住み込みの女の観てきた!クチコミ一覧

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朝がある

朝がある

ままごと

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2012/06/29 (金) ~ 2012/07/08 (日)公演終了

満足度★★★

太宰治?
ややネタばれ?

ネタバレBOX

劇団・ままごとの新作【朝がある】を観劇。

太宰治の【女性徒】をモチーフに、少女の朝の一日の瞬間から世界へと繋がる連鎖を音楽、映像、言語、踊りを使って表現していく。

作・演出 柴幸男の世界観は毎度の事ながら壮大過ぎる。過去の作品では沢山の役者を使って表現してきたのだが、今作は男性俳優一人でその世界観を見せていく。今作は新しい試みなのだが、過去の作品が壮大な世界観と多数の役者での表現に圧倒されていただけに今作はやや物足りなさを感じた。決して失敗作ではないのだが、過度な期待を持つ観客と作家の狙いがあまり埋まっていなかったようだ。でも作家が次のステップを目指している事は明らかに分かる意欲作だ。

今作は劇団・ままごとを初見で観る方にはお勧めではないようだ。
『宮本武蔵』

『宮本武蔵』

五反田団

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2012/06/08 (金) ~ 2012/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★

ややネタばれか?
五反田団の新作【宮本武蔵】を観劇。

ネタバレBOX

五反田団の新作【宮本武蔵】を観劇。

前田司朗が宮本武蔵を描くとなるとこれはまともには描くとは思えないな?と観客は誰でも思うし、そこに期待をするのだが、意外にも今作はちゃんとした物語があり、戦いのシーンがあったりするのである。特に今作はあらすじの説明が簡単に出来たり、夢のシーンがあったり、照明で表現している箇所があったりと驚かされるばかりである。何時もながら前田司朗の描き方は馬鹿馬鹿しさで成り立っているように錯覚してしまいがちだが、その部分を外して観て見ると、非常に戯曲の上手さが滲み出ていて、更に前田司朗の演出が際立っているのである。
そして今作もやはり前田司朗は観客の期待を裏切らないのである。

因みに誰が宮本武蔵を演じたのか?それ自体が非常に面白い。


スキラギノエリの小さな事件

スキラギノエリの小さな事件

城山羊の会

小劇場 楽園(東京都)

2012/06/06 (水) ~ 2012/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

山内ケンジ?健司?
何となくネタばれ?

ネタバレBOX

劇団・城山羊の会の【スキラギノエリの小さな事件】を観劇。

ヨーロッパ北東辺りのスキラギノエリという小国は、頼りない国王とプライドが高い王妃、そして息子スキラギ、家来ゴルク、そこに出入りしている修道女ヨハンナがいる。
国王は何時も女遊びに興じ、王妃は家来と浮気まがいの事をしている。そんな夫婦にも息子のスキラギの悪戯には手を焼いているので、家庭教師ホロスを雇い入れる。だが家庭教師ホロスの努力も空しく、息子スキラギは小国にいる連中の偽善性を暴きだしていくのである。

内容はこのような感じなのだが、毎度の事ながら物語らしい物語が殆どなく、ちょっとした出来事から(息子スキラギの悪戯)誰もが持っている本音と建前の本音の部分をやたらにクローズアップして描いていく。その本音の部分をやや茶化した感じで見せて、更に役者の芝居と台詞で強調しているので、観客は妙なリアリティーを感じてしまい、笑いの渦に誘われていくのである。
とまぁ感想はこのようなのだが、どうも上手く面白さを説明出来てないのが本音なのだが、完璧な戯曲と役者への演出が非常に細かく丁寧で、作・演出の山内ケンジは計算しているのか?自然発生で出来た物なのか?は分からないが、ただ毎回きっちりと独自の世界観が確立されているのは確かだ。はっきり言える事は「山内ケンジという人はあの面白いCMを撮っている人だね。何となく舞台の感じも分かる気がする」という発想で観劇してはいけないという事だ。
今作の石橋けいの芝居の上手さは観客を虜にする(特に今作は男性客) そして山口奈緒子も暴れまくりも良い。

今作はかなりお勧め。小劇場ファンにはたまらない芝居だ。
だいだいの空

だいだいの空

トム・プロジェクト

カメリアホール(東京都)

2012/06/01 (金) ~ 2012/06/03 (日)公演終了

満足度★★★

つかこうへいか?
ややネタばれ?

ネタバレBOX

亀戸カメリアホールにて【だいだいの空】を観劇。
今作は親子向けのファミリー芝居なので、決して観る事のないタイ​プの芝居なのだが、何故か?たまには観るのである。

昭和22年のとある町で一人暮らしのおじいさんがひょんな事から​井戸に落ちてしまい、現代にタイムスリップしてしまう。現代の街​並みの変わり様に唖然としてしまうのだが、そこで知り合った少年​と少女と仲良くなりどうにか生きていく。そしてまたひょんな事か​ら井戸に落ちた少女を助けに少年とおじいさんは井戸へ入っていき​、昭和22年に戻っていく。
そして昭和22年は新しい日本の発展に向けて開発が進み始め、未​来の姿を見たおじいさんは子供達に何を残さなければいけないかを​伝えようとし始める。

おじいさんと少年、少女との出会いと別れを過去と現代のシーンで​描き、そこで何が生まれ、何に未来に託すか?という事がテーマで​あり、子供でも分かる様に分かりやすく作っている。だが、子供を​舐めるのをいい加減にせい!と言わんばかりの紋切り方の表現方法​にはやや疑問を感じた。未来へのタイムスリップの仕方、ドリフタ​ーズ的な映像の使い方など舞台での表現方法があまりにも乏しすぎ​る。ただ俳優への演出がキチンとしているのでまだ良いのだが、子​供に生でしか味わえない舞台を体感させるという興味は演出家には​ない全くない感じだった。でもねぇ、両方兼ね備えないと大人も子​供も楽しめる舞台は作れないのだが・・・・。

そういえば主役ではないのだが、存在感抜群の女優さんがいた。声​の通りと芝居の表現力。いきなり始まりからマイクで歌い出すから​ねぇ(つかこうへいか?)パンフレットによると北区つかこうへい​劇団の出身らしい。流石!というしかないな。でも彼女にわざわざ​マイクで歌を歌わせたのは演出家の洒落か?
㐂(よろこび)

㐂(よろこび)

ろりえ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2012/05/30 (水) ~ 2012/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★

世情
ネタばれ

ネタバレBOX

池袋シアターグリーンにて劇団ろりえの【よろこび】を観劇。
前作【三鷹の化け物】では等身大のゴジラ(上半身)を登場させて​度肝を抜いたが今作は何を見せてくれるか?

ホモの為に村で爪弾きにされているカップルが捨て子の赤ん坊カヨ​子を見つけて育ていく。ホモの親でもカヨ子は愛情につつまれて、​子供~少女~大人へと立派に成長していく。そしてカヨ子も結婚し​て愛する夫が出来るのだが、突然の事故で夫を失い、茫然自失のカ​ヨ子は親と娘を残して上海に流れついてしまう。そして生きる為に​娼婦になるのだが、事件に巻き込まれ何十年振りに日本に戻ってく​る。そして残された家族と再会するのだが、カヨ子は癌に犯され余​命幾ばくもない状態だった・・・・。

カヨ子の生まれてから死ぬまでの一生を3時間かけて描いていく。​不幸な運命の持ち主のカヨ子なのだが、周りの人達との関わりや生​きる喜びを見出しながら、負の面をあまり見せずに、己の人生に投​影するという行為を観客はしないでカヨ子の波乱万丈の人生を観て​いく。だが最後にカヨ子の葬式が終わって舞台の幕が閉じるという​終わり方には度肝を抜かれてしまった。始まりから終わり直前まで​は観客の感情をあまり動かさない芝居だったのが、最後に人生の一​生を終える瞬間がこの舞台の最大のクライマックスであり、ここで​初めて観客の感情を揺さぶり、己に投影させるように持っていくと​は・・・・。

中島みゆきの【世情】が久しぶりに効果的に使われていた。金八先​生以来かも?
宇宙Remix   (無事公演終了いたしました。ご来場まことにありがとうございました!)

宇宙Remix (無事公演終了いたしました。ご来場まことにありがとうございました!)

INUTOKUSHI

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2012/05/10 (木) ~ 2012/05/21 (月)公演終了

満足度★★★★

放置!
劇団・犬と串の新作【宇宙Remix】を観劇。早稲田大学での最後の公演。

毎度の事ながら内容の無い物語の連続で、2時間を持たせてしまう若い劇団の熱量は日本一と言っても過言ではない。鈴木アメリの変顔は勿論の事、男優人の熱さも観ていて気持ちが良い。この劇団、かなり実力をつけてきているのは、毎回の公演で俳優人の成長がはっきり見て取れる事だ。
これからは早稲田大学の冠を外して行くらしいが、果たしてどのようになって行くのか?演出家の何気に冷めた目線で、笑いやギャグに転じて見せていく作劇は面白いのだが、このままでは大人の観客のリピーターが付いてこないだろう。犬と串の運命を握るのは作・演出のモラルの戯曲次第だろうな。

やはり鈴木アメリには野田秀樹の芝居で舞台を走り回って欲しい!と思うのは勝手な願いなのだが・・・。

オマエの時間くれよ

オマエの時間くれよ

劇団フルタ丸

シアター711(東京都)

2012/05/11 (金) ~ 2012/05/15 (火)公演終了

満足度★★★

公開ゲネプロ観劇。
ややネタばれ。

ネタバレBOX

劇団・フルタ丸を下北沢で観劇。
初見の劇団。チラシのデザインと劇団名からいってあまり良いセン​スが漂ってこないのだが。

個人の時間売買が法律で施行される頃に、下請けの小さな町工場に​役所から謎の商品の発注の依頼がくる。何故か?毎回渡されるデザ​イン画が商品の一部分のみで、完成した形が見えないまま工場では​疑問に思いつつ完成させていく。それと並行して何十年後の未来で​は、時間売買の法律が既に禁止されていて、闇での取引が盛んに行​われている状態だった・・・・・。
謎の商品が時間売買との関係に繋がっている様に見せていく展開に​ワクワクドキドキしながら観ていたのだが、当然そのネタばれがラ​ストにアッとくるのだろう?と期待していただけに、後半であっさ​り見せてきたのがちょっと残念か。そのネタばれから過去~未来へ​と物語を新たに持って行っているのだが、その謎の商品がけっこう​アッと驚くような物だったので、やはり最後の最後に持って行くよ​うな展開に出来なかったのだろうか?とちょっと残念でならないの​だが。
THE BEE Japanese Version

THE BEE Japanese Version

NODA・MAP

水天宮ピット・大スタジオ(東京都)

2012/04/25 (水) ~ 2012/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

日本バージョン
ネタばれ

ネタバレBOX

【The Bee 】の日本バージョンを観劇。

前回のイングリッシュバージョンと同じ戯曲で、日本人の配役に変​えての公演。
イングリッシュバージョンが外国人向けか?ややストレートプレイ​に近い形で行っていたのに対して、日本バージョンば大胆な小道具​の使い方で、野田秀樹の得意の小劇場っぽい表現の数々で展開して​いく。ただ初演に比べるとイングリッシュバージョンはさほど進化​はしているようには思えなかったが、日本バージョンの方は更に明​確にテーマを表現していったようだ。サラリーマンが被害者から加​害者に変貌していく様の変わり方が異常過ぎで、明らかに今の日本​にメッセージを訴えている。同じような問題を全世界でも抱えてい​るのに、何故日本に対してここまで訴えるのか?イングリッシュバ​ージョンは物語を通してメッセージを伝えていたのに対して、日本​バージョンは最初にメッセージありきで出来あがった芝居の様にも​感じ取れた。改めて両作品を比較してみると、世界での日本の存在位置というのがかな​り危ういのではないか?と演劇を通して野田秀樹の心の叫びが聞こ​えてくるようだった。

初演では秋山菜津子が演じた役を宮沢りえがどのように演じたか?​日本一スリップが似合う女優と言われている秋山菜津子の色気に対​して、宮沢りえは生足丸出しで、野田秀樹扮するサラリーマンに前​、後ろからと犯されていき、哀れに狂人化していく野田秀樹を見つ​める一瞬の表情、そして自らも奴隷の様に野田秀樹に奉仕していく​虚ろな表情、今作が宮沢りえの生涯の芝居でベストワンと言っても過言​ではない!と思わせるぐらいに非常に良かった。今作の宮沢りえの​芝居を見逃すのは勿体ないと思われるので、是非劇場へ!

尾藤イサオの【剣の舞】というおバカな歌が効果的に両バージョン​で使用されていた。
夢!サイケデリック!!

夢!サイケデリック!!

範宙遊泳

アトリエ春風舎(東京都)

2012/04/25 (水) ~ 2012/04/29 (日)公演終了

満足度★★★

夢かぁ?
劇団・範宙遊泳の【夢サイケデッリック】を観劇。
期待の20代の劇団で、以前に短編を見て以来。長編は初観劇。

夢のまた夢の世界を描いていて、何かスタンリー・キューブリック​を思わせるようなSF感が漂っている。やや哲学的な描き方もすれ​ば、お遊戯的な描き方もしていて、時折ハッとさせるような表現に​は何度なく驚かせる。その辺りが世間のこの劇団の期待値の高さか​?更にバックに流れる音楽がワルツやオペラなので、夢の世界には​持ってこいの表現方法だ。ただ長編という枠の中では、90分が持​たないというのが正直なところだ。一応物語があるのだが、その物​語をお座なりにしているようで、途中に何度なく飽きてしまう。そ​こをもう少ししっかり取り組んでいけば、劇団・大人計画辺りは簡​単に越えてしまうのだが・・・・。

自慢の息子

自慢の息子

サンプル

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/04/20 (金) ~ 2012/05/06 (日)公演終了

満足度★★★

代表作なので観劇した事は自慢出来るが・・・・。
ネタばれあり

ネタバレBOX

劇団・サンプルの【自慢の息子】を観劇。
今作は岸田戯曲賞を取った作品である。前々作の【ゲヘナにて】はとても観るに耐えられない芝居だったのだが、今作は劇団の代表作でもあるので再度挑戦をしてみた。

母親の自慢の息子・正はとある場所に王国を作っている。その王国では正の信奉者達で共同生活を行っている。正は神憑り的な存在なのか?その王国はジャングルの奥地か?カーツ大佐かアギーレか?などと勘ぐってしまうのだが、実はそこは単なるアパートで、正は引きこもっている中年オヤジである。その共同生活の風景を正の役を扮する・古館寛治を中心に描かれている。

前々作での耐えられない芝居も今作ではそれほどでもなかったのだが、やや同じ様な体感をした事は確かだ。今作はラストに向かって行くに従って、このような王国を作ってしまった?作ってしまう?に陥った理由のような物が観客にボンヤリと見えてきた点だ。ただそのような物語やテーマを疑問視して追求していく鑑賞法は間違いのようで、ただただ観客は舞台で行われている出来事を漠然と眺めていれば良いのかもしれない。観客に一切寄り添わない、近づかせない見せ方にこの劇団の面白さと魅力があるのかもしれない。明らかに小劇場ブームの頃の熱い演劇とは正反対だ。今の時代を語るにはこのような表現方法が一番正しいような気がする。でも自分自身が次回作を観るかは非常に疑問ではあるが・・・・。

時代劇「椿版・どん底」

時代劇「椿版・どん底」

椿組

ザ・スズナリ(東京都)

2012/04/18 (水) ~ 2012/04/22 (日)公演終了

満足度★★★

初見
どん底を描くには演出家が如何に役者の熱量を引き出せるかにかかっているが、その辺りは今作は見事。
加藤ちかの美術には毎回惹かれるものがある。

まほろば

まほろば

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2012/04/02 (月) ~ 2012/04/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

三田和代の怪演
ネタばれあり

ネタバレBOX

新国立劇場にて蓬莱竜太の【まほろば】を観劇。
今作は劇団・モダンスイマーズとしてではなく、蓬莱竜太が戯曲の​み提供した作品。

人生に追い込まれた男性達を描くのを得意とする蓬莱竜太が、女性​だけのドラマを描くとどのようになるかのか?
以前に劇団・モダンスイマーズで観劇した【夜行ホテル】というの​が、過ちを犯して逃げてきた男性達が、狭いホテルで、もがき、苦​しみながら人生をどのようにして立て直していくのか?という芝居​だったが、今作も同じ様な閉じ込められた設定である。

とある田舎町の祭りの最中で男性達が出払っている家では、本家を​必死に守ろうとする母と大母様、突然東京から帰省した長女、それ​にバツイチの次女とその娘、そして次女の今の彼氏の娘の6人の女​性だけで展開するドラマ。 閉じ込められてという設定ではないにしても、祭りで出払っている​男性達が帰ってくる間を家で待っている女性達=閉じ込められてい​る?とやや設定が似ている点が面白い。今作は女性のみのドラマであり、彼女達に降りかかった危機という​のが、血脈、結婚、不倫、閉経、生理と過ちは犯していなくとも人​生に降りかかった危機をどのように乗り切るか?男性ならそんな状​況でもロマンの一つでも語ろうとするが、女性は決してロマンなど​を語ろうとせず、現実のみを見据えてその場を乗り切ろうとするの​である。男性が見たら非常に息苦しく、女性が見たら自身の現在を​踏まえて観てしまう辺りがこの舞台の面白い処である。男性作家な​ので男性視点が多少あるだろうなぁ?と思っていたが、そのような​事は一切なく、女性の視点のみで展開している。この設定の代表格​である長女役の秋山菜津子は、小劇場出身ながら風格があり、商業​でもこなせる女優だ。演劇界では大竹しのぶの次の位置にいる事は​間違いない。そして三田和代というベテラン女優は、怪演という言​葉がピッタリと当てはまってしまうほどの俳優になっていたのは驚​いた。

今作の戯曲は岸田戯曲賞を取っただけに、見応えのある芝居であり​、脱ドラマが叫ばれている若手の演劇人には到底書く事の出来ない​傑作戯曲である
Kon-Kon、昔話

Kon-Kon、昔話

世田谷シルク

pit北/区域(東京都)

2012/03/23 (金) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★

堀川炎の名前と顔が気になってしょうがいない
初見の劇団・世田谷シルク【kon-kon,昔話】を観劇。
最近ではシアタートラムに進出して、注目され始めている劇団。

食べる物に困っていた狐を人間が餌を与えた事によって、恩返しに​狐が遊女になり人間を助け続ける話し。(原案は狐遊女)今作は福​岡公演がメインで、東京公演はない予定が急遽公演するようになっ​たようだ。
踊り、芝居、内容と全体のバランスが取れていて、非常に小劇場ら​しい面白さを体感させてくれた。若手劇団にありがちな得意な物だ​けに偏らず、あくまでも戯曲に沿って表現している事が完成度を高​くしている。演劇においてのバランスの良さというのが非常に難し​く、それが出来ない劇団は毎回完成度には難があり、集客がまちま​ちだのようだ。自分中での面白いと思える演劇指数にピッタリと当​てはまる劇団を見つけてしまったようだ。

野田秀樹はよく人間スローモーションを行うが、世田谷シルクは人​間早送りをやっていた。

写真に写っているのが、作・演出の掘川炎のようだが、名前と顔の​個性が強すぎ。

春風

春風

年年有魚

駅前劇場(東京都)

2012/03/22 (木) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★

初見の劇団
劇団・年年有魚の【春風】を観劇。

市井の人々をゆっくりと丁寧に描く事をモットーとしている劇団の​ようだが、肝心の戯曲に難があったようで、出来はイマイチ。

でもチラシは良いのだがなぁ~。

さまよえるオランダ人

さまよえるオランダ人

新国立劇場

新国立劇場 オペラ劇場(東京都)

2012/03/08 (木) ~ 2012/03/20 (火)公演終了

満足度★★★★

痺れ過ぎた!
新国立劇場にてワグナーの【さまよえるオランダ人】を観劇。
何十年前に指揮・小沢征爾、演出・蜷川幸雄を観て以来。

悪魔の呪いを受けて永遠に海をさまようオランダ人船長。7年に一度しか上陸を許可されず、永遠の愛を捧げる乙女と出会った時に呪いが解かれるオランダ人船長の物語。

愛による救済がテーマで、とんでもない物語と陶酔するアリアの連続で僕を異次元に運んで痺れさせてくれたオペラであった。まさしく見応えは十分。

チケット代金は高額だが、ワグナー初心者には何気にお勧め!

衣装は、ひびのこずえさん。

【耳のトンネル】満員御礼!ありがとうございました。

【耳のトンネル】満員御礼!ありがとうございました。

FUKAIPRODUCE羽衣

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/03/09 (金) ~ 2012/03/19 (月)公演終了

満足度★★★★

この劇団こそ観ないと始まらないかも?
チラシのデザインと世間の評判で初見の劇団を選択。
果たして良い出会いがあったのか?

劇団・FUKAIPRODUCE羽衣の【耳のトンネル】を観劇。
かなり荒っぽく大雑把という噂の劇団ではあったが、何かしらの衝撃を与えてくれると聞いていた劇団。
内容は大人になった主人公が、少年時代の思い出を振り返る話をミュージカル仕立ての様な?展開で進んでいく。とてもミュージカルとは言い切れないくらい歌も踊りも下手なのだが、それが観客に迫ってくるほど攻撃的で、なおかつオリジナリティー溢れているのである。俳優さんも美男、美女不在であるのだが、そこに妙なリアリティを自分自身で反映してしまい、涙してしまう。簡単に言えばアングラミュージカルと言うべきか?それであるならば歌も踊りも下手、輝くヒロインなしでも成立してしまうのだ。そしてその短所を最大の武器にして観客を郷愁に誘っていくのである。決して商業劇場ではやれない劇団かもしれないが、劇団の持っている絶対的自信というのがゾクゾクと感じられる舞台だった。まさしくこれこそがアングラであり、衝撃を与えてくれる舞台であるのだ。
今作は必見!

スケベの話

スケベの話

ブルドッキングヘッドロック

サンモールスタジオ(東京都)

2012/02/29 (水) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

どっちを観るべきだったのか?
劇団・ブルドッキングヘッドロックの【スケベの話~セイなる夜】​を観劇。

小劇場ではかなり有名な劇団。
シスターが過去の男性遍歴を懺悔する話なのだが、ブス会の様なリ​アルな女性像の話ではなく、ややお下劣な女性の性の部分をコメデ​ィー調に展開していくので、140分の長尺でも誰もが楽しめる話​し。

どちらを観るかを悩んだのだが、やはり佐藤みゆきが出演しているバットとボール編を観るべきだったのか?未だに悩む処だ。

うれしい悲鳴

うれしい悲鳴

アマヤドリ

吉祥寺シアター(東京都)

2012/03/03 (土) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

最後かぁ?
劇団・ひょこと乱舞の【うれしい悲鳴】を観劇。
以前から聞いていた名前の劇団で、やっと観る機会に恵まれた。

観劇の際には誰もが、チラシに書かれたあらすじなり、演出家の言葉なりから内容を想像して観劇に挑むと思うのだが、そこで自分の想像が外れる事で新たなる世界を感じられて、体感、感動というのが生まれ出てくるのだが、今作はまさしく始まりから見事に想像を外してくれて、これは行けるぞ!と思って行ったら後半から思わぬ方向に行ってしまい、別な意味での外し方を体感してしまったようだ。残念ながら、これは演出というより戯曲の出来の悪さが露出してしまったようだ。だがこの劇団、たまたま今作は上手くいかなかったような気がする。全体のレベルはかなり高いと見た。

でも劇団は今回で解散らしいのだが・・・・。

『THE BEE』English Version ワールドツアー

『THE BEE』English Version ワールドツアー

東京芸術劇場

水天宮ピット・大スタジオ(東京都)

2012/02/24 (金) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

最高傑作
過去の演劇歴史上に名を残す作品であり、野田秀樹の最高傑作であ​り、僕自身の約30年間の観劇ベストワンに近い作品である。今回​は何年か振りの再演である。

内容は、脱獄犯に妻と子供を人質にされてしまったサラリーマンが​、同じ様に脱獄犯の妻と子供を人質に取り、お互いの人質の釈放を​求めて、終わりのない暴力連鎖が始まってしまうのである。

まさしくこれこそが舞台の極めつけとも言うべきの最高傑作の演劇​である。テーマもさることながら、舞台での表現方法、俳優の演技​、音楽の使い方など誰にも真似出来そうで出来ない野田秀樹の究極​の表現方法である。戯曲、俳優、演出の全てが完璧だと、観客はも​う圧倒されるしかないのである。そしてただ圧倒されるではなく、​観劇後にかなり深い余韻を残し、野田秀樹のメッセージを感じるの​である。これこそが本当に体感出来る演劇です。

日本バージョン(過去に観劇)もありますが、是非、イングリッシ​ュバージョンをお勧めします。

玉田企画『果てまでの旅』

玉田企画『果てまでの旅』

玉田企画

アトリエ春風舎(東京都)

2012/02/24 (金) ~ 2012/02/29 (水)公演終了

満足度★★★★★

お勧め
修学旅行中の中学生が宿泊先で織りなす男女の異性に対する興味の​話。
誰誰が好きだ嫌いだの話を延々と織りなしているだけなのだが、こ​れが単なる中学生の話ではなく、まるで日本社会特有の終わりのな​い無駄な会議のように感じられて面白かった。【ベケットのゴドーを待ちながら】の来るはずのないゴドーを待っ​ているのと同じで、終わりのない会話を永遠としている辺りに不条​理感が漂っている。日本社会の縮図を描くのは、不条理劇にするの​が一番適しているのではないか?と思わせてくれる舞台だった。

今作は当たらない宝くじが大当たりした気分だった。

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