
われわれなりのロマンティック
いいへんじ
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2025/08/29 (金) ~ 2025/09/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/09/04 (木) 14:00
いいへんじは、2017年8月の『パパ』から拝見している。これまでのベストになった、丁寧に作られた作品だった。
最後に題名の『われわれなりのロマンティック』が背面に浮かび上がって来た。この言葉に納得する自分が居た。あっ、ここまでの物語がこれだと納得している自分に、うんうんと頷く感覚だった。
アフタートークで石黒麻衣さんの演出、演技を肯定する発言に、主宰/作/演出の中島梓織さんが、下手袖を振返り「ほら、良いって言ってくださっている」的にそれを演者/スタッフ(なにせ隠れているので誰がおられるかは推測ですが 笑)に手を振り、語り掛けた姿に、この作品の創作過程を垣間見る様で、納得出来るシーンだった。
ロマンティックって、もう自分で持つ感情ではない、いや、もう長いことその感覚を持つことはなかったと、観る前に思っていたのだけど、拝見しながらみんなのロマンティックをびしびし受け取り、お、そうか、まだそんな感覚を共感出来るんだと思った。
古希を過ぎた爺なので、家長制度の中に生まれ、生きて来て、性差は性差そのモノの形で区別され、茨城じゃあないけど、父母の故郷は田舎で、そういう中で育って、シス ジェンダーでヘテロ セクシャル、妻が居て、子供達も居る。環境が変わって来て、知識としてジェンダーフリーについて認識を持ち、感覚、思考としてもそう在る様になって来たと自認している。
この作品を拝見しながら、それを受け入れながら拝見した。それぞれの在り方は在って、でも何かのアクションを取る時は、その時点での発露であって、それが正しいかどうかは判らない。あとから思えば間違った行為を取っていたのかも知れない。その10年間の積み重ねはそのまま舞台に在った。それには納得するしかなく、受け入れることしかできないのだから。なので、あの物語が完璧な姿なのかと言うとそうで無いところはあるだろう。区別と差別が思い浮かび、今世界で、そして日本で台頭し、日本人ファーストと言う言葉で差別する社会が透けて見えた。
演出も、それに応える、一緒に創られた俳優達も素晴らしかった。それぞれの在り方が前提で、それに基づいて展開する構成も良かった。舞台美術も、高さと奥行が使われ演出とマッチ。ソファーと、二つの出入り口、それが並ぶことでこれからのシーンが二人の隣合う部屋なのか、相対に配置すれば部室などとガイド役を担っているのも良かった。

ハムレットマシーン
サブテレニアン
サブテレニアン(東京都)
2025/08/29 (金) ~ 2025/08/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2025/08/31 (日) 15:00
サブテレニアン プロデュース『ハムレットマシーン』(原作 H ミュラー/演出 得地弘基)
ハムレットマシーンは読んだことがなく、視るのも初めて。なので戯曲や演出のことは比較の術が無い。
何度もハムレットマシーンが始まり、なので始じまってすらいないのかも知れない演劇。演じられることなく、我々は視ていないのだろうか?
姦通、媾う、穴を縫えば生まれない、などシェイクスピアを彷彿とさせる台詞に、資本主義への、ガザへの抗議としてのハイル コカコーラ/マクドナルド/ケンタッキーのシュプレヒコール。
上演され、演者達の手から離れ、観客として受け取れたところはかなり面白かった。
これまで、お布団の上演は凄く良いと受け取るか、そうではなかったか、そのいずれかなのだけど、この得地さん演出のハムレットマシーンは良かった。面白かった。

鶏の首から上
あんよはじょうず。
阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)
2025/08/18 (月) ~ 2025/08/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2025/08/29 (金) 14:00
『鶏の首から上』(ひよこ組) 番外公演とのことだけど、初めてなので、どの辺りが番外なのかは判らない。
加藤睦望さん以外、柴奏花さん、丈真央さん、渡久地雅斗さんは多分初めまして、高畑亜実さんはどこがで拝見していると。
主宰の高畑亜実さんが 19歳の時、高校生に宛てて書いた処女作を改訂した上演とのこと。改訂されたとは言えベースはその時の戯曲。このベースになった作品を 19歳の時に書いた高畑亜実さん、どんな 19歳だったのだろうか!凄し!
普段と言うか、見たことのない、鶏の首を刎ね、駅舎を燃やし、無免許運転を唆す、無謀さを纏った上演。鶏の首から上、そう頸を刎ねる訳で、血塗れの、更に血塗られる衣装に肉体。鮮烈な言葉が、シャウト、あるいはそれに近い発声でぶつけられる。と言うことで、新鮮な体験だった。
左程静かではない会話劇、自分的には不思議と面白かった。

Many Classic Moments
稲葉組
インディペンデントシアターOji(東京都)
2025/08/14 (木) ~ 2025/08/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/08/15 (金) 12:00
稲葉組『 the True Colors 』 (原作 ウィリアム シェイクスピア『尺には尺を』 翻訳/翻案/演出 稲葉智己) 超面白かった!
で、いきなり横道に逸れる。原作『尺には尺を』 は喜劇に分類されるが『問題劇』とも分類されることがある作品とのこと。ちくま文庫の松岡和子訳の訳者あとがきの最初のくだりに「シェイクスピア劇に....、喜劇はすべて結婚で終わり、悲劇はすべて結婚から始まる」「またロマンス劇にしても...、プロットの悲劇的な発端は結婚である」とある。原作は結婚で終わるのだが....とある。ややこしそうな話なんだ。
そして、さらに稲葉組では本作の題名を『 the True Colors 』とされた。本当の色、私の本性とでも言うことなのだろうか。人の本性、表に現れていない部分とでも言うことだろうか。
前置きが長くなった。「稲葉組流に、あんまり問題ないようにアレンジしてお届けします」とあったけど、確かにそのままではなかったけど問題劇の色合いが濃くブラックだけど、黒太さんの灯りと、稲葉先生の物語はさすがで、面白かった!最後はどう話を納めるのか、ハラハラドキドキだった。十分楽しめる上演でした。
小磯帆奈が良い!いつもの小磯さんとひと味違う!黒太さんが言えと言うから言うのではなく、良かったから言うのだが、高校演劇サミット、高校、大学で見て来た小磯帆奈から違う部分が垣間見えて良い!(駅に行くまでではなく、CoCo壱番屋王子店からですが)
院長の時もだったけど公爵を演じた時の加賀和百花さんも良かった、鎌﨑 結さんのイザベラは淀みのない迫力が凄く、アンジェロの堀江 礼さんの突き放した姿が良い。
大変満足しました。良い上演をありがとうございました!

ウルトラマリンたち
排気口
OFF OFFシアター(東京都)
2025/08/07 (木) ~ 2025/08/11 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/08/11 (月) 13:00
タワーマンションじゃないけど豊洲に住んでいます。
少女漫画の目の大きな人達は苦手、排気口のボリボリ先生が描かれる人達は何故かそれに該当しない。
海なんだな、ウルトラマリンたち。
水元琴美さん、ベテランのお二人、良いなぁ。
おかしくてやがて悲しき排気口。
泣きましたよ。

穿つ泡(うがつあわ)
LiveUpCapsules
小劇場 楽園(東京都)
2025/08/06 (水) ~ 2025/08/11 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/08/10 (日) 17:00
昭和初期 子供向け漫画で人気を博した漫画家 田河水泡の物語。
戯曲の力と圧倒的テンポでの演出に幕開きから引き込まれた。素晴らしかった。
義兄が小林秀雄だったと今更知った。
NHKの朝ドラ「あんぱん」をご覧になっている方には特にお勧めだ。
NHKの朝ドラ、いつも見ている訳ではないけど、今回の「あんぱん」は欠かさず見ている。時代も重なっており、やなせたかしは「のらくろ」の愛読者だったそうだ。
「あんぱん」では嵩ではなく、のぶが愛国の鑑として第二次世界大戦へ雪崩れ込む戦時に巻き込まれていったのだけど、「のらくろ」を描いた田河水泡も時代に翻弄された一人と言えるだろう。劇中、小林秀雄と戦争を描くシーンがあったが、流石小林秀雄だ、と言えるのかどうかは知らないのだけど。
そう言った意味で、今、田河水泡を上演する意義は大きい。
田河水泡を演じられた内田健介さんを筆頭に 9人の演者もハイピッチの展開を見事に描き上げていた。

『意味なしサチコ、三度目の朝』再演
かるがも団地
吉祥寺シアター(東京都)
2025/08/08 (金) ~ 2025/08/11 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/08/10 (日) 14:00
能代市と言えば、そうかバスケットの街と呼ばれているのか! 地図を見たら秋田市よりも北で青森は直ぐそこなんだな。でも言葉は秋田寄りと言うことなのだろうな。

朗読劇『少年口伝隊一九四五』
新国立劇場演劇研修所
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2025/07/31 (木) ~ 2025/08/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2025/08/02 (土) 14:00
高校生の頃から拝見している方が研修生ということで拝見。朗読劇なれど少し動きを伴う。皆さん、研修で広島を訪られたそうだ。皆さんの緊張が伝わって来る。舞台の真ん中に、焼けてしまった色にも見える段ボールの広島の街が

それは、満月の夜のことでした
階
WAKABACHO WHARF 若葉町ウォーフ(神奈川県)
2025/07/29 (火) ~ 2025/07/30 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/07/30 (水) 14:30
大阪に居られ、何度目かの関東での公演。関東に来られると観に伺う。
独特の言葉を持つ、好きな俳優の一人、七井悠のひとり芝居。
「途」(みち)の先にあるパン工場、月と向い合う男。
主宰の久野那美さんはことさら独特の色合いを持つ。
本人はそう思っておられないのだと思うが、独特だ。その個性、心地良さが今回もあった。
七井 悠さんの台詞が好きだ。その好きで埋まっていた。良かった。

TEXAS KILLERS FOURTEEN
大統領師匠
駅前劇場(東京都)
2025/08/27 (水) ~ 2025/08/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/08/28 (木) 14:00
SF、ナンセンス、怪獣ものなどの要素を混ぜ込んだ「珍妙な(←褒め言葉)」ハイブリッド。
物語の軸である「家電生物」はナンセンスの極致(爆)なのにどこかリアリティ(!?)を感じてしまうのはその発明の元のSF的設定がそれっぽいからか、某劇団(今回客演者もいるし)の家電等の擬人化で「慣れて」いたからか?(笑)
そこにさらに巨大生物もの、ってか怪獣ものの要素もブチ込むとは欲張りさん♪
そして家電生物のデザインセンスの良さたるや!
最初、電話が「床を走って」いる間は気付かなかったが持ち上げた時に足が生えていることに感動(笑)。続いて登場した着ぐるみ(爆)も「某劇団」とはまた異なったアプローチで「よりリアルを求めた」みたいで佳き♪
これもまた「大のオトナのごっこ遊び」系(もちろん褒め言葉)と言えるのではあるまいか。

勇者よ、情けなく
中央大学第二演劇研究会
studio ZAP!(東京都)
2025/09/04 (木) ~ 2025/09/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ちょっと変わったタイトルから類推できるように若い脚本家の作品とはいえ、観客の解釈次第で如何様にも味わいを深めることができる捻りを加えた作品である。(追記予定)

まどにふね、なみにはな。
どんぐり企画
神戸三宮シアター・エートー(兵庫県)
2025/09/06 (土) ~ 2025/09/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
前作の短編集に続き拝見しました。今回も心に染みるいいお話いいお芝居でした。何気ない、実はどこかで起きていそうなそんなお話を情緒豊かな、爽やかなお芝居にされていて、本当に心にスッと入ってくるようなお芝居でしたね。それを演じてる役者の皆さんも素晴らしかったです。次回作品も期待しちゃいますね。とても優しい時間ありがとうございました。

ライフ・イン・ザ・シアター
シス・カンパニー
IMM THEATER(東京都)
2025/09/05 (金) ~ 2025/09/23 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/09/05 (金) 18:00
デヴィッド・マメットの傑作を中村倫也・堤真一が見事に上演。とてもいい芝居だった。(3分押し)105分。
マメットが77年に書いた戯曲で、ベテランと若手の2人の俳優の力関係が時間と共に変化する様子を描いた傑作だが、俳優が俳優を演じる、というのがかえって難しい作品とも言える。日本では97年に石橋蓮司と堤真一で初演された作品で、それも観ているのだが、堤はそのときと役柄を変えての上演に挑む。結果、とても面白く良い感触の芝居になっていた。ベテランなりの態度を崩さないものの情けないところを見せるロバート(堤)と、若手から売れっ子になりロバートとの立場の変化が難しいジョン(中村)ともに、デリケートな役割をしっかりと演じてた。

カサブランカ
株式会社スタイルオフィス
博品館劇場(東京都)
2025/09/06 (土) ~ 2025/09/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白かったです。
朗読劇でしたが、ストレートプレイ?という印象で、観応えがありました。
役者さん達の演技は迫力があり、目も耳も釘付けでした。
台本を観る事なく主役リックを演じた廣瀬智紀さん、熱量を感じました。素晴らしかったです!
余韻の残る素敵な舞台でした。

Voice Training 2025
虚空旅団
北池袋 新生館シアター(東京都)
2025/09/05 (金) ~ 2025/09/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白かったです。
自分自身もセミナーに参加してる錯覚に陥り、先生の話は勿論、生徒の話に妙に納得したり考えさせられました。
役者さん達は、個性豊かな登場人物を好演していて、個人的には看護師を演じた得田晃子さんが印象的でした。
良い舞台でした。

チャランポラン・トランポリン
東京演劇アンサンブル
吉祥寺シアター(東京都)
2025/09/03 (水) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

チャランポラン・トランポリン
東京演劇アンサンブル
吉祥寺シアター(東京都)
2025/09/03 (水) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

ゆうがい地球ワンダーツアー
南極
彩の国さいたま芸術劇場 小ホール(埼玉県)
2025/09/04 (木) ~ 2025/09/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ド・オブ・ザ・ド直球ジュブナイル。リッチ&ダンボール。“子供まで楽しめるを目指した”という言葉に偽り無くシンシンシンプルに楽しくわくわくルンルンルン。楽しくするの?任せてください( ・`ω・´)!!!って感じ。劇場空間すべてずっと演劇に満たされていた。

われわれなりのロマンティック
いいへんじ
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2025/08/29 (金) ~ 2025/09/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
とっても良かった。多くを語る言葉を持たないのだけど“当たり前の群像劇”を観たという感想。人の数だけ人と人の在り方もあるわけでオーダーメイドそれぞれ。オーダーメイド世の中というか。始まりと終わりの鮮やかさ。沢山の人々がそこに立ち並び自然とこう...人肌の温かかさで仕上げられた題材とその演劇だなと。星のホールを豪勢とはまた違う言葉で表したい舞台美術がたっぷりと満たしていてそれもとても良かった。ロビーの姿見。是非とも前に立ってみよう。おすすめ!!120分だけど良い方向で体感100分ぐらいだった。

旅の支度
ウンゲツィーファ
cafe MURIWUI(東京都)
2025/08/30 (土) ~ 2025/09/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
雑居ビルの一室での初演から雰囲気抜群のムリウイでの再演。素晴らしい!!!!初演から更に...場が広がればこその演技でより感じる情動。くんずほぐれつの姉弟/家族がひねり出す旅の一歩まで。小さい演劇サイコー!!!!珠玉ひしめくこの週末でも傑出した素晴らしい演劇だと思う。優先度高めです。超高いです。毎度ながら毎度感嘆する見事で恍惚覚える場面のうつろい。ムリウイでも或いは特有さをサラっとメチャ活かす。大好きだと叫びたい。美術小道具照明音響グー!!そして松井文さんの歌よ...。