
アチャラカ
オフィスワンダーランド・(一社)演劇集団ワンダーランド
劇場MOMO(東京都)
2021/01/28 (木) ~ 2021/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★
「私の青空」の歌が要所要所で歌われ、カーテンコールは大合唱。井上ひさし芝居を思い出し、それだけでも見た甲斐があった。劇音を、キーボード、ドラムス、サックス、バイオリンの四人の生バンドでやるのも贅沢。BGMとしてサックスが時折、やはり井上芝居で聴いた曲をやる。調べると、三文オペラノ「マック・ザ・ナイフ」。「夢の裂け目」のラストで使っていた。これも耳に馴染む曲で、良かった。実はアームストロングなど何人もがカバーして、ジャズのスタンダードなのだそうだ。
戦争末期、若いエノケンの人気に怯え嫉妬する、人気に翳りのロッパの話である。でも、舞台の見所は、「喜劇など不謹慎」という憲兵と婦人会役員を、部隊に巻き込んでしまう劇中劇と、戦後の焼け跡で、ほとんど人のいない野外で演じる「はりきり忠臣蔵」のコミカルな討ち入り、立ち回り。
憲兵の弾圧や焼け跡が、コロナ禍の自粛・緊急事態宣言や観客のいなかったりすくなかったりする劇場に重なって見えた。2013年の初演?の再演なので意図したのではないようだが、意外な普遍性に驚いた。
1945年3月に娯楽の緩和令が出て、喜劇などの上演も許されたという。本当だったらすごい。知らなかった。戦局が悪化し、苦難ばかりだから、政府・軍部も笑いの必要を察したからということらしい。

アチャラカ 昭和の喜劇人・古川ロッパ、ハリキる
オフィスワンダーランド・(一社)演劇集団ワンダーランド
紀伊國屋ホール(東京都)
2013/09/05 (木) ~ 2013/09/08 (日)公演終了
満足度★★★★
2021年の中野MOMOでの公演を観た。「私の青空」の歌が要所要所で歌われ、カーテンコールは大合唱。井上ひさし芝居を思い出し、それだけでも見た甲斐があった。劇音を、キーボード、ドラムス、サックス、バイオリンの四人の生バンドでやるのも贅沢。BGMとしてサックスが時折、やはり井上芝居で聴いた曲をやる。調べると、三文オペラノ「マック・ザ・ナイフ」。「夢の裂け目」のラストで使っていた。これも耳に馴染む曲で、良かった。実はアームストロングなど何人もがカバーして、ジャズのスタンダードなのだそうだ。
戦争末期、若いエノケンの人気に怯え嫉妬する、人気に翳りのロッパの話である。でも、舞台の見所は、「喜劇など不謹慎」という憲兵と婦人会役員を、部隊に巻き込んでしまう劇中劇と、戦後の焼け跡で、ほとんど人のいない野外で演じる「はりきり忠臣蔵」のコミカルな討ち入り、立ち回り。
憲兵の弾圧や焼け跡が、コロナ禍の自粛・緊急事態宣言や観客のいなかったりすくなかったりする劇場に重なって見えた。2013年の初演?の再演なので意図したのではないようだが、意外な普遍性に驚いた。
1945年3月に娯楽の緩和令が出て、喜劇などの上演も許されたという。本当だったらすごい。知らなかった。戦局が悪化し、苦難ばかりだから、政府・軍部も笑いの必要を察したからということらしい。

東京原子核クラブ
アイオーン / ぴあ / オフィス・マキノ
本多劇場(東京都)
2021/01/10 (日) ~ 2021/01/17 (日)公演終了
満足度★★★★
マキノノゾミの代表作を初めて舞台で見られてよかった。朝永振一郎(舞台は友田)をモデルにした群像劇。前半は、今一つ舞台の人々の悩みと騒動にのれなかったが、後半の戦争激化から敗戦後までは引き込まれ、時間を忘れた。
二幕の冒頭、研究仲間が「友田さんは神様です。人間が神様をやっかんでも仕方ない。ボクは自分のできることをやります」と、サバサバというのにまず共感した。
葬儀が父親かと思ったら、実は犬のガロアだったというシークエンスも見事。巧みな勘違いのコントで思い切り笑えた。
戦局が進むにつれ、出征の見送り、原爆研究の葛藤も迫るものがあり、原爆投下の閃光と真っ暗で大轟音が長く続くのには、肉体的に実感としてゾッとした。そしてカラッと明るくなった戦後。「土足!」のギャグは文庫版の戯曲にはないが、最後に繰り返されることで、気持ちいいエンディングだった。
浅野雅博(仁科芳雄にあたる、西田)、平体まひろ(下宿屋の娘)が、要所要所で芝居の緩急をよくつけていた。平体の「前の友田さんの方が好きでした」のセリフは、意外と厳しい口調でドキとした。霧矢大夢も、シスターになってからのギャグと外見のずれが絶妙だった。餞別の十字架のお金をちゃっかり要求するところは笑えた。主演の水田航生が知的な科学者に見えないのがちょっと残念。

ワンマン・ショー
八角家
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2021/01/28 (木) ~ 2021/01/31 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2021/01/28 (木)
価格3,500円
28日18時開演回を拝見(110分)。
(こういう表現が相応しいかは自信がないが)いかにも「不条理劇でござい!」な性格設定の登場人物達が、複雑に交錯する時間軸のはざまで彷徨する、一筋縄ではいかない、なかなかに歯応えのある作品。
上演中、ずっとモヤモヤしながら観ていたが、クライマックスまで来て漸く「あっ、そういうことかぁ!」と膝を打てた。
終演時、客席の拍手がワンテンポ遅れたところからすると、他の観客にも難解な作品だったか。

正義の人びと
劇団俳優座
俳優座劇場(東京都)
2021/01/22 (金) ~ 2021/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2021/01/28 (木) 14:00
座席1階
カミュの古典を実力派の劇団が上演。カミュといえば降ってわいた新型コロナで「ペスト」がバカ売れする社会現象が起きたが、この戯曲は、人民の平和と安寧のために圧制者を殺害するテロは正義か、という現代でも通用する命題をめぐって暗殺者集団が大論争を繰り広げる。
舞台は暗殺前と暗殺後の2幕。翻訳に苦労したという難解なカミュの思想なのだが、役者たちの緊迫感に力を得て、客席の視線は緩むことがない。
今風に言えば、北朝鮮国民を貧困と飢餓、不自由から解放するために首領様を暗殺するのは正義かという話である。今回の舞台では二幕で、殺害された大公の妻が暗殺者に面会し、愛する夫を殺害された自分の思いをぶつける場面がある。首領様にも家族がいて(もっとも、この人は家族であっても粛正する人なのだが)果たしてその家族の安寧を破壊するのは人民のためとはいっても正義なのだろうか、と考える。
もう一つ、絞首刑になる暗殺者と恋仲の同志の女性が、恋人の処刑(死)に対して、それが自分の愛を貫くうえでも価値あるものだと半狂乱のように自分を納得させるような場面がある。主義のために死ねるか、社会をただすために愛を犠牲にできるのか。そういうことを考えなくても済む現代日本に住んでいるのは、よかったと思う。ただ、いつそういう世の中になるかもしれない、という不安は感じているわけだが。
このような戯曲を見た後は、酒場で少し議論したくなる感じだが、今はそれが一番してはいけないこと。そういう意味では不自由な世の中なのである。

Shazai !
A.R.P
小劇場B1(東京都)
2021/01/19 (火) ~ 2021/01/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
コメディと聞いて行ったのでしたが、やはり謝罪は笑って済まされないようで。笑えるところもありましたが、何ともシニカル。でもオーナーさんが宗旨替えできて良かったです。この際ですから地下室からもっと眺めの良い部屋で行うことにしたら、さらに良いのではないでしょうか?

正義の人びと
劇団俳優座
俳優座劇場(東京都)
2021/01/22 (金) ~ 2021/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★
後半、暗い牢獄の中、上側の四角い穴から光が差し込む美しい場面で行われる対話シーンが印象深い。
5Fの稽古場での公演に慣れていたので、1Fの比較的大きな劇場での公演ではやや聞き取りにくさを感じた。

正義の人びと
劇団俳優座
俳優座劇場(東京都)
2021/01/22 (金) ~ 2021/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★
戦後社会に生きる若者に大きな課題を突き付けた政治劇(1949)だが、すっかり忘れていた。民藝が上演して(1969年)安保世代には忘れられない影響を及ぼした作品を、俳優座が上演する。劇場(民藝は都市センターだったか?)はかつては青年の熱気であふれていたが今はコロナの一席沖の客席を埋めるのは老年の観客だ。若者は演劇勉強中の青年が売れなかった空席にパラパラといる。革命に自らの命を懸けて挺身しなければ、と若者が社会変革への運動への参加の意味を痛切に求めた時代はわが国では遠くなっている。
この作品は鈴木、つか、佐藤に始まる小劇場運動にも、清水、斎藤以下の劇作家にも、蜷川、渡辺、などの演出家にも大きな影響を与えた。坂手、鐘下はもちろん、現代の古川、長田、中津留らも、戯曲は読んでいるに違いない。現代演劇のメインストリームの一つである。だが、大劇団公演で舞台を観たのはずいぶん久しぶりだ。
サルトルもカミユも芝居はうまい。これはロシアの専制政治の主の大公を爆弾で暗殺すると決めた社会主義政党の暗殺実行グループの暗殺前と、暗殺後の二幕である。暗殺グループのメンバーも色分けがよく出来ていて、その中で、暗殺をめぐってさまざまな立場が論じられる。社会の不正をただすための殺人は正義か、という事がメインになるが、中国全体主義や、イスラム至上主義からトランプのQアノンまで、今も解が得られていない問題を社会正義とその実行をめぐって、議論が沸騰する。対比されているのは人間の愛で、二幕では捕らえられ死刑宣告を受けた爆弾投擲者(斎藤隆介)のまえに殺された大公の妃(若井なおみ)が現れ、自分の大公への愛はどうなるのだと、迫る。投擲者の恋人で運動家でもあるドーラ(荒木真有美)は、絞首刑になる恋人と同化して民衆への愛が達成できるという。議論は原理的ですっきりはしているが、実用的ではない。
今見れば、サスペンス・ロマンのような作りで、よく出来ているので飽きないで見られる。ことに一幕二場あたりまでは流れもよく緊張が持続する。
一日二公演の夜の部を見たので、さすがに二幕も後半になると俳優陣に疲れが見えたが、議論が主になる大量のセリフをこなしたのはさすが俳優座である。この劇団の俳優は立ち姿がいいのも自慢してもいいところで、あまり見たことがない主演女優の荒木真由美ももう四十歳近いベテランだろうが、セリフも動きも実に無駄がなくきれいだ。斎藤隆介も役をよく受け止めている。
五十年ぶりに見た舞台には感無量とでも言うところだが、考えさせられるところは多かった。とても「見てきた感想」では書ききれない。そこはお預けにするが、今の時代、お預けできるだけまだ、社会の状況は切迫していないともいえるし、もうこの段階は過ぎているともいえる。いや、単にこちらが老いたのであろう。

第6回30GP
火曜日のゲキジョウ
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2021/01/19 (火) ~ 2021/01/27 (水)公演終了
満足度★★★★★
決勝戦第一ラウンドを観てきました。予選ラウンド第2試合を観たかったのですが、一歩が踏み出せず後悔。敗者復活戦でこの組み合わせが決まって迷わず予約しました。
先攻の空宙空地さんが終わって、涙がどどっと出ているところに、余韻にひたる間もなく後攻の江本真里子さんが始まってあせりました。先攻後攻も影響ありますね。
2つのお芝居に出てくる女性3人、それぞれ抱えているものがあり、さびしさやしんどさが伝わってきたけれど、出会いに救われて前に進む姿、元気が出ました。
結果はドローとなり、投票した観客10数名?の方々は票の重さを感じられたと思います。私も責任重大でドキドキしました。

眠れない夜なんてない
青年団
吉祥寺シアター(東京都)
2021/01/15 (金) ~ 2021/02/01 (月)公演終了
満足度★★★★
転換なし、音楽なし、セミパブリックスペースで様々な人々がすれ違いながら、その世界が見えてくる。平田オリザのスタイルが貫かれている。音楽については、舞台設定の時代(1988年の昭和天皇のご病気時代)に流行った歌のカセットと、初老の男たちが歌う懐かしの軍歌(!)、「ハイマオの歌」はある。
考えてみれば、平田氏は海外の日本人を書くのが好きだ。「ソウル市民」からそうだったし、新・旧「冒険王」はイスタンブールのバックパッカー宿にたむろする日韓の若者たちだった。「その森の奥」はマダガスカルの研究所。これらは、日本人以外も出てきて、いわば国際性があるが、今回は外国なのに、日本人だけの「老後マンション」で、日本論がいっそう前面に感じられる。
「日本がどこまでも追いかけてくる」とか「帰りたくない」とか、嫌うことも含めて、「日本」をつねに意識している人たち。
2008年初演時の設定を大きく変え、1988年の天皇重態の「自粛」に時代を置き、今のコロナの感染予防の自粛・制限と重ねている。これは見事な設定である。

モンテンルパ
トム・プロジェクト
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2021/01/23 (土) ~ 2021/01/30 (土)公演終了
満足度★★★★★
死刑判決などを受けたBC級戦犯108人の生死という、重い課題を描き、心に迫る感動的舞台だった。まず、14人が死刑執行される場面での、絞首台の踏み板が落ちる、ドーン、ドーンという音に全身を揺さぶられ、冷や汗が出た。
「あ>、モンテンルパの夜は更けて」を歌って、助命嘆願に奔走した渡辺はま子(島田歌穂)、フィリピンの刑務所の過酷な状況を見て「日本人戦犯たちを導く、いたわるというより、自分が同じ苦難に飛び込まなければ」と、刑務所で同じ食事をしながら、死刑囚たちの恩赦をローマ法王に嘆願書を送り続けた教誨僧の加賀尾(大和田獏)の努力、願いが描かれていく。ついには、はま子のモ刑務所慰問が実現するところは、歌もしっかり聞かせて、よかった。
そして、加賀野のキリノ大統領(真山章志)への面会が実現する。この場面が圧巻。真山さんの大統領の威厳と人間性を体した演技に圧倒された。
キリノ大統領に渡したオルゴールから、「あ>…」のメロディーが流れ出しただけで、涙が込み上げた。108人の命を握るキリノ大統領の、罪の償いの必要と、復讐の連鎖を止めたい思いに引き裂かれる心。戦争中に妻と子供3人を殺した日本軍の残虐行為への抑えがたい恨みを吐き出す。
大変見ごたえのある舞台だった。

眠れない夜なんてない
青年団
吉祥寺シアター(東京都)
2021/01/15 (金) ~ 2021/02/01 (月)公演終了

シェアの法則
劇団青年座
ザ・ポケット(東京都)
2021/01/22 (金) ~ 2021/01/31 (日)公演終了

ザ・空気 ver. 3
ニ兎社
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2021/01/08 (金) ~ 2021/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2021/01/22 (金) 19:00
マスコミの自粛の状況を扱うシリーズの第3弾で最終作。面白い!
第1弾は放送局、第2弾は新聞社を舞台にしていたが、第3弾は放送局に戻った。元新聞記者で現在はフリーの政治評論家の横松(佐藤B作)は、記者時代には政権に批判的な発言をしていたが、今は政権ベッタリの発言で知られている。ある報道番組のチーフプロデューサー(神野三鈴)が担当を外れるという日に、ゲストの1人である横松が37.4度の熱を出したことから、とある部屋に通されるところから芝居は始まる。独特の意味を持つ部屋で待つ内に横松は異変をきたし…、という展開は、いつもながらの永井流である。
学術会議任命問題など最新の事象を扱いつつ、こんなことはあるのか、的なエピソードを含むものの、どう終わらせるのか、という興味を持って100分を過ごすことができた。2人のベテランの存在感がスゴイことは言うまでもないが、他の3人の若手も役割をしっかり演じて、楽しめる舞台を作っていたが、笑っていると、その笑っていることが恐ろしくなるというような舞台だった。

uyis nep’n at!
三等フランソワーズ
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2021/01/22 (金) ~ 2021/01/24 (日)公演終了
満足度★★★★
ブルーハーツが一番このみでした。面白かった。
前説やカーテンコールの語りがちょっとめんどくさいけど、大阪では普通なのかな。

ミュージカル『パレード』【1月15日~17日昼まで公演中止】
ホリプロ
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2021/01/15 (金) ~ 2021/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★
百年前のアメリカの南部のアトランタで起きた冤罪事件を素材にしたミュージカル。南北戦争がまだ後を引いていて、黒人差別や白人同士の貧富の差別が社会に根強く残っている。戦没者追悼記念日のパレードはそういう地域に生きる人々をひとつにするお祭りだ。
事件は、北部からきたユダヤ人経営者(石丸幹二)のマッチ工場でそこで働く貧しい白人家庭の少女の死体が発見されとことに始まる。犯行の確証がないまま、市民のいわれない反感から経営者が裁判に掛けられ犯人とされる。経営者の妻(堀内敬子)の奔走や良心的な知事そうとする夫婦の愛の物語は、復讐に熱狂する人々のパレードに呑みこまれていく。
当時の南部を思わせる音楽。大木一本の裸舞台を照明でホリゾントの色を変え、さまざまな場に変化させ、ここに五色の紙ふぶきを降らせる美術が効果的、斜に入れた照明もいい。これで舞台転換に時間がかからず、テンポもリズムも出て音楽が生きた。衣裳も少女の衣装で一本勝負。オケも台詞との絡みが多いのに、見事なものだ。ことに裁判の場面をだれずに変化を持たせながら面白くまとめたところがいい。コーラスの振り付けも無理していない。チームをまとめきった新劇団出身の森新太郎に拍手。
「パレード」がトニー賞を得たのも、二十余年前、今なんで日本で上演?と思うが、差別と偏見を抱いて冤罪を許した人々の姿は、メディアで増幅される不寛容な日本の現実にも重なってくる。
「パレード」で夫を殺された妻は、ラストで、「でも私はこの地で生きていく」と高らかに言う。風と共に去りぬに似たアメリカ魂には冤罪や差別の悲劇を越えて、人間を信じる力がある。演劇ならではの見事なラストであった。
最近のロックミュージカルと違って、セリフに曲を付けられる(笑)正当なミュージカルスタッフの座組みがよく、ここの所、瞠目するミュージカルがなかった中では出色の出来だ。ホリプロも既成の東宝、四季、松竹、梅コマと並んで、新しいミュージカルの舞台を作る実力を備えてきた。企画としては大衆迎合の最近の世相への時宜を得たもの、と言いたいところだが、それは少し買い被りで、今はアメリカでもやっていない旧作をよく掘り出して夫婦愛のミュージカルにして面白く仕上げたことを評価すべきだろう。
2017年のメインキャストスタッフを残した再演。

『砕かれた四月』-プロトタイプ-【東京公演中止】
サファリ・P
THEATRE E9 KYOTO(京都府)
2021/01/22 (金) ~ 2021/01/24 (日)公演終了
満足度★★★
演技は抜群。アクションもすごいし、衣装等も目を見張るものがある。お客さんの反応もすごいものがあり、さすが京都で名の通った劇団さんだと思った。しかし、内容が私には理解しずらい・・・。私が馬鹿なだけだが・・・。

『救うか殺すかしてくれ』
努力クラブ
KAVCシアター(兵庫県)
2021/01/22 (金) ~ 2021/01/24 (日)公演終了
満足度★★★★
共感できる場面がたくさんあったような・・・。でも、折角の人生楽しく生きないと損と自分にいいきかせた。この様な状況下で、将来展望が描けず自殺していく人が増えている。バブルを経験していない人(私も)は共感できるのかもしれない。しかし最近の若者は彼氏のように軽薄なのか。こんな人ばかりではない事を信じたい。

『救うか殺すかしてくれ』
努力クラブ
KAVCシアター(兵庫県)
2021/01/22 (金) ~ 2021/01/24 (日)公演終了

プカプカ漂流記
劇団昴
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2021/01/20 (水) ~ 2021/01/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
ドラマの主婦Aとか受付Bとか、その他大勢で出演してそうな女優さん達による演劇。
去年のコロナ騒ぎで中止になった演目。踊るの署長こと北村総一朗さんのもと、女性スタッフメインの音響やら美術やらでの上演が作品テーマと何やら合致してたような。
事件扱いになった、事の顛末の検索に魅入られた作品でした。脚本には無くても食事シーンが欲しかったかな。合唱、アコーディオン良かったです。