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まほろば
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公演情報
新国立劇場「
まほろば
」の観てきた!クチコミとコメント
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住み込みの女(536)
満足度
★★★★★
三田和代の怪演
ネタばれあり
ネタバレBOX
新国立劇場にて蓬莱竜太の【まほろば】を観劇。
今作は劇団・モダンスイマーズとしてではなく、蓬莱竜太が戯曲のみ提供した作品。
人生に追い込まれた男性達を描くのを得意とする蓬莱竜太が、女性だけのドラマを描くとどのようになるかのか?
以前に劇団・モダンスイマーズで観劇した【夜行ホテル】というのが、過ちを犯して逃げてきた男性達が、狭いホテルで、もがき、苦しみながら人生をどのようにして立て直していくのか?という芝居だったが、今作も同じ様な閉じ込められた設定である。
とある田舎町の祭りの最中で男性達が出払っている家では、本家を必死に守ろうとする母と大母様、突然東京から帰省した長女、それにバツイチの次女とその娘、そして次女の今の彼氏の娘の6人の女性だけで展開するドラマ。 閉じ込められてという設定ではないにしても、祭りで出払っている男性達が帰ってくる間を家で待っている女性達=閉じ込められている?とやや設定が似ている点が面白い。今作は女性のみのドラマであり、彼女達に降りかかった危機というのが、血脈、結婚、不倫、閉経、生理と過ちは犯していなくとも人生に降りかかった危機をどのように乗り切るか?男性ならそんな状況でもロマンの一つでも語ろうとするが、女性は決してロマンなどを語ろうとせず、現実のみを見据えてその場を乗り切ろうとするのである。男性が見たら非常に息苦しく、女性が見たら自身の現在を踏まえて観てしまう辺りがこの舞台の面白い処である。男性作家なので男性視点が多少あるだろうなぁ?と思っていたが、そのような事は一切なく、女性の視点のみで展開している。この設定の代表格である長女役の秋山菜津子は、小劇場出身ながら風格があり、商業でもこなせる女優だ。演劇界では大竹しのぶの次の位置にいる事は間違いない。そして三田和代というベテラン女優は、怪演という言葉がピッタリと当てはまってしまうほどの俳優になっていたのは驚いた。
今作の戯曲は岸田戯曲賞を取っただけに、見応えのある芝居であり、脱ドラマが叫ばれている若手の演劇人には到底書く事の出来ない傑作戯曲である
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2012/04/14 09:53
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