
解放区
GROUP THEATRE
浅草九劇(東京都)
2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
「解放区」という場の中に自由より、社会の縛りへの掃き溜めという感じがして、説明にあったイメージとはずいぶん違う気がした。ラストも白日夢のような終わりで、なんとなくしっくりこない。また、出演者のセリフ回しというか、どういったらいいかうまく説明できないが、皆同一な感じがし、大声であっても小声であっても、単調さを感じてしまった。もう少し自然体な演技でも良いのではないかと思った。感動したと漏らしていた方もいらしたので、単純に好みの問題かもしれない。

未来からの手紙
アンティークス
インディペンデントシアターOji(東京都)
2021/10/06 (水) ~ 2021/10/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
毛色の違う、ひねりの効いた二作品、どちらも面白かったです!
ただ、どちらも色々な感情をわかせてくれました
「未来からの手紙」には、今の現状からの色んなメッセージが込められているようにも思いました

解放区
GROUP THEATRE
浅草九劇(東京都)
2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
バイオリンの音色が素晴らしかった。
この劇団さんは、前回もそうだったが、かかっている音楽がいい。
絶望の象徴のようなゴミの山のなかで、ひとすじの希望の光を与えてくれるような...
ホームレス役の役者さん、インパクトのある、味のある演技、素晴らしかった。
シェークスピアの舞台を観ているようで、個人的には好きだ。
雰囲気が好きです。
個人的には今回のほうが、前回より自分の好みに合っていた。
ひとつだけ気になったのは、大声で客席で話している人がいた。コロナ対策で注意が必要だと思いました。
素晴らしいお芝居で、満足でした。
また、観たいです。

海底歩行者
ぐうたららばい
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/10/14 (木) ~ 2021/10/18 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
■約95分■
子供を失った夫婦の話であることは、チラシを通じてあらかじめ観客に伝えられている。したがって、幼な子との幸せすぎる日々を掌編集形式で描いた前半を観れば、そのうちこの子はいなくなるんだ、夫婦はこれから愛児のいない日々を過ごすのだと考え、観客の胸は悲しさで張り裂けそうになる。子供を失ったと夫婦が気づく場面が、その悲しみに拍車をかけ、そこで幕切れとしてもいいぐらい。極言すれば、前半部分のみでこの劇は充分成立している。だが、それだけでは物語としての結構がつかないと考えたのか、後半では、子を失った夫婦の“その後”が、そして末路が描かれる。その“末路”について思うところは、ネタバレにて。
愛児役を場面に応じてママ役の女性俳優が演じたり、パパ役の男性俳優が演じたりする演出が面白かった。

解放区
GROUP THEATRE
浅草九劇(東京都)
2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
主張したいことは何となく分かるが、その対象となる現実が曖昧だ。タイトル「解放区」(理想郷と言うか理論の世界)を描くのであれば、もう少し具体的な現実の姿を表さないと、主張そのものに説得力が伴わず空虚な感じ。
公演の魅力は迫力ある演技というか、叫び吐き出される「力ある言葉」、その台詞の激しい応酬だ。両手を広げて拾いたい珠玉の言葉だが、ぽろぽろと指の隙間から零れてしまう。物語は主人公・高橋ひろしサンの教え子である2人が登場してからの緊迫した場面と、それ以前のまったりした場面、その雰囲気がガラッと変わる。対置することでラストシーンへの効果として観せたかったのだろうが、前半と思われる場面が冗長すぎた。そもそも緊密に絡んできたのか。
(上演時間1時間30分)

スケールⅡ
劇団献身
OFF OFFシアター(東京都)
2021/10/15 (金) ~ 2021/10/20 (水)公演終了

Jeanne
鬼の居ぬ間に
「劇」小劇場(東京都)
2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/10/20 (水) 19:00
ダークな作風という印象の劇団だが、ダークというより重厚な感じの好演だった。115分。
有名なジャンヌダルクの、火刑を決めた異端審問の様子と、その25年後にその審問を疑う復権裁判の様子を、時間的にも空間的にも交差させた展開で、丁寧で興味深い作劇だった。全体に暗い印象の舞台になるのだが、照明が効果を見せ、十字架のイメージなど興味深いものもあった。セリフが古いのは時代を考えるとやむをえないが、ちょっと整理されていない感じがあったように思った。

暫しのおやすみ
劇団競泳水着
駅前劇場(東京都)
2021/10/02 (土) ~ 2021/10/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
週刊誌の記者は観るべきなのかもしれない。スキャンダルに追われる「女性芸能人」を、三つの空間と時間からフレームする。何気ない会話にも業界感。あぁ。

そして、死んでくれ
M²
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2021/10/13 (水) ~ 2021/10/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
真っ先に浮かんだのは『劇団チョコレートケーキ』の香りだった。会話劇を軸とするのだが、歴史の重厚感を帯びており、空間が成立している。役者の佇まいに、無色のエネルギーを感じるのである。
2.26事件の首謀者とされた青年将校は「純真」だったと思う。その後の大政翼賛会では統制派が衣替えして、皇統派の主張を具体化したように装ったが、実のところは彼らが糾弾した軍財閥のレジームだった。国から梯子を外される過程を、観客は知っている。だからこそ、その熱に共感せずにはいられなくなる。

虹の人〜アスアサ四ジ イヅ ジシンアル〜
ラビット番長
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2021/09/30 (木) ~ 2021/10/04 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
4桁の観劇人生の中で「ラビット番長」の将棋シリーズはベスト5にランクインしてくる。それだけに『コマギレ』は愉しみにしていたのだが、いやはや、上演作を変更しても力作だった。

青い扉
ココドア
ぽんプラザホール(福岡県)
2021/10/14 (木) ~ 2021/10/17 (日)公演終了
実演鑑賞
旗揚げ公演ということで、初舞台の方いるとのこと。大げさな演技の方々でしょうか。
作品全体としては、落ち着いて観ていられたので、ほぼ満足なのですが...。

解放区
GROUP THEATRE
浅草九劇(東京都)
2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

クロノス
LOGOTyPE
中目黒キンケロ・シアター(東京都)
2021/10/06 (水) ~ 2021/10/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
タイムリープをただでは終わらせないところ、流石ですね⁉︎
脚本もしっかりしていて楽しかったのですが、
何故かちょっと古さを感じてしまいました

楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき~
アン・ラト(unrato)
赤坂RED/THEATER(東京都)
2021/10/16 (土) ~ 2021/10/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
まず驚かされたのが舞台美術。幽玄が夢幻舞台へ変化していく美しさ、そして力強い。今まで観た「楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき~」の中では絶品。4女優の演技はもちろん素晴らしいが、演出の妙に感心した。今までも そういう作品を観たと思うが、この公演は視覚に訴えるが、表層的な観せ方ではなく、劇中劇の舞台である「かもめ」が楽屋を通して、その向こう側で本当に上演しているような雰囲気。華やかな表舞台を想像させながら、その裏「楽屋」は廃墟イメージで、まるで「雨月物語」(上田秋成)を連想する。「楽屋」という物語は2項対比を思わせるところが幾つもあり、それが対立であったり比較といった面白さを描き出す。その内容的充実も見事。冒頭とラスト、情感たっぷりに輪唱が劇場内に響く。さぁ幕開けだ!
(上演時間1時間20分)

グッドピープル
株式会社NLT
博品館劇場(東京都)
2019/07/18 (木) ~ 2019/07/25 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
昨日、鑑賞してきました。戸田恵子さん、木村有里さん、阿知波悟美さん、小泉駿也さんの掛け合いが最高!!サヘル・ローズさんもとても美しく役柄にピッタリ、長谷川初範さんはダンディでしたが、役柄的には少し弱かったかも…でも、素敵でした。
貧困と差別、置かれている場所で生きる人、過去を踏み台に生きる人、アメリカ社会の縮図とも感じるお話しですが、日本に住む私達にも共通な普通の人々のお話しでした。

ドント・コールミー・バッドマン
24/7lavo
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2021/10/14 (木) ~ 2021/10/19 (火)公演終了

海底歩行者
ぐうたららばい
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/10/14 (木) ~ 2021/10/18 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
昨年上演予定の公演。糸井演出の、同じくアゴラで観た一人芝居(出演深井順子)を念頭に見始めたが(俳優名から女優二人と勝手に想像していたため道中記のようなものだろうと)、出演は男女。水槽の中を行く二尾のマイム描写(水中音)から、糸井氏お得意の照れ臭いカップル描写へ(しっとり時間を刻むようなほのぼの切ないギター楽曲)。両場面がシンボリック表現のタッチで折り重なって行くが、何故「海底歩行者」か、に合点するのは芝居(95分)の中盤。予兆としては芝居の割と早い段階にさり気なく、透明な水に小さく一滴垂らしたインクが希釈しても微かに残るように二人の物語に影を落とすが、平和な生活のさざ波にとどまると思いきや・・。
これまで実力を秘めていそうに感じた程度だった伊東佐保の演じ力全開なる様を見て感服。丁寧に作られた、やはりコロナ期に改めてその手触りも愛おしくなる作品。

そして、死んでくれ
M²
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2021/10/13 (水) ~ 2021/10/17 (日)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★★
地元だけに劇場で観劇したかったが予約できず配信を視聴。(映像は良いが音声はやはり難があり、劇場で観たかったと後悔。)
数年前に観た同じ作・演出者の舞台はいまいち納得に届かなかったが、今回は二・二六事件が題材というので「おや」と思い鑑賞。結論的にはドラマの趣旨に同意でき、演劇表現として(まずは戯曲、そして役者達の演技)明確に出ていた。以前の作に近い「鬱々」な世界ではあるものの、史実を題材にとり、パロディに走らず事件の文脈を描き出そうとした事により、試された作者の筆はある成果を得たという印象である。(あくまで過去の一作との比較でだが。)
その一つは政治家、役職にある者の保身、狡猾さ、片やこの日本において理念が高々と語られ、それが遂げられる事の「可能性の薄さ」「絶望」。この気分は現在の日本にオーバーラップする。
実際の二・二六事件は理念と「血」(若さ)の先走りで、殆ど右往左往に近い実情だったという読み解きもある(小室直樹による)が、「今」求められるもの、という視点ではこの二・二六の顛末の描写はオーソドックスに見えながら「お涙頂戴」に頼らず、きっちりと敗北を描いた。
この気分は50年前決起し割腹自殺した三島由紀夫の「時代への気分」と恐らく同種と想像する。それほど日本は病んでいる、という認識からはコミュニズムもナショナリズムも単なる名称、その内実に比して些末な差異に思えて来る。

がん患者だもの、みつを
うずめ劇場
シアター風姿花伝(東京都)
2021/10/06 (水) ~ 2021/10/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
かれこれ十数年以上前に名前を耳にし、その数年後やっと目にした北九州に拠点を置く話題の<劇団>うずめ劇場に対する思い入れと、劇団外の活動もあるゲスナー氏演出又はプロデュースによる舞台に対する芸術的関心とは、近似的だが異なり、舞台に対しても二つが混在する。
この度はうずめ劇場公演である。数年前観た内田春菊作・ゲスナー演出舞台は他プロデュースで秀逸であったが、今回も春菊風味の苦甘さ滲む私好みの世界。
もっとも今作の特徴的な部分は、表現として「逸脱」気味な部分でもあり、その一つは主役の一人を演じたうずめ団員・後藤まなみの逸脱性、そして今一つは(毎回チャレンジングな)ゲスナー氏が時折垣間見せるそれである。
端的に言えば前者はド当たりな演技と危うい演技の波があり、がんを患う事になった揺れる中年女性の「普段の人付き合い」の場面では饒舌であるのに対し、裏側(本音=弱み)が思わず開陳される局面での変わらなさ(声の張り)が勿体ない。後者は時間的に僅かだから乗り切ってはしまうが・・気になる人は居そうである。
一方ゲスナー氏のそれは、以前「喜劇だらけ」で一般人(演劇初体験者)を登場させた記憶が蘇るが今回は作品テーマに所縁の(その筋では知られた)人たちが出演し、芝居的には心許ない、危うい場面を作る。台詞が一言もない(のに存在感だけはある)女性出演者が舞台後半の一場面ズラリと存在を現わすのである。この不思議で不気味な趣きが、演劇作品的にはシュールで珍味の類。「がん」というテーマのみで作品を括るなどと言う野暮はやらなかろうゲスナー氏の、「味覚」の振り幅を味わう体験と言っても良いか。(拙さとアピール度は紙一重。出演したある無発語の女性の特徴的な風貌が今も脳に焼き付いている。)
そんなこんなで本編の面白さには触れないが、ツボな場面満載、楽しい時間であった。コロナ期に生まれた劇、というカテゴリーが後に出来るとすれば、命に関わる劇は全てそれに含まれるだろう。つまりは殆ど全てのドラマは、コロナ禍によって輝きを得ることとなった、訳であるが、本作では「がん」を扱うのに「命の尊さ」といった直截なメッセージや感傷はまずもって寄せ付けないのが核であり、魅力。(要は春菊風味である。)

ドント・コールミー・バッドマン
24/7lavo
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2021/10/14 (木) ~ 2021/10/19 (火)公演終了