトリドリノハナ
シアターX(東京都)
2020/09/03 (木) ~ 2020/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
明日と聞けば誰でも未来を明るいものと見做す。これがポピュリズムの反映である。然しサブタイトルにはーが入りーの後には1945年8月8日・長崎―と入る。タイトルが見事に示しているように今作の本質はこの点に在る。
Bチームに出演もしているが、今作の脚本・演出を担ったのは女優として活躍してきた森下知香さん。初演時も一所懸命に取り組んでいらしたが、今再演では、原作の読み込みが更に深くなっていた。脚・演出がことと相俟って照明は無論のこと舞台美術、音響も実に良い。(追記2020.9.27:02:34・華5つ☆)

Killing Moon
DANCETERIA-ANNEX
WAKABACHO WHARF 若葉町ウォーフ(神奈川県)
2020/08/29 (土) ~ 2020/09/01 (火)公演終了

Killing Moon
DANCETERIA-ANNEX
WAKABACHO WHARF 若葉町ウォーフ(神奈川県)
2020/08/29 (土) ~ 2020/09/01 (火)公演終了
満足度★★★★★
テンポがいいから見ていてぜんぜん飽きなかった。
こう言う舞台作品て結構希少。
後は寺田さんが可愛かった。
それと寺田さんが可愛かった。

かがみの孤城
ナッポス・ユナイテッド
サンシャイン劇場(東京都)
2020/08/28 (金) ~ 2020/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★
順調に9月の3本目。
分類するとファンタジー少しだけミステリーとなるだろうか。久しぶりに演劇らしい演劇を観た気がする。少なくとも9月の2作は観客を選ぶというか作者が作りたいように作った作品だった。本作は原作が本屋大賞をとったこともあってサービス精神に溢れている。何か変だなあと感じたらそれは伏線で終盤に回収されることになっている。あ、もちろん「どうして鏡の中に入れるの?」といった根本的な疑問はグッと飲み込むしかない(笑)。もっとも長編小説を2時間の舞台にしたのでナレーションが多いなど窮屈なところはある。しかし年寄り頭でも理解に苦しむことはなかった。
生駒里奈さんはNo1グループのセンターとしてはオーラの薄いアイドルであったがそれが幸いして本作のようなしっかりした心を持ちながらもそれを表に出せない、あるいは出さない中学生役にはピッタリである。またこの孤城の中では集められた7人は対等なので生駒さん一人が目立ってしまってはいけない。そういう点でも望ましい特質である。
フェースシールドのせいか全体にセリフの明瞭度が落ちていた。とくに早口で強くいうところはかなり聞きづらい。少しトーンを抑えてゆっくり目にしゃべった方が良いと思う。
コロナのせいで席は一つおき、空いている席に荷物を置いて両方のひじ掛けを独り占めして観劇するなんてコロナ終息後には味わえなくなる贅沢である。思えば夏の小劇場、汗っかきで横幅の広い人の隣になって俺何か悪いことしたっけと泣きたくなったことのあるあなた、今は天国です。

GIRLS TALK TO THE END
藤原たまえプロデュース
千本桜ホール(東京都)
2020/09/02 (水) ~ 2020/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
ついたてにビックリ!!!
今回の目玉はこれか! インパクトあり。
業界初。他の芝居でも、まだ、見たことはない。
いままでと違う、作風と聞いていたので、興味津々だった。
(落ち)がスゴかった。うわー、っていう感じ。
すごーくおもしろかった。
ダンスと、ダンスの曲がよかった。
曲は、アニメの(おそまつさん)の主題歌に似ていて、楽しそうで好きです。
以下、ネタバレに記しますが。

IN HER TWENTIES 2020
TOKYO PLAYERS COLLECTION
シアター風姿花伝(東京都)
2020/09/02 (水) ~ 2020/09/07 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/09/04 (金) 20:00
開演から芝居に引き込まれました。
各年齢の色がパステルカラーで美しい20代の輝きを発していた。

星の数ほど星に願いを
プラグマックス&エンタテインメント/S・D・P/サンライズプロモーション東京
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2020/08/27 (木) ~ 2020/09/06 (日)公演終了
満足度★★
前情報もなく、フラッと観に行った。
ナンセンスギャグは好きなものも多くあったけれど、ひとつの芝居としてはあんまり好みじゃなかった。
はじめから終わりまで、社長さんがツボだった。

明日ー1945年8月8日・長崎(2020年@シアターX)
演劇企画イロトリドリノハナ
シアターX(東京都)
2020/09/03 (木) ~ 2020/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★
ずいぶん前に読んだ小説の舞台化。それも再演である。初演も観ているが、劇場が変われば舞台印象も変わる。
初演に比べ横に広がりのある舞台は、物語の中心にある家族と、それ以外の情景を上手く描き分け、当時の状況・情景に広がりと奥深さを表す。
(途中休憩を含め2時間15分) 【Aチーム】

ひとよ
KAKUTA
本多劇場(東京都)
2020/09/03 (木) ~ 2020/09/13 (日)公演終了

ひとよ
KAKUTA
本多劇場(東京都)
2020/09/03 (木) ~ 2020/09/13 (日)公演終了
満足度★★★★
このコロナ規制が行われているさなかに、小劇場がかなり大きな箱で公演するという勇気にまず敬意を表しよう。演目に劇団の三演円目になる代表作を選んだのも見識である。
苦難の時期に代表作で勝負しようという心意気。戯曲は、現在の世相をよくとらえていて、ドメスティックバイオレンスから生じた夫殺しを軸に、地方都市の生活の実感(犯罪者への差別、偏見、問題を抱えてここに流れ着く他郷からの流れ者への対応)を小さな家族営業のタクシー会社を舞台に一つの家族に集約した秀作で、11
年初演、15年の再演(共に主演は岡まゆみ)、も、どこかで受賞していると思う。戯曲は時々に代わっているのであろうが、難しい素材を巧みに処理した現代劇の秀作である。さらに映画では、若い白石和弥監督が主演者に田中裕子を迎えて優れた映画作品を創り上げている。
今回の公演は主演に渡辺えりを迎えている。その功罪が今回の公演の全てのような出来である。確かに、今の社会環境の中で、夫殺しの犯罪者を出した家族の生き方は、ことに地方都市では気の重いものであろう。夫殺しの原因が家庭内暴力であり、そのことで青春期にあった家族それぞれがその負荷を追っていくとは苦難の道であったろう。主人公もそれを見越して、刑期を終えた後、八年間も故郷に戻ってこなかった。
その苦しみと、家族の運命の重さが、渡辺えりのガラに合わないのである。何事もなかったように家業の中に戻っていくところなどは、この女優のガラがあってこそ成立するのだが、それが戯曲の新しい狙いになったとは思えない。
コロナ禍の中で、あまり重いテーマでは、と考えたのだろうが、その配慮が裏目に出た。幕切れの渡辺えりの号泣が何のための号泣なのか観客につかめない。家族それぞれの生き方が変わった「母」への思いもよく伝わらない(登場人物13名は一人づつよくかけているが少し多いか)
一夜は何があっても物理的には一夜でしかないが、それを受け取る個人になるとその長さと重さはそれぞれである、というようなせりふが最後に出てくるが、そんな相田みつおみたいな言葉よりも深いシチュエーションが舞台では提示されている。

星の数ほど星に願いを
プラグマックス&エンタテインメント/S・D・P/サンライズプロモーション東京
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2020/08/27 (木) ~ 2020/09/06 (日)公演終了
満足度★★
鑑賞日2020/09/03 (木) 19:00
観客の数が多ければ中には笑い上戸の人もいて、随所で笑いが起こって盛り上がるんでしょうが、コロナ禍で客席はスカスカ。殆ど罰ゲームのようなステージでした。それでもめげずに最後まで全力でやり遂げた役者はブラボー。

IN HER TWENTIES 2020
TOKYO PLAYERS COLLECTION
シアター風姿花伝(東京都)
2020/09/02 (水) ~ 2020/09/07 (月)公演終了
満足度★★★★
9月2本目の観劇。
舞台上手手前から下手手前にかけて半円形に10個の椅子を並べ、反時計回りに20歳から29歳までの主人公役の女優さんが座る。20歳から順に立ち上がって自分のことを語り、過去と未来の自分から突っ込まれるという作りになっている。担当でない年齢の時は友人や同僚役などをも演じる。これが最近ボケの進んだ老人の頭を大いに混乱させてくれたが若い人なら大丈夫だろう。
まあしかし何も大きな事件は起こらない。これならここにいる女優さん達の半生の方がよほど起伏に富んでいるのではないだろうか。今の若い人はそういう現実感のある話の方が共感できて評価するみたいだ。それにしても葛藤がないというか努力が足りないというか、ふあっと流されて行くように見える。それとも努力していることをたとえ物語でも表には出さないというのが現代の若者流なのか。何か年寄りには物足りないので星3つとなる。しかし、24歳役の榎木さりなさんは今田美桜と上戸彩を足して2倍したくらい可愛く美しい。私の子犬のように繊細なハートはいつの間にか盗まれてしまっていた。星1つアップするので返してほしい。

湖国への約束
チエノミ
高円寺K'sスタジオ【本館】(東京都)
2020/08/28 (金) ~ 2020/08/30 (日)公演終了
満足度★★★★
本来なら観ること叶わなかったはずの、東京での公演。
有難いことにZOOM生配信をしてくださったおかげで、リアルタイムに観劇できました。
3方向からのアングルを、視聴者側で自在に切り替えできるという画期的試み。
わたしはあえての下手アングル固定で、下手最前列に座って観劇してる感覚を味合せて頂きました。
これが驚く程に臨場感があって、まるで本当にそこに座って観ているかのような気持ちに。
観てる間、わたしはすっかり高円寺に居ました、感激。

King of Mask
劇団スクランブル
スタジオ「HIKARI」(神奈川県)
2020/09/02 (水) ~ 2020/09/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
相変わらずの面白さ。とてもよかったです。いつもより少し短めの内容ながら、まとまっていたと思います。中根さんや、もみさんのいつもの感じのお芝居も安心して見られてよかったです。次回も楽しみにしています‼️

IN HER TWENTIES 2020
TOKYO PLAYERS COLLECTION
シアター風姿花伝(東京都)
2020/09/02 (水) ~ 2020/09/07 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/09/03 (木) 17:00
10人の女優さんたちが、各々、個性を発揮しながら、それらが調和した素敵な舞台でした。

一重まぶたでごまかせたなら
GORE GORE GIRLS
駅前劇場(東京都)
2020/08/13 (木) ~ 2020/08/17 (月)公演終了

擬鯛
鯛プロジェクト
新宿スターフィールド(東京都)
2020/08/29 (土) ~ 2020/08/31 (月)公演終了

女々しき力プロジェクト〜序章『消えなさいローラ』
オフィス3〇〇
本多劇場(東京都)
2020/08/21 (金) ~ 2020/08/23 (日)公演終了
満足度★★★★
いろんな作品へのオマージュを込めた別役実の隠れた秀作。なんといっても別役にしては分かりやすい。ローラが、帰ってこないトムを待つのは「ゴドーを待ちながら」のよう。母親がすでに死んでいて、ローラがその遺体を母の椅子に座らせたままでいるのは、ヒッチコック「サイコ」のよう。そして「ガラスの動物園」のパーティーの後片付けをしないまま、時が止まった家は、ゴシックホラーのようであった。テーブルの上の干からびたお茶やパン粉を食べさせる、渡辺えりと尾上松也のやり取りが、ユーモラスで面白く、大いに笑えた。
最初は、渡辺えりが演じるのはローラなのか、母親なのか、一人二役なのか、そういうもやもやから入るけれど、すぐに、これはローラの二重人格化とわかってくる。そういう謎ときの要素、過去の輝いた瞬間から抜けられないローラのいじらしさ。そして最後に尾上松也が明らかにするトムの死。切ない芝居であった。

三谷文楽『其礼成心中』
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2020/08/13 (木) ~ 2020/08/20 (木)公演終了
満足度★★★★
よかったです。三谷幸喜らしいパロディがうまく成功していた。曽根崎の森の饅頭屋が、「心中店の網島」を書いた近松に文句を言いに行くと、「俺に芝居を書いてほしければ、俺が書きたくなるような心中事件を起こして見ろ。それなりの心中、それなり心中」という展開に、笑ってしまった。

Fly By Night~君がいた
conSept
シアタートラム(東京都)
2020/09/01 (火) ~ 2020/09/13 (日)公演終了
満足度★★★★
コンパクトながら心にしみるミュージカルでした。福井晶一演じる父・マックラムのクライマックスの歌がいい。亡妻とのなれそめを歌う「セシリー・スミス」、そしてベルディ「椿姫」から「乾杯の歌」。オペラは苦手という無骨な男も、好きな女性と見るオペラは別。「何を聴くかより誰と聞くかよ」の歌詞がしみます。「人生は誰と歩くかが大事」というセリフもよかった。二人の女優の歌もよかった。狂言回しの原田優一が、姉妹の母親役、怪しい女占い師役、その他を当意即妙に演じ分け、コミカルにテンポよく物語を進めて、飽きさせない。芸の幅が広くて感心した。
最後の停電の日に、停電のおかげでマックラムは命を救われ、ミリアムの受けた占いの「527」の本当の意味も明らかになる。
子供のハロルドが停電を怖がった時、機転の利く母親がやった、目隠しして10数えるというおまじないにも、人生の智恵があった。目隠しの闇に比べると、停電しても少しの明るさが強く感じられ、怖くなくなると。光を感じるには「闇」を知らねばならないということだし、もっとる来事を考えれば、日常の幸福を感じ取ることができるということである。
「停電があるから光が必要なように(?)、闇があるから希望が必要だ」という科白はベタな分引用しやすいが、上記のおまじないの方が深みがある。