十一夜 あるいは星の輝く夜に 公演情報 江戸糸あやつり人形 結城座「十一夜 あるいは星の輝く夜に」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    結城座初観劇。江戸操り人形は目や口は動かないシンプルなものだが、冒頭の古典劇の三味線弾きのバチ捌き、竿を上下する動きの見事さはなかなか。シェイクスピア十二夜の翻案十一夜は、筋や人物像は原作通り。セリフを人形劇向きにアレンジ。人形の表情が動かない分、演者の声の表情を大袈裟に演じてもおかしくなく、その両方が相まって、リアルな感情を作り出していた。客演の道化(阿呆)の植本純米の飄々とした滑稽さが素晴らしかった。

    終盤、双子の勘違いによるゴタゴタが、もう気付いてもいいだろうと思っても、さらに延々と続いた。イライラ、モヤモヤがかなりフラストレーションになったが、このストレスが、この舞台を見て1番の感情の体験かもしれない。イライラへの耐性を高めて、日々の生活で多少のイライラは平気になるという効用があるかもしれない。

    ネタバレBOX

    大団円の後、津波を表す白い布が全てを包み、その波のさった後は、人形たちが瓦礫の中で倒れている上を、綺麗な星空が出ている。ひとり阿呆が「嵐の後は、信じられないほど綺麗な星空だった。みんな寝てる。俺も寝よう」と寝る。

    これはどういう演出だろうか。みんな寝ていたのか、死んでいたのか。人間の喜びも悲しみも、大自然の力の前では、風の前の塵、波の上の笹舟という意味だろうか。そもそも「十二夜」の始まりが嵐による双子の兄妹の難破であることから発想した幕切れだろうが、少し切ない。

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    2021/06/03 22:09

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