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アポフェスひとり芝居博覧会

アポフェスひとり芝居博覧会

銀色天井秋田企画

APOCシアター(東京都)

2020/10/10 (土) ~ 2020/10/11 (日)公演終了

満足度★★★★

価格3,000円

1本30分の競作短編集、アポフェスひとり芝居博覧会、11日ソワレ3本立てを拝見。
そのうち、わかまどかさんの「わりといつもと同じ夕方」は、突然、東京から帰省してきた一人息子に語りかける形で、ほのぼのとした日常の様子を細かな演技で表現しつつも、徐々に異変の発生を暗示させるセリフが散りばめられ…。
結末の意外性・悲劇性が強烈な印象を残した、今年観た作品の中では出色の出来の30分。
素晴らしい作品だった。

ネタバレBOX

それにしても、一人息子を思う母親の心情…ここまで情感に溢れたゾンビものは初めて!
アポフェスひとり芝居博覧会

アポフェスひとり芝居博覧会

銀色天井秋田企画

APOCシアター(東京都)

2020/10/10 (土) ~ 2020/10/11 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2020/10/11 (日)

価格3,000円

1本30分の競作短編集、アポフェスひとり芝居博覧会、11日ソワレ3本立てを拝見。
そのうち、宮村さん「粧自記」は、ご自身の半生記(反省記?)を、明るく・楽しく・前向きに表現しておられた。
観終わった後の印象も良く、主宰の「セツコの豪遊」の舞台も観たくなってきたw

たむらさん

たむらさん

シス・カンパニー

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2020/10/09 (金) ~ 2020/10/11 (日)公演終了

満足度★★★

豊田エリーさんが舞台に現れ、奥の台所で調理を始める。
次に橋本淳氏が登場し、観客に向かって「たむらです」と自己紹介。「皆さんに一つ質問があります。その前に僕のこれまでのことを知って下さい」と三十年の半生を語り出す。
ここからはほぼ橋本氏の一人語り。豊田さんはひたすら調理。(時たま語りに合わせて効果音を出すくらい)。
半生を語り終えた後、豊田さんも加わりあるシーンの再現。
その後、観客に向けてある質問をすることになる。

ネタバレBOX

誕生、両親の離婚、小学校での虐め(ランドセルを黄色く塗る)、サッカー、野良猫殺しの同級生(床に猫を描く)、初めての彼女、ピンサロで母との再会(チューブで射精を表現)・・・。
いろんな工夫で話を飽きさせない。
社会人になって出逢った彼女と自らの誕生日に結婚式を挙げることに。
当日、彼女はウェディングドレス姿のまま踏切で電車に飛び込み自殺。(後で豊田さんと二人で影絵で再現)。
遺された手紙には主人公の父親と肉体関係があり、堕胎までしていたことが。
ここでいよいよ質問に入る。「父親に復讐するべきか、更正を促すべきか?」

エピローグ、豊田さんが食事をテーブルに並べ始める。
二人の台詞が聞き取り辛い為、意図が不明瞭に。『たむらさん』の話がネットニュースにまでなっているらしい。TVでも論点をまとめているようだ。息子が父親を訴えたのだろうか?
別の夫婦がそれを話題にしているということらしい。
殆ど父親との関係性が描かれていない為(父親に興味が湧かない)、『復讐するべきか?更正させるべきか?』と問われても何ともぴんと来ない。
加藤氏の才能はオリジナルではなく、アレンジの人だと思っている。
ハイドクナイフ

ハイドクナイフ

ENG

六行会ホール(東京都)

2020/10/07 (水) ~ 2020/10/11 (日)公演終了

満足度★★★★

正確には配信で見たですが。見れてよかった。華のある役者さんも多く出演されていて嫌いじゃない世界観役者さんは皆さん芝居もアクションも達者で芝居の熱量もあり見ていて飽きることはなかった。

ネタバレBOX

キャラが濃い上に人数が多く、結果総集編感が半端ないことになっているように感じたのは残念な点 又映像作品も含め最近の傾向なのかもしれませんがチョット後日談が長すぎる気がします切るなら途中ではなくこの長い後日談ではないのかと思う
『劇団天文座 × 狂夏の市場』

『劇団天文座 × 狂夏の市場』

火曜日のゲキジョウ

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2020/09/29 (火) ~ 2020/09/29 (火)公演終了

満足度★★★

若手の挑戦的なものと、ベテランの脂の乗り切った感じの、落差が激しい回でした。

ネタバレBOX

劇団天文座「ここから、ここから」

近未来的な舞台設定、滅びに向かう地球の未来の為に、研究に役立てる為に危険を冒して他惑星に向かう…お話。

とかく全員がずっと叫んでいて、それが上滑りしてるような印象。
熱量には内側にその源たる理由が要る、それが観えてこない。
各自が己に酔ってるような、自己陶酔な演技。
内容がちっとも入ってきませんでした。
感動を産み出そうとしている感はあるのですが、心が動かされることはなく…。

ただ、一生懸命さは伝わりました。
若手の挑戦のような、今期初の火曜日のゲキジョウらしい感じでした。
見たところ、まだまだ皆さんお若い。
また今後に期待。

狂夏の市場「虎女」

お金が必要な男が稼ぐ為に、謎の組織から言われるがままに離島にやって来て、言われるがままに訳のわからない生物の世話をするお話。
この訳の分からない生物というのが、虎人間女。
ちょっと衣装的にはあんま虎に寄せてはなかったので観てる間にまぁまぁその設定忘れがちになりましたが、虎と人間のキメラ(だったと思う)。
お金に目がくらんだ男、このまま世話してるよりも、この虎女をさらって売り払った方が儲かるのではと、島から逃げ出す。
しかしあまりに純真な虎女を前に改心し、戻るも最後は殺されてしまう。
悪に染まり切れなかった男と、無垢な虎女との、暖かな人情物語。

途中に挟まれた虎女こと武田さんの昔話落語メドレーが強烈。
もうそれだけでひとつの一人芝居として成立してた程のボリューム、相方はその間、舞台の上で三角座りで観てらっしゃいました。
いや~面白かったなぁ…あれだけ延々と観ていたい。

その落語メドレーで散々笑かしてからの、ゾッとする芝居が効いてました。
離島は沖縄とか、東南アジアイメージなのかな、落語メドレーは昔話から時代が進んで先の大戦、そして現代までが語られてて。
おもろいだけじゃあないですよっていう意地を観せられてる気がしました。

『福田青木 × 演劇ユニット急発進』

『福田青木 × 演劇ユニット急発進』

火曜日のゲキジョウ

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2020/10/06 (火) ~ 2020/10/06 (火)公演終了

満足度★★★★

先週に続き、今週もベテラン組と若手組の組み合わせでした。

ネタバレBOX

福田青木「オーバー・ザ・ビニール」

暗転から開けると、二人がちゃぶ台挟んで無言で座って向き合ってる。
この無言の間が長くて、あまりに長くて、もう永遠を感じる程に長くて。
無言なのだけれども、ただ無言なのではなく、青木さんは何度も言葉を発しようとしている、そんな青木さんを前に福田さんは凄まじい眼力の圧で拒絶の構え。
何も言葉発してないのに、無言のやり取りが緊張感漲る。
ここからどのタイミングで、いつ言葉を発するのか、固唾をのんで見守る時間。
青木さんの第一声が舞台上といわずこの会場中に漲る緊張感を破る瞬間が最高、生身の人間が目の前で演じるライブの演劇だからこそ体験できる瞬間。

二人は夫婦、ちゃぶ台の上にあるのは離婚届、福田さんが離婚を迫っている、青木さんは嫌だよと拒絶している。
何故離婚をしたいのか、説明を求める青木さんに、福田さんがひとつひとつ述べてゆく。
リモートワーク中の怠惰な態度等コロナ時代を反映した理由があったり、過去の振り返りの再現等々にそっとどっきり的な罠をしかけて離婚届にサインさせようとしてみたり。
それら全ては夫に真実を知られて嫌われたくないが為の妻の愛情の裏返しだった。
マスクで顔が半分隠れて感情が見えにくく、生身の人間と触れ合えない今のコロナ時代、色々と騙してみたり本音を包み隠す妻と、妻の言うことは何でも信じて疑うことを知らない夫、とても素敵な夫婦像でした。
妻がどうしても知られたくなかった真実、実は自分は元男性であったという事実を妻に打ち明けられても、何ひとつ変わらず、何も動じず、むしろ何故それで別れねばならないのかという男性。
どんな時代であっても、何があったとしても、こんな人がずっと一緒に誰より傍にいてくれるなら、大丈夫。
とてもとても幸せな風景でした。

ありとあらゆる罠を仕掛けてゆく福田さん、ありとあらゆる罠にもれなく引っかかってゆく青木さん、さすがのお二人、すべからくめちゃくちゃ面白かったです。
めちゃくちゃ面白い上に、あんな幸せの構図まで観せてもらえて、もう大満足でした。

これ福田さん青木さんお二人のコンビというところだけで考えると、作演出は青木さんなんだと思いがちなんですけれども。
どっこい作演は福田さんで、演じて良し、お笑いやって良し、作演出してよし、なんという多才、素晴らしい。
是非また観たいです。

演劇ユニット急発進「DJヤマの人間ラジオ」

ラジオのDJブース内での男女二人芝居。
男性がパーソナリティを務めるラジオ番組、アシスタントが急遽来られなくなり、同局内の違う階で丁度別の収録のあった前代アシスタントだった女性がピンチヒッターでやってくる。

この女性は実は男性の元カノ、そして急遽おやすみになったアシスタントが今カノという関係性。
別れの間際、元カノと今カノの交際期間が被っており、女性は恋人も仕事も今カノに奪われたということで、今でも恨みを抱いている。
その恨みをこのラジオの収録の本番中に、絶好の機会とばかりに男性にぶつける…というお話。

もうね、女性が男性に対してネチネチ、ネチネチ、ネチネチ、粘着質に遠回しに、でもハッキリ分かるように嫌味をぶつけてる様が、観てて鬱陶しくて仕方がなかった、個人的には。
それをして得るものがあるの?むしろ失うばかりじゃないの?
そんな二股かけるような人にいつまでも執着してないで、なんで今を生きないの?
最終的にこのラジオの収録中に女性は男性を鋭利な刃物で刺してしまう。
明確な殺意をもって。

ブース内に凶器を持ち込んでいた…ということは、端からそのつもりだったということ、計画的だったということ。
でもこのピンチヒッターは急遽決まったことだったはずで…そこに計画性があったということは、つまりピンチヒッターになること自体この女性が仕掛けたことであり。
ピンチヒッターをすることになったそもそもの要因、アシスタント、今カノが来られなくなったのも、この女性が彼女に何かしたということを示唆している。
男性の生死までは描かれてなかったけれども、そこまでできてしまう執念が恐ろしく、嫌悪感が湧き出る。

男性の生死が描かれてなかった、それには物理的な演出があり。
女性が鋭利な刃物を取り出した時点からは、男性を追いかけまわしながら、舞台裏から楽屋までの階段までをバタバタ走り回っていたから。
これがまぁまぁ体感時間長めで、舞台裏から戻ってきたかと思えば、また裏でバタバタ、戻ってきたかと思えば、また裏でバタバタ。
何度も繰り返し、仕舞いにはちょっと正直うんざりしてしまいました。
そこに面白味があればいいのですが、全くない、ただただドタバタしてるだけ。
せめて戻ってきた時に回を追う毎に男性の服が切られているだとか傷が増えていくだとか変化があればまだ良かったのに…なんも変化なく、ただ何度も繰り返すだけだった。

今回は演出的にも、お話的にも、わたしは好みではありませんでしたが。
色んな出会いがあるのが火曜日のゲキジョウのいいところ、色んな挑戦がしやすいのが火曜日のゲキジョウのいいところ。
またいつか。
線路沿い獣道

線路沿い獣道

MCR

ザ・スズナリ(東京都)

2020/10/08 (木) ~ 2020/10/11 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/10/10 (土) 18:00

 セリフには笑わされ、物語には切なく感じさせられる、面白い舞台だった。
 ヤクザの父(北ZIMA☆ヒロたか)とホステスの母(真嶋一歌)を持つ小学生のトモ(櫻井智也)は、両親が日常的にシャブをやるような家庭環境。同級生の佐賀(佐賀モトキ)や熊谷(熊谷嶺)にはヤクザの子どもと嫌われるが、三澤(三澤さき)はトモが好きで、そのことを露にする。大人になったらの夢、と訊かれて、親を殺すこと、と答えるトモだが、…、というような展開。セリフのキレで笑わせるが、展開は切ない。愛しているから憎む、というのは、ありそうなテーマで、終わって切なくさせられるのは、櫻井らしい作劇だと思った。

たむらさん

たむらさん

シス・カンパニー

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2020/10/09 (金) ~ 2020/10/11 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/10/09 (金) 19:00

 不思議だけど面白い舞台だった。初見の作・演出の加藤拓也の才能を見せつけた作品と言える。
 オープニング、客電が点いた状態で豊田エリーが現われ舞台上のキッチンで料理を始める。ほどなくして、橋本淳も現われ、「たむらさんです」と言って、自分の生い立ちのようなものを語り始めるが…、という展開。生い立ちの部分は特に何かがあるわけではなく、淡々と語られるが、ある程度の演出で興味深く見せる。30分ほど語ったところで、物語は思いもかけぬ展開を見せ、さらに豊田が加わって、さらなる展開。エンディングは不条理とも言える不思議な終幕だった。よく分からないけど面白い、緊張感を持って観ていられる52分だった。

馬留徳三郎の一日

馬留徳三郎の一日

青年団

座・高円寺1(東京都)

2020/10/07 (水) ~ 2020/10/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

これは秀逸、作家は青年団所属だが作品に触れるのは初めてだっただろうか。老人物に「在り処」というこれも中々秀逸な短編があるが、長野の過疎集落の一軒家を舞台に書かれた本作は、やがて見えてくる作家の着想に意表を突かれ、前のめりにさせられる。狙って書けるものだろうか・・神が味方したのではないか・・などと戯曲の出来に注意が向くが、ある部分でリアルを外した奇天烈な「演技」も効奏していそうな。
主客の逆転、小気味良く予測を外す展開、そしてじんわり滲み通る情感も悪くなく、もう一度観たくなる(観られないが)。

ネタバレBOX

終盤、自分的にはやや不満足な展開の選択があり、惜しい感触。呆け・認知障害が芝居を思わぬ展開に導くが、どこで誰の「認知障害」を暴露し、あるいは疑わせるかがセンスである。意外な人物が「実はしっかりしていた」と見える展開がある。ここでその人物への注目度が一気に上がるのだが、その人物も又呆けの台詞を言い、判らなくなる。斑呆けなのか演技なのか・・混沌が狙いならそれも良いがこれはリアルベースの芝居なので、複数の言動の根拠を積み上げて人物(ここでは人物の「認知能力」)を判断する観客の立場からすると、作家がリアルを提供し、観客が積み上げてきた観察による暫定結論が「目的ありきの台詞」(ここでは「全員がそこそこ呆けている」という見え方を狙って選んだのだろうと見える)によって揺らぐのはあまり面白くない訳である。・・と言っても他の推論が出来る余地はあるのだが。しかし時間経過と共に多くの判断材料が(予想を裏切りつつも)提供され、「確かさ」に近付くのが物語を読み(観)進める目的であるとすれば、ある時点でこの「確かさ」を叩き落とすには、何かもう一捻り欲しかった、というのはある。全体の出来からすれば小さな疵だが。
マッチ売りの少女

マッチ売りの少女

青年団若手自主企画vol.84 櫻内企画

アトリエ春風舎(東京都)

2020/09/26 (土) ~ 2020/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★

3人で演じる別役実作「マッチ売り」、弟役が透明で声は録音か(台詞を別に処理していたか忘れた)。ほぼ戯曲の通りであったと思う。老夫婦の元を訪れる「女」は壁際に離れ、お茶をよばれる。立ち位置は実際の距離を表わさず、弟の存在は「実はいないのかも知れない」(共同幻想?)想定も可能であり、さらに外に寝かせてある二人の赤子の事も妄想か、と自由解釈できる作り。そうした処理は土台を失い抽象画の域に行きかねない所、実体を与えているのが俳優の声・佇まいで、この上演でも本戯曲は成立していた。
夫婦が茶を飲む折り畳み式テーブル(ハイキングとかで使いそうな)は最後は折りたたまれて「妻」役の男優が持ち去るが、そのタイミングは夫が「女」の過去の商売の客であった疑惑が語られるあたりなので、それへのリアクションと見えなくなく、夫はその場に残されるので、あるニュアンスが見えたり、戯曲解釈を遊んだ形跡があった。別役氏が紡ぐ「小市民」の老夫婦の言葉遣いも不意の来客(女)への対し方も、改めて味わい深く噛みしめた。

ネタバレBOX

若い人たちしかいないからか、二晩、三晩(みばん)という所、「さんばん」と発語したり、他に一ヵ所読みが気になった箇所があった。そんな所から文字文化と世代間継承について思いめぐらした次第。
親の顔が見たい

親の顔が見たい

Art-Loving

APOCシアター(東京都)

2020/09/16 (水) ~ 2020/09/22 (火)公演終了

満足度★★★★

日が経ってしまったが...。Art-Loving2度目の「親の顔」、こだわりの演目らしく、1度目とは上演条件、配役、劇場空間が違ってもこの戯曲を味わい楽しむ様が伝わって来た。俳優陣は実力派のようであるがステージ前面に透明幕を張り、演技エリアをかなり狭くとった事などにより、学校控室という空間でのリアル感と、声の届き具合に難点(あの幕を張るなら客席はもっと前にせり出して良いと思った)。厳しかったのは終幕近くで妻が夫に対する不満(親子関係の築き方)を堰を切ったように吐き出す場面、台詞が言葉として聞き取れず、同時進行では置いてけぼりでポカンとなった(後で確かあの場面の台詞は・・と思い出して補完し連続性を持たせたが時間差有り)。妻の「感情」は非常に重要だが、彼女が紡いで投げかけた「言葉」はそれ以上に重要だと思う。

さて私の注目点は一つ。即ち、上記の夫婦が閉じ括るラストの収め方。「言葉」が重要と書いたが、それは彼女の考え方、スタンスが奈辺にあるかが重要だという事でもある。
ミステリーの構造を持つ本作は、女子高生徒を自殺に追いやったらしい5人グループの親が集まった学校の控室で、「遺書」が何度も登場、そして出席者の中から「実は娘から・・」聞いて知っていたという事実も二度、後出しで出てくる。
大詰めで、リーダー格と言えそうな生徒の親である夫婦同士の言い争いの中で、妻は最後に「証拠になる携帯のデータを消去するように指示メールを娘に打たせた」と告白する。ここから暫くあって(その間夫はガックリ肩を落としている)ラスト、妻が夫に声をかけ、幾許かのやり取りがある。この「終わり方」は様々あって良いし(彼らをどんな人物として描こうとするかで)違って来るだろうが、私はこうありたいと願う形がある。まあそれだけの話で、そこが違っても芝居本体の面白さが減じる訳ではないが。。
(以降はネタバレにて、近々に改めて。)

リチャード二世

リチャード二世

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2020/10/02 (金) ~ 2020/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

タイトルロールの岡本健一の演技に尽きる舞台だった。前半の落ち着いた王から、後半の嘆きへりくだり錯乱する、失脚した王へ。えんじゃ皆、歴戦の俳優ばかりで、セリフが聴き取りやすい。安心して、シェイクスピアを楽しめた。この芝居は、ストーリーは単純で、セリフの機智や修辞が聴きどころなのでなおのこと良かった。

全体を上手く刈り込んだテキストレジーで全体を3時間20分(休憩20分込み)と適度な長さに。王が降伏する城壁が、舞台左前の小さな踏み台になっていたり、「棺」を、遺体を覆う布で済ませたりと、簡素だが雰囲気をよく出す美術・小道具も良かった。
また特筆すべきは衣装。とくに王侯貴族たちの威厳を、落ち着いた色合いとシンプルだが華のあるデザインでよく示していた。衣装にこれだけ手間をかけられるのは、新国立劇場の企画公演ならではだと思う。

センポ・スギハァラ

センポ・スギハァラ

劇団銅鑼

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2020/09/17 (木) ~ 2020/09/22 (火)公演終了

満足度★★★★

劇作家・平石耕一さんの出世作にして代表作。杉原千畝の話は今や有名だが、顕彰の先鞭を切った作品でもある。ビザ発給の決断がひとつのポイントだが、満州で見た日本人の専横ぶりをナチスに重ねることと、外交官として子供に誇れる仕事かどうかという角度から迫る。子供の存在は独楽を通して象徴され、それがキーアイテムとなる。津上忠さんの教えのように、小道具を三回生かしていた。

杉原役の館野元彦が、気さくな気骨の人をえんじてよかった。妻の中村真由美も夫を支える気丈さを示していた。ユダヤ人家族のパートも横手寿男、山形敏之ら、好演していた。
領事館とユダヤ人アパートの転換を一瞬でできる、パタパタ式の美術も良く出来ていた。

私はだれでしょう

私はだれでしょう

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2020/10/09 (金) ~ 2020/10/22 (木)公演終了

満足度★★★★

数年前にみて2回目。
今回気づいたのですが、あのことを放送禁止にしてたということは米もやべえ事したっていう自覚があったということですね。

君の庭

君の庭

地点

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2020/10/01 (木) ~ 2020/10/11 (日)公演終了

満足度★★★★

17年に見た「忘れる日本人」がなかなか良かったので、期待して見に行った。劇団の全ての公演がいいという事は、人間がやっている限りあり得ないのだからしょうがないが、今回はがっかりの出来だった。やはり、素材が難しすぎるのである。
前回は、愉快なおみこし担ぎ日本人論で、みこし代わりに船を担ぐ、という寓意が成功したが、今回は天皇制。赤と黒の漆張り(に見える)ひな壇に乗った天皇一家(と言っても4人だが)が、舞台中央をぐるぐる回る間に松原俊太郎の天皇本人や、周囲のコメントの断片がコラージュされる。大要は戦後、天皇を空気みたいな存在にして、国民統合に利用した、実態ないのにこれ如何に?、という程度の「ザ・ニュースペーパー」の高級版.実態がないというのだから攻めようがない。折角新政権が「包括的、総合的」などという珍答弁をして、天皇の総合的統合の象徴みたいなことと相応して、解りやすく、撃つ的が絞れたのに、間に合わなかった。皇室の男系相続とか、歴史継承とか、話題は色々出てくるが、女性週刊誌並みである。また、例によって言葉遊びがあるが、こういうのはスタイルとして出来上がってしまうと煩わしいだけになる。
今回はコロナで半席にした上に入りは悪かった。劇場への客離れのような寂しさでもあった。

ヴンダーカンマーの叡智

ヴンダーカンマーの叡智

オリゴ党

天満天六・音太小屋(大阪府)

2020/10/10 (土) ~ 2020/10/11 (日)公演終了

満足度★★★

オリゴ党の魅力は「エンタメと難解な物語の狭間」を行ったり来たりさせられる所やと思ってて、そういう意味では今回もオリゴ党らしい作品やったと思います♪どんなお芝居やったかを人に説明するのが難しい一筋縄では理解出来ない世界観が魅力なのです☆

ワーニャのパンツと洗えない

ワーニャのパンツと洗えない

プラズマみかん

AI・HALL(兵庫県)

2020/10/09 (金) ~ 2020/10/11 (日)公演終了

満足度★★★★

気持ちはまだまだ若いつもりですが、これを拝見し、あ これ俺もやっていると思ったシーンがかなりあった…😓レンタルオヤジを僕もやるべきか?明日から気持ちを改めて、オヤジらしくない自分になろう‼️

「THE WINDS OF GOD 2020」

「THE WINDS OF GOD 2020」

鯨椅子project

郡山城天守台西側城壁 特設ステージ(奈良県)

2020/10/08 (木) ~ 2020/10/12 (月)公演終了

満足度★★★★★

場所は遠く、暗くなってたどり着くまで不安😖💧でしたが、内容は良かった。ダブルコールも有り、みんなも同じ気持ちだったと思います‼️

売春捜査官

売春捜査官

今生酔いどれ喫茶

シアター711(東京都)

2020/10/08 (木) ~ 2020/10/12 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2020/10/10 (土)

価格3,500円

10日19時開演回(80分)を拝見。

演出・役者を変えて、何度も拝見したことのある、有名な、つかこうへい作品ゆえ、観客の気持ちを鷲掴みにするのは、今回も当たり前としても…
助演陣は善戦しているものの、主演の声質・声量が木村伝兵衛役には少し力不足かな?と感じられる場面が多々。
2015年の東京ジャンクZvol.4「蒼いラフレシアの鼓動」から何作か観ている方なので、良い役者さんなのは存じ上げているんだが、本作に限って言えば、手が合わなかったのかなぁ?と。

ネタバレBOX

【配役】
木村伝兵衛部長刑事/山口アイ子…小川夏鈴さん
熊田留吉刑事/李大全…つかてつおさん
大山金太郎…山脇辰哉さん
桂万平刑事…岸本武享さん
銀行員・猿渡…奥泉さん
tagayas 山野海×小山豊

tagayas 山野海×小山豊

明後日

本多劇場(東京都)

2020/10/09 (金) ~ 2020/10/09 (金)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/10/09 (金) 19:00

エフェクター多用した三味線は文字どおりneo。語りとの相性も抜群でした。

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