最新の観てきた!クチコミ一覧

20361-20380件 / 189799件中
遡行の記憶にて

遡行の記憶にて

カスタムプロジェクト

コール田無 多目的ホール(東京都)

2022/08/12 (金) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

結構難問でした!
引っ掛かる台詞やシーンがかなりあったのですが、全然結び付かなかったです。
でも、楽しかったです!

下山 ~親鸞の覚悟~

下山 ~親鸞の覚悟~

文化芸術教育支援センター

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2022/08/17 (水) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても見ごたえがある面白い作品でした。2時間を越える内容でしたが、物語に入り込めたので長く感じませんでした。演者の皆さんの演技も真に迫っておりよかったです。歴史上の人物を等身大の人として感じながら拝見しました。とても良い時間ありがとうございました。

明けちまったな、夜。

明けちまったな、夜。

ゴセキカク

インディペンデントシアターOji(東京都)

2022/08/13 (土) ~ 2022/08/16 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白かったと思います。どこかで聞いたことのあるような話は否めませんが、その分リアリティーはあったように思います。20代後半の出来事でそこまで劇的でもなく、等身大で演じられていたのかなと、感じました。最後のまとめが少し強引だった気がしますが、それは好みだと思います。良かったです。

世界は笑う【8月7日~8月11日昼まで公演中止】

世界は笑う【8月7日~8月11日昼まで公演中止】

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2022/08/07 (日) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ナンセンス系喜劇に殉じた先人たちへの追悼を込めたケラのお盆興行である。
キャストに今の実力系人気者も加わって主な出演者だけで15名超え。前半一幕は新宿、後半二幕はドサ回った長野の温泉場、休憩20分を入れて3時間50分。終演は10時を20分ほど超えるコロナ禍では珍しい大作だが、ケラには少ない世態・人情噺でア・ラ30歳の女性を中心に広い客層を集めて満席だった。
昭和32年から34年の夏にかけて、新宿の3百人規模の大衆演劇の一座を舞台に繰り広げる劇団の集団劇だ。ちょうどこのころ社会に出たので、この時期のこともよく知っている。ケラはまだ生まれていないはず、と調べてみると、生まれるほぼ、五年前である。この作者、以前から素材はよく調べると感心していたが、今回も、この時代の軽演劇をめぐる空気をよく掴んでいる。当時、ムーラン閉鎖の後は、松竹の第一劇場も閉めて、このような小屋は新宿にはなかったが、図体だけはバカでかい新設のコマが開場してよくこういう大衆喜劇を組んでいた(ガラガラだった)。戦前の浅草の小屋で受けていた喜劇人(シミキンとか森川信とか)が流れてきて、丁度始まったテレビで受け始めた新しいタレントの間で、この手の劇団のドタバタ・ナンセンス系が消えていく終末期の雰囲気を、ケラは見てもいないのに的確に描いている。
もちろん演じるのは現代の役者だし、コクーンの舞台だから、あの時代の自堕落な町は再現しようもないが、それでも話が進むうちに時代の埃っぽい空気は伝わってくる。脇の人物の置き方もうまく、街に居ついたような傷痍軍人のアコーデオン弾きとか、楽屋に入り浸って商売をつぶすラーメン屋とか、貸本屋をやっている未帰還の出征兵士の若妻、とか、街によどんだ層も絶妙だが、テレビ局の部長と担当者とか、金を金庫に入れて持ち歩く女興行主とか、川端康成(本人)とか当時の混乱のなかで浮いていた層の設定もうまい。今まで形だけはよく出てきたような設定だが、ここは当時よりは小奇麗だが、本質は掴んでいて見事にメインのドラマに絡む。当時の最大の社会問題は売春禁止法の実施で赤線、青線の新宿は大きな変化を迫られたのだが、そのことはほんの一言触れられたくらいで、全く素通りしているところも、ケラのうまいところだ。舞台は関係ない!
KAATの「夜の女たち」も見て見たくなった。
肝心の芝居に戻ると、新宿の軽演劇で働いていた兄を頼りに田舎から出てきたポン中の弟が役者として受けるだけでなく本も書けて小さな世界で出世する、と言う兄弟物語がメインの筋立てになっていて、そこへ、周囲の人物を巧みに咬ませながら話は進む。
いつものナイロンのように背負い投げを食わせられることもなく、見終わると、ケラの先人への追悼の念も伝わってきて、夏の夜にふさわしいいい芝居見物になった。
余談。いよいよ東急文化村も建て直すらしいが新劇場の設計では、ぜひ、あまり直方形にこだわらずに舞台に向かって客席は台形に。始まる前に女性警察官みたいな場内案内が、席から体を乗り出さないでください!と大声で注意するのは芝居見物の感興を大いに削ぐ。長い芝居は首が痛い。もう一つ、席番号は見えるところへ。いまは小洒落たつもりて番号標記を席の瀬に折り曲げているが、そのために番号のところが客電では陰になって読めない。

三都物語 ~京都・巴里・東京 装束サマーフェスティバル~

三都物語 ~京都・巴里・東京 装束サマーフェスティバル~

井筒企画

明治座(東京都)

2022/08/17 (水) ~ 2022/08/18 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

華やかで、バラエティに富んだショー、大いに楽しめました。

Super Summer Intrasquad Game!!

Super Summer Intrasquad Game!!

PAPALUWA

吉祥寺シアター(東京都)

2022/08/11 (木) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/08/14 (日) 14:00

甲子園出場を決めた高校野球部でレギュラーに練習試合を挑んだ「5軍」メンバー……な学園青春スポーツコメディ。
このテの「お約束」なものからブッ跳んだものまでいろんなネタを多岐にわたり採り入れ、それでいてバランスよく(私見)まとめているのは上手い。
特に終盤の「アレ」はスケールが大きいSF系ホラ話だが、ちゃんとそれまでに伏線をはっているし見せ方にも工夫があるし納得(私見)という巧みさ。
他に「アノ人を高校生役にしたのはそういうことか」という配役にも納得。(←出演が決まってから創られた設定とのこと)
一部強引なところもあれ、力ワザで押し切るみたいな?(笑)
さらに、クライマックスの試合場面をいろんな角度で見せたアイデアや、吉祥寺シアターの構造を活かして使った見せ方も良かった。
あと、反目していたレギュラーと5軍メンバーが終盤で和解する落とし方もイイし幕切れの「アレ」もある意味お約束的ではあるが「それな♪」とニヤリ。いやぁ、愉しかった。

下山 ~親鸞の覚悟~

下山 ~親鸞の覚悟~

文化芸術教育支援センター

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2022/08/17 (水) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても良かったです。
親鸞の生きる事への苦しさ、煩悩への葛藤が描かれ、観応えがありました。
命懸けで、ありのままに生きる事、愛する人と生きる事を選んだ姿が感動でした。
役者さん達の演技も良く、それに加え、生演奏のバイオリンや和楽器の音色が素晴らしく、舞台を盛り上げていました。
心が洗われるような気持になりました。良い舞台でした!

HEISENBERG【Aキャスト全公演中止】

HEISENBERG【Aキャスト全公演中止】

conSept

ザ・ポケット(東京都)

2022/07/29 (金) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★

オフブロードウェイでバズったという二人芝居をA・Bキャスト、演出も変えて上演というユニークな企画。Aチームがキャストの体調不良で公演中止と聞いて観劇候補に復活した(外した理由は2チーム観る予算は無く、一つに絞る事も出来ず)。
だが結局観劇には至らず、たまたま覗いたサイトに配信情報あり、運よく見る事ができた。(BONBONは物理的な距離と同時にアウェイ感があり二の脚を踏む。)
配信は2日間と短く、ワンチャンス集中して鑑賞する必要があったが方法を見つけた。配信鑑賞のネックは音声。これが悪いと二回以上視聴してどうにか舞台の視覚情報・聴覚情報を受け取れるという具合なのだが、スマホからイヤホンで聴くのが性能面では断然良く、優れている事に気づいた。無論映像の方は(暗い舞台でもあり)スマホは厳しく、PC画面で(無音で)視聴。乱れ易いPCのネット接続も結果的には無事故、台詞も明朗。上質な音で劇場にいる空気感も味わえた。
面白いのでついまた再生すると最後まで観入ってしまう(お替り2.5杯)。会話で進行する二人芝居だから台詞だけ聴いていても二人の距離感や息遣いが伝わって来て、心地よい。台詞の運び(戯曲)、間合い(演技)に加えて、演出上の主張は二つ。音響は5場の転換音が良い。電車音、都会の喧騒といった音を重ねた効果音だが、金属音の中に微かな通奏低音を響かせて、都市の冷厳さと包摂性を醸す。そして場転の間、二人は舞台奥の左右にある細い縦長のパネルの前に立って薄暗がりで着替える(それが姿見なのかどうかは客席からは見えないので不明だが二人はあたかも姿見であるようにしている)。この趣向が照明が美しく慎ましやかに彩る。

この戯曲は色んなパターンで舞台を描けそうだ。というより俳優の持ち味で二人の間に流れるリアリティは変わり、微妙なニュアンスの中に神は宿り、含意も変わるのが想像される。だが戯曲が役者に課する制約、即ち最低限形象されるべき人間性があり、それ抜きにこの話は成り立たない条件がある。で、それは何かと考える。
42歳のジョージーと75歳のアレックスの間で真摯なコミュニケーションが結果的に成り立ち、強い紐帯で結ばれる(かに見える)結末を迎えるためには、二人が会話の中で互いに対して十分警戒し、それぞれが持つ厳しい審査基準を潜り、ある信頼に辿り着かねばならない。その事に加えて(今は75と言えども気力体力現役の方も多い)物理的、生物的な次元で特に女の側に相手に惹かれる必然性が求められる。私の考えではこのアレックスという老人は世間的な価値基準で物事を見ない、肉屋らしからぬ(と言えば偏見になるが)インテリジェンスがある。つまり自分と頭と感性で物事を判断し、その態度によって自分も他者も、事象もありのままに見詰める眼差しを得る。女はかつての夫の面影をアレックスに見た、と言外に言っているがそれは後付けにせよある真実があり、彼女は自ら男に近づき突然首筋にキスをしたのだが男の側に彼女を引き寄せるものがあった、つまり受動的な能動性による行動。受動性、衝動性は説明がつかないが虚偽性と最も離れている。女は男の背中に理由の曖昧な妥協をしなかった人間の匂いを嗅ぎ取ったと仮定するも可能だ。女の虚偽性を男が一度疑う場面があるが、女が正直であろうとするあまり疑惑を否定した直後に疑惑を強める返答をする。ジョージーは饒舌だが自分が変人の部類であるとの(経験からの)自覚があらゆる予防線を貼る発話へ突き動かされる様相。つまりは自頭が良い。だが予防線を張ると言っても彼女から男に迫っている。結果的に二人の会話は知的レベルにおいて拮抗して戯曲のあるべき姿として理想的な展開となるが、惹かれ合うから拮抗が生じる。ただ、不安定さを病む女を男の安定(多くの場合それは甲斐性に裏打ちされる)が包み込み形で終わるが、息子を探す旅の費用が1年程度の財産しか男は持っていないとしたら、とも考える。
女の側の心底は分からぬ。が、戯曲は彼女が男の財力を当てにして安心に辿り着いたのではない事を実証するため、男がいつも側に居る事さえ信じられたら他には何もいらないと女に言わせる。
まとめれば、男の己を基準に生きて来た強さ(世間的な成功や名声と無縁でも)にしか、この女の傷を包み込む事はできない、という「そういう女」らしさの片鱗が、見えていなければならない。そして願わくは男は金を投げ捨てる事を厭わない男であり、女は金ではなくその人間性(が存在する事)によって救われその事に感謝する、という事でなければならず、その最大の返礼として女は男と「共に生きること」(書かれてはいないが男の死を看取ること)を選ぶ、そういうギブアンドテイクで対等であろうとするのでなければならない。

VAMP SHOW【8月8日~15日公演中止】

VAMP SHOW【8月8日~15日公演中止】

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2022/08/08 (月) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

本当は8日の初日に友人と見るはずだったのですが、15日まで中止になってしまったので、遠方の友人はもう来ることができず、取り直したチケットで私一人で見に行きました。友人には申し訳ないくらい面白かったです。また再演があったら、今度こそは一緒に見たいです。
笑える吸血鬼のみなさん・・・

ネタバレBOX

特に、どんどん崩れていく戸塚くんが笑えました。
駅で一人電車を待つ若い女性。途中からこいつ絶対何かある・・・と思っていましたがやっぱりありましたね。本当に怖いのは吸血鬼より人間かも。
頭痛肩こり樋口一葉

頭痛肩こり樋口一葉

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2022/08/05 (金) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

3時間弱のお芝居。
一幕は長かったけど、休憩明けの二幕から面白くなってきた。手練れの役者さんばかりの印象。歌が綺麗だった。

明けちまったな、夜。

明けちまったな、夜。

ゴセキカク

インディペンデントシアターOji(東京都)

2022/08/13 (土) ~ 2022/08/16 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/08/16 (火) 17:00

初見のユニット。面白いが、既視感は否めない。(8分押し)91分。
 高校の演劇部の卒業生が、同級生の結婚式に出た2次会でカラオケに行って徹夜する…、の物語。30を前にした世代の苦悩や葛藤を丁寧に描いているとは思う。ただ、演劇や近似する分野を題材にした演劇は、しばしば自己弁護的になるのだが、本作もその傾向は否めず、特に終盤の奥川と松村の長セリフには、どこかで観た(聞いた)ことがある展開になり、やや残念に感じた。それでも最後まで緊張感を持って観ていられたのは、個々の役者の力量が素晴らしいことか。特に、事情が分からないゆえに空気を読まない発言をするカラオケ店員の杉山が見事だった。

明けちまったな、夜。

明けちまったな、夜。

ゴセキカク

インディペンデントシアターOji(東京都)

2022/08/13 (土) ~ 2022/08/16 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

凄く良かった!
また観に行きたいと思います!

蝶々結び

蝶々結び

LUCKUP

上野ストアハウス(東京都)

2022/08/03 (水) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

colored side 観劇
舞台設定などは自分なりの解釈でいいのかな!?
演劇ならではの見せ方、見応えありました!

ネタバレBOX

同級生の女子二人が、学生の頃と現在で身長差が逆転してたのが少し気になりました(勘違いしている?)
明けちまったな、夜。

明けちまったな、夜。

ゴセキカク

インディペンデントシアターOji(東京都)

2022/08/13 (土) ~ 2022/08/16 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

結婚式流れからの部活版プチ同窓会。
同じ10年間でも学校卒業からの10年というのはやはり大きい。
かつては毎日顔を合わせ、共有する時間の居心地の良さ、それが空気みたいに当たり前な日常だったのに・・・同じ時間が戻ってこないのは分かっていても、こればかりは何とも寂しいもんだなぁと思いながら観劇。

一部例外があるにせよ、個人的にはほとんどの友人がサラリーマンの道を進んでいるので、本作のように演劇部繋がりの集まりというのは、未知なる空気感もあって、なんかもう興味津々。
ドロドロな展開になっていくのには「マジか」と驚いてしまう一方、いや 知らないだけで巷(演劇人の間)では無きにしも非ずな展開なのかと思えたり
「演劇」という魔性、これが若者の陥りやすい迷路や落とし穴となって惑わせている様にも感じてしまうアラサー男女の迷い道。
確かに、自分にはコレだ!と思えるモノが無ければ不安になって当然な年齢。
無様だろうが嗚咽にも似た人間味に救われます。
その後が気になる登場人物も多くて(いや、皆気になる!)様々な想いが交差するホント猥雑な一夜でしたが、凄く貴重な人生の1ページを見せてもらった気分になりました。

明けちまったな、夜。

明けちまったな、夜。

ゴセキカク

インディペンデントシアターOji(東京都)

2022/08/13 (土) ~ 2022/08/16 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

二十代後半の若者が、今までの生き方を振り返り、今後の生き方を模索するといった一夜の物語。「生き方」について悩み、自分と向き合うといった内容は、等身大とも思えリアリティがあった。しかし、設定が有り触れており新鮮味に欠け、既視感ある話に思えたことが残念。

鬱屈または重苦しい気持を解き放ちたい、その表現し難い感情を如何に上手く表わせるかが肝。物語の見せ場は思いを激白するシーンであろう。同時に特段の夢や希望を持たず過ごした男の後悔とも思える呟きが印象的だ。十代の頃のように無鉄砲な事は出来なくなり、かと言って分別臭くなるには まだ早い。そんな中途半端な年齢(情況・環境)の自分探しを上手く表現している。
(上演時間1時間35分) 22.8.19追記

ネタバレBOX

舞台美術は、カラオケ部屋…ソファとテーブル、そして別場所にある喫煙所(2階)という シンプルなもの。物語は、高校演劇部の友人の結婚式の二次会という有り触れた設定。そこに男女5人(男2人が同学年、残りの男女3人が後輩)が集まり昔話と近況を語り合うが、何か気まずい雰囲気が漂う。実は、もう一人来る予定の男が二次会は勿論、結婚式にも現れない。冒頭から曰くありげな様子、それが謎めいており話の展開が気になるが…。

物語は等身大の若者の姿を描いているようだが、高校時代に親しかった男2人の「確執」と「思い」、後輩女性の「恋バナ」と「思い」、夫々の建前と本音を激白する2シーン以外は、深堀したシーンがない。逆に激白シーンを際立たせるために、他は淡々と描いているようだ。
何者にもなっていない27~28歳の男女の過去と現在を見つめる。見せ場はラストの激白シーンだから印象的とも思えるが、何となく既視感というか経験があるような。

自分は、女性同士…夏目瑞季(岩本紅葉サン)と飯塚ゆかり(岩井美菜子サン)と男同士…奥川太一(岡本セキユ サン)と村松衛(後閑貴大サン)が激白する2つのシーンが見所だと思う。男女とも根底にある思いは、自分の方が相手より優れている、なのに何故か相手の方が上手く出来てしまう。そんな相手を見下した感情を露骨に表したシーンである。瑞季は高校の時にモテる女であり可愛いと自惚れていた。そして密かに奥村に好意を抱いていたが、今は ゆかりが奥村と同棲している。そのことが許せない。ゆかりは、瑞季からそんな風に思われていたことにショックを受ける。人の建前と本音、そして外面菩薩 内面夜叉が表れる。奥川は、演劇部 部長であり脚本も担当していた。しかし書けない時期があり、代わりに松村が書き評価を得る。見下していた男、そして 畏怖と嫉妬の思いから去ってほしい。そんな自分の身勝手な思いに嫌悪するが…。村松は母親が(若年性)認知症になり、介護や経済的な理由で大学を中退し演劇も止めた。松村は、引き留められるような言葉を期待していたのか。「そうか」といった素っ気ない返事に怒りを覚えた。こちらも自惚れている。いや互いのプライドなのだろう。
奥川はホッとしたのか?喫煙所で漏らす言葉は「わからない」「分からない」「解らない」を繰り返すだけ。そこに社会(世間)との折り合いだけではなく、彼なりの苦悩が見えてくる。あとカラオケルームで二人きりになる強引さ。流れ的には喫煙所で…演劇的には無理な場所かな。

高校演劇部から商業(市民)演劇を続けているが、そろそろ30歳代を意識し、周りを見渡せば結婚し子供が生まれている。このままで良いのか、その思いは表現者だけではなく、別の道(例えばサラリーマン等)を歩んだ人も多かれ少なかれ考えるのではないか。自分が本当にやりたかった事は何か?立ち止まり考える時期でもある。カラオケ店バイトの杉山(七里海流クノー サン)は高校の時は帰宅部で、夢中(仲間)になれるもの(者)がなかったと呟く。ここに公演の肝があるようだ。
色々な衝突や苦悩などがあったと思うが、それでも確執を抱えながらも仲間がいる。
次回公演も楽しみにしております。
月虹の宿 (げっこうのやど)2022 東京公演

月虹の宿 (げっこうのやど)2022 東京公演

日穏-bion-

シアター・アルファ東京(東京都)

2022/08/05 (金) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/08/14 (日) 14:00

お気に入り劇団の一つだが、本作でも、とてもいい芝居を見せてもらった。(5分押し)117分。
 ロビーからの月が美しく見える、過疎化で寂れた温泉宿の「月の屋」。末っ子の長男と、助産師である長女が何とかやっているところに、アメリカに行った次女が娘を連れて帰ってくるが…、の物語。話に無駄がなく、伏線をしっかり回収した上でいい話にするというところが気に入っているのだが、本作もその展開。家族の話を扱うことが多い岩瀬が本作でも家族の話を扱っているが、そこに「生」の問題を関わらせたあたりはやや新しい。終盤の柴田理恵の演技はさすがと言うしかない。

イーハトーボの鳥のうた

イーハトーボの鳥のうた

ミルキーウェイ

遊空間がざびぃ(東京都)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/15 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

【イーハトーボの鳥のうた】初見の劇団「ミルキーウェイ」さんの音楽劇は、冒頭の吉野則子さんの第一声から一気に引き込まれました!・・・お盆休みの最後にいいものを見させて頂きました! https://t.co/EHAm3J9u2L

明けちまったな、夜。

明けちまったな、夜。

ゴセキカク

インディペンデントシアターOji(東京都)

2022/08/13 (土) ~ 2022/08/16 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 新たな才能発見! 今後とも期待大!!
全日程が終了したので少し、追記しておく。ネタバレで書いたタイプのユーモラスな表現だけが秀逸なのではない。喫煙量が圧倒的に多いのは、奥川唯1人、而も彼はどん詰まり状況を意識して表白する場面では、ペットボトルを握り潰す仕草を繰り返し不協和音を奏で続ける! これが演者岡本セキユ氏自身の発想によるのか、演出の後関貴大氏の演出によるのか確認していないので分からないが、奥川の苛立ちを如実に表現して見事である。このような切迫感は安定した生活に甘んじている人々には決して理解できまい。表現者は常に崖っぷちに立っているのだ!

ネタバレBOX

 劇場の床中程にほぼ正方形の平台を置き、そこがカラオケの402号室、曲尺型の黒い大型ソファが長辺を観客席と平行に短辺を上手側にして置かれている。短辺の手前には荷物入れの箱。ソファ手前にはテーブルが2つ横に並べられ、テーブル上にはドリンクやカラオケ選曲器が置かれている。出捌けは上手奥1カ所。尚2F部分は体育館の2F部分のように落下防止用手摺の付いた狭い通路があり、今作では観客席正面に喫煙所が設けられている。
 舞台美術から明らかなように物語はこのカラオケ店で展開する。集まったのは高校時代演劇部に所属していた先輩・後輩たち。そして顧客の1人奥川と昵懇の店員・杉山。かつて演劇部に所属していた仲間の結婚式2次会であり、偶々奥川の誕生日とも重なったこの晩、卒業後10年を経た先輩組と座組ではアルアルの恋バナ絡み。ましてCovid-19の影響下、集まったものの自らも公演中止で借金を抱え唯でさえ苦しい小劇場劇団の台所事情が逼迫、30歳を目前に控え、安定した生活を望むべくも無い為結婚しようとしている相手にも最終的に申し込むことさえできず、更に悪いことに劇作家としても演出家としても大ブレークしていない己を顧みて内心戦々恐々の日々を送りながら、真正面から結婚を前提として同棲している相手・ゆかりにも裸の自分を晒せない。更に悪いことには、高校の演劇部時代脚本を共同執筆していた相棒・松村は、自分より才能が有る彼は、母親の認知症の為に演劇界を去ってしまった。このような事情もあって現在では殆ど書けないこと、様々な問題の累積に何処からどのように手を付け解決の糸口を見いだせば良いのかすら見失って足掻いている。そんな己を他人の目て眺めるもう一人の自分は、何時迄「夢」追ってるんだ! 彼女をどうするんだ? 演劇をやっている以上、安定した生活なぞ望めない。演劇を取るのか、生活を取るのか? 責め苛む。式にかつての相方・松村は来なかった。新婦が元カノだったからである。然し演劇部としては大事なキャラ、演劇部同期では唯一歌がそれなりに唄える岡田が、来ているカラオケ店の住所をラインで送ったので松村も来るかも知れない。来れば、肝心な話も出来るかも知れぬ。
 さて、女性陣は、2人が来ている。奥川の同棲相手・ゆかり、奥村を高校時代から好きで現在も恋煩いの瑞季。おっともう一人登場人物がいる、彼女らと同期の具志堅、彼はちっとも悪くないのに女子同士の恋の鞘当てからとばっちりを喰いつつ、一所懸命女性達も先輩たちもサポートしている。ところで高校時代は女王さながらモテモテで眩しかった瑞季は今落魄し、おまけでしかなかったハズのゆかりに最愛の奥川を取られて心は般若の如く猛り狂っている。だが、それもそのハズ。瑞季に無く、ゆかりに在るものは、頭の良さから来る相手に対する思いやりである、要はゆかりの方がまともな大人になっていた訳だ。だがゆかりとて迷わぬ訳ではない。奥川の態度が煮え切らない所へ瑞季との大喧嘩でちょっと踏み迷いそうになる。偶々、そんな時、飲み物のお替りを持ってきた杉山から「細かい事情は分からない乍ら」と極めて適切なサジェッションを受ける。この辺り、殆ど無関係だが、アウトラインを泥酔した奥川から聴いたことのあった杉山が的確にサジェッションする所にこの作家のセンスが見事に現れている。このようなシーンは他にも何か所もあるからこの作家の類まれなユーモアのセンスと捉えることができよう。
 ところで、今作開演直後に松村役に就いていた役者が体調不良で降板せざるを得なかった。急遽代役をしているのが、作・演出の後関貴大氏である。若いが役者としても味のある良いキャラであることが見て取れる。今後も期待大! この劇団、制作スタッフも有能で感じが良く好感を持った。役者陣の演技もグー。兎に角、良い友、良い連れ合い、裸でぶつかり合える人間関係があれば、苦境も何とかしのいで生きてゆけるということを等身大で描いた傑作である。
壬生魔浪士組 最終章

壬生魔浪士組 最終章

劇団新劇団

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2022/08/11 (木) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/08/12 (金) 14:00

新撰組と周辺人物を魔法少女に置き換えたハイブリッドな三部作の完結編。
そんなトンデモ設定(爆)ながらそれなりに元ネタを踏襲していることに少年社中「クアンタム -TIMESLIP 黄金丸-」と通ずるものを感じる。
また、その設定ゆえ衣裳も和洋折衷のものがあり、X-QUEST「ムサ×コジ~アルティメット─武蔵×小次郎~究極!─」を想起。どちらもデザインと着こなしがイイ。
ちなみに実在の人物を描いた時代物をベースにトンデモ設定やブッ跳んだキャラを配した娯楽アクション作というところもX-QUEST「ムサ×コジ~アルティメット─武蔵×小次郎~究極!─」と共通だが、男性8名で力強かったムサコジに対してこちらは女性19名で華やかと対照的でもある。
そうして語られる物語は元が元だけに悲劇的な方向に進み、ファンタジーでもあるのだから好転しないものか?と思ったりもしたが、元ネタの翻案のしかたに舌を巻いたりで「これはこれでアリ」かと。

第74回「a・la・ALA・Live」

第74回「a・la・ALA・Live」

a・la・ALA・Live

内幸町ホール(東京都)

2022/08/09 (火) ~ 2022/08/09 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/08/09 (火) 19:00

様々なジャンルのパフォーマンスが一堂に会し、それらのパフォーマンスの間に連作の短編芝居を挟み込むという形態の「a・la・ALA・Live」は今年で15周年、今回で74回目となる。以前は江戸川橋の絵空箱が会場だったのだが、最近は大きな空間に進出したようで、前回公演は250~300人が入れる座・高円寺2、そして今回は内幸町ホールでの開催だ。

私が観たのは夜の回だったのだが、188人というキャパを持つ内幸町ホールの客席には20人前後しか入っていない。確かにコロナ感染対策としては十分すぎる間隔がとれるし、贅沢といえば贅沢この上ないものの、これで興行として成り立つんだろうかと心配になってくる。昼の回はどのくらいの客が入っていたのだろう。

今回の出演者はパントマイムの清水きよし、マリンバデュオのReon(りおん)、江戸太神楽の十三代家元が率いる丸一仙翁社中から仙若・鈴仙・若遥、そしてこれらに主宰の荒山昌子とポップンマッシュルームチキン野郎の増田赤カブトがコンビを組むあらやますだが短編芝居を挟み込む予定だったのだが、増田の体調不良で急遽荒山が一人芝居で演じることになったという。実は今回はこの増田こそ観たかった最右翼だっただけに残念。

清水のパントマイムの1本は「凧あげ」とタイトルが付いているので、われわれ世代にはよくわかるのだが、今の若い人には何をやっているのかよくわからないのではないか。
マリンバデュオは国立音大出身の伊藤碧と渡邊まやの2人が1台のマリンバを演奏するスタイルなのだが、実は私はマリンバの国際コンクールで優勝したことのある30代前半の奏者と知人であり彼女の演奏をよく聴いているので、申し訳ないがさほど感銘をうけなかったし、内容的にも物足りなかった。
江戸太神楽も(夫婦と息子という感じだったが、違うのかもしれない)どことなくぎこちなさが感じられた。
そして荒山の一人芝居だが、増田の降板が急なものだったことはあるものの、不完全さが目についた。せめて声を使い分ける程度のことはやってほしかった。

カーテンコールではタブレッドを使って増田の挨拶も加わったが、久々に増田の動いている姿を見れたのは嬉しかった。
定刻の開演からカーテンコールが終わるまで110分程度。

このページのQRコードです。

拡大