
シュベスターの祈り
ピウス
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2021/05/27 (木) ~ 2021/06/06 (日)公演終了

青森県のせむし男
演劇実験室◎万有引力
ザ・スズナリ(東京都)
2021/06/04 (金) ~ 2021/06/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
歌人、シナリオ作家、編集者として若くして大成功を収めてきた寺山修司。1967年に劇団『天井桟敷』を結成、その旗揚げ作品がこの『青森県のせむし男』。
大して観てきた訳ではないけれども今まで観賞した寺山作品の中で一番良かった。
森ようこさんのファンならば今作は必見。かなり出突っ張りでオン・ステージ感もある。
PUNK BANDのデビュー作を聴いている感じで、思うが儘に喚き散らしている。後々になると理性が邪魔をして理論武装の処世術に陥るのは世の常。恥知らずの一発目であるからこその幼稚で稚拙な絶叫が歳を重ねても胸を打つ。今作を寺山初体験で観たかった。
青森の名家で次期当主の息子が醜い女中を手籠めに。彼女が孕んでしまった為、世間体を慮り仕方無く入籍。出産の前に息子はコレラで死亡。周囲の冷酷な視線に耐えかね女中は産んだ我が子を山に捨てた。運か不運か生き延びた赤子は畸形のせむし男。因果の旅の末、生家に盗みに入り捕らえられる。三十年振りの母との再会であった。しかし、この話には嘘があり・・・。
安っぽいPOPな美術が歪な異空間を中和している。映画『エレファント・マン』調に写実的に演ればうんざりする題材だろう。
今回は観ておいた方が良い。

目頭を押さえた
パルコ・プロデュース
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2021/06/04 (金) ~ 2021/07/04 (日)公演終了

テンペスト ~はじめて海を泳ぐには~
ブリティッシュ・カウンシル/公益財団法人としま未来文化財団/豊島区
あうるすぽっと(東京都)
2021/06/01 (火) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
主催「ブリティッシュ・カウンシル/公益財団法人としま未来文化財団/豊島区」としてみた観点(2回目)。
本公演は、障害のある演出家と俳優たちによって作り上げられる舞台、シェイクスピア最後の戯曲である「テンペスト」上演までの稽古を劇中劇とする。いわゆるバックステージものである。障碍者の表現の可能性を模索するような試み。さらに国籍による文化や言葉の違い、その多様な”ちがい”を橋渡しする意欲作。
公演を支援しているのが「あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)」(主催:ブリティッシュ・カウンシル/公益財団法人としま未来文化財団/豊島区)だ。活動支援は、「親しみやすい良質の舞台公演から、実験的な作品や国際共同制作まで、様々な公演事業を開催してきた。また区立劇場として地域に向けた参加型ワークショップやアウトリーチを実施するほか、芸術文化活動を支える人材を対象にした講座なども継続して実施してきた」といった趣旨によるもの。そして「豊島区が掲げる国際アート・カルチャー都市構想をふまえ、多くの劇場が集積する『演劇の街・池袋』の拠点として機能し、芸術文化を通して多様な人々が集い交流する『みんなの劇場』として、活力に満ちた豊かな地域社会の実現を目指す」としている。まさしく、さまざまな「ちがい」の観点から架橋になるような企画であった。
(上演時間1時間45分)

『テンペスト~はじめて海を泳ぐには~』
あうるすぽっと
あうるすぽっと(東京都)
2021/06/01 (火) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
国籍、文化、言葉そして障碍も違うアーティスト達が、シェイクスピアの戯曲「テンペスト」を大胆に構成して描くパフォーマンス劇。新型コロナウィルス感染症のパンデミック状況における国際共同制作の試み。
公演には3つの観点がある、と思う。第1は国境を越えた障碍者による上演、第2にコロナ禍(他疫病や自然災害等も含む)にあって、それがテンペスト=嵐を乗り越えるという比喩、第3に嵐そのものが人生で、人間誰しもその中で生きている。嵐の大小の違いはあるが、それでも障碍者であろうと健常者であろうと関係なく生きること。
障碍者による公演、その上演までの努力・困難等は想像に難くないし、意義なりもそれなりに理解できる。しかし公演を観せるということは、役者が障碍者、健常者に関係なく観客に分かるようにようにすべき。タイトルが「テンペスト」であり、その上演であることは周知のこと。そしてホワイエには舞台装置の模型が置かれ、その横に説明板がある。さらに場内でも舞台装置等に関する説明が流れる。だから上演までには稽古-劇中劇であるということは分かる。
しかし「テンペスト」という物語(粗筋)の説明がないことから、観客はこの物語を知っているという前提で始まる。物語を知っている人と初めて「テンペスト」という劇を観る人とでは、題材になっている戯曲に対する面白さ醍醐味を味わう上で差がある。
公演の謳い文句の一節には「『テンペスト』では、障碍のあるアーティスト達が国を超え集う伝え合うことの難しさとだからこそ得る喜びを見つけ、未来へ続く景色に到達するために」とある。この戯曲を初めてみる観客のためには、稽古という劇中劇であっても、「テンペスト」という物語そのものを構築(構成)していく必要があると思うが…。だからこそラストのカーテンコールのシーンが活きてくる。
(上演時間1時間45分)

牛乳の唄
兎座
小劇場B1(東京都)
2021/06/02 (水) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/06/05 (土)
価格3,800円
5日17時開演回を拝見。
ストーリー自体は、紆余曲折はあるものの、先が読めるというか、観客の期待した通りに運んでいく。ただ、それ故に、目の前で巻き起こる出来事を余裕を持って観ていられた…すなわち「お茶の間」感覚で観劇できたんではなかろうか。終演後の余韻は、アットホームなタッチのNHK朝ドラを視終わったような印象だった。
それにしても、高乃麗さん、剣持直明さんのお二人の熟練の演技に、他の皆さんが熱演で応じた心地よい舞台空間…いつまでも浸っていたかった。

ミュージカル『17 AGAIN』
ホリプロ
東京建物 Brillia HALL(東京都)
2021/05/16 (日) ~ 2021/06/06 (日)公演終了

十一夜 あるいは星の輝く夜に
江戸糸あやつり人形 結城座
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2021/06/02 (水) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
四百年近い歴史のある人形操りの劇団「結城座」の記念公演。糸操りの人形による職業劇団は見たことがないから、多分唯一の伝統芸の劇団なのだろう。
今回はシェイクスピアの「十二夜」の結城座劇化である。鄭義信の脚本演出で、軸に、藝達者な花組芝居出身の植本純米が客演していて、純粋な人形劇ではないが、こういう融通が利くところもこの劇団の特色らしく、他の普通の劇団に客演して人形の役割を演じているのは見たことがある。
人形劇で一夜芝居にするのはなかなかむつかしく、人形だけでなく浄瑠璃というもう一つの強い味方のいる文楽も苦戦している。しかし「国立」の助けを借りながらでも定期公演が可能な文楽が、かなり前にシェイクスピアの確か「テンペスト」だかをやった時にも、なんでこれを?と言う感想を持った。
「十二夜」はもともと、クリスマスの祝祭劇で、男女、身分の取り違えの面白さに徹したロマンス劇だから、人形を人間と交錯させやすい構造だ。筋がこんがらかるところは植本純米が主人公の従者の阿呆という役柄で面白おかしく芝居に入ったり、説明したりできる。他愛ない話なのだが、蜷川が歌舞伎座でもやったし、旧新劇団はよく上演する。今回は、糸操りで、一メートルに足らぬ人形たちが舞台を作っていく。鄭義信が新たに書いたのは部分は少ないが、その工夫は生きていて、糸操りの人形の動きだけでは避けられない退屈さを救っている。
しかし、この長い歴史のある糸操りの劇団が存続していくのは、厳しい道が待っていることだろう。現に、客席はほぼ満席だが、若い観客はほとんどいない。一方演者には若い女性もいるが、一夜の興行を打ち続けるのは厳しい。伝統演劇の継承存続は歌舞伎のように現状保存で「生きている」ことが望ましいが、文楽や沖縄の演劇をはじめ、時代の波に洗われている演劇も少なくない。あらためてこのよく出来てはいるが新古折衷の結城座の舞台を観て時代の非情も感じた。

ミュージカル『レ・ミゼラブル』【8月22日(日)12:00、8月22日~28日、9月6日~9日、9月11日~16日公演中止】
東宝
帝国劇場(東京都)
2021/05/25 (火) ~ 2021/07/26 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/06/02 (水) 18:00
やはり直に感じる迫力ある舞台は何物にも代えがたい。
on my own、良かった。

フリーカル「YAhHoo!!!!」2021
ナイスコンプレックス
シアターサンモール(東京都)
2021/06/03 (木) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
木村さんの前説から浪江愛と切実さが炸裂して泣きそうになりました。
前回は私も参加したお祭りシーンが、あのような形になって残念です。早くみんなでお祭りが楽しめるようになりますように。
簡単でいいですので、キャスト表がほしかったです。動物さんたちが誰が何やら・・・

ちぐうはぐう
藤一色
王子スタジオ1(東京都)
2021/06/03 (木) ~ 2021/06/06 (日)公演終了

山形ワンコイン演劇祭W
演劇プロジェクト全力演劇
山形市民会館(山形県)
2021/06/04 (金) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2021/06/04 (金) 19:30
価格1,000円
様々な団体の作品を、お手頃な価格でサクッと見られます!
お気に入りの団体が見つかるかもしれません。
コロナ対策も万全で、安心して観劇ができました。

魔界転生【5月4日~5月11日東京公演中止、6月5日~6月6日大阪公演中止】
日本テレビ
大阪新歌舞伎座(大阪府)
2021/06/02 (水) ~ 2021/06/10 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
とても豪華な舞台でした。見どころがありすぎてコメントに困ります。たまには単純でおもしろい舞台をガッツリ観て笑って手をたたいて楽しむのもいいなと思いました。

ARC 薄明・薄暮
山海塾
世田谷パブリックシアター(東京都)
2021/06/02 (水) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
トラウマ・アングラの親玉。一度は観てみたいと誰もが思うが結局観ることはない暗黒舞踏。自分的にはPUNK BANDと受け取っていて30年以上前から興味があった。天児牛大(あまがつうしお)氏が1975年に創設。勝手なイメージとしては曲調は平沢進、ヴィジュアルは『ベルセルク』の蝕であった。
いざ始まると久石譲調の美しい旋律に銀河と戯れる一人の人間の姿。宇宙と手探りで対峙する一匹の動物としての人間がそこに。絶妙なバランスで均衡する秤を配置した洒落た舞台美術とヴェーダ哲学を刺激する圧倒的スケール感。次々に曲調が変化すると共に舞踏手も人数も変わってゆき、『ブッダ』の苦行林を思わせる衝動的無意識達の乱舞。演舞の意味を探ると云うより、矢張り重要なのはそこに流れる音楽であろう。メロディーから連想するものが大きすぎる。
舞踏自体はそれ程特別なものに感じないのだが、曲と嵌ると一気に奥行が広がりその先の先の果てまで見えた気がした。

ビニールの城【5月8日~5月9日花園神社公演中止】
劇団唐組
花園神社(東京都)
2021/05/08 (土) ~ 2021/06/03 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/06/03 (木)
価格3,800円
3日19時開演回を拝見。
途中休憩10分間込みの2時間10分。
人生初のテント公演。
腰を下ろす座面の位置の低い客席は、クッションを持参してきたものの、やはりガラスの腰と両の腿が被害甚大!
とはいえ、観終わっての感想は…観に来て良かった♪
唐組は初見だが、断片的な知識は持ち合わせていたので、舞台美術も、独特のセリフ回しも、概ね予想した通り。
ただ、朝顔とモモの関係が、予想以上にロマンチック(←私見)に描かれていて、自分の目には煌びやかに映った。
なお、ラストシーン、屋台崩しからの「ビニールの城の主・モモ」を魅せる演出は、さすがテント公演の醍醐味か。

十一夜 あるいは星の輝く夜に
江戸糸あやつり人形 結城座
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2021/06/02 (水) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
休憩10分含む2時間35分。物語はシェイクスピアの『十二夜』。
一糸座は何度も観ているが結城座は初めてなことに終わってから気が付いた。(2003年結城座から独立する形で一糸座が結成される。)
人形遣いの湯本アキさんと大浦恵実さんが上品な姉妹のように美しく目を惹く。
唯一、人形ではない、客演の植本純米氏が語り手であり、ほぼ主役。何とか客席を盛り上げようと八面六臂の大活躍に大リスペクト。“阿呆”と呼ばれる道化を演じる。
双子の美形の兄妹の乗る船が嵐の海に呑み込まれ離れ離れに。妹ヴァイオラは男装しシザーリオと名乗り流れ着いた土地の公爵に仕える。公爵は自身の恋する伯爵令嬢の使いにシザーリオを送る。伯爵令嬢は使いのシザーリオに恋してしまう。そのシザーリオ(ヴァイオラ)は実は公爵に恋をしている。まあいつものシェイクスピアのラブコメ節。登場人物が方言丸出し(福島弁?)なのにも実はきちんと理由がある。

牛乳の唄
兎座
小劇場B1(東京都)
2021/06/02 (水) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
仕事帰りに行きました。こんな時期に公演してくれて嬉しいです。心暖まるいいお話だったと思います。ちょっとストーリーが急いだ感じがありましたが、演者の皆さんの確かなお芝居で、笑いありほろっとしたところあり、良かったです。また観に行きたいですね。次回も期待です

ジャングルジャングル3
アイビス・プラネット
配信スタジオ(東京都)
2021/06/02 (水) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★★★
短編2篇とインプロの構成、一人芝居は映像との親和性が高いと感じた。後半のインプロは「生放送感」がいいコメント参加も面白い。「配信で楽しむ芝居」としてしっかり考えられている。

外の道
イキウメ
シアタートラム(東京都)
2021/05/28 (金) ~ 2021/06/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
山鳥と寺泊の二人の男女の体験した奇妙ま話から、それぞれの見る世界、出会う人たちが歪んでいき、閉塞していき、出口のない内面世界に潜り込んでいく。この二人の閉塞ぶりは、二人以外の演者が、二人の内的世界の住民としてしか出てこないことでもわかる。全員が出突っ張りで、用のない時も、舞台の喫茶店の空いた椅子に座って待機している。
山鳥、寺泊の体験を、演者が動いて示しながら、その声を別の俳優が語るというやり方も興味うかい。これまで見てきた前川知大の大きな世界観(設定)を土台に持ったSF的芝居と違い、観念的に内向していく。スピリチュアルという意見もわかる。まったく真っ暗な時間も二度ほどあった。俳優の動き方、空間の使い方はおもしろいが、物語としての驚き(落差)、カタルシスは乏しい。これまではそこが前川知大作品の魅力だったのだが、

十一夜 あるいは星の輝く夜に
江戸糸あやつり人形 結城座
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2021/06/02 (水) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
結城座初観劇。江戸操り人形は目や口は動かないシンプルなものだが、冒頭の古典劇の三味線弾きのバチ捌き、竿を上下する動きの見事さはなかなか。シェイクスピア十二夜の翻案十一夜は、筋や人物像は原作通り。セリフを人形劇向きにアレンジ。人形の表情が動かない分、演者の声の表情を大袈裟に演じてもおかしくなく、その両方が相まって、リアルな感情を作り出していた。客演の道化(阿呆)の植本純米の飄々とした滑稽さが素晴らしかった。
終盤、双子の勘違いによるゴタゴタが、もう気付いてもいいだろうと思っても、さらに延々と続いた。イライラ、モヤモヤがかなりフラストレーションになったが、このストレスが、この舞台を見て1番の感情の体験かもしれない。イライラへの耐性を高めて、日々の生活で多少のイライラは平気になるという効用があるかもしれない。