実演鑑賞
満足度★★★★★
#毛利悟巳 #桂川明日哥
#金定和沙 #堀夏子
#小野晃太朗(敬称略)
初日。宇宙だった。宇宙を感じた。幼い頃からずっと漠然とした憧れを宇宙に抱いている。ココから見る宇宙は果てしなく広がっていて、物理的にしか物事を考えることが出来ない愚かな自分は途方に暮れて、思考を変換し、巨大で俯瞰できる場所からの視点に移して宇宙を外側から見る。それはミクロの微生物の世界をココから見ていることと一致させて考える。その規模や比率が果たしてマッチしているのかは分からないし、問題とはしない……という、半世紀以上も脳内に抱いている思考を初めて言葉にしてみた。そうしてみたくなる世界があった。
時間には限りがあることと、無限にある分からないことを考えて、ほんの少しのことでも分かったり分かった気になったりすることの価値について喜びを見出してみたりする時間になった。
目の前にある見えることと聞こえることを感じながら考えたい。きっと観る度、聴く度に、感じるものや考えることは深まったり広がったりするに違いない。
自問自答しているような会話に、心を耕されていくような感覚。
人間の素晴らしさと愚かさについて考える。そこへ優しく誘ってくれる。脳が疲労した。
そして、光と美術に衣装、何より俳優が美しくて幸せだった。
余談■劇場に早く着いて開場を待つワタシに、温かい飲み物を持って来てくれる主宰の優しさが、そのまま作品の血となって流れていることを感じた。温かい気持ちで帰路の電車に揺られている。