
親の顔が見たい
Art-Loving
APOCシアター(東京都)
2020/09/16 (水) ~ 2020/09/22 (火)公演終了
満足度★★★★★
やりすぎ感は有るものの、とても見応えが有った。
抑えた演技が随所に観られて、コロナ対策で興醒めな部分を差し引いても満足度高し。

ゲルニカ
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2020/09/04 (金) ~ 2020/09/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
「ゲルニカ」について知らなさすぎたまま見てしまいました。私が彼、彼女の立場だったらどうしただろうと思いながら見ていたらヒリヒリしました。
新しくなったPARCO劇場に行ってみたいというのも今回の観劇の理由の一つですが、古いほうをよく覚えていないのでした。表の入り口やロビーは確かに広く綺麗になった気はしましたが、劇場自体の印象はそう変わらないような・・・。知人が「パルコ劇場のキャットウォークは怖いから嫌い」と言っていましたが、改善されたでしょうか。

十二人の怒れる男
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2020/09/11 (金) ~ 2020/10/04 (日)公演終了
満足度★★★★
おなじみのディスカッション劇である。もう何度も見たが、何度見ても面白い。陪審員が十二人。問われた裁判は、少年の父親殺し。ニューヨーク下町の貧しい家庭の犯罪である。有罪対無罪の比率が最初は11対1.これが話し合ううちに次第に無罪へ変わっていく。陪審員番号8号、映画ではヘンリーフォンダが演じたおいしい役を堤真一が演じる。今回のキャスティングは、いろいろなところから面白い俳優を集めている。山崎一のような意外な役柄もあるし、絵で書いたようにハマった石丸幹二、溝渕淳平。柄で説明しきったような青山達三、永山絢斗,それぞれ役の味に本人のガラも加えて健闘しているのだが、どこか物足りない。演出が英国人の為かと紹介文を見ると、コロナ騒ぎで来日せず、リモートで、映像を見ての演出だった由。これでは、演出側も、俳優側も一応の動きになってしまって。行き届かない。生身の人間で切り結ばないと、お互い豆腐を切っているようで歯がゆかったに違いない。言葉が分かる、解らないの問題ではない。舞台に肉感が乏しくなってしまう。それでも、おもしろいのは脚本の功だろうが、今回は50年代のニューヨーク下町の陪審員の生活感覚はかなり切られていて、話し合わなければならない、という事と、被疑者への偏見が、クローズアップされている。(戯曲を手にして見たわけではないので間違っていたら後免)今までの公演では、幕開きはニューヨークの下町のグランドノイズだったと思うが、今回は優しい音楽から入る。そういうところにも時代を感じた。休憩なしの2時間。

親の顔が見たい
Art-Loving
APOCシアター(東京都)
2020/09/16 (水) ~ 2020/09/22 (火)公演終了
満足度★★★★★
子供の為?いいえ全ては自分の為 そうやってもみ消されるのは現実では日常茶飯事 それぞれ極端なキャラで心をざわつかせてくれました
ありがとうございました

シャザイカイケン
最新旧型機クロックアップ・サイリックス
湾岸劇場博多扇貝(福岡県)
2020/09/11 (金) ~ 2020/09/13 (日)公演終了
満足度★★
途中まで、ある講師やある記者が怒るシーンが多かったからか、イライラしながら観てました。終盤、コロナ差別につながってきたところで落ち着きましたが。
なんでも謝罪を求める世の中がどうなのか、みなさん、誹謗中傷等せず、お互いに思いやり理解し合いましょう。
ボールペンとスマホが大量に落ちてくるのは、前作だったか、メガネが落ちてくるのと重なりました。
会見本番時の消毒し続ける男女は、不要だ!
マスクの着替えは、ちょっと面白い。

センポ・スギハァラ
劇団銅鑼
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2020/09/17 (木) ~ 2020/09/22 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/09/17 (木) 18:30
カーテンコールで役者全員が揃った時の皆の笑顔が輝いた。客席はいつもの半分以下だが、芝居が始まったという満足感のようなものだと思う。拍手をしている自分たちも、芝居を見られる満足感に浸された。
劇団銅鑼の伝統の演目だが自分は見るのは初めてだ。命のビザ、杉原千畝の物語。解説は無用だ。何も考えずに舞台に没頭できた。
杉原氏の人柄がよくわかる演出だ。ビザ発行で助けられるユダヤ人家族の物語も対比させながら、本国の訓令に逆らってまでも通過ビザを出し続けた杉原氏と緊迫した当時の世の中を浮かび上がらせる。
途中休憩(10分間)はない方がよかったか。もう少し前半の会話劇を精選して、2時間ちょっとに抑えながら一気に駆け抜けた方がよかったと思う。

心の嘘
劇団俳優座
俳優座スタジオ(東京都)
2020/09/04 (金) ~ 2020/09/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/09/13 (日) 13:30
名前は知ってたんだけど、日本ではなかなか上演されない劇作家、サム・シェパードの作品をやっと見ることが出来て大感激。ベテランの役者勢による屈折していて一癖も二癖もあるステージを堪能しました。

メイカ 魔女と幕末の英雄
ENG
シアターサンモール(東京都)
2018/08/29 (水) ~ 2018/09/02 (日)公演終了
満足度★★★★
持田千妃来さん出演。
高杉晋作を軸にした幕末の長州藩と、魔女の物語。この組み合わせでどんな舞台になるんだろうかと。想像できませんでした。
長州藩の奇兵隊と撰峰隊の争いなど、史実をいろいろ知りたくなりました。純粋に興味深かったです。
主役は魔女の持田さん。自分は2016年から拝見してますが、主演舞台を観劇するのは初めてです。さすがというか、貫禄さえありました。それまで剣を持った殺陣が多かったですが、人形使いのアクションは新鮮でした。

『夜鷹と夜警』(よだかとやけい)
東京No.1親子
ザ・スズナリ(東京都)
2020/09/11 (金) ~ 2020/09/22 (火)公演終了

心の嘘
劇団俳優座
俳優座スタジオ(東京都)
2020/09/04 (金) ~ 2020/09/20 (日)公演終了
満足度★★★
9月の8本目。
「これって面白いんですか?」と観客の皆さんに聞いて回りたいくらい見どころが分からなかった。
家族を思い、ぶつかり、すれ違う。そういう物語ではあるのだが「それがどうしたの?」と聞きたくなる。大げさな演技、思わせぶりな言葉はたっぷりあるが実質の中身がない。どうも私はアメリカの現代劇との相性が悪いみたいだ。
年配の俳優さんの演技が的確なことには感心した。

ゲルニカ
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2020/09/04 (金) ~ 2020/09/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
リニューアル前も足を踏み入れた事のないPARCO劇場を見たさに、とはこじつけで、専ら長田女史のこの題材は必見と大枚はたいて観劇した。
序盤にも関わらず俳優の台詞に宿る感情、というか、それらで構成される場面が細密で、栗山演出の力量だな、と感じ入る。
盆を使った装置転換と照明を使った心理的な場面転換、殆ど前面に出ないが深層に響くような音楽、俳優はその上に配されている印象だ。
氏がよく使う象徴的な大型装置は、今回バトンで吊られる赤い布。近い質感の、古紙を模したような大型パネルも転換時に舞台上に躍動する。肌合いはバスクの村の家々の土壁にも通じていそう。冒頭舞台奥に横一列並んだ俳優たちのシルエットに浮かんだ衣裳からして濃厚に「異国」が香り、かの地での物語が始まる。
布はある場面で意外な使途で登場し、ここでも栗山演出の存在感を見せるが、私の中では他ならぬ「スペイン」を意識させる音楽に琴線を弾かれた。
やがて来る無差別爆撃までの村の時間は、長崎の原爆投下までの「無辜の人々の日常」を描いた『明日』とは異なり、ゲルニカの村もスペイン内戦を闘う当事者である(戦争当時の日本人を全くの無辜と言い切れるかは議論がありそうだが)。とは言っても、「その瞬間」の到来を予め知っている観客(ほぼそうだろう)が見ているのは、内戦中でも確かにあった人々の日々の営みである。上白石演じる主人公=平等社会の理想に開眼した領主の娘は、男らが戦闘に身を投じていくのと対照的に、生きる日々の選択に真剣である。
脚本には長田女史の劇作家の円熟が随所に光る。創作としては爆撃の日までの道程に盛り込んだゲルニカ領主(今は亡き元領主の未亡人)のエピソードが効いている。ゲルニカの良心たらんとする領主の選択と変節の場面(詳述せず)。
冒頭の横一列の村人の姿は冒頭含め3度見られるが、正面に向かい前進しながら歌う歌は、ジプシーが育んだフラメンコを彷彿させる節である。拍子は鼓動、絞り出す声は心臓の吼え声。生きる事が常にレジスタンスであった民族の歌は惨劇にまみれた人類史を「生きる」我々を鼓舞する。俳優諸氏の歌唱の流儀は異なったが「地」の声が聞こえ、私はこのラフ感が気に入った。
ピンポイントで登場した映像も大きな効果を上げていた。
(語り足りぬ諸々はまたいずれ。)

薄ら氷
Queens of the Hill Company
名古屋能シアター久田館(愛知県)
2020/03/28 (土) ~ 2020/03/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
千穐楽お邪魔してきました。
会場から物語の世界観を作っています。
高さ・奥行きともにある能舞台、立ちこめる香の香り、お琴の生演奏。とても贅沢な空間でしたし、カーペットの床と布張りの椅子も快適です。
今回は余白のある美しさを感じる舞台でした。ワンシーンごとに絵巻のように美しかったですし、セリフの随所の「間」からも、それぞれの苦悩や切ない想いを感じ取れます。
キャストは4人と決して多くありませんが、冒頭の舞のシーン、会場の明かりがつくととっても華やかで驚きました。一気に平安の華やかな宮中行事へ。
そしてQueensさんの舞台は、舞台上すべての人の表情・目線に注目です。セリフはなくともその人物の心情を読み取ることができ、そこも楽しみの一つ。
冒頭の舞を見る茨と帝それぞれの表情からも、関係性が見えてきます。
今回は特に指先の所作が繊細で美しく、そこから苦悩や切ない心情が伝わってきました。
そして照明も美しい世界観を作っていた一つ。人物の影を表すような今回の照明のセンス、好きです。
また、それぞれの衣装もキャラクターにぴったりのカラーで役者さんにもとても似合っていて素敵。
劇中にいくつか和歌が出てきますが、次のセリフでさりげなく意味を教えてくれるのでありがたかったです(笑)
脚本・演出のLisaさん作の暁怜と茨の和歌は、それぞれの心情が苦しいほど伝わってくる素敵な歌です。
物語が進むごとに、不思議と香の香りもいっそう強く、濃く立ち込めていくように感じました。
フライヤーの寄り添う2人を見ると涙が出ます。全員の幸せをひたすら願うけれど、ままならない辛さ。暁怜の願いが果たされることを強く願う。
また次があるのなら駆けつけたい、そんな劇団さんです。

『劇団乱れ桜 × 空宙空地』
火曜日のゲキジョウ
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2020/09/15 (火) ~ 2020/09/15 (火)公演終了
満足度★★★★★
また好きになってしまう 二つの劇団。
劇団乱れ桜オムニバス短編集『ルーズリーフ』
「いつも通りの女」「クソリプ列車」「アロンの願い」 短編集を読んでるみたい ウフフな笑いと最後にファンタジー。
空宙空地「たりない二人」 違うから 嫌いな所もあるから 分かり合う 最後に分かり合う心 聞いてほしい気持ち 水だけで太る ポテチ 面白いニョロ!!

風吹く街の短篇集 第二章
グッドディスタンス
「劇」小劇場(東京都)
2020/08/26 (水) ~ 2020/08/30 (日)公演終了
満足度★★★★
配信にて2作品「隣人のおっちゃん。と、」「水の孤独2020」を鑑賞。
前者は張ち切れパンダ・薩川女史と怪優有薗氏の二人芝居で、ほぼ「無縁」な者同士であった50歳以上のおっちゃんと30代女性が、男が泥酔状態で間違って隣の部屋のドア前に陣取ってしまう出来事によって遭遇し、「異性」を相手に感じる要素ゼロでも続く会話の果てに一瞬心が触れ合うようなそんな話。
後者は池田ヒトシ&松岡洋子による、震災(津波)で夫を失った妻が夫の霊と9年ぶりに遭遇する話。津波にまつわる数ある(に違いない)エピソードの一つを描き、シンプルな台本ながら「2020版」として書き加えたらしい一節が9年前の惨事と「今」を見通す視線を与え、コロナの喧噪にかき消されがちな「命」のありかを感じさせる(思いの外)良質な作品であった。

ツバメの幸福
ツツシニウム
キーノートシアター(東京都)
2020/09/09 (水) ~ 2020/09/13 (日)公演終了

ツバメの幸福
ツツシニウム
キーノートシアター(東京都)
2020/09/09 (水) ~ 2020/09/13 (日)公演終了
劇場に入ると目に入ってきたのは一面のビニールハウス。シュールな光景でした。
なるほど感染対策をそうしてきたかあ。
これでは見えにくいのでないかと思いましたが、始まってみるとほぼ問題なく見られました。

無畏
劇団チョコレートケーキ
駅前劇場(東京都)
2020/07/31 (金) ~ 2020/08/10 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/07/31 (金)
久しぶりの観劇に震える。戦争で生まれるものは…。あ~いつの時代も…。これからどのような世の中になっていくのだろうか、と考えがぐるぐると渦巻いた。配信も見ました。が、やっぱり家では集中できない。

ベイジルタウンの女神
キューブ
世田谷パブリックシアター(東京都)
2020/09/13 (日) ~ 2020/09/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/09/14 (月)
とってもとっても心が温かくなりました。でてくるすべての人が愛おしい。時間も忘れ集中できました。楽しかったです。

心の嘘
劇団俳優座
俳優座スタジオ(東京都)
2020/09/04 (金) ~ 2020/09/20 (日)公演終了
満足度★★★★
家族内ハラスメントや暴力満載の殆ど狂気の世界。ヘヴィーな内容に圧倒されますね。深刻な話なのに笑いも多くて、見入ってしまいました。

心の嘘
劇団俳優座
俳優座スタジオ(東京都)
2020/09/04 (金) ~ 2020/09/20 (日)公演終了
満足度★★★★
ひさしぶりに新劇らしい翻訳劇を見た。それも、アメリカンドリームの妄執の中に生きる人々群像の生粋のアメリカ演劇。1985年の作品というから、今のアメリカではないが、ギスギスが極まり始めたころの二組のホーム・ドラマが舞台で交錯する。トランプ社会の原点を見る感じがする。筋を追っても仕方がないところもあるので、感想を列記すると、
40年近く前といっても、アメリカの妄執のドライぶりは半端ない。下流社会で生きているだけのような人生に時代を重ねる物語だ。しかし、それを、日本語で日本の役者がやると、湿気が多くなってしまう。親子兄弟夫婦という日本的関係が抜きがたい。それが悪いか、と言うとそんなことはない。芝居は、そこで生きている役者しか登場できないし、差配する演出者も同じ環境にあるわけだから、もととは違うことを承知の上で見なければなるまい。それでもアメリカが透けて見えるし、翻ってわが姿も見える。痛烈な時代批評である。こういう芝居は公共劇場でやると、昨年の新国立の「1984」みたいに、文部省への恐れながらやらせていただきます的な過剰なヒラメの配慮が出て惨憺たることになるから、劇団主催のよさが出た。翻訳も演出もテンポがいい。
二つ目。俳優座は役者の層も厚いし、皆上手いという事がよく分かった。。
主演の志村史人も、飯見沙織も知らなかった。斎藤深雪は、地味な脇役で目立たない人だったのに、なんと、ものすごくうまいではないか。役の難しい安藤みどり。演出者が注文したことをちゃんと演じていることが分かる。
ことにみなセリフがいい。上手下手を言う前に、とにかくはっきり聞こえ、ニュアンスが受け取れるセリフになっている。
三つ目。自粛劇場警察も後二週間。あのイヤーな雰囲気は早く払しょくして芝居を観たい。「心の嘘」のような芝居は自粛劇場で公演成果50%引き。客も席を減らしてもいっぱいではなかった。しかし、苦しいのはわかるが、だからと言って来た客に寄付せよ、というのは観客の共感を呼ばないだろう。客はタニマチじゃない。
最後に、俳優座もようやく上演作品が意欲的になって文学座の後ろ姿が見えてきた。あと奮起を望むのはいつまでも低調の民藝。三劇団でなければ見られない芝居はあるのだから。