
魔界転生【5月4日~5月11日東京公演中止、6月5日~6月6日大阪公演中止】
日本テレビ
大阪新歌舞伎座(大阪府)
2021/06/02 (水) ~ 2021/06/10 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
とても豪華な舞台でした。見どころがありすぎてコメントに困ります。たまには単純でおもしろい舞台をガッツリ観て笑って手をたたいて楽しむのもいいなと思いました。

ARC 薄明・薄暮
山海塾
世田谷パブリックシアター(東京都)
2021/06/02 (水) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
トラウマ・アングラの親玉。一度は観てみたいと誰もが思うが結局観ることはない暗黒舞踏。自分的にはPUNK BANDと受け取っていて30年以上前から興味があった。天児牛大(あまがつうしお)氏が1975年に創設。勝手なイメージとしては曲調は平沢進、ヴィジュアルは『ベルセルク』の蝕であった。
いざ始まると久石譲調の美しい旋律に銀河と戯れる一人の人間の姿。宇宙と手探りで対峙する一匹の動物としての人間がそこに。絶妙なバランスで均衡する秤を配置した洒落た舞台美術とヴェーダ哲学を刺激する圧倒的スケール感。次々に曲調が変化すると共に舞踏手も人数も変わってゆき、『ブッダ』の苦行林を思わせる衝動的無意識達の乱舞。演舞の意味を探ると云うより、矢張り重要なのはそこに流れる音楽であろう。メロディーから連想するものが大きすぎる。
舞踏自体はそれ程特別なものに感じないのだが、曲と嵌ると一気に奥行が広がりその先の先の果てまで見えた気がした。

ビニールの城【5月8日~5月9日花園神社公演中止】
劇団唐組
花園神社(東京都)
2021/05/08 (土) ~ 2021/06/03 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/06/03 (木)
価格3,800円
3日19時開演回を拝見。
途中休憩10分間込みの2時間10分。
人生初のテント公演。
腰を下ろす座面の位置の低い客席は、クッションを持参してきたものの、やはりガラスの腰と両の腿が被害甚大!
とはいえ、観終わっての感想は…観に来て良かった♪
唐組は初見だが、断片的な知識は持ち合わせていたので、舞台美術も、独特のセリフ回しも、概ね予想した通り。
ただ、朝顔とモモの関係が、予想以上にロマンチック(←私見)に描かれていて、自分の目には煌びやかに映った。
なお、ラストシーン、屋台崩しからの「ビニールの城の主・モモ」を魅せる演出は、さすがテント公演の醍醐味か。

十一夜 あるいは星の輝く夜に
江戸糸あやつり人形 結城座
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2021/06/02 (水) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
休憩10分含む2時間35分。物語はシェイクスピアの『十二夜』。
一糸座は何度も観ているが結城座は初めてなことに終わってから気が付いた。(2003年結城座から独立する形で一糸座が結成される。)
人形遣いの湯本アキさんと大浦恵実さんが上品な姉妹のように美しく目を惹く。
唯一、人形ではない、客演の植本純米氏が語り手であり、ほぼ主役。何とか客席を盛り上げようと八面六臂の大活躍に大リスペクト。“阿呆”と呼ばれる道化を演じる。
双子の美形の兄妹の乗る船が嵐の海に呑み込まれ離れ離れに。妹ヴァイオラは男装しシザーリオと名乗り流れ着いた土地の公爵に仕える。公爵は自身の恋する伯爵令嬢の使いにシザーリオを送る。伯爵令嬢は使いのシザーリオに恋してしまう。そのシザーリオ(ヴァイオラ)は実は公爵に恋をしている。まあいつものシェイクスピアのラブコメ節。登場人物が方言丸出し(福島弁?)なのにも実はきちんと理由がある。

牛乳の唄
兎座
小劇場B1(東京都)
2021/06/02 (水) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
仕事帰りに行きました。こんな時期に公演してくれて嬉しいです。心暖まるいいお話だったと思います。ちょっとストーリーが急いだ感じがありましたが、演者の皆さんの確かなお芝居で、笑いありほろっとしたところあり、良かったです。また観に行きたいですね。次回も期待です

ジャングルジャングル3
アイビス・プラネット
配信スタジオ(東京都)
2021/06/02 (水) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★★★
短編2篇とインプロの構成、一人芝居は映像との親和性が高いと感じた。後半のインプロは「生放送感」がいいコメント参加も面白い。「配信で楽しむ芝居」としてしっかり考えられている。

外の道
イキウメ
シアタートラム(東京都)
2021/05/28 (金) ~ 2021/06/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
山鳥と寺泊の二人の男女の体験した奇妙ま話から、それぞれの見る世界、出会う人たちが歪んでいき、閉塞していき、出口のない内面世界に潜り込んでいく。この二人の閉塞ぶりは、二人以外の演者が、二人の内的世界の住民としてしか出てこないことでもわかる。全員が出突っ張りで、用のない時も、舞台の喫茶店の空いた椅子に座って待機している。
山鳥、寺泊の体験を、演者が動いて示しながら、その声を別の俳優が語るというやり方も興味うかい。これまで見てきた前川知大の大きな世界観(設定)を土台に持ったSF的芝居と違い、観念的に内向していく。スピリチュアルという意見もわかる。まったく真っ暗な時間も二度ほどあった。俳優の動き方、空間の使い方はおもしろいが、物語としての驚き(落差)、カタルシスは乏しい。これまではそこが前川知大作品の魅力だったのだが、

十一夜 あるいは星の輝く夜に
江戸糸あやつり人形 結城座
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2021/06/02 (水) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
結城座初観劇。江戸操り人形は目や口は動かないシンプルなものだが、冒頭の古典劇の三味線弾きのバチ捌き、竿を上下する動きの見事さはなかなか。シェイクスピア十二夜の翻案十一夜は、筋や人物像は原作通り。セリフを人形劇向きにアレンジ。人形の表情が動かない分、演者の声の表情を大袈裟に演じてもおかしくなく、その両方が相まって、リアルな感情を作り出していた。客演の道化(阿呆)の植本純米の飄々とした滑稽さが素晴らしかった。
終盤、双子の勘違いによるゴタゴタが、もう気付いてもいいだろうと思っても、さらに延々と続いた。イライラ、モヤモヤがかなりフラストレーションになったが、このストレスが、この舞台を見て1番の感情の体験かもしれない。イライラへの耐性を高めて、日々の生活で多少のイライラは平気になるという効用があるかもしれない。

THE Negotiation:Returns
T-works
サンモールスタジオ(東京都)
2021/06/01 (火) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ドカンとくる笑いというより、終始クスクスがとまらないようなコメディ。楽しい時間でした。最前列だったけど、三上市朗の芝居をこんな近くで観たのって、MOPの『ピスケン』初演以来かも。

舞台『 脳漿炸裂ガール2 〜俗物奇行〜 Anarchy in the Journey 』
ベニバラ兎団
六行会ホール(東京都)
2021/06/02 (水) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2021/06/03 (木) 18:30
タイトルからはどんな舞台なのか、予想出来ませんでしたが、とても楽しく鑑賞することが出来ました。ダンスとアクションが自分的に好きなスタイルでした。続編との事なので前作を見てからの方が良かったかも。

THE Negotiation:Returns
T-works
サンモールスタジオ(東京都)
2021/06/01 (火) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2021/06/02 (水) 19:00
関西を中心に活躍する丹下真寿美のユニットだが初見で、再演だが初演は観てない。おシャレで、でもおバカなところもある、面白い会話劇だった。
合併交渉のためにホテルに来た、フォスター社の社長アレック(三上市朗)と秘書ドナ(丹下)、および、シュミット社のCEOアリソン(山崎和佳奈)とCOOウォーレン(森下亮)だが、互いに相手を先んじようと色々な手を使う内、交渉はおかしなことに…、の物語。おバカの方向が関西テイストだなぁと思いつつ、面白く展開される物語に引き込まれ108分がアッと言う間に過ぎていった。全体にオシャレなテイストで展開され、場面転換も、ホテルの従業員に扮した2人がオシャレに行なうなど、観ていて気持ちの良い楽しい舞台だった。空席があるのが勿体ない。
かつて石原正一ショーで観て気になっていた丹下が確実に成長していたことが嬉しい。
本来なら星4つはあげたいところだが、シリアスな場面で「いさぎがいい」というトンデモナイ台詞を聞いたために、星1つ減じた。

小松台東“east”公演『仮面』
小松台東
新宿眼科画廊(東京都)
2019/03/08 (金) ~ 2019/03/12 (火)公演終了
映像鑑賞
満足度★★
(観劇三昧にて映像で観たので半分も味わえてないと思うが)会場の間取りを活かした観客席とシームレスに繋いだ舞台で、当事者として参加することができ没入感と一体感は半端なかったはず。
内容はというと、結局何を描きたかったのか正直入ってこなかった印象…

蝶のやうな私の郷愁
ひなた旅行舎
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/05/26 (水) ~ 2021/05/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
序盤の夫婦の会話でほんわかした気分になり
この展開がいつまでも続いてほしいなと思った。
終盤にかけての何とも言えない重苦しい感覚、
全部を説明しない、なんとなくそうなんだろうな~と思わせる上手さが良かった。
もう1度観劇した作品でした。

十一夜 あるいは星の輝く夜に
江戸糸あやつり人形 結城座
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2021/06/02 (水) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
日本の老舗人形劇一座を初観劇。時間枠が取れたので直前予約で観た。鄭義信作・演出だな..と何気なく見やっていたが開演ギリで劇場に向かう途中おもむろに期待がもたげ、徒歩が小走りに。客演植本純米の八面六臂も意外、そしてシェイクスピア「喜劇」を力技で翻案した舞台の最後も・・期待を超えて満足。
人形劇は面白い。ひとみ座が自分の中では筆頭だが(他にあまり知らないが)糸操り人形劇では一糸座のシュールな舞台を観ていた。結城座とは接点無しと思っていたが、スズナリで流山児舞台に客演していた(先代孫三郎の風貌が記憶の片隅にある)。「伝統」「料金高め」という印象であったがパンフを見ると実はアングラ時代から現代劇作家・演劇人との共作、コラボ等人形芸の開拓者の一面もあった由。
糸操り人形の「歩き」は不格好である。が微細な手の動きや角度で表情を作る。ポイントを押さえて風情が宿る。何より声である。主役の双子の兄妹を新孫三郎が、ゲップ親父を先代が演ずるが、その他は全て男役を女性、女役を男性が演じる。形代が持つ観客の想像力誘発の機能に最大限頼み、換言すれば観客の理解力に信頼しその限界を攻める演出の熱に、心底でやられている(まあ座員の男女比からの必然とも..)。
これら人形と絡む唯一の「人」である植本氏の芸達者振りにも驚いたが、大胆な起用というかこの演出ありきの台本を書いた鄭氏に敬服。

シュベスターの祈り
ピウス
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2021/05/27 (木) ~ 2021/06/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
時間を少しさかのぼって、のお話。前作を知らなくとも、十分に楽しめます。出演者の殺陣や動き、表現には圧巻です。人間関係を実にリアルに表現されています。この作品は、世界観が広く、ストーリーが沢山あります。今回の作品から入っても、世界観を楽しめ、ますます興味がわくと思います。私は西本りみさんからこの作品に触れました。この作品への思い入れは、凄いものがあります。また、沢山の素晴らしいリリィ達がいますので、好きなリリィが必ず見つかるでしょう。ぜひ、劇場で、配信でご覧いただければ、と思います。

風を切れ2020
演劇企画ユニット劇団山本屋
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2021/05/26 (水) ~ 2021/06/01 (火)公演終了

うちのばあちゃん、アクセルとブレーキ踏み間違えた
劇団チャリT企画
座・高円寺1(東京都)
2021/05/16 (日) ~ 2021/05/23 (日)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/05/23 (日)
価格2,200円
ネットデマの拡散→理不尽なネットリンチ、というダークな現実を、ほんわかとしたコメディータッチで描きつつも、これでひと安心と思ったら土壇場で、いきなりシビアな現実に引き戻され…。
動画配信でなく、座・高円寺1で直に観るべきだった91分。
なお、会場では配布されたのであろうが、動画配信では配役が最後まで表示されなかった。次回は是非、エンドロールで役者紹介をお願いしたい。
【追記】
CoRichのシステムでは劇場公演の期間でしか鑑賞日を登録できないようなので
こちらに動画鑑賞日6月2日と記載しておく。

風を切れ2020
演劇企画ユニット劇団山本屋
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2021/05/26 (水) ~ 2021/06/01 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
船をこう言う使い方するのか・・・風を切る感じではなかったが・・・♪
気になったのが、レースの時ってライフジャケット着けないの・・・?
Tシャツ一枚でレースって・・・そりゃ事故で死ぬよね・・・♪

蝶のやうな私の郷愁
ひなた旅行舎
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/05/26 (水) ~ 2021/05/30 (日)公演終了

外の道
イキウメ
シアタートラム(東京都)
2021/05/28 (金) ~ 2021/06/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
イキウメの世界も、このコロナ禍の一年余で変わってきたようだ。
以前は天体の運行とか、宇宙人の襲来とか、SFでも飛び道具のような設定で、現代社会の奥に潜む人々の不確実性を鮮やかに描いて見せてくれた作品が多かったが、今回は、SF的ではあるが、設定はだいぶ変わった。
舞台は相変わらずの北の小さな町。故郷へ帰ってきて、配送屋で生活している四十過ぎの男寺泊(安井順平)が地元の行政書士事務所で働いているかつての同級生の山鳥(池谷のぶえ)に再会して、全国からひそかに客が来るという町はずれの喫茶店で、店主(森下創)の手品を見に行く。それは個体を人間の中に埋め込んでしまうという手品で、実際に政治家がパーティの会場で、その場で割れたビール瓶のかけらを頭に埋め込まれて急死する超現実的な事件があった。
手品を見たころから寺泊の周囲に奇妙な事件が起き始める。妻〈豊田エリー〉が美しくなり始め、どうやら、山鳥の弟と浮気しているようでもある。配送する荷物は行き先が分からず、誤配で返送されてくる。配送物の中身は「無」と書かれている。中にはマックロクロスケ、闇が入っていて、そこから漏れ出した闇は時に舞台を暗黒の世界に誘っていく。
・・とイキウメらしい展開になっていく。しかし、それは、全社会に及んでいく超自然現象ではなくて、個々の人間の、個人の記憶と認識から始まり、見知らぬ子ども(大窪人衛)が家族と主張して入り込んできたりする。
SFファンタジーのような、ホラーのような、イキウメ独特の舞台の感触は変わらないが、仕掛けが壮大な宇宙から個人になった。同級生の間の人間関係や喫茶店のマスターの手品など、いままでになかった人間的な味わいやユーモアがあるし、どこか、幼いころ読んだ、小川未明の童話の街の雰囲気もあって、なかなか面白い。
休演している間にブラッシュアップする時間もあったのだろう、完成度も高い。見終わったあと、あれはどういう事だったのだろうと思い返して、はたと手を打つ楽しみも大きい。