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第10回西谷国登ヴァイオリンリサイタルSpecial!

第10回西谷国登ヴァイオリンリサイタルSpecial!

西谷国登リサイタル

浜離宮朝日ホール(東京都)

2022/07/03 (日) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても良かったです。生で聴く楽器の音色は最高でした。
西谷さんの奏でるヴァイオリンの音色に、何度か鳥肌が立ちました。
激しさ、悲しさ、楽しさ、穏やかさ・・とても素晴らしかったです。
新納さんの、激しくも優しい、流れるようなピアノの音色も素晴らしかったです。
とても贅沢な時間を過ごす事が出来ました。大満足でした!

正義の人びと

正義の人びと

オフィス再生

六本木ストライプスペース(東京都)

2022/07/02 (土) ~ 2022/07/05 (火)公演終了

実演鑑賞

良い舞台だったと思います。

第15回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2022(IDTF)

第15回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2022(IDTF)

シアターX(カイ)

シアターX(東京都)

2022/06/16 (木) ~ 2022/07/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 何れの公演も、板上に大道具は無い。フラットな空間である。2つのダンス公演で観客はダンサーの身体の動きや、小道具、音響や照明効果を通して自由に想像力の翼を広げることができる。

ネタバレBOX


 CDS OSAKAは大阪発祥の個性豊かなダンスの発信を主目的とした発表の場・Creative Dance Showcaseの企画から生まれた。ダンサーたちの構成はストリート、ジャズ、コンテンポラリー等から成る。今回の演目は「記憶の青-Microplastics Dance-」。気候変動問題で国連事務総長のグテレス氏が「世界は燃えている」と危機感を表明したばかりだが、生態系に及ぼすプラスチック塵の深刻さは、この問題に勝るとも劣らない重大問題である。背景に流れる音楽は、この問題を真正面から取り上げる歌詞、ブレイクダンスで世界チャンプに輝いた経歴も持つダンサーSHUNJI氏が深い海やコバルトブルーに輝く一見何の問題も無いかに見える海でのたうち回る生命のけったいな有り様を形象化するのと同時に巨大な漁網に絡めとられる海洋生物たちの姿が表現されるインパクトは凄まじい。そしてその海には、人間の力で処理しきれない放射性物質が日々世界中で垂れ流されているのである。何と罪深く愚か而も情けない生き物であることか、人間とは! この事実を痛切に問い掛ける。

 2作目は武術的ダンスというコンセプトで表現された「light」加世田 剛氏のソロである。映像と舞台を融合させたパフォーマンスグループ・ENRAのメンバーであり、全米武術大会で3度優勝の実績を持つ。パソコン作業用の椅子を用いたパフォーマンスで必ず固定した部分を作り、他の身体部分を用いて表現に繋げるというスタイルで踊った。西洋のクラシックなダンスと身体の用い方が決定的に異なる点があるが、無論格闘技である武術の身体用法から来ており、素人が真似すると危険だからその差異は示さずにおく。参考までに大山倍達がダンサーが喧嘩をやったら強い、と言っていたことを記しておこう。ブレイクダンスの動きにはカンフ―やカポエラが取り入れられていることも知っておいて損は無かろう。

 トリは宇佐美雅司氏の「Listen to the He:art Where is the truth?」ジャック・プレヴェールの「おりこうでない子どもたちのための⑧つのおはなし」を独自に構成、演出し出演したが、自分はこの作品を読んでいないので評価まではしないでおく。何れ読んだ後に何かが書けるかもしれない。
第10回西谷国登ヴァイオリンリサイタルSpecial!

第10回西谷国登ヴァイオリンリサイタルSpecial!

西谷国登リサイタル

浜離宮朝日ホール(東京都)

2022/07/03 (日) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 西谷さんの10回目のヴァイオリンリサイタル。

ネタバレBOX

本当なら2年前に上演されるハズだった10回目のリサイタルがCovid-19の為、中止となってしまった。西谷氏の落胆・やるせなさ、そして先の見えない中でのインセンティブの低下やボディーブローのように効いてくる経済的苦悩、と思うように表現し得ない状況に対する苦悩は真剣に表現しようとするアーティスト総てが抱えてきた大問題であった。と同時にアートを日々の糧とする我ら愛好家にとってもアーティスト本人たち程では無いにせよ、深刻な飢えを齎してきたのだということを、このコンサートを聴くに及んで改めて痛感した。
 元々フルオケの為に作曲されたヴァイオリン協奏曲2曲を弦楽合奏版に編曲し直し今回の演奏に至ったのが第1部。無論、2曲共に世界初演である。初めにM.ブルッフヴァイオリン協奏曲第1番ト短調作品26の「弦楽合奏版(2020)」、2曲目がC.サン・サーンスヴァイオリン協奏曲第3番ロ短調作品61「弦楽合奏版2020」無論、こちらも世界初演。何れも西谷氏が2020年に予定されていたコンサートが中止の憂き目を見、1カ月朝から晩まで掛けて編曲した作品である。連日我々の体温を越すような猛暑の続く中、西谷氏の正装でのアグレッシブでサンパティックな弾き振り、彼が信頼する弦楽演奏者らの見事な呼応は、改めてクラシックの上質な生演奏に飢え且つ求めていた自分のヒートアップを宥めてくれた。休憩を挟んで新納 洋介氏のピアノ、西谷氏のヴァイオリンでC.フランクの「ヴァイオリンソナタイ長調(1886)」
 Covid-19は収束していないから、アーティストとの終演後の面会等は一切禁止ということもあって、出演者全員登壇の撮影タイムが設けられた他、極めてスピーディーで興の乗る曲がアンコールで奏され、西谷氏のサービス精神の真骨頂をも示した。余りに聞き惚れて、帰りは指定順に退場で自分の場合かなり退場時までに余裕があったのに椅子から立ち上がる際によろめいてしまった。単に年齢のせいではなく明らかに精神を集中し過ぎた為であるのは明白であった。
『Drunk-ドランク-』

『Drunk-ドランク-』

singing dog

サンモールスタジオ(東京都)

2022/06/30 (木) ~ 2022/07/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/07/03 (日) 18:00

第1回公演『ブラックアウト』でアルコール依存症を取り上げたユニットが、その前日譚とでも言うべき依存症たちのさまざまを描く。(3分押し)115分。
 大崎(楢原拓)がマスターを勤めるバーに集まる依存症たちとその妻・恋人らのあれこれを描く。当パンによれば、作・演出の藤崎自身が依存症を離脱して20年だそうで、描かれるリアルな物語には笑える面もあるけど笑ってはいられない感じも強く持つ。面白い、という表現が適切とは思えないけれど、興味深い題材を描いて役者陣も巧みに演じる。チャリT企画の主宰・作・演出の楢原がここまでしっかり役者をやるのも面白い。

ここにいます。

ここにいます。

演劇集団あんちぽっぷ

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2022/06/29 (水) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/06/30 (木)

110分。休憩なし。

第4回公演「Love in Smoke」

第4回公演「Love in Smoke」

スラステslatstick

ABCホール (大阪府)

2022/07/01 (金) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

出演者が多いけどテンポよく切り替わって、とても分かりやすい。
全員が勢揃いする場面は、ホントにミュージカルっぽくて、ワクワクします。
舞台中央のそのシーンの主役を観るもよし、セットの二階部分を使っているメンバーを見てもまたよし。
時代設定は1960年代かもしれないwので、タイプライターやダイヤル式電話が小道具。
全員がいつでもどこでも煙草をふかしている懐かしい風景。
そんな時代を過ごしてきた人にしか分からないようなネタ。チャーミーグリーンって!
めっちゃ楽しい舞台でした。

第10回西谷国登ヴァイオリンリサイタルSpecial!

第10回西谷国登ヴァイオリンリサイタルSpecial!

西谷国登リサイタル

浜離宮朝日ホール(東京都)

2022/07/03 (日) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初めて聴くヴァイオリニストでしたが、拘りのある曲作り、その熱さに感動しました。アンコールは「チャールダッシュ」、聴衆に十分満足させるコンサートでした。

『キルキルバンバン!』

『キルキルバンバン!』

劇団SUBUTA!

こった創作空間(東京都)

2022/06/18 (土) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/06/19 (日) 13:00

小劇場俳優だったが30歳を前に就職した男が先輩社員と共に訪れた先で思わぬトラブルとなり……な物語。
「なワケねーだろ!」なナンセンスコメディがいつしか殺し屋たちの疑心暗鬼サスペンス(?)に転ずるという、まるでそれまで普通に飛んでいた飛行機がいきなり背面飛行をするようなトンデモ展開なのに木に竹を接いだような違和を感じさせない(あくまで私見)のが不思議。
さらに終盤で復讐の意義などにも触れたかと思えば「なワケねーだろ!」で締めるという……ナンじゃこら!?(褒めてる)
しかし刀の反りを上に向けての抜刀・納刀では親指を切るおそれがあるのではないかしらん?

漂着(kitchen)

漂着(kitchen)

下鴨車窓

THEATRE E9 KYOTO(京都府)

2022/07/02 (土) ~ 2022/07/04 (月)公演終了

満足度★★★★★

下鴨さんらしい内容
口うるさい大家のアパート三部屋で起こった出来事を上手くシンクロさせながらの展開。最後になるほど繋がっていくが、時間の流れはマッタリ。観客の想像力を試しているかのよう。良かった‼️

きみと花火と。

きみと花火と。

UGM Kreis

πTOKYO(東京都)

2022/07/01 (金) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

二人芝居の短編を2つ見ました。どちらも予想外のラストで面白かった。また次回作に期待します!

第10回西谷国登ヴァイオリンリサイタルSpecial!

第10回西谷国登ヴァイオリンリサイタルSpecial!

西谷国登リサイタル

浜離宮朝日ホール(東京都)

2022/07/03 (日) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

実演鑑賞

楽しい演奏会でした。子ども連れの観客が多くて良かったです。

第10回西谷国登ヴァイオリンリサイタルSpecial!

第10回西谷国登ヴァイオリンリサイタルSpecial!

西谷国登リサイタル

浜離宮朝日ホール(東京都)

2022/07/03 (日) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前半はヴァイオリンとチェロとの共演で
後半はピアノさんとでした

前半に力が入っていた分かしら
後半がちょい疲れた感じを受けましたが

高音域の伸びと
弦の奏でる生音が耳に心地よかったデス

お疲れのとこ
きちんとアンコールまでして下さり
素晴らしい演奏を聴けて大満足でした

客層は拍手なども手のひらを叩く方がチラホラみられて
わかってるなぁと思えたものの
休憩時間にホール内で大声で会話したりして
マナーの無い方も多少おり=コロナの感染留まらないなぁーコレは
などと現実も再確認できたのにはチョイ閉口デス

開場が13:30で
それまで1Fのとこで並んでいましたが
2Fへは13時に上げて受け付けはした方が良かったんじゃないかと
思えました=密状態を1Fで作ってたし
結構マスク越しとはいえ会話するバカも多かったから
それが残念でした

きみと花火と。

きみと花火と。

UGM Kreis

πTOKYO(東京都)

2022/07/01 (金) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

リビングで&シェアハウスで を観劇
1つが35分ほどで2つ合わせて70分ほどの作品です
小劇場ではない店舗空間での中央を演場にした表現で
尺も含めて小品感あったかな~と

ただ似たような表現作品であり
もっと突き抜けての舞台にしてもーとか
思えたかなぁ~と

花火は照明と効果音で
舞台設定の窓から見えるという体裁でした
=雰囲気は出てたっす

連結の子

連結の子

ONEOR8

すみだパークシアター倉(東京都)

2022/06/30 (木) ~ 2022/07/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

いちおう東武線沿線の劇場で最寄り駅が特急停車駅だし・・・何となく親近感がわいて納得。開演前のグッズ販売のアピールがしつこい感じがあり、開演前の非日常への心の切り替えタイムが害される。観客にとって、幕が上がる前から観劇が始まっていることに配慮して欲しい。
高橋長英さんと藤田弓子さんのベテラン勢の演技に味があって良かった。

連結の子

連結の子

ONEOR8

すみだパークシアター倉(東京都)

2022/06/30 (木) ~ 2022/07/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/07/03 (日) 13:00

ONEOR8らしい、よくできた芝居。観るべし!(3分押し)118分。
 作・演出の田村が2011年に文学座に書き下ろした作品を自劇団で再演。ブラレールを配した舞台に電車を走らせてオープニング。一人暮らしの老人・直哉(高橋長英)のところに、前科者となった長男・進(恩田隆一)の長男・由紀夫(つまり孫・佛淵和哉)がやってきて一緒に暮らすことになる。保護司(小林美江)が仕事を探すけど、前科者であるということは秘密にしたくて直哉の恋人ということにするが、直哉のダメ男な次男・篤(伊東俊輔)が訪ねて来たことから、事態は動く……。悪意でデマをバラまくなど、現代でもありそうな状況から、家族がバラバラになるのだが…、な物語は、いかにも、な展開で予想通りの最悪の状況になる。しかし、進・篤・由紀夫の3人が趣味の話をすると…、という展開も巧く、そのシーンでは3人の話を聞くだけの高橋の表情による演技にシビれた。隣の米屋の姑・寿子を演じた藤田弓子もいそうなキャラを好演、いや若手も含めて、皆好演の舞台だった。ただし、タイトルの意味など、とても分かり易くて、ちょっとばかり拍子抜け、の感もある。でも、いい舞台だった。

第4回公演「Love in Smoke」

第4回公演「Love in Smoke」

スラステslatstick

ABCホール (大阪府)

2022/07/01 (金) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

楽しかった!カタカナの名前が苦手、出演者多いのが苦手な私にとっては、冒頭の場面がありがたかった。終演後プログラムでまた確認したけど。女性たちの生き生きとした姿、男性たちのちょっと情けない姿、笑って元気になれて最高です。あちこちで何かが起こっているので観るのが忙しかった。薫さん、かわいかったなあ。

first train 1987

first train 1987

TAMA企画

AI・HALL(兵庫県)

2022/07/01 (金) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

おじさまたち、素なのか、演技なのかわからず、大丈夫かなあと落ち着かない気持ちで観ていました。でもどんどん引き込まれて、不思議と心が和み、元気をもらいました。主演の女優さんの声やたたずまいが好みでした。観客は出演者のお知り合いが多いように見受けられましたが、皆さん集中力がすごくて、私も一緒にいい観劇をさせていただきました。次回はまた全然違う集まりになられるよう。期待しています。

正義の人びと

正義の人びと

オフィス再生

六本木ストライプスペース(東京都)

2022/07/02 (土) ~ 2022/07/05 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
物語は、二十世紀初頭(1905年)のロシアで起きた事件がモデルになっている。原作はアルベール・カミュ、それをオフィス再生が独自の演劇的な観せ方によって 重い内容を抒情的とも思えるような公演にしている。
事件は、圧政に苦しむ何万人の人々を救うために一人の人間を殺す。その人を殺せば何万人もの人が助かる。その「正義」とは、を問うもの。同じ年、ドイツのマーネスが著書「保険論」において「一人は万人のために、万人は一人のために」という名文句を書いている。書かれた背景や状況は違うが、「一人」と「多数」を並(比)べて考察している点が興味深い。

オフィス再生の公演は、深い内容を緊密に紡ぎ、照明や音響といった舞台技術で効果的に観せるという印象を持っていた。本公演も例外ではなく、さらに六本木ストライプスペース(初めて行った)という会場の構造的な空間を上手く利用し、より印象深く観(魅)せてくれた。勿論、心地良い緊張感を持ってである。
登場人物は、カミュ以外は女性キャスト、だからこそ「僕」という表現によって立場、考え方が鮮明になってくる。
(上演時間1時間45分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

会場は地下、中央に階下に降りてくる折り返し階段(客席に向かって降り、途中で反対方向へ降りる)があり、全身が見えることはない。正面から見ると階段柱が十字架のようにも見える。奥に装置が見えるが、何を意味しているのか。多くの姿見があり、その角度によって人物の見え方も違う。一人の人間の多面性であり、物事の捉え方の多角性を表しているようだ。階段脇に丸テーブルにポット、椅子が二脚あるだけのシンプルなセット。ここはテロリストのアジトという設定である。

物語は、四部構成のように思う。
 第一は、二十世紀のモスクワ。ロシアの圧政を憂い、革命を志す若者たちが、権力の象徴であるセルゲイ大公の暗殺を企てた。詩人カリャーエフ(岩澤繭サン)は、人民に素晴らしい人生が訪れることを信じ、大公の馬車に爆弾を投じる大役を申し出た。一方、過去に拘束され獄中で拷問を経験したステパン(加藤翠サン)は、憎しみこそが任務遂行上 重要であり、自分こそが適任であると主張する。ドーラ(あべあゆみサン)はカリャーエフに言う「爆弾を投げる時、大公もあなたと同じ人間だと知る」と。世界を揺るがす革命の息吹が渦巻く中、大公を乗せた馬車が走り出し…。血気盛んな若者の行動が中心。
 第二は、綿密な計画、しかし馬車に子供が乗っており想定外の状況によって、爆弾を投げることを躊躇、断念した。アジトに戻って総括をする中で、意識の変化を見せる仲間。その濃密な会話が「正義」とは、というテーマに繋がっていく。「子供など関係なく決行すべき」「革命が全人類の憎しみの的になる」「人民のために戦っているというが、その人民が自分たちの存在なんか知らないのでは」と議論は続く。しかし、リーダー・アネンコフ(磯崎いなほサン)は「再決行する」ことを告げる。爆弾製造が怖くなったヴォワノフ(嶋木美羽サン)は後方支援へ願い出る。人間(弱さ)らしさも描く。テロリストの議論は核心に迫らず、決行を前提に物語が展開していく。
 第三に、決行後のカリャーエフと大公妃との牢獄越での(手紙?)話。夫(大公)は人民を慈しんでいたが、同乗していた子供たちはそうではなかった。個人という観点なのか、為政者という立場として判断するのかを表すシーン。多くの姿見によって、人物や物事の捉え方の多面性・多角性を見事に表現している。同時に、テロリストとして「自分自身を見つめること」そして誰のための「正義」なのかを深く考えさせる。愛と憎しみの間を揺れ動きながら、最後は爆弾を投げ、処刑される道を選択した。
 第四は、処刑されるまでの様子を聞くドーラ…物語の真(心)情的な核心に迫るもの。ゆっくり階段を昇るカリャーエフの姿が見えなくなり…。

物語は、大公という個人の殺害を中心にしているが、真は「専制政治を殺す」ことで「人民の幸せを得ることであった」。「正義」は多数(立ち位置)で判断するのか、だれが正義だと判断するのか、それは今なのか後世(時代)なのか一様ではない描き方が、観客の脳内を刺激し思考を求めてくる。宗教色も見え隠れするが、国家体制・社会を正面に据えた「大義」「正義」を確かに考えさせる骨太作品だ。

キャストの迫真演技。赤や青といった原色で強烈な目つぶし照明、壁を叩く苛立ちであり鼓舞するような音、そしてピアノの旋律。眼前で繰り広げられる光景、しかしその奥で黙々と作業している男の姿が気になる。勿論、物語を綴っているであろうカミュ(長堀博士サン)が物語の世界に入り、問い掛けをしてくる気配は感じられるが(視覚に入ると、どうしても気になる)。暗闇にペンライトを照らし、カリャーエフへの語り掛けは観客への問い掛けでもあるような…。
次回公演も楽しみにしております。
人生ゲーム

人生ゲーム

劇団TOP

一心寺シアター倶楽(大阪府)

2022/07/02 (土) ~ 2022/07/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

お盆に集まった親族で繰り広げられる、人生ゲーム。僕も小さいころ、お正月に家族でやった記憶があり、楽しめました。今の人生とは異なる人生をゲームで楽しんだり、今後の人生の勉強になったりと、観る人に飽きさせない工夫がなされていた。

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