十一夜 あるいは星の輝く夜に 公演情報 江戸糸あやつり人形 結城座「十一夜 あるいは星の輝く夜に」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    休憩10分含む2時間35分。物語はシェイクスピアの『十二夜』。
    一糸座は何度も観ているが結城座は初めてなことに終わってから気が付いた。(2003年結城座から独立する形で一糸座が結成される。)
    人形遣いの湯本アキさんと大浦恵実さんが上品な姉妹のように美しく目を惹く。
    唯一、人形ではない、客演の植本純米氏が語り手であり、ほぼ主役。何とか客席を盛り上げようと八面六臂の大活躍に大リスペクト。“阿呆”と呼ばれる道化を演じる。

    双子の美形の兄妹の乗る船が嵐の海に呑み込まれ離れ離れに。妹ヴァイオラは男装しシザーリオと名乗り流れ着いた土地の公爵に仕える。公爵は自身の恋する伯爵令嬢の使いにシザーリオを送る。伯爵令嬢は使いのシザーリオに恋してしまう。そのシザーリオ(ヴァイオラ)は実は公爵に恋をしている。まあいつものシェイクスピアのラブコメ節。登場人物が方言丸出し(福島弁?)なのにも実はきちんと理由がある。

    ネタバレBOX

    最前列でも居眠り、休憩時に退席など、客の反応は厳しいものが。とにかく人形劇にする必然性が殆んど無い話の為、ぼんやりとした印象。
    ホンのせいなのか演出のせいなのか、人形を使う利点を活かせずだらだらとした展開。シェイクスピアの悪い点ばかりが目に付く。

    ラスト、二組のカップルが祝言を挙げようと大団円。祝いとして“阿呆”に歌を所望。それをやんわり辞退しようとする“阿呆”だったが断り切れず、「いいんですかい?全てが流されちまっても?」と歌い出す。
    暗転と暗幕による3.11の表現、大津波の後の福島の海岸にて満天の星空を仰ぐ“阿呆”の独り語りで終わる。周囲には登場人物の人形達が散乱している。冒頭の大嵐の海と3.11を掛けていて(『三.十一夜』)、全てが流れ消え去った後『十二夜』目が始まるのだろうか。まるで先程まで夢を見ていたかのような美しさ。

    0

    2021/06/03 23:35

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大