よしの観てきた!クチコミ一覧

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軍鶏307・改訂版

軍鶏307・改訂版

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2012/05/11 (金) ~ 2012/05/28 (月)公演終了

満足度★★★★

気迫あふれる公演…ただ台本には疑問も
以前見た「蟹」があまりに素晴らしく、今回も期待して行きました。

結論からいえば、今回も気迫が伝わってくる上演で、
また、今回も役者自身が衣装を付けたまま、
受付や会場案内等も親切にこなすシステムでした。
冒頭のコーラスも斉唱(ユニゾン)ながら声が揃っているし、
手抜かりはない。舞台装置が凝っていて素晴らしいのも相変わらず。

話は、先の大戦の、戦中から戦後の混乱期の話。
ただ、話の、特に前半部にはちょっと疑問が。
(以下ネタバレ)

ネタバレBOX

はじめに、軍国夫人のような主人公が出てきて、
竹槍で鬼畜米人を刺す訓練を人一倍こなす。
周囲からは拍手が・・・。

ところが、息子の応召には、何としても抵抗しようとして、
今度は周囲からは非国民呼ばわり。

天皇陛下の悪口まで言い出し、憲兵に連行されたり。
そして、息子は戦死し、彼女は精神を病む。

しかし、どうしてこの人がこのような二面性を有しているのか、
私には腑に落ちなかったのが正直なところ。

それから、(反戦ものの演劇ではよくあるのだが)現在の価値観で
当時の思想を批判する、というのは、私はあまり好まないのだが、
息子の応召に対する彼女の台詞は、いかにもそれであった。

要は私としては前半の彼女についての上記2点が、
まずは気になってしまった。

もっとも、以上は、この芝居の初めのエピソードに過ぎず、
話はここからさらに、どんどんと展開していく。
そこには、やはり見所も多くて、この劇団の底力を観たような気がした。
ただまあ、前に観た「蟹」の方が、ストーリー性も優れていたかなあ。

そういうわけで、某ライバルサイトの評価方法にならって
ストーリー 2P
演出    4P
キャスト  5P
音楽    5P
としました。ストーリーには辛い評価ながら、
他は高評価ということで、総合評価は星4つとしました。

終演後は、バックステージツアーもやってくれて、
この凝った舞台装置を近くで見せてくれるなど、
サービス精神も相変わらずでした。
東京バンビ『他人の確率』御来場ありがとうございました!次回は10月!お待ちしております!

東京バンビ『他人の確率』御来場ありがとうございました!次回は10月!お待ちしております!

元東京バンビ

OFF OFFシアター(東京都)

2012/05/04 (金) ~ 2012/05/15 (火)公演終了

満足度★★

私には良さが分からなくて・・・
皆さん高評価ばかりなので気がひけますが、
個人的には面白さが分かりませんでした。

(以下ネタバレにします)

ネタバレBOX

同性愛者や人工授精、それに「駆落ち依存症」という人達までが
登場する芝居。

私自身は正直、同性愛というのは理解できない世界で、
周囲の知人には一応いないし(隠しているのかもしれないが)、
一度、某相談会で、相談に来た男性から、
「君は白い手をしているね、握ってもいい?同性なら犯罪とかにならないでしょ」
などと言われて、引いてしまった経験もある。

しかし、美輪明宏さんの体験談などを聞くと共感したりもする。

そんなわけで、「同性愛」「シェアハウス」「差別意識」という本題にしろ、
また人工授精で宿った命や(それを軽んじた台詞もあったようだし)、
「駆落ち依存症」についても、そういう人が登場しただけ、という扱いで、
要は、もっと考えられるべきで、もっと掘り下げることの可能なテーマについて、
ただ、表面的な取り上げで終わっていたのではないか?

少なくとも私にはそう感じられた。
(偏った見方と批判されれば、別に反論は致しませんが。)

そういえば、長い前説でも「飲食禁止」について
「どうしても我慢できない方はアフリカの飢餓の子供を思い出してください」
というのがありましたけど、これも私には笑えなかった。
(いわゆる言葉狩り的な「差別用語(とされているもの)一律禁止」には
私は反対の立場ですが)
パパ、アイ ラブ ユー!

パパ、アイ ラブ ユー!

タクトプレイ・プロジェクト

駅前劇場(東京都)

2012/05/06 (日) ~ 2012/05/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

見せ場も多く、良くできた台本
会場に入ると、季節外れのクリスマスソングが流れ、
舞台上にはクリスマスツリーも。
う~ん、やっぱり今の時期には合わないな、せめて秋から冬の間にやってほしいのに、と思った。

ところが、いざ公演が始まると、なにしろ面白い!
前にも他公演で書いたことがあるが、

外国の台本って、1つは洗練されていて、それと、
話が緊密にできていることが多いように思う。
(もちろん、洗練されていなくて、かつ緊密でなくても
素晴らしい作品はいくらでもあるのだが)


「若気の至り」の発覚を避けようと、嘘に嘘を塗り重ねていく、
しかし、他の人物が登場して、嘘がばれそうになると、
さらなる嘘でごまかしていく…。
まあ、それだけと言ってしまえば、簡単だが、
あまりにおかしくて、笑い疲れるくらいであった。
(「緊密」の話の余談だが、三谷幸喜の「君となら」などは、
ただ嘘が塗り重ねられていくばかりでなく、
ついた嘘が別の意味で事実と符合するなど、一層緊密かもしれない)

そんなわけで、観終わった後は、何とも言えない爽快感!
冒頭の季節はずれの違和感もどこかに吹き飛んでしまった。
(でも、年末に観たら、さらに相乗効果もあったかも?)

時の女

時の女

路地裏月光堂

シアター711(東京都)

2012/05/04 (金) ~ 2012/05/07 (月)公演終了

満足度★★★★★

照明や横道脱線による効果抜群
(素晴らしい作品だったので、お知らせしたい意味もあり、
取り急ぎの投稿をしましたが、内容についてほとんど触れていなかったので、今回書き直しました。)

素晴らしかったです。

ただ、この素晴らしさを言葉で表現するのは少々大変です。
1つ言えるのは、独特の雰囲気を常に感じさせていて、
それをやや暗めの照明や、横道に逸れた部分の効果により、
優れたものになっているということです。

つまり、「筋書き」としては、いわゆる「ベタな人情話」と言えるだろう。
ただ、この演劇はそれほど単純でないのだ。

何だか分からない人(怪しい人も多い)が、次から次から出てきて、
本筋と関係無い話を、かなり時間を取って繰り広げて行く。
つまりは、オムニバス的とも言えなくはない。

それから、舞台上も、基本的には暗く、照明が効果的に用いられている。
これにより、寄り道脱線の多い話の進行と相まって、
不可思議というか、独特の雰囲気を常に湛えている。

もちろん、素晴らしい効果を支えているのは、達者な演技の役者陣で、
主宰のコビヤマ洋一(役としては脇役だが)や、善人か悪人か不明の松岡哲永らが特に記憶に残っているが、
とりわけ紅一点の山崎美貴の演ずる、薄幸な、
しかし明るい美人の奥さん役に、強い存在感を感じた。

ネタバレBOX

まったくつまらない突っ込みですが、あの時代の救急車、
サイレンの音は今とは違っていたと思うのですが・・・。
首無し乙女は万事快調と笑ふ!

首無し乙女は万事快調と笑ふ!

ポップンマッシュルームチキン野郎

サンモールスタジオ(東京都)

2012/05/12 (土) ~ 2012/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★

切ない良い芝居、だが前半の「笑い」部分が少々うるさかった、かも?
一応、ナチス・ドイツを素材として、その素材を自由に用いた内容である。
人造人間というかサイボーグというか、独特の能力を与えられた者や、
タイトルロールでもある、首だけの女性、
それに、その手のものを研究している研究者、
さらには、大戦下で虐待・虐殺の対象となるユダヤ人やポーランド人、
ソ連の侵攻等が起きる中でのドイツ軍人たち、
こういう登場人物が織りなす物語である。

この劇全体を貫いているのは、哀しい話であるが、
しかし特に前半は、ワイドショー的、あるいはクイズ番組的な
喜劇的要素が多く、笑いも多い作りである。
ブラック・ユーモア的なものも多く、その着想の奇抜さと豊富さには
敬服せざるを得ない。

ただ、多分に私の好みの問題かもしれないが、この作品については、
「笑い」部分と「本筋」部分が別物のように感じられてしまった。

最近私が観た作品の中では、例えば、古典であるシェークスピア「十二夜」
http://stage.corich.jp/watch_done_detail.php?watch_id=145206
や、路地裏月光堂さんの「時の女」
http://stage.corich.jp/watch_done_detail.php?watch_id=147060
など、本筋はしんみりさせるものでありながら、かなり強烈な笑いの要素が挿入されているものを観ていて、
そちらでは、相反する要素が、他方の邪魔をすること無く、
むしろ相乗効果を上げていると思える。

しかし、本作では、前述のような「TV番組的」笑いが、
本筋と別物であり、やや「本筋」の足を引っ張っている箇所もあるように感じられた。あくまで私の感じ方であるが。

さて、役者陣では、(これも個人的感想だが)何といっても、
首だけの女性エマ役である小岩崎小恵が秀逸と思えた。
彼女の表現は、首から上だけの動きと、顔の表情、そして台詞回しだけに限られるのだが、ピュアーな性格が見事に表現され、
そしてそのピュアーさゆえの切なさも伝わっていたと思う。

そして、後半は、諧謔的要素は影を潜め、ラストは
エマと科学者の2人だけになる。
この幕切れも効果的に思えた。

評価は一応☆4つにしました。
前半が残念なので3つにしようかとも思いましたが、
ラストが良かったので、今回は4Pとしました。

エソラゴト

エソラゴト

NICEPLAN

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2012/05/11 (金) ~ 2012/05/13 (日)公演終了

(20分遅刻してしまったので、断定的なことは言えませんが)
はじめに、この日は2つ掛け持ちで、こちらが後の部だったので、
前の部が終わり、移動して、途中で食事をしたり、空き時間をつぶすなどして、
時間的には十分余裕があって、遅刻するはずはないのだが、
結果的に20分も遅刻してしまった。
しかも、公演時間は50分。つまりは後半30分しか観ていないことになる。
そんなわけで、全部観ていないので☆の評価は空欄にしますが、
観た部分だけで言えば☆3つくらいでしょうか?
観た部分についてはネタバレにしますので、
ここではもう少し遅刻の話。

実は、時間をつぶし過ぎたのは確かだが、
それでも最寄りの江戸川橋には10分前には到着し、
普通に歩いても5分前には入れるはずだった。
頻繁にここに行っているわけではないが、初めての会場でもないし。

ところが、地下鉄の出口を間違えたようで、
地上に出ると見たこともない風景に・・・。
スマホの地図も出したりしたものの、
「絵空箱」でヒットした位置は、道路に面していないし、
どうもこれまで行った時の位置と違うようで・・・。

で、多分こちら、と思われる方向を目指したが見当たらず、
人に聞いても分からず、周囲をうろうろしても駄目で、
結局駅まで戻ることにしただ、駅の方向も分からなくなっていて、
駅まで戻って劇場にたどり着いた時には、すでに20分遅刻状態。
こういう経験は初めてで、目標物が無く分かりにくい場所にある劇場へ
行くときの怖さを思い知った次第。

ただ、たどり着いたときに分かったのが、
開演すると、ここの外の看板というか電気、消えているんですよね。
これまで遅刻したことなかったので、
それらしき看板が見つかると思っていて、それを頼りに探していたので、
近くまで来ていたものの見逃したらしい。

もちろん、迷って遅刻したのは自己責任ということにしても、
この界隈で電気を消されると非常に分かりにくいのも確かで、
その辺は再考をお願いしたい。

(以下ネタバレ)

ネタバレBOX

私が到着した時は、まだカップルが重い雰囲気になる前で、
ややひねくれた、しかし基本的に仲が良い状況であった。

その後、女性からの重い「告白」すなわち、
一度の「過ち」が語られる・・・。

そのあと、男性から、やはり重い台詞が語られるが、
「煩悩を踏み越えて」(でしたっけ?)で、突然女性が大笑いし出すのが、
どうも私には付いていけなくて・・・。

そして、鎌倉デートになって終わるのだが、
あくまで観た部分のみの話として言えば、
こういう舞台装置も振りもほとんどなく、
もっぱらセリフ中心でリーディングに近いとも言える作品では、
観る側の想像力をかき立てる内容の方が相応しいように思えた。
「遊園地」「過ち」「鎌倉」・・・もちろん、こちらも空想はできなくないが、
本当は、具体的な部分よりも、
もっと受け手の自由な空想をかき立てる内容の方が良かったかな?
というのが私の勝手な、かつ後半のみ観た者としての感想です
罅割れた盾 〜さらばとだにも言ひて別れむ〜

罅割れた盾 〜さらばとだにも言ひて別れむ〜

劇団パラノイア・エイジ

「劇」小劇場(東京都)

2012/04/28 (土) ~ 2012/05/06 (日)公演終了

満足度★★★

「政治思想」と「演劇芸術」の問題
堅いタイトルを付けてしまいました。
正直、この劇のレビューを書くのは、少々気が重く感じています。

演劇団体・演劇人には、「反戦」「戦争の悲惨」を取り扱うところが
結構多いです。

もちろん、「思想の自由」「表現の自由」がありますから、
構わないと言えば構わないのですが、えてして、
「芸術としての」演劇というよりも、政治思想のプロパガンダみたいに
感じることが多いのです。

その場合、「芸術を政治思想のプロパガンダに使わないでほしい」と
いつも思ってしまいます。

ただ、(ここまで書いたので、ばらしてしまいますが、)
私は「空想的平和主義」や「日本軍=悪」のようなステレオタイプの思想には
反対の人間で(もちろん、色々の考えの方がいらして良いと思っていますよ、
念のため)、そのため、一層そのように感じてしまうのかな?などと
常々思っていたのです。
つまり、今回の演目については、私の立場では「思想」としてならば、
全く共感できるのです。

でも、今回の演目がもし「改憲集会」でのPRとして上演されたのなら、
むしろ、よりピッタリ感じてしまうだろうな、と、どうしても思えてしまいました。

(以下、少々のネタバレ)

ネタバレBOX

例えば、前半は、何とも嫌らしいジャーナリストの活動や、
娼婦に身を落としてしまった特攻隊員の妹の話が目に付くわけですが、
こういう、「特攻を悪しざまに言う」人々が、嫌悪感を感じるように描かれ、
しかし途中でスッと消えてしまう・・・。

そして後半は、特攻隊員の生き残りが地味ながら堅実に生きているさまや、
パラオのような親日的な国の存在が描かれますが、
つまりは、この劇の作りが「善玉」「悪玉」が明確過ぎて、
そして「良い思想」「悪い思想」の紹介のように私には思えてしまうのです。

もちろん、演劇界では「こちら側の思想」が取り上げられることが少ないし、
私自身「こういう考え方をもっと知ってもらいたい」と常々考えている
人間なので、こういう屁理屈みたいなことをいうことに、
かなり抵抗があるのですが、
わたしはやはり「演劇」に限らず「芸術」は、
「政治」や「思想」から独立して欲しい、と思ってしまうのです。

そういう意味で、「感性」においてスッと入ってくる公演を是非期待して、
今回は辛めながら☆3つとしました。

BUS DRIVER【終了致しました。ご来場誠にありがとうございました!】

BUS DRIVER【終了致しました。ご来場誠にありがとうございました!】

机上風景

タイニイアリス(東京都)

2012/04/27 (金) ~ 2012/04/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

モノローグが織りなす原初的・根源的な世界
前回「このまちのかたち」では、「台詞が聴こえなかった」ということで、
あえて辛い評価(☆2)をしました。
でも、黒くて、ほとんど小道具がなくて、そして照明が印象的な舞台美術は、
今でも鮮明に覚えています。
そして、なにやら原初的・根源的なものへの回帰・回想とでもいうか、
そういう他劇団では味わえない世界を紡いでいるように思います。
(無論、象徴的手法と括ってしまうことも可能でしょうが。)
前回、辛い評価にしてしまったのは、
「台詞がぎりぎり聴こえていれば、素晴らし過ぎたのに」という、
ある種の大変残念な思いが、私の潜在意識にあったからかもしれません。

今回は、バスの運転手が主人公で、
バス車内を模したように椅子が配置され、
つまりは決して奇をてらうものはなく、一見平凡とも言える装置。

しかし、公演が始まると、やはり、前回同様独特の世界がステージ上に
存していることに気が付きます。
(以下、軽いネタバレ)

ネタバレBOX

この芝居、「会話」は無いわけでもありませんが、
基本的に「長い独白(モノローグ)」仕立てなんです。
話す相手はいるけれども、一方的に話す・・・。
実質的には独白。
最初は運転手、次におばさん、幼馴染のその娘、
やはり幼馴染のベトナム人娘、ぎくしゃくしている実母、そして亡兄・・・。

そして、これらモノローグは運転手の想像?幻想?
特に、亡兄まで出てくるのだから、現実でない設定と
理屈では一応言えましょうか。

でもね、何が非現実で何が現実か、
そんなに簡単には判別できないのではないのか・・・?
そう思わせる何かがこの芝居にはあります。

かといって、決して堅い作りではなく、今回は笑いの要素もふんだんに
取り入れられています。

前作について冒頭に書いたことの繰り返しになりますが、
もっとも根源的で、もっとも真なる存在って、
もしかしたら、この劇団が毎回追求し、表現しているものなのではないか?
そんなことを強く思わせる、特異な、そして得難い劇団です。
楽屋

楽屋

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2012/03/22 (木) ~ 2012/03/29 (木)公演終了

満足度★★★★

やや控えめに感じられた「楽屋」
少し時間が経ってしまいましたので、簡潔に。

控え目に感じられたのは、同じ演目で、半年ほど前に観たこちらの公演が
衝撃的だったため。

http://stage.corich.jp/watch_done_detail.php?watch_id=116362

で、ただ比較されたのでは、だるまさんも面白くないと思いますので、
この公演の良かった点を書きますが、良い意味での上品さというか
落ち着きが感じられた点。

もちろん、この台本にはドロドロした情念のようなものはあるのだが、
クラシックで同じ曲でも演奏者によってかなり解釈が異なるのと同様、
落ち着きや余韻のある上演になっていたと思います。

仰げば尊しっ!

仰げば尊しっ!

風凛華斬

シアター風姿花伝(東京都)

2012/04/27 (金) ~ 2012/04/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

あまりにバカバカしいのですが・・・でも面白かった
今、観終わったばかりで、目白駅前マックでノートPC使って書いてます。
この後、18時から最終公演があるそうで、
チケットも余裕あるとのこと(笑)
この書き込みを見て、今から行こうという人はまずいないでしょうが、
標題のとおり、とても楽しめました。

卒業式が出てくる話かと思ったら、そうではなく、
学校ものなのですが、教師役の方が圧倒的に多い・・・。

その教師の面々が、いわゆるトンデル人達ばかりで、
「こりゃ、生徒のキャラじゃない?」と、初めはちょっと引いてしまった私(笑)

で、最初は、何が起こっているのか明かされないし、
もしやこれから観に行く人がいると、
ネタバレしない方が絶対楽しい内容なので、
詳しいことは控えますが・・・

しかし、世の中に絶対あり得ないような話で、
まったくもって下らないのですが、
でも、面白いシーン満載で、実に実に楽しめました!

でもまあ、100%下らないのではなく、
悪だくみに手を染める悪役(大袈裟)がいたり、
その他様々の人間模様も取り入れられていて、
感心させられることもあります。
(以下核心的でない(けど観る方は読まない方が良い)ネタバレ)

ネタバレBOX

前回大活躍されたちょこさんが、今回は女教師とその弟(男役)の生徒
という、脇役ながら2役に挑戦!
しかも、女教師役ながら弟に男装するというややこしいシーンもあったり、
強大ながら性格が違う設定なので、今回も別の意味で大活躍でした。

また、「使用前」「使用後」の落差が激しい内藤先生役ですが、
後でプログラム見たら、2人の名前があったので、
1人で演じたのではなく、途中で入れ替わったのかな?
(それともダブルキャスト?)
後半の姿の内藤先生にお会いしましたが、
もちろん、お美しくいらしたものの、公演中と違い清楚な印象でした。

最後に「名演説」が聴けるのかと思いきや、
それ無しに終わってしまったのはちょっと拍子抜け、かも。
でも、それが「アンケート企画」にも結びついているので、
面白い企画なのかな?(これも詳しい言及は避けています)
FIRELIGHT

FIRELIGHT

たすいち

吉祥寺シアター(東京都)

2012/04/27 (金) ~ 2012/04/30 (月)公演終了

満足度★★★

小劇場だったら良い芝居になったかも…
新宿のシアター・ミラクルで、連続12公演を打った+1が、
今回は、よりキャパシティの大きい
吉祥寺シアターでの公演ということで、連続公演後ということもあるし、
どのような芝居が見られるか、楽しみであった。

連続公演でも、毎回、何かしらのテーマがあって、それを元に、
話が出来上がっていたのだが、今回もやはりそのようで、
今回のテーマは「マッチ売りの少女」であった。

会場に入ると、おおおっ、舞台装置、立派ではないか!
そして、芝居が始まると、相変わらずの工夫の良さが感じられ、
期待したのだが、ところが、話が進んでいくにつれて、
やや失望…に変わってしまった。

というのは、やはり今回は中劇場だからであって、
小劇場であれば、小気味良い工夫と感じられるものが、
中劇場になると、効果の薄い小細工のように感じられてしまった。

なお、私の座席は最後列(決して嫌いではない、念のため)であったので、
なおさらそのように感じら得たのかもしれない。
最前列で観ていた方は、違う印象を持たれたかもしれない。

つまりは、中劇場の場合、例えば、役者の微妙な表情分けなどは、
前方でしか分からないわけであり、
つまりは、観る側もある意味「大味」になってしまうのは
致し方無いところ。

でも、連続公演で私が感じた+1の魅力は
細かい工夫や展開、変化の秀逸さで、
私自身、今回の劇場でそれがこれほど希薄化してしまうとは、
観て初めて分かったことであった。

今回も、筋は一直線ではなく、伏線に富んだもので、
それも、大味に観てしまうと、「なんかよく分からない非連続の場面の連続」
のようにも感じられてしまった。

私自身、一口に「演劇」と言っても、その多様性と表現手法の違いが
あることに、あらためて気付かされた次第であった。

鄭明子(韓国舞踊)

鄭明子(韓国舞踊)

駐日韓国文化院

駐日韓国文化院ハンマダンホール(東京都)

2012/04/13 (金) ~ 2012/04/13 (金)公演終了

満足度★★★★

優美な韓国舞踊
韓国大使館の施設である韓国文化院での公演。
私は、そもそも「韓流ブーム」みたいなものには興味はなく、
むしろ、伝統芸術に興味と経緯を抱いている者ながら、
韓国伝統舞踊に対する知識は全くなく、
本当はレビューを書く資格なども無いのだが、
珍しい体験だったので、感じたままを書いていきたい。

韓国の伝統芸術には、恨(ハン)の国と言われるように、
日本人には大げさと感じるほど、悲しみを泣き叫ぶようなものもあったり、
勇壮な打楽器の音楽なども数回聴いたことがある。

しかし今回は、基本的には優美なものがほとんどで、
宮廷内で踊られたものなのかな、と感じた次第。
ほとんどが女性の踊り手によるもので、
男性陣は出番も少ないし、人数も少ない。
ただ、男性役者の舞踊は勇壮なものであった。

素人目に見た感想だが、前半の群舞では、やや不揃いな箇所が
あったように思えたが、後半は素晴らしくなったと思う。

煙が目にしみる

煙が目にしみる

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2012/04/27 (金) ~ 2012/05/02 (水)公演終了

満足度★★★★

後半がより面白かった!
前回は結婚式の物語だったことに、なにやら合わせたのかもしれないが、
今回は、お葬式、というよりも、火葬場での話である。

もちろん、この台本はだるま座さんの書下ろしではなくて、
私もかなり前、多分他劇団で、もっと広いホールで見た記憶もあるもの。
今回は小劇場なので、より濃密な舞台だったが、
前回は、うろ覚えながらもっとゆったりした雰囲気もあった気がする。
(これは好みの問題でしょう)

正直、前回の話が面白すぎて、前半から、見所満載だったのに比較すると、
今回は、前半はちょっと大人し過ぎる気がした。
鋼板の中せるシーンはさすがだし、また、今回はお婆ちゃん役の
剣持さんも相変わらず芸達者で、笑わせたり、イタコ役でほろりとさせたり。
ただ、私の祖母が、「自分の子供に先立たれることほど、辛いことはない」
と時々言っていたことを思い出し、
お婆ちゃん役は「面白役」だけで良いのかな? とも思った。

なお、私は中央の通路に面した中ほどの席に座ったが、
ここは、天井にあるクーラーの吹き出し口の真下。
開演前は、何度か、劇団の方が「寒い方は?暑い方は」と聞いてくれたし、
強い冷風が出ていたわけでもなかったので、
さほど気にならなかったのだが、開演後、クーラーが強くなって、
かなり寒い思いをした。事前に配られた毛布も肩に掛けたのだが…。
しかも、お芝居が始まっているので、「寒い」と告げる係員もいない。
私自身、今日は油断して薄着で来てしまったせいもあるのだが。
終演後、外へ出ても少々寒いくらいの陽気で、
本当にクーラーを入れる日和なのか?
たしかに、開演直前に「暑い」に手を挙げた方も、
数名後方にいらしたのだが、劇所まで歩いてきたらそれなりに体が温まることも考慮して頂きたい。

春を忘るな ご来場ありがとうございました!!!

春を忘るな ご来場ありがとうございました!!!

ウンプテンプ・カンパニー

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2012/04/09 (月) ~ 2012/04/16 (月)公演終了

満足度★★★★

【竹組】象徴主義的、あるいは夢幻能的
前回の「ベルナルダ・アルバの家」が良かったので、今回は小さいバー兼劇場であるが、どのようなお芝居を演じてくれるのか、楽しみであった。

舞台(と言っても客席と同じ高さだが)には、枯葉が敷き詰められていて、もうそれだけで独特の雰囲気。

で、前衛ではなく、台詞の一言一言は意味があるものだが、
その台詞自体はイマイチ噛み合わない。
もちろん演技の巧拙の問題ではなく、そのように作られているのではある。
つまり、具体的な出来事として筋が進んでいくわけではない。
いわば「象徴主義」的ともいえる作風で、
ちょっと言葉にし難いような超現実的な雰囲気を醸し出している。

ただ、こういうような、雰囲気という柔らかいもののみで
長く続いていくと、さすがに、硬い骨が欲しくなってくる。

そこも計算に入れているように、雰囲気は変わる。
(以下ネタバレです)

ネタバレBOX

裸になったりはしないのだが、かなりリアルな「濡れ場」が登場する。
ちょっとびっくり。
しかし、この交わった二人は、異母兄弟であったことが、
女から告げられる。

女にはだらしのなかった男であるが、しかし、兄妹相姦には深く罪の意識を感じる。
結末は、ネタバレ扱いでも書かない方が良い気がするので触れないものの、
これまでの超現実的というか、象徴主義的雰囲気も、
得心がいくように出来ている。

というわけで、劇の作りとしては、やや前半部が長過ぎるのかも
しれないが、面白い趣向であったと私は思う。

ところで、もしかしたら源氏物語の影響もうけているのかな?
そんな気もした。
というのは、光源氏も若い頃は、いわばガールハンターで、
華やかな女性遍歴が長い物語の前半では繰り広げられるが、
「若菜」刊で物語は暗転…そこからは逆に、
自分の過去の罪~義母藤壺への思慕~を、認識させられることとなる…。
そういう、華やかな女性遍歴の前半~近親相姦の罪…という構成に、
共通項を感じた次第(そういう意図はなかったかもしれないが)。

あるいは「夢幻能」的かもしれない。
つまり、結局語っていたのはこの世のものでは無かった、
と解釈可能なので。

さて、残念なのは生演奏(凝っているが)の音楽である。
もっとも、前半部初めメインはピアノソロであり、これは良かった。
ところが、この公演は「竹組」と「梅組」という2組による
ダブルキャストで、しかも、俳優として出演しない組が、
生演奏に回るという。
これも趣向としては面白いものなのだが、
しかしながら、はっきり申せば、こちらは下手であった。
元々が役者なので、打楽器等、高い演奏技術を要する楽器は
担当しないのだが、それでも、「音に魂が籠っていない」のではなかったか。
唯一、三味線の担当がいて、プログラムに挟み込んであった告知によると、
交替制をやめて、いわば「三味線専任」となったそうで、それなりに期待もしたのだが、難しい楽器だけに、音を出すのが精いっぱいというところ。
やはり、音楽は専門の演奏家に任せた方が良かったのではないだろうか?
シェイクスピア「十二夜」

シェイクスピア「十二夜」

チョコレートカンパニー改めディ・ショコラーデ

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2012/04/12 (木) ~ 2012/04/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

見事な聖・俗の魅力の交錯
「十二夜って昔読んだ気がするけど、どんな話だったかなあ」
と思いながらも、予習もせず会場へ。

話が始まって、「あっ、あの話か!」とすぐ思い出しました。

年がばれるかもしれませんが、かなり昔、NHK教育の「大学講座」で、
今回の台本の翻訳者小田島雄志先生が
数ヶ月間熱弁を奮っておられたことも思い出して…。
あの番組で、私はシェイクスピアへの目が開かれたと言っても
過言ではありません。

それは余談ですが、始まってしばらくは、翻訳が固いように感じられて。
小田島先生は、英語原文で駄洒落が書かれているところは全て、
かなりこじつけでも日本語翻訳でも駄洒落にしたそうで、
その苦労たるや、と思いつつも、その駄洒落を現実に聴いてみると、
かなり苦しく感じられて・・・。

ところが、次第にそれが気にならなくなってきました。
要は、最初は役者も緊張していて、台詞回しがこなれていなかった模様。

それと、台詞回しのみならず、冒頭の場面など、
ちょっと良く分からないまま経過してしまったり、
(後で別人と分かったのだが)はじめにヴァイオラ(シザーリオ) を助けた
船長と、(あの)マルヴォーリオが同一人物に思えたり、で
(本当は船長と、最後の神父が、同じ役者さん)
こちらも混乱してしまったが、劇が進むにつれてグイグイ引き込まれた。

この話の最大の魅力は、シザーリオの実に切ない心情なのだが、
小暮さん、意外とさらっと台詞を言ってしまっている気もして、
「これで良いのかな」とも思ったが、観終わってみると、
変にべたつくより効果的だったかもしれない。

それと、もう1つの魅力は、言うまでもなく、悪党ども(笑)によるいたずらだが、
対マルヴォーリオ作戦が佳境に入ると、
中々秀逸の演技で、涙が出るほど笑わせてもらった。

こうした聖(純愛)と俗(悪ふざけ)との同居というか交錯が、
シェイクスピア劇の何よりの魅力だと思っているのだが、
これが上手く表現されていたため、
観終わった後も印象の強い芝居となったと思う。

ということで、欠点ももちろんある上演ながら、印象の強さで☆5つとします!

終演後、階段で小暮さんとすれ違ったので、「素敵でしたよ!」と
お声掛けしたら、思いのほか喜んで頂けました。。。。。。
自分の演技がどう観客受け止められているのかは、
分からないと思うので、良かった時は一言でも
お声掛けしたいと思っています。

OMEGA DRIVE

OMEGA DRIVE

劇団東京ドラマハウス

上野ストアハウス(東京都)

2012/04/26 (木) ~ 2012/04/29 (日)公演終了

満足度★★★

ネタが多すぎて・・・
9.11後のアフガニスタンを隣国パキスタンで取材している
TV局チーム員の話。

しかし、TV局チーム内の人間関係、現地からのレポート、
急病と手術と幽体離脱と霊界、2つの夭折、新撰組と土方・・・
とまあ、これだけで、この芝居に出てくるテーマが、
あまりに多いことがお分かり頂けるのではないか?

それから、初日で緊張があったのだと思うが、初めの頃は、大声の割には
滑舌が悪く、「七不思議のうちの左遷の理由」等もよく分からず、
またこれが、終盤の「純愛告白」とどういう関係にあるのか?とも思った。

(以下はネタバレ)

ネタバレBOX

結局この話は、奥手の男女の恋愛成就ということで終わってしまうのだが、
それまでに盛り込まれた多様な要素は、消化不良になったものも多い。
要は、この辺、もっと整理した方が良いのではないか?

それから細かい指摘であるが、2点ほど。
心筋梗塞で倒れるシーンがあるが、心筋梗塞の場合、相当の痛みがあるはずで、失神するような倒れ方はしないはず。
それから、イスラマバードを賛美する台詞で、コーランにも出ている、
というような台詞があったと思うが(ややうろ覚え)、
Wikipediaによると、パキスタンの元々の首都はカラチなのだが、
キャンベラ、ブラジリア等と同じく首都を人工都市として、
それまではサイドプルと呼ばれた街を開発したのであって、
コーラン(クルアーン)ができた頃は、
イスラマバードという地名はないし、
またマホメット(ムハンマド)が活躍したのは、
現在のサウジアラビアの西岸だけで、
パキスタンまでは遠征していないはずで、
したがってコーランには旧地名であっても登場しないはず
・・・だと思うのだが?

ただ、付け加えておけば、お隣さんはじめ、
客席からは時にすすり泣きが聞こえたりしていたのも確かなので、
私の見方がややシニカルに過ぎるのかもしれない。
時代劇「椿版・どん底」

時代劇「椿版・どん底」

椿組

ザ・スズナリ(東京都)

2012/04/18 (水) ~ 2012/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★

迫力ある演技や舞台装置
舞台装置に「迫力」というのはおかしいかもしれませんが、
劇場内に入るとすぐ、みすぼらしくて、藁が一面に敷かれていて、
何か土の臭いがするような、独特の雰囲気にまず驚かされた。

そして、そこで演技も迫真さが伝わってくる、素晴らしいものであった。
そういう意味では観に行って満足であった。
ちなみに私は自由席で、満席のため長いスタンド席に詰め込まれる感じで、
結構疲れたのも事実だが、やはり演劇の楽しさの方が上回った。

ただ、少々残念なのは、筋に一貫性があって、
しっかり話が流れて行くというよりは、
色んな事があまり脈絡なく起こってくるだけ、というような気にもなった。
そういう意味で、「なんのお話だったっけ」と振り返ると、
意外と、観る者の心に残っているものが少ない話のような気もする

へちま -糸瓜-【全公演終了!ご来場ありがとうございました!!】

へちま -糸瓜-【全公演終了!ご来場ありがとうございました!!】

文月堂

OFF OFFシアター(東京都)

2012/04/24 (火) ~ 2012/04/30 (月)公演終了

満足度★★★

怒鳴り合いが多くて・・・
個人的な好みかもしれないが、
むやみに(=必然性なく)怒鳴り合いの多いものは少々苦手で、
このお芝居にも同じように感じてしまいました。

それに、長女が頑ななまでに三女の結婚に反対することや、
しかしその後のシーンでは、かなり違った性格を見せるなども、
私には統一性が感じられず、
個々の場面で起きていることの必然性、という点で弱い気がしました。

それと、パンフレットに登場人物の家系図(?)が入っていて、
これが結構複雑な代物。
一応は私も見たのですが、劇が始まると忘れてしまって、
しばらくは関係性がよく分からなかったのです。
そういえば「隣家の乱入シーン」も同じような印象です。

怒鳴り合いシーンを置くために、家系図を複雑にして、
その他の筋立ても作られているような、
作為的な感じがしたのが残念でした。

ネタバレBOX

面白い趣向がありました。
座席に番号が書かれた紙が置いてあってそれが抽選の番号になるとのこと。
私は、見事4人の当選者のうちに入りました。

そこで頂いたものに、ヘチマの種と、その
育て方が書かれた紙が入っていたのですが、
実は、劇中にもそういう場面があったのです。

つまりは、景品の封を切ったときに、
見終わった芝居を回想させる仕掛けになっているわけで、
これは結構秀逸なのでは、と思いました。
ただ、ほとんどは落選者なので、この趣向に接せられる人は
僅かしかいないのはちょっと惜しい気がします。
まあでも、これがあったので、☆3つにしました。
のれ!ストレッチャー【無事終了いたしました!ご来場誠にありがとうございました!!】

のれ!ストレッチャー【無事終了いたしました!ご来場誠にありがとうございました!!】

KUUM17

しもきた空間リバティ(東京都)

2012/04/20 (金) ~ 2012/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★

後半は感動的だったが・・・
・・・とタイトルに書くと、前半はイマイチだったのですか?
と聞かれそうですが、個人的にはそういう印象です。

実は私も、高齢者・障害者・認知症、
そして医療同意や終末期医療の在り方、自己決定権の尊重はどこまで…
なんていう辺りに関わる仕事もしておりまして、
時々、独居老人宅や、ホーム、病院なども訪問しています。

そういう目で見ると、役者の皆さんの老け役、頑張っておられますが、
現実はもっと生気が無いことも多いし、
また個々人によりかなり違うものがあるのを経験していまして、
やっぱり「若い方が老け役としてやっている」という印象を
どうしても受けてしまいました。

そして、そういう中、スローテンポで、小さな出来事は起こるが、
まあ(チェーホフもそうですが)平凡な日常が流れて行く、という感じで、
ちょっと飽きが来ました。

後半はある意味、ぐっと劇的になります。
ここも、「自己決定権」なんて言葉を仕事上時々聞かされる立場としては、
やや「作り物」の感も個人的にはありましたが、
しかしシンプルな舞台装置の中にも美しい場面が、現れていたと思います。

前半は3P、後半は4.5Pかな、まあ四捨五入で4Pとしました。

青木さん家の奥さん

青木さん家の奥さん

劇団浜町エイト

萬劇場(東京都)

2012/04/17 (火) ~ 2012/04/18 (水)公演終了

満足度★★

【ヤングVer】途中で退席
はじめにお断りしておきますが、
私としては面白く思えなかったのですが、
客席はそれなりに笑いも取れて沸いていたことは確かです。
あるいは、役者の知人が多かったのかもしれませんが。

この台本は書下ろしではなくて、他劇団でも、
時々上演されているもののようですが、
正直、繰り返しの台詞やシーンが多く、
くどさを感じてしまいました。

ただ、「悲劇より喜劇の方が難しい」というように、
もしかして、喜劇に長けた劇団が演ずれば、
面白く観られたのかもしれません。

私が観たのは、若い役者が演ずるヤングバージョンでしたが、
なんか、若い女の子のおしゃべりの延長のような気がして、
面白く感じられませんでした。

ギタリストもいて、時々生の音も聴けましたが、
こちらもあまり出番がなく、効果音のみの担当も多く、
もったいないと思いました。

途中でお一人帰られたので、どこかで私も帰ろうかという気になり、
1時間半くらい観たところで抜け出しました(汗)

全体がこんな感じだったら☆1つにしたかもしれませんが、
途中までしか観ていないのと、笑っているお客さんも多かったので、
☆2つにしました。

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