実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/07/03 (日) 13:00
ONEOR8らしい、よくできた芝居。観るべし!(3分押し)118分。
作・演出の田村が2011年に文学座に書き下ろした作品を自劇団で再演。ブラレールを配した舞台に電車を走らせてオープニング。一人暮らしの老人・直哉(高橋長英)のところに、前科者となった長男・進(恩田隆一)の長男・由紀夫(つまり孫・佛淵和哉)がやってきて一緒に暮らすことになる。保護司(小林美江)が仕事を探すけど、前科者であるということは秘密にしたくて直哉の恋人ということにするが、直哉のダメ男な次男・篤(伊東俊輔)が訪ねて来たことから、事態は動く……。悪意でデマをバラまくなど、現代でもありそうな状況から、家族がバラバラになるのだが…、な物語は、いかにも、な展開で予想通りの最悪の状況になる。しかし、進・篤・由紀夫の3人が趣味の話をすると…、という展開も巧く、そのシーンでは3人の話を聞くだけの高橋の表情による演技にシビれた。隣の米屋の姑・寿子を演じた藤田弓子もいそうなキャラを好演、いや若手も含めて、皆好演の舞台だった。ただし、タイトルの意味など、とても分かり易くて、ちょっとばかり拍子抜け、の感もある。でも、いい舞台だった。