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杜若艶色紫―お六と願哲―

杜若艶色紫―お六と願哲―

劇団前進座

国立劇場 大劇場(東京都)

2022/05/14 (土) ~ 2022/05/23 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

藤川矢之輔の愛嬌のある演技が光っていた。極悪人の願哲にもっと大暴れしてほしくなる。河原崎國太郎の悪婆お六はどうだろう。前半の一・二幕はぱっとしなく見えたが、三幕になって精彩が出た。一・二幕はやはり見せ場がなく、三幕でヒモのような夫伝兵衛を愛しながら尻に敷いてるところから、ぐっと悪婆らしくなる。そして最後の日本堤の場での願哲とのたちまわり。願哲を斬った勢いで花道までダーッと駆けてきての見栄には鬼気迫る力がみなぎっていた。

國太郎の二役のもう一つ、花魁八ツ橋は、次郎左衛門(嵐芳三郎)に斬られる場面で長く長く二人で舞うのが歌舞伎らしい見せ場。芳三郎は凛とした二枚目を姿も声もよく演じていた。

筋の合理性や心理の深さよりも見せ場優先という芝居。その見せ場が2時間35分(休憩25分)にてんこもり。早変わり、着替え、八ツ橋殺し、願哲と誤っての乞食殺し(以上前半1時間半)、願哲殺し、次郎左衛門も加わっての大捕り物(後半35分、そのまま幕)と、面白かった。

また三味線、太鼓、お囃子、杵の音が歌舞伎の不可欠の「伴奏音楽、効果音」であることがよくわかった。セリフの隙間を埋め、動きや立ち回りを盛り上げ、「歌」舞伎を作っている。

お勢、断行

お勢、断行

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2022/05/11 (水) ~ 2022/05/24 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ダークでグロテスクだけど、どこか品のある大正レトロな江戸川乱歩的雰囲気が横溢していた。見ながら「江戸川乱歩みたい」と思っていたら、あとで原案が江戸川乱歩だと知って、なるほどと思った。とくに前作の「お勢、登場」は乱歩の7つの短編からできている。今回はキャラクターは生かしているが、話はオリジナル。

後妻お園(大空ゆうひ)と政治家(梶原善)と医者の密談で、奥座敷の当主を無理やり精神病院に入れる。娘のあきら(福本莉子)と居候の自称作家のお勢(倉科カナ)はその一部始終を見て、表面何事もない風ながら、ひそかに彼らの罪への罰をくだすことをはかる。その量刑は常識的には全く釣り合いが取れないが、父を偏愛するあきらにとっては当然の報いだ。美しい(これ重要)お勢の魔性がそれをあおり、実行する。当主の妹の有閑マダムの池谷のぶえのいやみぶりも、江口のり子のしたたかな女中ぶりもさえていた。

舞台装置が素晴らしく、乱歩的な錯綜した話をみごとに支えていた。(倉持氏とのアフタートークで白井氏も、前振りのコロナでの中止の話題の次に、この装置を話題にした)。スライド式の箱と障子をいくつも入れ子のように組み合わせた二階建てのセット。個々の部分が奥に引っ込んだり、舞台袖から現れたり、上下に障子が動いたり、中央に階段が現れたりと、変幻自在。手前の舞台の奥に、桟をすかした廊下ができるのも、邸宅の奥行きが出た。応接間、子ども部屋、病院、書斎、公園(マッピング映像がうまい)、井戸、電気工夫の部屋等々をスムーズに立ち現せる。

物語も時間を「半年前」「昨日」などとテロップがてて、時間を行き来する。この入り組んだ時空構造がこの作品の肝である。冒頭の後妻たちの注射器を持っての決起シーンと、お勢とあきらの「あなたは何がしたいの?」「したいということは本当にしたいことではない。したいことはすでにしている。だから私のしたいことは、今までしてきたことの中にある」という冒頭の会話も、劇の進行とともに鍵場面として再現され、その意味が解る。

タイトルロールのお勢は、ほとんどの間、傍観者であり、ことを行うお園が主役のようにみえる。他人のうちに入り込んだ居候が、その家のドラマを見つめ介入するのは筒井康隆「家族八景」を想い出した。

歴史・社会とのかかわりは薄いが、女性の「子を産む道具」扱いされる無権利状況、精神病院の虐待ともいうべき患者の処遇、醜悪な金権政治がこの作品の根底にはおかれている。

ネタバレBOX

劇の後半に向け、あきらとお勢が夢のように語った「罰」とは、違った事件が次々起きる。「あれはただのおしゃべりだったか」と油断させるが、最後には「アッ」と思う間もなく、二人のおしゃべりが現実になる。このどんでん返しが面白かった。

実は女学生(くらいの)あきらの無邪気な悪意が悲劇の発端になっていたというのが、さらなるどんでん返しである。あきらも「したいこと」は「すでにしていた」のである。
グリーン・マーダー・ケース×ビショップ・マーダー・ケース

グリーン・マーダー・ケース×ビショップ・マーダー・ケース

Mo’xtra Produce

吉祥寺シアター(東京都)

2022/05/13 (金) ~ 2022/05/19 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

『グリーン・マーダー・ケース』

滅茶苦茶面白い。ミステリー好きなら必見。何か内容は全く関係ないのだが、ファミコンの『ミシシッピー殺人事件』とかをやっていた頃の気分に。どっかり腰を据えて面白いミステリーを腹一杯味わえる。
舞台美術の片平圭衣子さんと衣裳の鶴岡寛恵さんを称えたい。センス抜群、女性支持率100%。ピチカート・ファイヴの小西康陽全盛期を思わせるPARCO調オシャレの極致。全ての役者の衣装に必ずグリーンのアクセント。成程、スタイリッシュとはこういうことか。ウォーレン・ベイティの『ディック・トレイシー』なんかを思い出すレトロでカラフルなステージ。

1926年ニューヨーク、犯人の死によって終わった『グリーン家連続殺人事件』。その屋敷に居合わせた刑事(鍛治本大樹氏)は頭に弾丸をかすめて入院。その後遺症で事件に関する記憶の殆どを失っていた。退院した彼を心理カウンセラー(毛利悟巳〈さとみ〉さん)が治療に当たり、そこで本当は何が起こったのか、失くした記憶を取り戻していく。

MVPは看護婦役の大澤彩未さん、最高に面白い。
女主人役は小玉久仁子さん、豪華な配役。
女中役の小林春世さんも見せ場タップリ。
意地の悪い次女役の今泉舞さんは流石の助演。
毛利悟巳さんはサトエリ似。
名探偵ファイロ・ヴァンス(齊藤陽介氏)の独特なキャラ。
シリアスと笑いの配分が絶妙で、全く長さを感じさせない。

ネタバレBOX

原作は未読なのだが、原作ファンも驚くような二重三重の仕掛けだろう。古典である『グリーン家殺人事件』を今描くとするならばこの手法が正解か。刑事が記憶を取り戻す過程と同時進行して起きる新たな殺人。事件は未だに終わっていなかったのか?

欲を言えばラストの方がゴチャゴチャし過ぎ。何故、刑事がアダ(小口ふみかさん)の次女殺害を必死に止めたのかがよく分からなかった。刑事の目的、心理カウンセラーの目的、アダの目的が三重に連なっている。
ホテル

ホテル

20歳の国

新宿眼科画廊(東京都)

2022/05/13 (金) ~ 2022/05/24 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「マジック」を拝見しました。短編でしたが、とても内容が伝わり、よくまとまったお芝居でした。二人の役者さんの、演技もとても素晴らしかったと思います。他の二編も気になりました。配信も楽しみにしています。

竹之内淳志じねん舞踏ソロ公演

竹之内淳志じねん舞踏ソロ公演

シアターX(カイ)

シアターX(東京都)

2022/05/14 (土) ~ 2022/05/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 スタンディングオベーション。華5つ星、必見。こんなに素晴らしい舞踏を観たのは芦川さんの「ひとがた」を観て以来だからほぼ半世紀ぶり。たった1000円。15日15時から残り1公演がある。上演時間約110分。追記15日午前4時40分。

ネタバレBOX

 衣装は緋色系の貫頭衣のようなもの。貫頭衣は衣装の最も原初からある形の1つであるから、今作の何億年もの生命の歴史を描くスタンスにも見合っている。而も緋色というのは、新月の晩に忍びが纏った衣装の色でもある。白~黒というのは色調というより本質的には明暗であるから、黒い衣装は明暗差の中で浮き上がってしまうのに対し、緋色は闇に溶け込んで見分けがつかない。この性質を見事に用いつつ舞踏は展開するが、この程度の科学的知識は初歩的なものであることは言う迄も無い。音響は生命が誕生した時の宇宙に対する戦きが舞踏によって表現されている時には、恰も宇宙背景輻射の只中で顫えるような音、或は水琴窟内に響くくぐもった音のような質感が東欧、中東、アジア、アフリカ等々の楽器を用いて生で奏でられコレスポンダンスが素晴らしいのみならず、昏めの照明の微妙な変化が更に陰影を濃くして効果的である。様々な生き物たちの始原から現在までの諸相をカオティックな状況を背景に時に水琴窟様の、時に洞窟内で獲物の肉を焼き暖を摂り、或は灯りを灯して過ごす夜もすがら。更に或は近世、近代、現代迄の我らの生きている時代に近づくにつれより具体的に骨肉争う様、戦地獄、また飢餓や災害に逢う憂き世の動物たちをそれでも何も言わずに養う植物の生と我らヒトを含む動物の生との対比としても明確化してくる。無論このような人間の知の発達に応じた変化と変われない部分、即ち動物は、生き続ける為に必ず他の生き物を殺して食わねばならぬ業(カルマ)を負うが、植物は太陽光と水分さえあれば他の生き物を殺さずとも生きて行けるという決定的差を炙り出し、掛かるが故に人は植物の精華たる花に憧れる。その夢のような夢幻境に迄念を馳せた作品。
民衆が敵

民衆が敵

ワンツーワークス

ザ・ポケット(東京都)

2022/05/05 (木) ~ 2022/05/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「匿名の正義」と正面切って向き合うことなど無いと思っているので、ユラさん(高校教師)には「ほっておきなさい」と言いたいですが、当事者となると、まして自分だけでなく勤務先にまで負担をかける事になるとそうもいかないのでしょうか。
最近のSNSで炎上とか聞きますが、私が見ている範囲にはそういうものは入って来ません。気付いていないだけかもですが。たまにそういう話を聞くと、なんて暇なんだろうと思ってしまいます。他にやる事ないんでしょうか。
冒頭、PCに向かう人たちが装着しているものが新しいVR機器に見えてしまったのは私だけでしょうか(笑)。
ムーブの動きに変化があって新鮮でした。
アフタートークはSNSの年代差が分かって面白かったです。

『焔 〜おとなのおんなはどこへゆく〜』

『焔 〜おとなのおんなはどこへゆく〜』

下北澤姉妹社

駅前劇場(東京都)

2022/05/11 (水) ~ 2022/05/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

時事的な話題を織り交ぜながら(そこがまたクスッと笑えてしまう)高校時代からの女友達とその家族やら恋人たちがホームパーティ。みんな立場が違うので、こちらを立てればあちらが立たず的な発言になってしまうのがなんともおかしかったりほろ苦かったり。比べたり競ったりしないで、みんな自分の思ったように生きられたらいいのに。

ネタバレBOX

萌香さんのパートナーである保育士さんオススメの絵本、タイトル忘れましたが私も読みました。ペンギンの世界でも同性で子育てしたりするんですね。
「震災演劇短編集」宮城・東京ツアー

「震災演劇短編集」宮城・東京ツアー

Whiteプロジェクト

こまばアゴラ劇場(東京都)

2022/03/18 (金) ~ 2022/03/21 (月)公演終了

実演鑑賞

「10年は残ると言われた瓦礫は、3年でなくなった。3年で無くなるなると言われた仮設住宅には、10年経った今でも人が住んでいる。」という台詞が印象的。

贅沢と幸福

贅沢と幸福

オパンポン創造社

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2022/05/13 (金) ~ 2022/05/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

やはり気になって2日目も見に行きました。千秋楽も観る予定だけど待てなくて。
昨日はとにかく長男役に圧倒されましたが、他も物凄く気になっていたので、今日は違うところに注目。
リアルなのか、虚構なのか、異世界とも思うけど、人物は生々しい。まだ荒削りなところもあるけど、千秋楽や東京公演ではどうなっているのだろう。

平家物語 颯 寿永4年のスワロウテイル

平家物語 颯 寿永4年のスワロウテイル

神戸・清盛隊

六行会ホール(東京都)

2022/05/13 (金) ~ 2022/05/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

とても良かった。殺陣も素晴らしかったし、物語のエッセンスとしてダンスがとてもきいていた。おすすめです。

グリーン・マーダー・ケース×ビショップ・マーダー・ケース

グリーン・マーダー・ケース×ビショップ・マーダー・ケース

Mo’xtra Produce

吉祥寺シアター(東京都)

2022/05/13 (金) ~ 2022/05/19 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/05/14 (土) 19:00

グリーンマダーケースを観劇。
ストーリー展開の巧みさが見事に演じられ、世界観に引き込まれました。
ミステリーのシリアスな中にも笑いがあって面白かった。

衣人館 / 食物園

衣人館 / 食物園

牡丹茶房

ギャラリーLE DECO(東京都)

2022/05/11 (水) ~ 2022/05/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/05/14 (土)

価格2,500円

「食物園(しょくぶつえん)」14日18時半開演回を拝見。

対人恐怖症から就業はおろか、外食さえもままならず、自室に籠る若菜。
そんな彼女の現状をどこで聞きつけたのか、突然現れた、かってのクラスメイトや区役所職員を装ったブローカーに喰い物にされながらも、漸く他人の役に立ったことで心から満足する…
オスカー・ワイルドの『幸福な王子』を想起させる、悲しくも美しい70分。

【追記】
『幸福な王子』に最後まで寄り添った燕と違って、若菜に近づいたカラスは若菜の…(以下、略)。

ネタバレBOX

【配役】
小倉若菜(独身でマンションに住むも、職を離れたため家賃や公共料金の滞納が続く)
…二ツ森恵美(ふたつもり・めぐみ)さん(『辺獄の葡萄』『ワンダーランド、跡地』以来)
小倉和秀(若菜の兄。メンタルの弱い若菜の将来を案じている)
…坂井宏充(さかい・ひろみつ)さん
高藤(たかとう)哲也(マンションの大家。この3階といい、上の4階といい、事故物件ばかりでお気の毒)
…國枝大介さん
河野直正(渋谷区年金課の職員)
…杉本等さん
生田侑子(渋谷区年金課の職員…ではなく、正体は大金と引き換えに生活困窮者の眼球や臓器を売りさばくブローカー)
…田久保柚香(たくぼ・ゆずか)さん(名刺切れ、髪形、親兄弟への財産差し押さえの虚偽説明…など、徐々に正体がばれていく様が見事)
長谷部律(高校?の頃のクラスメイト。実は新興宗教にはまってしまい、若菜に水を売りつけに来た)
…池島(いけじま)はる香さん
???(シロアリと名付けられた空き巣。住人不在時の留守宅で生活)…赤猫座ちこさん
贅沢と幸福

贅沢と幸福

オパンポン創造社

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2022/05/13 (金) ~ 2022/05/15 (日)公演終了

満足度★★★

うーん😔。今までとかなりタッチが異なっていたような…。
今まではシュールさの中にも、スマイル☺️が盛り込まれ、一粒で二度美味しい感があった。
今回はスマイル☺️感がなく、重たい雰囲気のまま終わった感じ。いつものシュールさも僕の中ではなかったように思います。
中川さんの踊りには👏。唯一心の中で笑えたところです。

ベイビ- ドン クライ 

ベイビ- ドン クライ 

東京ハイビーム

「劇」小劇場(東京都)

2022/05/10 (火) ~ 2022/05/15 (日)公演終了

実演鑑賞

東京ハイビーム初観劇。Bチームの回。
直前に昨年の池袋演劇祭大賞をとった劇団と知り、変に期待値を上げすぎたのが悪かったのかも。余計な前情報など入れず、素直に観りゃよかったと反省。

ベイビ- ドン クライ 

ベイビ- ドン クライ 

東京ハイビーム

「劇」小劇場(東京都)

2022/05/10 (火) ~ 2022/05/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い!
表層的には笑わせ続けるノンストップコメディであるが、内容的には奥深い物語だ。
偶然であるが、前日に観劇した公演に出てくる絵本(「タイトル」はネタバレBOX)に通じる。この公演は「サダオシリーズ」の新作5、6の連続上演で、「喪失と再生」の話になっている。そして説明にある「預かったモノがある、それを伝えるために来た・・そして訪れる絶体絶命の危機!」が肝。ただ、さらにこの後の展開の方が気になる。当然シリーズものだから続きを描くと思うが、早く観たい!
(上演時間1時間45分) 【Aチーム】

ネタバレBOX

舞台セットは、中央壁に大きな絵画、テーブルと椅子、上手にソファとクッションを置くだけのシンプルなもの。しかしクッション等の小道具を上手く笑いに取り込む。
冒頭は「サダオシリーズ3、4」のダイジェストを観せ、本編へ上手く引き継ぐ丁寧な展開。サダオ(曽世海司サン)はゲイの恋人ジャイアンが亡くなり、意気消沈している。そんなサダオにジェンダーのブービー(栗田浩太郎サン)、性転換したマスター<ママ>(黒田由祈サン)、ギャップ<新宿界隈の仲間>(栂村年宣サン)、チョロ(川崎千尋サン)が元気づけようとする。そこに何と死んだはずのジャイアンが現れ大騒ぎになるが、実はジャイアン(下出丞一サン)の双子の弟。ここ迄は普通のドタバタコメディといった印象であった。

しかし預かったモノ=赤ん坊(御包み)が登場し、状況は一転する。生前ジャイアンと結婚していた女性が出産と同時に亡くなる。その赤ん坊の育児問題が焦点になってくる。施設に預けるか否か、サダオとブービーはジェンダーカップルで、勿論 育児経験はない。焦り戸惑い等、右往左往する滑稽さが前半の笑いと異なってみえる。何時しか父性本能 いや母性本能らしきものが芽生え、名前(「大地」らしい←台詞から推定)を付け、育児用品を買い集める。ただ情がわく迄の過程が早過ぎる。ここは丁寧に描いて欲しかった。
サダオの弟・コウジ(小林大斗サン)の妻も妊娠しており、同調した行動をし出す。ゲイカップルに育児ができるか否か、といった行政の役人(日替わりゲスト=安達雅哉サン)も登場させ、それなりのリアリティをみせる。

普通の育児…男女という”異性カップル”が一般的であるが、ゲイカップルという男の同性がそれを行う。何が「普通」か といった問題の投げかけと固定観念からの解き放ち。物語は、けっして杓子定規の理屈ではなく、男・女の感性の違いを面白可笑しく描き出す。腹にクッションを詰め込み、歩き難さを実践・実感したり育児書を必死に読み込む姿が愛おしくなる。先に記した絵本「タンタンタンゴはパパふたり」(邦訳名)で、2羽の雄ペンギンが懸命に卵を温めて、という話である。公演はゲイというジェンダーカップルの設定、そこに更に生まれたばかりの赤ん坊の育児という課題を取り込み、多様な家族の在り方を観せる。時代がやっと追いついてきた感じである。

当日パンフには、日本では まだジェンダーカップルに偏見があるが、「人と人が出会いと別れを繰り返し、それでも尚、人と人は繋がっている物語を紡ぎたい」とある。何が”普通”か分かり難いが、それでも普通を求める人がいる。同時に多様な家族形態を認めつつある社会、例えば東京の渋谷区などの「パートナーシップ制度」が成立する。
自分が次の公演を観たいのは、ゲイカップルの子育てを通じて、”普通ではない”親子・家族の在り方をどう描くのか期待するからである。
次回公演を楽しみにしております。
ロビー・ヒーロー

ロビー・ヒーロー

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2022/05/06 (金) ~ 2022/05/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

このシリーズの前回のプロダクションほどではないが、これもなかなか一筋縄にはいかない会話劇。それぞれの登場人物たちの言動に正義と利己が混じり葛藤する会話が延々繰り返されたあげく、問題は残されたままスッキリしない幕切れとなる。善悪や正誤がスッキリ割り切れない今の社会や人間の姿そのままを映している印象。
4人の俳優いずれも好演で、特にジェフ役は素晴らしい演技。マンションの入り口ドアの外側と内側がくるりと入れ替わる回転舞台の演出が興味深い。

ベイビ- ドン クライ 

ベイビ- ドン クライ 

東京ハイビーム

「劇」小劇場(東京都)

2022/05/10 (火) ~ 2022/05/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

前作を観ていなかったので、ついていけるか心配したが、途中5、6作目だと言うが、全く心配なし。
コメディーで、とてもおもしろい。
笑いをとるところで、劇団によっては、せっかくのところが早口で聞き取れないことがあるが、きちんとハッキリちょうど良い早さで聴こえるのがスゴい。

一番良いと感じたところは、口だけでおもしろいことを言うのでなく手、足、顔などカラダ中で表現していて、その部分を観ていても、とても楽しめて感激でした。

個人的には、最高で文句無しの素晴らしいコメディーで、満足しました。

グリーン・マーダー・ケース×ビショップ・マーダー・ケース

グリーン・マーダー・ケース×ビショップ・マーダー・ケース

Mo’xtra Produce

吉祥寺シアター(東京都)

2022/05/13 (金) ~ 2022/05/19 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/05/14 (土) 13:00

ビショップマダーケースを観劇。
登場人物の一人一人が魅力に溢れたサスペンスでした。
個人的には、グリーンマダーケースを観てからの方が良いのかなと思うくらい、グリーンマダーケースが気になりました。

ホテル

ホテル

20歳の国

新宿眼科画廊(東京都)

2022/05/13 (金) ~ 2022/05/24 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

『マジック』を鑑賞。40分ほどの短編。他の短編も含めて長編に再構成するオンライン公演があるので、内容には触れずにこの辺で。とりあえず、オンライン公演が楽しみになる出来。

9人の迷える沖縄人

9人の迷える沖縄人

劇艶おとな団

那覇文化芸術劇場なはーと・小劇場(沖縄県)

2022/05/13 (金) ~ 2022/05/14 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

難しかったけどいろいろ考えさせられておもしろかったです(^^)!!

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